オフィス環境のストレスとは?原因と業務に与える影響を徹底解説

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オフィス環境のストレスとは?原因と業務に与える影響を徹底解説

近年は新型コロナウイルス感染症対策により、一時的な措置としてテレワークを導入する企業が増えました。その後、流行当初に比べ情勢が落ち着いてきたことを受け、オフィス出社を原則則としたワークスタイルに変更する企業も増えつつあります。

しかし、従来のようにオフィス出社のワークスタイルに戻すことで、従業員がストレスを感じるケースもあります。ストレスは従業員や業務にさまざまな影響を与えるため、企業での対策が必要です。

そこでこの記事では、オフィスでのストレスを軽減する方法を解説します。オフィス出社にストレスを感じる理由や業務に与える影響も併せて解説するので、自社のオフィス環境を改善する際の参考にしてください。

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オフィス出社にストレスを感じる理由

ワークスタイルがテレワークからオフィス出社に戻った際、人間関係や通勤時間などにストレスを感じる従業員も多いようです。従業員が働きやすい環境を適切に整備するためにも、ストレスを感じる理由を把握しておきましょう。

 

■テレワークのほうが快適に過ごせる

長欠感情を強く感じる従業員は、テレワークの期間が長いほどオフィス出社を求められる状況がストレスになることがあります。長欠感情とは休んでいる期間が長いほど、学校やオフィスに行きにくくなる感情です。

オフィスに出社すると、ほかの従業員と顔を合わせる機会が増えるため、時には業務以外のコミュニケーションを求められることもあるでしょう。また、自宅でテレワークする場合に比べて、身だしなみに気を配る必要もあります。

特に元々コミュニケーションが苦手な人や他人からどう見られているか気になる人は、長欠感情を強く感じやすく、ストレスの負荷も大きいようです。

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■人間関係が煩わしい

オフィス出社にストレスを感じる理由の一つに、職場の人間関係があげられます。厚生労働省の「令和2年労働安全衛生調査(実態調査)」によると、仕事や職業生活に関するストレスを感じている労働者のうち、対人関係を理由にあげた人が27.0%だったことがわかっています。

これは「仕事の量・質」、「仕事の失敗・責任の発生等」に続いて3番目に多い理由です。

仕事や職業生活に関するストレス 割合
仕事の量・質 56.7%
仕事の失敗・責任の発生等 35.0%
対人関係 27.0%
会社の将来性 20.9%

※参考:厚生労働省「令和2年労働安全衛生調査(実態調査) / 仕事や職業生活に関するストレスの有無及び内容別労働者割合より」を元に作成

オフィスに出社すると、従業員同士が顔を合わせてコミュニケーションを取らなければなりません。職場の人間関係が良くない状況は、オフィス出社にストレスを感じる要因となります。

 

■通勤時間が長い

自宅からオフィスまでの通勤時間が長い場合、テレワークからオフィス出社に切り替えられることでストレスに感じる従業員もいるようです。通勤時間が長いと、心身の健康を維持するために重要な睡眠時間の確保にも影響をおよぼします。

厚生労働省の労働者調査結果によると、睡眠時間が足りない理由として、通勤時間が長いためと回答した労働者が18.7%だったことがわかっています。これは「残業時間が長いため」、「家事労働に要する時間が長いため」に続いて3番目に多い理由です。

睡眠時間が足りない理由 割合
残業時間が長いため 36.1%
家事労働に要する時間が長いため 27.5%
通勤時間が長いため 18.7%
自己啓発活動のための時間が長いため 13.3%

※参考:厚生労働省「調査研究等の実施状況」を元に作成

オフィスに出社するワークスタイルでは通勤時間が長く、その分睡眠時間が減り、ストレスを感じる従業員もいます。

オフィスでのストレスが業務に与える影響

オフィス出社のワークスタイルでは、人間関係や通勤時間などにストレスを感じる従業員も少なくありません。従業員がストレスを受けると、業務効率の低下やメンタルヘルスの不調などのさまざまな影響をおよぼします。

 

■業務効率の低下

従業員がオフィス環境による過剰なストレスを受け続けると、脳の処理能力が低下し、業務に支障を来す可能性があります。たとえば同じ業務でも、いつもより長い時間を要する、ミスが増えるなど業務効率の低下が懸念されます。

業務に差し障るほどストレスを受けている従業員が多ければ、業務全体の効率が低下し、企業の業績にも悪影響をおよぼすことにつながりかねません。

 

■メンタルヘルスの不調

うつ病や適応障害、パニック障害、自律神経失調症などの精神的な病気は、オフィス環境でのストレスによって引き起こされる可能性があります。

厚生労働省の「メンタルヘルス対策実態調査結果」によると、心の健康問題を理由に欠勤や休職事例があった企業は、全体の44.2%にも上ることがわかっています。

※出典:厚生労働省「メンタルヘルス対策実態調査結果」

メンタルヘルスの不調が続くと、欠勤や休職を余儀なくされる従業員が増え、業務全体に支障を来すかもしれません。そのため、従業員の心身の健康には、企業として注力することが非常に重要です。

従業員の健康と企業経営を両立させるためには、健康経営に取り組む方法もあります。こちらの記事では健康経営のメリットや方法などを解説しているので、ぜひチェックしてみてください。

健康経営とは?導入する目的・メリット・方法・よくある質問についてご紹介

 

■離職率の上昇

オフィス環境によるストレスが続くと、より良い環境の職場を求めて離職を決断する従業員が増える可能性があります。従業員にとっては、快適な環境で仕事ができるかどうかは重要な要素の一つです。

離職率が上昇することによって優秀な人材が流出すると、企業にとっては大きなダメージになります。また、離職率が高いオフィスは、新たに優秀な人材を確保することが難しく、企業間の競争力が弱まり、業績が悪化する可能性もあります。

オフィスでのストレスを軽減する方法

オフィス環境によるストレスは業務効率の低下や離職率の上昇など、従業員や企業にさまざまな悪影響をおよぼします。従業員のストレスは、オフィス環境の整備次第で軽減することもあります。

 

■レイアウトを工夫する

オフィスのレイアウトの工夫次第では、従業員のストレスを軽減できる可能性があります。

レイアウトの種類 特徴
同向式レイアウト 同じ方向に向けてデスクを配置
背面式レイアウト デスクを背中合わせに配置
ブース型レイアウト デスクの周囲をパーテーションやパネルで囲い、半個室の空間を作る

背後にほかの従業員や上司がいる同向式レイアウトの場合、視線が気になって業務に集中できない従業員もいるかもしれません。背面式レイアウトやブース型レイアウトなどに変更すると、周囲の視線を程よく遮断できるため、業務に集中しやすい環境を作ることが可能です。

また、ABWのように業務内容や気分に合わせて、オフィス内で働く場所を選べるようにするのも効果的です。働く場所が選べる場合、オープンスペースでは集中しにくい、静か過ぎてコミュニケーションが取りにくいといった課題の解決にもつながります。

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■バイオフィリックデザインを取り入れる

オフィス環境によるストレスを軽減するためには、オフィス空間にバイオフィリックデザインを取り入れるのも手段の一つです。バイオフィリックデザインとは、自然と結びつきたいといった人間の本能的な欲求を満たす要素を取り入れたデザインです。

オフィス空間にバイオフィリックデザインを取り入れると、視覚や聴覚で自然を感じられる環境に身を置けるため、創造や思考が豊かになるといわれています。その結果、従業員の幸福度が高まる、業務効率が上がるなどの効果が期待できます。

バイオフィリックデザインは海外の大手企業のほかに、国内の企業でも実際に取り入れられているデザインです。デザインを取り入れる空間を十分に確保できない場合は、パーテーションをグリーンパーテーションに変更する方法もあります。

 

■空調や明るさを調整する

オフィス環境の整備には、空調設備や照明機器を上手く活用し、従業員が快適に過ごせる場所を作る方法もあります。たとえば、空調設備の風が直接当たる席に座ると冷えや乾燥を感じやすいため、風除けを設置しましょう。

このほかには、ストレスを軽減するために、オフィス空間の明るさや色合いを調整しているオフィスもあるようです。

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■適切な作業スペースを確保する

オフィス内には個人の作業スペースとは別に、複数の作業スペースを準備しましょう。業務内容によっては、個人の作業スペースでは業務を進めにくく、ストレスの原因になる可能性があります。

たとえばミーティングスペースを設置すると、必要なときにすぐに打ち合わせをすることが可能です。また、オフィスの一角に集中ブースを設置すると、個人ワークに集中したいときやWeb会議をしたいときに役立ちます。

コストやスペースの関係で新たな作業スペースを設置できない場合は、パーテーションで区切るのも手段の一つです。

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■清掃・整理整頓を徹底する

清潔感のないオフィス環境は、従業員のストレスにつながる可能性があるため、常にきれいな状態を保つようにしましょう。オフィス内にものが散らからないように、整理整頓を心がけることも大切です。

各従業員にも清掃や整理整頓を意識してもらうために、年末年始やゴールデンウイークなどの長期休暇に入る前のタイミングで一斉清掃を実施するのもおすすめです。清潔で整理整頓されたオフィス環境であれば、従業員のストレスも軽減できるでしょう。

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■個室ブースを設置する

オフィス内に個室ブースを設置すると、個人ワークに集中できる、Web会議がしやすいなどのメリットがあります。たとえばオープンスペースでWeb会議をする場合、周囲の視線や雑音が気になって集中できないと感じる従業員も少なくありません。

個室ブースは周囲の視線や雑音を遮断できるため、Web会議に適した環境を整備できます。アイリスチトセでは、遮音性の高いフルクローズタイプの個室ブース「TELECUBE by IRISCHITOSE」を取り扱っています。1人用・2人用・4人用の3種類を展開しているため、用途に合わせて選ぶことが可能です。

また、従業員が個人ワークに集中できる環境の必要性やメリットなどは、こちらの記事で詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

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Web会議用のブースは必要?選び方やおすすめ商品を紹介

オフィス環境の改善にはリニューアルや移転も有用

従業員のストレスはレイアウトを工夫する、適切な作業環境を確保するなどで軽減できる可能性があります。このほかには、オフィス自体を作り変える方法も検討の余地があります。

オフィスをリニューアルすることで、今の働き方や従業員の要望に沿ったオフィス環境を整備できます。オフィス作りの専門業者なら、オフィスごとに適したプランを提案してもらうことが可能です。

アイリスチトセでは、年間1,000件以上のオフィス作りの実績があります。オフィスのリニューアルをご検討の場合は、ぜひアイリスチトセにご相談ください。

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まとめ:オフィス環境を改善して従業員のストレスを軽減しよう

テレワークに慣れた状態からオフィスに出社するワークスタイルへ変化させることは、一部の従業員にとっては大きなストレスになり得ます。ストレスの原因は、人間関係や通勤時間などさまざまです。

ストレスが続くと、業務効率の低下やメンタルヘルスの不調などにつながる可能性があるため、早めの対策が必要です。対策には清掃や整理整頓のように、すぐに実行できるものもあります。社内アンケートやヒアリングなどで従業員のストレスの原因を把握し、快適なオフィス環境を作りましょう。

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