これでオフィスの照明選びに迷わない!照明の種類・特徴から工事の流れまで解説

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これでオフィスの照明選びに迷わない!照明の種類・特徴から工事の流れまで解説

照明はオフィス内の働きやすさを整えるだけでなく、企業のイメージアップにつながりやすいため、自社のオフィス環境を構築するうえで非常に重要だと言えます。

ただ照明の重要度は理解していながらも、自社のオフィスに最適な照明を知らずに困っている企業も少なくないのではないでしょうか。

この記事では、照明を変更するメリットや基礎知識をはじめ、自社に合った照明の選び方や注意点についてもご紹介します。オフィス照明の見直しを検討している方は、ぜひ本記事を参考にしてください。

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オフィス照明の見直しによる3つのメリット

まず、オフィスの照明を見直すことによるメリットを3つご紹介します。

■業務効率や生産性の向上

オフィスの照明を見直すことによって、業務効率や生産性の向上を実現できる可能性があります。照明の明るさや光色は、仕事のしやすさに関係するからです。もし、現在のオフィスに採用している照明が明るすぎたり暗すぎたりする場合は、適切な明るさの照明に変えるだけで、業務効率や生産性が向上するかもしれません。

照明が明るすぎると目が疲れてしまうため、社員の健康によくありません。逆に暗すぎると手元が見えにくくなるため、作業効率や生産性が落ちてしまいます。オフィスの照明は適度な明るさであることが理想です。

光色にも気を配りましょう。オフィスに適した光色にすることで、集中しやすい業務環境をつくり、生産性を向上させることが期待できます。業務や精密な作業をする場所には、昼光色の照明がおすすめです。昼光色は明るくすっきりとした印象で、集中しやすい状況を作ってくれます。

ほかには、リラックスした雰囲気を醸し出しやすいオレンジ系の電球色や、自然の光に近い昼白色などの光色があります。色を調節できる照明を利用して、時間帯や状況に応じて光色を変化させるのも効果的です。

 

時間帯に応じた照明の明るさに関する詳細はこちらの記事でも解説しています。

■オフィスイメージの刷新

照明の見直しをすることによって、オフィスイメージを刷新することもできます。たとえば、明るく白い照明で活発で聡明な雰囲気を創り出したり、穏やかな光の照明で落ち着いた空間を演出したりすることができます。間接照明を上手に利用して、アーティスティックな雰囲気を醸し出すことも可能です。

オフィスには、自社のイメージや方向性に合った照明を設置しましょう。オフィスの照明を企業イメージに合ったカラーに統一することで、オフィスに訪れる取引先やお客様などの印象をよくすることができます。

■オフィスの省エネ対策

全国的に省エネが推進されていますが、オフィスの省エネ対策を考慮するうえでも照明選びは重要です。照明を変更するだけで、大幅に消費電力を減らせる場合があります。

照明による省エネ対策として、LED電球が注目されています。LED電球は、従来の白熱電球や蛍光灯と比較して、消費電力が非常に小さいのが特徴です。そのため、今まで白熱電球や蛍光灯の照明を使用していたオフィスは、LED照明の採用で省エネ効果が期待できます。

オフィスの維持費として欠かせない電気代ですが、2022年現在、電気代の高騰が続いています。そのため、オフィスの維持費を節約する手段としても、LED照明の採用は大変効果的です。

オフィス照明に関する基礎知識

照明の見直しをするためには、照明に関する基礎知識が必要です。本章では、照明の種類や特徴を解説したうえで、色合いによる印象の違い、明るさの単位を解説します。さらに照明の種類に応じた適切な設置場所についても解説します。

■電球・電灯の種類と特徴

代表的な電球や電灯として、蛍光灯とLED電球の特徴を見ていきましょう。なお、白熱電球はすでに生産終了しているため除外しています。

種類 特徴
蛍光灯 導入コストが安くて、持続時間は長めだが電気代は高い
LED電球 導入コストは高いが、持続性に優れており電気代が安い

蛍光灯は初期費用が安く済むものの、ランニングコストは高くなるのがデメリットです。一方、LED電球は初期費用が高めですが、長持ちするうえに電気代も非常に安いため、ランニングコストは低く済みます。

そのため、長期的に見れば、LED電球の方がコストパフォーマンスに優れていると言えるでしょう。

■照明の色合いによる印象の違い

照明を選ぶ際は、明るさだけではなく色合いにも注目する必要があります。照明の種類別による色合いと特徴は次のとおりです。

種類 色合い 特徴
電球色 オレンジ系の暖色
  • 落ち着いた空間をつくりだすのに適している
  • リラックスした雰囲気
昼白色 太陽光に近い自然な色
  • 自然に近い明るさ
  • 比較的どのような場面にも適している
昼光色 少し青っぽい白色
  • 洗練された印象をつくりだす
  • 集中した作業をやりやすい

それぞれの色合いによる特徴を踏まえて、オフィスに最適な照明を選びましょう。

■照明の明るさの単位

照明の明るさの単位には、輝度と照度の2種類があります。輝度は人間の目に入ってくる光の量を表す単位で、「cd/m2」と表記、「カンデラ毎平方メートル」と読みます。もし、オフィスが暗いと感じるようでしたら、輝度が足りないのかもしれません。

輝度を上げるためには、視界に入る光の量を増やす必要があります。そのためには、照明だけではなく室内の環境が重要です。たとえば、壁や天井などの色を明るくするだけでも、オフィスの室内は光の反射が増えて、輝度は上がります。また、壁に向けて照明を当てることで光を反射させ、室内に暗い場所をつくらないことも大切です。局所的に暗い場所は明るい場所との対比が大きく、室内全体の輝度を下げてしまいます。

一方、照度は面積に対して入射する光の量を表す単位です。照度の単位は「lx」と表記、「ルクス」と読みます。オフィスの照度を調節する場合は、JIS照明基準に規定されている「奨励制度」を参考にするのがわかりやすくておすすめです。JIS照明基準では、オフィスの「奨励制度」は500lxから750lxとしているため、その数値を目安にすると良いでしょう。

■照明の種類に応じた設置場所

照明の種類によって形状や設置方法には違いがあり、適している場所も異なります。それぞれの特徴を踏まえて、最適な種類の照明を選びましょう。

種類 形状や特徴 適している設置場所
ダウンライト
  • 天井に埋め込むため空間を広く使える
  • ホコリが溜まりにくい
  • ロビー
  • トイレ
シーリングライト
  • 天井に設置
  • 長時間作業する
  • 執務室
  • 会議室
ブラケットライト
  • 壁に取り付けるため、壁に穴をあける必要がある
  • インテリアとしての存在感もある
  • エントランス
  • 階段
  • 廊下
  • 執務室などの補助照明
ペンダントライト
  • コードやチェーンを使って吊り下げる形状
  • おしゃれな雰囲気を出しやすい
  • デスクごとに設置する照明として
  • デザイン性を高めたい部屋
スポットライト
  • 天井や梁に取り付ける形状
  • 光の向きを変えられる
  • エントランス
  • オブジェクトを照らす照明として

オフィス照明を選ぶときの6つのポイント

次からは、オフィス照明を選ぶときに注目すべき6つのポイントを解説します。

■1.照明の変更に必要な費用

照明の変更費用を考える際、照明1つあたりではなく、必要な個数まで把握して予算を立てる必要があります。広いオフィスの場合かなりの数が必要になるため、すべての合計費用を予算に入れておくと良いでしょう。

さらに毎月かかる電気代を考慮するのも大切です。照明の種類によって毎月の電気代が変わるため、その点も踏まえて費用を考える必要があります。

■2.調光・調色機能の有無

オフィスの照明を選ぶときには、調光や調色機能の必要性も検討しましょう。年齢によって明るさの感じ方は変わるため、オフィスで幅広い年齢層の方が働く場合は、調光機能が付いている照明が良いかもしれません。

一般的に、年齢が高くなればなるほど、明るさを感じにくくなる傾向があります。同じ室内にいて、若い年代の方は適度な明るさに感じても、高齢の方は少し暗く感じる可能性があります。そのような場合も、調光や調色機能が付いている照明なら、そのとき室内にいる人に応じて、明るさや色を調節可能です。

■3.現状の配線器具との適合

通常、建物の天井には照明を接続するための配線器具が備え付けられています。新しい照明を導入する際は、オフィスの天井に備え付けられている配線器具と、設置したい照明器具が適合するかも考慮する必要があります。

適合する場合は照明を交換してすぐに使用できますが、適合しない場合は、照明を交換する前に電気工事が必要です。

業者に配線器具の電気工事を依頼した場合の相場は1箇所あたり数千円ですが、出張費や諸経費が加わって1万円を超える可能性もあります。また、照明を新設したり、増設したりする場合も電気工事が必要です。オフィスのレイアウト変更に伴う照明の移動でも電気工事が必要になる場合があります。その場合の料金は建物の形状や内装などの条件でも変動するため、業者に依頼する際は、事前にトータルでいくらかかるのか見積もりをとるようにしましょう。

■4.照明の人感センサーの有無

人感センサーの有無も検討しましょう。人感センサー付きの照明は人の動きを感知して、自動的に点灯したり消灯したりできます。そのため、オフィス内に社員がいるときは点灯して、誰もいなくなったら自動的に消灯させることが可能です。消し忘れがなくなるため、電気代を節約できます。

その特性から、常に人がいるような場所ではなく、廊下や階段、トイレなど人の出入りが多い場所に設置するのが効果的です。

人感センサー付き照明のなかには、さらに次のような機能を持った製品もあります。

  • 自動点灯機能:室内の明るさを感知し、暗くなったら自動で点灯する
  • タイマーモード機能:設定した時間に点灯・消灯させられる
  • 照度調整機能:人がいないときは30%、人を感知すると100%など照度を調整できる

■5.オフィスと調和するデザイン

照明を選ぶ際は、オフィスに設置した状態をイメージすることが大切です。照明機器だけを見て選んでしまうと、実際にオフィスに設置したら内装や室内の家具などと調和が取れず、バランスの悪い雰囲気になってしまう可能性があるからです。

雰囲気に合わない照明が設置されたオフィスは集中力の低下を招き、社員のパフォーマンス低下につながりかねません。また、来訪した取引先の方に悪いイメージをもたれてしまう可能性も考えられます。

オフィスの照明を選ぶ際は明るさや色、照明本体のデザインがオフィスに調和するかを見極めましょう。

■6.照明を扱う専門業者に適時相談

オフィスの照明選びは、照明を取り扱っている専門業者や、オフィスのレイアウトに関わる工事を請け負っている業者に相談するのがおすすめです。プロの目線でアドバイスをもらうことで、より的確にオフィスに合った照明を検討できます。照明に関する知識を教えてもらったり、おすすめの商品を紹介してもらったりすることも可能です。

多くの専門業者は、無料で相談を受け付けています。一般家庭の照明とは異なり、オフィスの照明選びでは注意しなければいけない点も多々あります。照明選びで失敗しないためにも、オフィスの照明を選ぶことになったら、業者への相談も検討してみましょう。

オフィスの照明変更を業者に依頼する方法

オフィスの照明を変更する際、設置する数の多さや天井の高さによっては、安全面を考慮して業者に依頼するのが一般的です。

本章では、業者選びの基準や業者にオフィスの照明変更を依頼する流れなどを解説します。

■現地調査が緻密で価格設定が明確な業者を選ぶ

オフィスの照明変更を業者に依頼する場合は、次に示す項目を基準にして選ぶと良いでしょう。

  • 価格設定は適正か
  • 電気工事の専門業者であるか
  • 見積もりの内容は相場に合っているか
  • アフターフォローは充実しているか

照明変更に関する工事依頼は、電気工事の専門業者に依頼するのが一般的です。内装工事の業者に依頼することも可能ですが、下請け料などで割高になってしまうケースがあるため注意が必要です。

また依頼する際には、複数の業者に見積もりをとって、相場となる金額を把握するのも大切です。価格の設定が適正か確認するため、各業者のホームページをチェックしておくと良いでしょう。

■オフィスの照明の電気工事を依頼する流れ

オフィス照明の電気工事を相談して、施工完了するまでの流れは次のとおりです。

  1. 電気工事業者に問い合わせや相談をする
  2. 現地調査を実施
  3. 見積もりをとる
  4. 契約を締結
  5. 詳細を打ち合わせ
  6. 工事を実施
  7. 工事完了

電気工事が必要になったら、まず業者に問い合わせや相談をします。受付方法は業者によって異なりますが、多くの場合、電話だけではなく、公式サイトのお問い合わせフォームやメールでも受け付けています。

問い合わせ時に、業者による現地調査がおこなわれます。現地調査を実施することで、分電盤の電気容量、防犯・防災設備などの細かな状況が確認されます。

現地調査の内容をもとに見積もりが出されます。見積もりの内容に応じて、照明変更の電気工事を依頼するかどうか社内で検討しましょう。

オフィスの照明変更に利用できる補助金制度

オフィスの照明変更に利用できる補助金制度があるのをご存知でしょうか。補助金を利用すれば、照明変更にかかるコストを削減できます。年度によって募集している補助金や受付期間が異なるため、まずは利用できるものがないかチェックしておきましょう。

今までに募集していた補助金をご紹介します。

■先進的省エネルギー投資促進支援事業費補助金

先進的省エネルギー投資促進支援事業費補助金は、資源エネルギー庁が公募する制度です。省エネ性能に優れた機器や設備の導入に関する費用を一部補助するもので、消費電力が小さいLED照明の導入や設置などが、該当します。補助率は中小企業等が3分の2以内、大企業は2分の1以内で、補助金額の上限は15億円です。

なお、2022年度分の公募は終了しています。来年度は公募があるのか未定ですが、2021年から2年連続で公募があったため、来年度も公募がおこなわれる可能性は十分考えられます。資源エネルギー庁の公式サイトをチェックしておくと良いでしょう。

■既存建築物省エネ化推進事業

既存建築物省エネ化推進事業は、民間事業者などがおこなう省エネに関する改修工事や、それに付随するバリアフリー改修工事に対して、国が費用の一部を支援する制度です。補助率は3分の1、補助限度額は1件につき5,000万円です。なお、既存建築物省エネ化推進事業も、2022年度分の公募は修了しています。

■自治体独自の制度

国だけではなく、自治体独自の制度もあります。全国の自治体でさまざまな制度がありますが、たとえば、東京都では次のような制度が実施されています。

名称 補助上限率 補助上限額
LED照明等節電促進助成金 助成対象経費の1/2以内 1,500万円
事業所用LED照明設置助成事業 設置費用の10% 30万円
《事業所用》かつしかエコ助成金 対象機器によって異なる 対象機器によって異なる
再生可能エネルギー機器等助成金(個人宅、共同住宅向け) 工事費用の20% 30万円
事業所用自然エネルギー・省エネルギー機器等導入費助成 導入費用の20% 20万円

自治体独自の制度は、基本的に募集の期間内であっても予算がなくなった時点で公募終了となります。利用する場合は早めの申請がおすすめです。

【事例紹介】オフィス照明のトレンド「LiCONEX(ライコネックス)」

近年の照明トレンドとして、システム天井照明が注目されています。システム天井照明はユニット化されているため、原状復帰やレイアウト変更がしやすいことが大きなメリットです。

アイリスグループ東京本部オフィスでも、システム天井照明を採用しています。無線方式の照明制御システム「LiCONEX(ライコネックス)」によりコントロールし、1日における自然光の変化を再現した「サーカディアンリズム」機能により、その日の時刻に応じた明るさを演出します。

照明制御システム「LiCONEX(ライコネックス)」については、より詳しく紹介したこちらのコラムもぜひご覧ください。

https://www.irischitose.co.jp/blog/column/circadian-rhythm/

照明の見直しで社内環境を改善しよう

オフィスの照明を見直すことで、業務の効率化や生産性アップが望めるだけではなく、オフィスイメージの刷新や省エネ対策も期待できます。

照明を選ぶ際は、種類や特徴に注意が必要です。また設置する場所によって、適している照明の種類は異なります。照明の見直しでオフィス改善を成功させるためには、場所や用途に応じて照明を選択することが大切です。

国や自治体が公募している補助金の制度をうまく利用すれば、低コストで照明を変更することが可能です。自社に合った照明を取り入れることで、快適で働きやすいオフィスを実現させましょう。

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