オフィスレイアウトで管理職の席配置はどこがよい?決め方から徹底解説

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オフィスレイアウトで管理職の席配置はどこがよい?決め方から徹底解説

オフィスレイアウトを変更する際に検討される問題として、管理職の席位置があげられます。とくに近年はフリーアドレス制やABWなどさまざまな働き方が登場しているため、管理職の席をどこに置くべきか悩む企業も多いようです。

そこで本記事では、管理職の席位置の重要性や決め方のポイントについて説明します。オフィスレイアウトを検討する際にお役立てください。

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オフィスにおいて「管理職の席配置」が重要な理由

管理職の席位置は、従業員全体の働きやすさにも直結します。席位置を決める重要な理由としては、次のとおりです。

  • コミュニケーションの取りやすさに影響するため
  • 機密情報を守るため
  • 従業員にプレッシャーを与えないため

それぞれについて、詳しく説明します。

 

◾️コミュニケーションの取りやすさに影響するため

管理職の席位置は、他の従業員とのコミュニケーションの取りやすさに影響します。

管理職と部下の席が離れすぎていると、管理職は部下のしている業務を把握しにくくなります。部下から見れば、管理職の席が遠いと気軽に声をかけにくく、相談や報告が滞ってしまい、生産性にも影響が出る可能性も考えられるでしょう。

コミュニケーションが活発でないと、部下は管理職への苦手意識を強めてしまうかもしれません。席位置を決める際には、コミュニケーションがうまく取れる程度の物理的距離を保つことが大切です。

 

◾️機密情報を守るため

管理職は機密情報を取り扱うケースが多いため、ある程度のプライバシー確保が必要です。

管理職は、一般の従業員と比較して「人事権」「決裁権」「従業員へ公開していない経営情報」といった、機密性の高い情報を取り扱うケースが多くあります。あまりにもオープンな場所に管理職の席を作ると、意図的ではないにせよ他の従業員がパソコンや重要書類を見てしまいかねません。

管理職の席は他の従業員から近すぎず、デスクの様子があまり見えないような位置にして、情報漏えいのリスクを防ぐようにします。プライバシー確保のために、低めのパーテーションやパネルを設置するのも有効です。

 

◾️従業員にプレッシャーを与えないため

管理職の席位置が近すぎる場合、部下にプレッシャーを与えてしまうことが考えられます。

物理的に近い位置に上司がいると、部下からすれば監視されていると感じられ、必要以上に緊張感を持ってしまう可能性があります。上司から常に見られているというプレッシャーから、本来のパフォーマンスを発揮できず、生産性に悪影響を及ぼすかもしれません。

どの程度の距離が適切かというのは、部下との関係性に左右されるものです。お互いの業務に影響の出ない程度の距離感を図り、席位置を決めることが重要になります。

オフィスレイアウトにおける管理職の席配置の決め方

管理職と従業員との席位置は、業務の生産性や従業員の士気にも関わる問題です。管理職の席位置を決めるには、次の項目に注意するとよいでしょう。

  • 従業員の動線上に配置する
  • 従業員の顔を認識できる「適度な距離」を意識する
  • 上座・下座に固執しない

それぞれについて、詳しく説明します。

 

◾️従業員の動線上に配置する

管理職の席を従業員の動線上に配置すると、コミュニケーションの活発化に寄与します。

動線とは、オフィス内で人が動く経路を線で表したものです。動線上に管理職が座っていると、お互いに自然な声かけがしやすくなります。

管理職の席配置は、出入り口から遠く従業員を見渡せる位置に配されるケースが多く見られます。あえて誰もが通る出入り口に近い場所に管理職の席を配置することで、コミュニケーションの創出が期待できるでしょう。また、オフィスの中央にサークル型のデスクを置いて管理職の席とすると、監視されている雰囲気を和らげ、部屋のどこからでもコンタクトの取りやすい状況となります。

ただし、人通りの多い場所に席を設置する場合は、セキュリティ管理に注意が必要です。

 

◾️従業員の顔を認識できる「適度な距離」を意識する

従業員同士の顔を認識できる、適度な距離感を意識することも大切です。

管理職の立場から考えると、従業員の顔が見えるのは重要な要素になります。必要以上に遠くなると部下の状況が把握できず、業務の進捗だけではなく心理的な距離も離れる可能性も否めません。とはいえ、近すぎる距離は部下に圧迫感や緊張感を与えてしまいます。

仕事をする上では、120~360cmの対人距離が適切な距離感だといわれています。また、従業員の働きやすさを考えると、1人あたり2.5~4坪程度の面積を確保したいところです。オフィスの面積や従業員の人数に制約はあると思われますが、席位置を決める際には考慮するとよいでしょう。

 

◾️上座・下座に固執しない

管理職の席位置には、上座や下座を意識しすぎないことも大切です。

伝統的な席次のマナーとして、出入り口から遠い席を上座、出入り口に近い席を下座とする風習があります。この考え方をオフィスにも取り入れて、出入り口から遠い窓側に管理職を配する配置が多くなっています。

しかし、窓際は開口部が大きいため一日を通して気温や照度が安定せず、長時間のデスクワークにはあまり向きません。また、出入り口まで見渡せる位置に管理職が座ることで、従業員は「出入りまで監視されているのでは」と、管理職の視線が必要以上にプレッシャーとなる可能性も考えられます。

応接室や会議室など、接客の必要なところにおいてマナーは大切です。しかし、オフィスでの働き方を考える場合は上座下座に固執せず、働きやすさを考慮した配置とする方がよいでしょう。

オフィスレイアウトの種類と管理職の席配置パターン例

オフィスレイアウトには、多様なパターンがあります。管理職の席を決める際は、レイアウトに応じた配置が重要です。ここからは、オフィスレイアウトによる席配置のパターン例をいくつか紹介します。

 

◾️パターン1.対向型:島の端に配置する

対向型は島型レイアウトとも呼ばれ、デスクを向かい合わせに配置して島を作る、オフィスレイアウトとしてよく見られるパターンです。

対向型の場合、他の従業員の机と90度向きを変えて島の端に配置し、島全体を見渡せるようにするのが一般的です。チーム内のコミュニケーションが取りやすく、省スペースでの配置が可能なことから、多くのオフィスで採用されています。

管理職の席配置は、必ずしも窓側に置く必要はありません。とはいえ、管理職の席がメイン通路に面していると、情報漏えいのリスクが高まります。実際に配置する際は、通路からデスクの状況を見えないようにする配慮が求められるでしょう。

 

◾️パターン2.背面型:通路幅だけデスクを離す

背面型は、デスクを背中合わせに配置して、互いに背中を向けた状態となるレイアウトとなります。振り返るだけでチーム内のコミュニケーションが取れるうえ、プライバシーを確保しやすいレイアウトです。

背面型においても、管理職の席は90度向きを変え、全体を見渡せる位置に配置するケースが多く見られます。管理職も背面型の配置にすると、背中側に従業員がいる状況となるため、セキュリティの問題が発生します。

すべてを背面型にすることにとらわれず、管理職の机は従業員側に向けて、動線確保のため通路分を離して配置するのも視野に入れるとよいでしょう。

 

◾️パターン3.同行型:最後尾に配置する

同行型はスクール形式とも呼ばれ、学校の教室のように同じ方向に机を並べて配置するレイアウトです。同行型レイアウトは、コールセンターや窓口業務のある銀行などに多く採用されています。

同行型では、管理職の机は180度向きを変えて最前に配置するケースもありますが、前方が窓口になっており机が配置できない場合は、同じ方向に向けて最後尾に配置されます。

いずれの配置も管理職が全体の状況を把握しやすく、ある程度のプライバシーも確保される配置です。距離が近すぎると圧迫感を与えるため、程よい距離を取った配置が必要となります。

 

◾️パターン4.フリーアドレス:管理職の席は固定することも検討

フリーアドレスは、各従業員が固定席を持たず、自由に席を選べるレイアウトになります。

フリーアドレスでは、その日の業務内容や気分によって自由に席を選べるのがメリットです。しかし、フリーアドレスではどこに誰がいるのか把握しにくく、報告や連絡の際は対象者を探さなければならない一面があります。

誰がどこにいるかわかるような席配置の管理システムがあれば、管理職と従業員のコミュニケーションに支障は出にくくなります。席配置の管理システムの導入が難しい場合、管理職だけ固定席にして運用するのもよい方法でしょう。

 

◾️パターン5.管理職だけ集約し従業員と一定の距離を置く

部署やレイアウトを問わず、管理職を集約した席配置にするのも、一つの方法です。

執務スペースの中央にサークル状のデスクを配置して管理職を集約し、周囲に他の従業員の机を配置します。中央に配置されているため管理職側からオフィス全体を見渡せ、従業員の状況が把握しやすくなります。従業員からは、管理職の席が離れて配置されることで、監視されているというストレスが軽減されるのもメリットです。

管理職メンバーとのコミュニケーションの活性化や業務の効率化にはよいレイアウトですが、配置にはある程度の広さを持ったスペースが必要となります。

オフィスレイアウトを変更する際の注意点

オフィスレイアウトを変更する際、次の2点に注意が必要です。

  • パーテーションを多用しすぎない
  • オフィス家具は将来性まで想定して検討する

それぞれについて、詳しく説明します。

 

◾️パーテーションを多用しすぎない

パーテーションはプライバシー確保に役立ちますが、使いすぎることでデメリットも発生します。

集中が必要な業務や部外秘の情報を取り扱う場合、視線を遮る効果のあるパーテーションは有効です。しかし、仕切られている分コミュニケーションが取りにくく、管理職は従業員の状況を把握しにくくなります。

外部からの視線に配慮する場合、対向型では背の低いローパーテーションを使用するなどの工夫が求められるでしょう。

 

◾️オフィス家具は将来性まで想定して検討する

オフィス家具を変更する場合、将来性まで想定して入れ替えを検討するとよいでしょう。

オフィスレイアウトを変更する際に、オフィス家具も合わせて変更したいと考えるのは不自然ではありません。しかし、従業員の増減やオフィス移転などにより、今回採用するレイアウトから変更しなければならない可能性も十分ありえます。

レイアウトを変更するたびにオフィス家具を入れ替えると、コスト負担が大きくなります。中長期の事業計画や経営計画を書く印紙、レイアウト変更がスムーズにできる汎用性の高いオフィス家具を選ぶとよいでしょう。

まとめ:業務効率を考えて管理職の席配置を決定しよう

管理職の席配置は、オフィス全体の雰囲気にかかわります。従業員にストレスを与える配置にすると、業務効率や生産性にまで影響する可能性も否定できません。

企業で採用しているオフィスレイアウトによって、管理職の席配置は異なります。オフィス全体を見渡せる位置で、従業員に圧迫感を与えないような設計が求められます。場合によっては、これまで採用されてきた席配置のセオリーから外れるものを採用するのも一つの方法です。

オフィスレイアウトは普遍的なものではなく、業務内容や働き方によって変化していくものです。どのような場合でも管理職と従業員が適切な距離感を保ち、お互いに働きやすい環境を作ることが求められるでしょう。

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