オフィスのデスクをきれいに整理整頓する方法をご紹介!ITの活用メリットも解説
オフィスレイアウト・デザイン・設計
デスク周りがきれいな人は「仕事ができる」という好印象を与えやすいです。実際、定期的にデスク周りを整理整頓することは、作業効率を高める一つの仕事術として多くのビジネスマンが取り入れています。
また、書類をペーパーレス化させるITを活用する企業も増えています。オフィス内の書類が少なくなることで、デスク周りを整理整頓しやすくなるのは言うまでもありません。
この記事では、オフィスのデスクを整理整頓する方法からIT活用のメリットまで詳しくご紹介します。仕事の業務効率化を図り、社内のオフィス環境を改善するためにぜひ参考にしてください。
オフィスのデスクをきれいに整理整頓する目的とメリット
デスクを整理整頓することはオフィスの環境美化だけにとどまりません。冒頭でも触れた通り、作業効率化の向上に加えて、時間の節約や情報セキュリティの確保にもつながります。
ここではデスク周辺を整理整頓する目的とメリットについて詳しく言及します。
■仕事の作業効率が高まる
デスク周りがきれいに整理整頓されていると、目の前にある仕事により集中できるようになります。もし整理整頓されたデスクの状態を維持できているなら、タスクの処理能力自体の向上も期待できます。
意識せずとも、脳は視界に入る情報を優先的に処理しようとします。余計な情報で思考が分散しなくて済むよう、デスク周りをきれいに片付けることは重要だと言えます。
実際、大阪商工会議所が公表した「企業経営における清掃、整理・整頓、清潔に関するアンケート」の調査結果によると、デスクの整理整頓を実施した効果に関する質問に対し、次のような回答が得られています。
項目 | 割合 |
職場の環境・公衆衛生、安全性が向上した | 67.1% |
従業員のモチベーション、モラルが向上した | 44.2% |
社風の確立、経営方針の定着、企業イメージの向上に役立った | 38.6% |
作業・業務効率の向上、コストの削減が実現 | 36.7% |
売上が向上(新規顧客・取引先の獲得など) | 10.1% |
出典:大阪商工会議所「企業経営における清掃、整理・整頓、清潔に関するアンケート」
この調査結果からは、清掃や整理整頓は職場の環境美化に好影響をもたらすだけでなく、作業効率の向上が期待できることがわかります。
■物を探す時間を節約できる
会議で使う資料、領収書や印鑑など、業務で必要な物がすぐに見つからずに困った経験がある方は少なくないのではないでしょうか。
デスクが整理整頓されていると使いたい物を必要なタイミングで見つけられるため、物を探す時間を節約できます。仕事を効率的に進める上で、時間の節約は必須です。
たとえば年間200日勤務する従業員一人が1日5分間探しものをした場合、1年間で16.7時間のロスになります。1時間あたりの生産性を3,000円と仮定すると、従業員50人を抱える企業では年間250万円もの損失になる計算です。
このように、企業の機会損失につながりかねない時間の浪費を未然に防ぐためにも、整理整頓されたデスク環境の実現は非常に重要だと言えるでしょう。
■情報セキュリティの確保
社内の情報セキュリティを適切に確保する上で、デスクをきれいに整理整頓しておくことはとても重要です。さまざまな書類がデスクに散乱した状態を放置しておくと、社内の重要書類を紛失させてしまうことがあります。
業務で必要な情報が漏えいすると、企業の信頼性確保に支障が出る恐れがあるため注意が必要です。部署ごとに書類をまとめたり、書類の重要度に応じて収納場所を変えたりするなど、社内の管理ルールをしっかり設けておきましょう。
セキュリティ対策に関する詳細はこちらの記事でも解説しています。
オフィスのデスク上部を整理整頓するポイント
デスクの一部だけを整理整頓しても、使いたい物がすぐに見つかる状態になるとは限りません。
ここからは、オフィスのデスク上部を整理整頓する3つのポイントをご紹介します。
■デスクに置くのは頻繁に使うものだけ
デスクの上には、頻繁に使う物だけを置きましょう。使用する機会が少ない物を置いておくと乱雑になりやすく、集中力の低下につながります。
書類が散乱しがちな場合は、保存が必要な書類と不要な書類を分けてみてください。保存が不要な書類は、ナレムコの法則に従って思い切ってすべて処分するのも一つの手です。
ナレムコの法則とは、「1年以上前に作成された書類を見返すのは1%以下」という確率論のことです。そのため一定期間経った古い書類は定期的に処分することで、不要な書類をデスク内に溜め込むことがなくなり、整理整頓がしやすくなります。
■書類や文具は立てて置く
デスク上部の書類や文具は平積みにするのではなく、立てて置くのがポイントです。
書類は平積みしておくと探す時間がかかるため、立てて保管するためのボックスを使用するのがおすすめです。どんな書類を保管しているのかがわかるようラベルを貼るのも効果的です。
ボールペンやホッチキスなどの文具は、ペン立てに入れて保管します。これらの小さめのアイテムは乱雑しやすいので、あらかじめ定位置を決めておくことで探す手間が軽減されます。
■終業後はデスクの上をすべて片付ける
常にスッキリとしたデスクの状態を保つためには、毎日就業後に整理整頓して習慣化することが大切です。デスクにはパソコンや電話だけの機器を残し、書類や文具などのツールはすべて定位置にセットしておきます。
就業後の整理整頓が習慣化すれば毎日デスクの環境をリセットできるため、乱雑になることを避けられます。その日使う物だけをデスクの上に置くように心がけることで、作業がはかどるようになるでしょう。
オフィスのデスク収納部やワゴン内部を整理整頓するポイント
整理整頓する際には、デスクの上だけでなく引き出し内部も一緒に行うことが大切です。
ここではオフィスのデスク内部を整理整頓するポイントについて、引き出しの場所別にご紹介します。
■手前の引き出し:一時保管場所にする
一般的なオフィスデスクは、左側に一段、右側に三段の引き出しが用意されています。
左側にある手前の引き出しは基本的に何も収納せず、空にしておくのがポイントです。ここは、基本的に書類を一時保管する場所として活用します。急な離席がある際に、即座に書類を手前の引き出しに入れることで、適切な管理と紛失防止につながります。
一時保管場所にする際、よりセキュリティ強化が必要な場合は鍵をかけるようにしておきましょう。
■一段目の引き出し:使用頻度の高さに分けて文具を入れる
デスクにある、もしくはワゴンの一段目の引き出しには、筆記用具やホッチキスなどの文具を収納しましょう。手前から使用頻度の高い順に並べて収納します。
たとえば頻繁に使う筆記用具やふせんは、引き出しの手前に収納すると出し入れしやすくなります。あまり使わない切手や文具などは、引き出しの一番奥に収納するようにしましょう。
引き出しの中が乱雑になるのが懸念される場合は、引き出し用に販売されている仕切りや型抜きシートを利用してみてください。引き出し内部の物を使った際に、定位置に戻す習慣も身につけておくのも大切です。
■二段目:電卓やポーチなど小物を入れる
二段目の引き出しには、電卓や辞書、ポーチ、ペンケースなど文具や書類以外の物を収納しましょう。ひざ掛けやパソコンのモニターカバーなどの不定形物も収納できます。
ここでのポイントは、引き出しを開けたときにどこに何があるかがすぐわかるように、重ねずに収納することです。種類別、用途別に分けてわかりやすいように整理整頓しておきましょう。
■三段目:使用頻度に分けて書類を入れる
三段目の引き出しには、業務関係の書類を収納しましょう。オフィスデスクの三段目の引き出しは、一般的に他の段と比べて深さがあります。
A4サイズまでの書類なら横向きで収納できるので、上段の引き出しと同様に手前から使用頻度の高い順に並べて保管しましょう。その際は、デスク上部の書類と同じく立てて収納すると目当ての書類を探しやすく、見た目もスッキリします。
また、ファイルボックスを利用すると書類が整理整頓しやすくなります。ただし、デスクやワゴンのサイズによっては立てて収納できないこともあるため、購入前に確認しておくのがおすすめです。
スペースのバランスとして、保管用は3分の2、予備用を3分の1の目安で使用しておくと、いざ書類が増えた時でも対応しやすくなります。書類は今後増えることを想定し、予備用のスペースを確保しておくと安心です。
オフィスのデスク整理整頓にはITの活用も大切
ITは「Information Technology」の略称で、日本語では「情報技術」と訳されます。デジタル技術の活用により、業務効率化やコスト削減を図ることが目的です。
日本においても、地方創生、医療、教育現場などさまざまな業界でITが活用されています。スマホで送付するPDF資料、タブレットを用いたデジタルデータの教科書、これらはITの代表例として挙げられます。
本記事のテーマである、オフィス内のデスクを整理整頓する際にもITは活用できます。具体的な方法を見ていきましょう。
■書類はペーパーレス化を進める
書類のペーパーレス化は、デスクの整理整頓に活用できるITの一つです。長期間の保存が必要な書類は、紙媒体のままだと膨大な量となりますが、書類のペーパーレス化が進むと紙媒体での保存が不要になり、デスク周りが整理整頓しやすくなります。
ペーパーレス化が実現すれば、社内全体のデスク周りが整理整頓できるだけでなく、オフィス内での書類保管スペースが空くようになるので、より有効活用できるようになるでしょう。
ここで、ビジネスシーンでのペーパーレス化に役立つ代表的なツールをご紹介します。
・情報共有ツール
・マニュアル作成ツール
・オンライン会議システム
・電子署名
・クラウドサービス
・勤怠管理ツール
・文書管理システム
・電子契約システム など
クラウドサービスは、電子化された書類をクラウド上に保存できるサービスです。書類をペーパーレス化してクラウド上に保存しておくと、アクセス権限を持った社員ならいつでも使用できます。
電子契約システムは、取引先との契約を紙媒体ではなくオンラインで完結できるシステムです。押印や署名は電子署名またはタイムスタンプにより行います。
契約を交わした後の契約書はオンライン上で保存できるため、従来のように膨大な量の文書に悩まされることもありません。
ペーパーレス化に関する詳細はこちらの記事でも解説しています。
■名刺はデータ化して管理する
ITを活用すれば、名刺をデータ化できるため管理がとても楽になるというメリットがあります。
名刺は専用のケースやファイルで保管するのも可能ですが、量が膨大になると顧客ごとに整理整頓する手間がかかったり、保管場所の確保が難しくなりがちです。そこで活躍するのが、名刺をデータ化して管理する方法です。
名刺をデータ化すると、パソコンやスマホ一つで管理できるようになります。名刺をデータ化する方法はExcelのほかに次の専用ツールを使うのもおすすめです。
・名刺向けのスキャナー
・名刺管理アプリ
・名刺管理ソフト
名刺向けのスキャナーは、スキャンと同時にデータ化できるツールです。ツールによってはExcelでの出力やスマホアプリとの連携が可能なものもあります。
名刺管理アプリは、カメラで撮影した名刺をデータ化して管理できるツールです。アプリの中には、名刺に記載されているメールアドレスにメルマガを一斉送信できる機能もあります。
名刺向けのスキャナーや名刺管理アプリの種類は多いため、機能性や利便性などを考慮して自分に適したツールを選ぶようにしましょう。
■タスク管理に便利なアプリ・ツールを活用する
タスク管理に便利なアプリやツールを導入することも、IT活用の一例です。
日々のタスクをノートやふせんでタスク管理をしている場合、タスクの数が多いほどデスクが乱雑になりやすいです。アプリやツールを導入すると、クラウド上でタスク管理が行えるため、物理的なメモなどは不要になります。デスク上がふせんなどで散乱することもなく、より整理整頓しやすくなります。
タスク管理向けのアプリやツールは数多くあり、次のような利便性に優れたものも登場しています。
・会議やファイルを仕事単位にまとめて進捗状況を可視化
・チームメンバーからのコメントやログの確認
・サブタスクや課題の階層付け
・タスクにかかった時間の計測
・さまざまなツールとの連携 など
アプリやツールの中には、サポートが充実しているものや初心者でも使いやすいものもあります。トライアル期間を用意しているサービスもあるため、適したものがあればぜひ試してみてください。
オフィスのDX化に関する詳細はこちらの記事でも解説しています。
デスクをきれいな状態に整理整頓して作業効率化を図ろう
オフィスのデスクを整理整頓すると、オフィスの環境美化だけでなく、仕事の作業効率アップや情報セキュリティの確保などのさまざまなメリットがあります。
デスクには使用するものだけを置き、引き出しの中は使用頻度の高さによって収納位置を変えてみましょう。デスク上とデスク内それぞれのポイントをおさえることで、使いやすく集中しやすい業務環境をつくれます。
またデスク周りの整理整頓をきっかけに、ITを導入するのも選択肢の一つです。ITはツールごとに機能性や利便性が異なるため、よく検討したうえで適したものがあれば積極的に活用していくのがおすすめです。
膨大な書類や名刺の保管に頭を悩ませている場合は、デスクの整理整頓をきっかけにITを導入してみましょう。