オフィスを間仕切り快適な労働環境作り!種類別の特徴から徹底解説

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オフィスを間仕切り快適な労働環境作り!種類別の特徴から徹底解説

オフィス環境の改善を考えるとき、レイアウトの変更は有効な施策となります。レイアウト変更に使える手段の一つが、間仕切りです。間仕切りを上手く使うことで、従業員の働きやすさや、オフィスの使い勝手を向上させることができます。

この記事では、オフィスにおける間仕切りの意味や方法の種類と特徴、実務をおこなうときのコツを解説します。間仕切りに使えるおすすめの家具もご紹介するので、ぜひあわせてご覧ください。

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オフィスにおける間仕切りの意味

オフィスレイアウトにおける間仕切りとは、部署ごとの業務スペースや応接スペースといった内部空間を区切るものを指します。間仕切りに使用する具体的なアイテムとしては、パーテーションや後付けの壁があげられます。

オフィスで間仕切りをする理由としては、おもに次のような目的があげられます

  • 集中できる環境を作るため
  • 防音のため
  • セキュリティのため
  • 感染症対策のため

自社に合ったパーテーションなどで間仕切りをおこなうことで、働きやすいオフィスづくりを実践できます。

パーテーションについては次の記事でも詳しく解説していますので、ぜひあわせてご参考になさってください。

【オフィス向け】パーテーションの種類と特徴、設置するメリットを徹底解説

オフィスの間仕切りの方法と特徴

ひとくちに間仕切りといっても、どのようなアイテムを使うかによって得られる効果も変わります。複数ある間仕切りの方法と、方法ごとの特徴を把握しましょう。

間仕切りの方法は主に次の5つです。

  • 造作壁で間仕切りする方法
  • ハイパーテーションで間仕切りする方法
  • ローパーテーションで間仕切りする方法
  • オフィス家具で間仕切りする方法
  • カーテンで間仕切りする方法

オフィス内の空間を切り分ける手段として、間仕切り以外に個室化をおこなうといった選択肢もあります。個室化については次の記事もご参照ください。

オフィスを個室化する方法とは?メリットやおすすめのオフィス家具を紹介

 

◾️造作壁で間仕切りする方法

造作壁は主要な構造から独立した後付けの壁です。遮音性の高さや素材の自由度にメリットがあります。造作壁で間仕切りをおこなうことで、外部の音を遮りつつ、自社のイメージに合ったデザインをオフィスに加えられるでしょう。

造作壁はオーダーメイドに近い作り方で、選べる素材には、木材や石材などがあります。さらにタイル施工やグラフィック施工などの仕上げも選べ、好みの質感や色合いでオフィスをデザインできます。

しかし、造作壁の設置にはある程度の規模の工事が必要なことには注意が必要です。また、一度設置すると移動のできない間仕切りのため、将来のレイアウト変更や退去の際に取り壊しが必要になります。消防法上の確認事項にも注意しましょう。

 

◾️ハイパーテーションで間仕切りする方法

ハイパーテーションは床や天井に固定して利用するタイプのパーテーションです。素材はおもにアルミとスチールで、アルミは安価で工数も短く、多様な色の商品が用意されていることに強みがあります。スチールは遮音性に優れた重厚感のあるデザインが特徴です。

既製品を使うため造作壁ほどのデザインの自由度・性能はありませんが、防音や遮音はしっかりとおこなえます。また、ガラスなどの透明な素材を用い、間仕切りをおこないながら開放感を演出できる点は造作壁にないメリットと言えます。

ハイパーテーションも、消防法上の確認事項に注意しなければなりません。消防設備や空調などの設置が求められる可能性があることを意識しておきましょう。

 

◾️ローパーテーションで間仕切りする方法

ローパーテーションは、おもに高さ1,200mmから1,800mm程度のパーテーションです。造作壁やハイパーテーションとは違って工事不要で設置・移動ができます。一枚型やL字型など、さまざまな形状のローパーテーションがあるため、組み合わせの自由度が良好です。

簡単な移動でレイアウト変更ができるため、造作壁やハイパーテーションよりも気軽に間仕切りをおこなえます。基本的に消防法上の手続きも不要です。

しかし、ハイパーテーションほど大きさが無いため、遮音性はあまり高くない点に注意しましょう。デザインの自由度もそこまで高くはありませんが、サイズや形状が豊富なため、造作壁やハイパーテーションと使い分けをすることが重要です。

 

◾️オフィス家具で間仕切りする方法

間仕切りに使えるアイテムは造作壁や各パーテーション以外にも存在しています。キャビネットなどのオフィス家具を用いることで、収納スペースを確保しつつ間仕切りをおこなえます。

例えば、収納キャビネットなどで業務スペースを囲むことができれば、仕事をおこなう場所の間仕切りをおこないつつ、必要な資料を素早く取り出すこともできます。

ただし、遮音性はあまり期待できないことに注意が必要です。音や視界を遮るよりも、業務スペースの範囲を明確に定める間仕切りとして用いることを検討してみてください。

 

◾️カーテンで間仕切りする方法

カーテン類も簡易的な間仕切りに便利です。レールの形状次第で曲線型・角型のスペースにも間仕切りをおこないやすく、収納も簡単なため、要・不要に応じて使用できます。

また、暖簾のように切り込みをいれておけば、両手がふさがっている状態でも間仕切りを通過しやすくなります。移動が激しい通路とブースを区切るため間仕切りをしたい、といった場合にはカーテンの使用を検討してみましょう。

カーテンに遮音性はあまり期待できませんが、風を遮るなどの防寒対策に用いることはできます。風が吹きがちな場所にカーテンを設置し、冬季だけ間仕切りをするといった使い方も有効です。

オフィスを間仕切りする際におさえておくべきこと

オフィスの間仕切りをおこなう際には、次のポイントをおさえておきましょう。

  • 働きやすいスペース・通路幅を確保する
  • 働き方を考慮した動線計画を立てる
  • 消防法を確認する
  • 工事の種類の違いを意識する

働きやすさに関する要素はもちろん、法的な手続きも関係してきます。それぞれの詳細を見ていきましょう。

 

◾️働きやすいスペース・通路幅を確保する

業務スペースや通路には、使用する従業員が不自由しないだけの広さが確保されている必要があります。法律上でも事務所衛生基準規則でオフィスの一人当たり約1.4坪が必要と定められていますが、より実用的に考えるならば2~4坪の確保が推奨されます。

※出典:e-gov法令検索 事務所衛生基準規則

通路の推奨通路幅は、通路を通す場所によって変わります。次の表から目安をご覧ください。

通路の場所 必要な通路幅
メイン通路 60~160cm
座席間の通路幅 160~210cm
デスク間の通路幅 160~210cm
座席背面が壁の通路幅 85~120cm
座席背面に書棚や収納棚がある通路幅 105~145cm

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オフィスレイアウトの基準寸法や適切な通路幅は?

 

◾️働き方を考慮した動線計画を立てる

動線計画をしっかりと組み立てることも欠かせません。動線とは、オフィス内で働く従業員の移動経路を指す言葉です。出発地から目的地までの移動経路を線で考え、経路が狭い、邪魔な壁や家具・設備があるといった妨げのない動線が求められます。

間仕切りの設置により動線に無駄が生まれると、従業員が移動する際に迂回や往復が必要になってしまいます。例えば、「業務スペースのパーテーションが邪魔で、プリンターにアクセスするため回り道をする」などです。

間仕切りを設置する際には、動線計画をしっかりと立てましょう。設置する造作壁やパーテーションが邪魔にならないよう、メイン通路やサブ通路に通路幅を持たせたうえで間仕切りをおこなってください。もちろん、消防法上の避難経路の確保も欠かせません。

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オフィスの動線計画でおさえておきたいポイント|企業の成功事例も紹介

 

◾️消防法を確認する

間仕切りによって独立した個室が生まれると、消防法上の居室と見なされる可能性があることに注意しましょう。おもに、造作壁や天井までカバーしたハイパーテーションによって間仕切りされた空間が居室扱いの対象となります。

消防法では、居室にあたる空間に次の設備の設置を求めています

  • スプリンクラーなどの消火設備
  • 火災報知器などの警報設備
  • 非常灯などの誘導設備
  • 排煙装置などの設備

間仕切りをおこなう空間が消防法で居室と扱われるかどうかをチェックし、必要な設備を備えましょう。消防法に抵触しないで間仕切りをおこなう際には、ローパーテーションやカーテンなど、天井までのカバーの無い手段が有効な選択肢となります。

※出典:e-gov法令検索 消防法

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個室ブースを設置する際には消防法の確認が必要|特例の内容や申請手順を紹介

 

◾️工事の種類の違いを意識する

オフィス移転に伴う工事には、A工事・B工事・C工事の3区分が存在しています。この3区分は、工事内容に伴う施工会社の選定や費用負担を誰がおこなうかを決めるために用いられる区分です。間仕切りの工事はB工事、またはC工事となります。

B工事は業者の指定をオーナーが、発注と費用負担をテナントがおこないます。一方、C工事では業者の指定・発注・費用負担すべてがテナント側となります。

パーテーション工事自体はC工事に該当しますが、間仕切りに付随して空調工事や消化工事が発生すると、B工事が同時に発生する場合があることに注意しましょう。工事区分はビルの管理会社によって異なる場合があるため、オーナーに確認を取りましょう。

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A工事・B工事・C工事の違いとは?区分別の特徴から確認事項までわかりやすく解説

オフィスの間仕切りを選ぶときのポイント

間仕切りをおこなうことでオフィス内の空間を有効活用できるようになりますが、ただ実施すれば良いというわけでもありません。会社のニーズや事情によって造作壁を選ぶか、ハイパーテーションを選ぶかといった悩みも発生するでしょう。

自社に最適な間仕切りを選ぶためには、次のポイントをおさえておくことが大切です。

  • 間仕切りの目的を明確にする
  • 将来のレイアウト変更の可能性を考慮する
  • デザイン性もチェックする
  • 個室ブースなども検討する

それぞれのポイントの詳細を見ていきましょう。

 

◾️間仕切りの目的を明確にする

まずは「何のために間仕切りをおこなうのか」を自社内で明確にすることが大切です。間仕切りは造作壁や各パーテーションなど、種類によってそれぞれ違う特徴があります。目的に沿った特徴を持つものを選ぶようにしましょう。

例えば、会議室や個人用の集中スペースのような、外界から遮られた空間を作りたい場合には、高い遮音性を持ち視線を遮ることのできる造作壁やハイパーテーションが必要です。

遮音性は重視せず、視線を遮ることによる集中力アップを目指すならばデスクの周囲をローパーテーションで覆うことも有効でしょう。また、業務スペースと通路を区別するだけならば、オフィス家具やカーテンによる間仕切りだけでも効果を発揮します。

 

◾️将来のレイアウト変更の可能性を考慮する

将来的にレイアウト変更をおこなう可能性が高い場合は、工事不要なアイテムで間仕切りしましょう。造作壁やハイパーテーションは高い遮音性を持ちますが工事が必要なため、一度間仕切りすると今後のレイアウト変更が難しくなります。

工事無しに間仕切りがおこなえるアイテムとしては、ローパーテーションやキャビネットなどのオフィス家具、カーテンがあげられます。従業員だけでも移動させられるため、工事費用の負担もおさえつつ柔軟なレイアウト変更を実現できます。

 

◾️デザイン性もチェックする

間仕切りをおこなう際には、ただ空間を切り分けるだけでなく、デザインの良さにも気を配りましょう。デザイン性にこだわったオフィスにはブランディング効果があり、従業員のモチベーションや来訪者への印象に良い影響を与えやすくなります。

デザイン性を高める手段としては、自社の企業理念や業務内容からイメージされる色を取り入れることがあげられます。例えば、木造住宅を取り扱う企業であれば、造作壁を木目調に仕上げる、緑や木の色を取り入れるといったデザインが候補になります。

また、実際にオフィスを利用する従業員の意見を取り入れることも大切です。働きやすくおしゃれなオフィスは、従業員のエンゲージメント向上にもつながります。次の記事もあわせてご覧いただき、オフィスデザインの向上を検討してみてください。

【おしゃれなオフィスデザインの成功事例9選】コンセプトや業者選びのポイントも解説

 

◾️個室ブースなども検討する

間仕切りとあわせ、個室ブースの導入も検討してみましょう。個室ブースはデスクと椅子を壁で覆った個室空間で、椅子のついた電話ボックスのような一人用のものから4人ほど収容できる大型のものも存在しています。

個室ブースには、天井まで覆われた遮音性の高いフルクローズモデル、天井は覆われていないセミクローズモデル、背中側がオープンで外界とのコミュニケーションも維持できるオープンモデルの3種類があります。

個室ブースは既存のオフィスに簡単に設置でき、大掛かりな工事も不要です。ただし、消防法上の事項は守らなければならない点に注意しましょう。

オフィス個室化に関しては次の記事もご参照ください。

オフィスを個室化する方法とは?メリットやおすすめのオフィス家具を紹介

オフィスの間仕切りに活用できるおすすめ家具

実際にオフィスの間仕切りをおこなう際に便利な家具や、個室ブースをご紹介します。

 

◾️Focus booth7

  • 外パネル  :メラミン化粧板
  • 内パネル  :フェルト6mm
  • 支柱・ドア枠:アルミ押出材
  • ドアパネル :ポリカーボネート
  • 天井    :吸音パネル
  • トップ   :LED付
  • 仕様    :前面LED付・1口コンセント付

Focus booth7はスライドドアつきの個室ブースです。フェルトの内装のため遮音性が高く、LED照明が標準装備されているためWeb会議にも有効活用できます。視界を遮りプライベート感を高められるため、個人用の集中スペースとしても便利です。

同じ製品同士で連結する機能もあるため、複数のブースをまとめて設置することもできます。扉のついた個室のまとまりをつくりたい、といった際には導入を検討してみてください。

Focus booth7の詳細はこちら

 

◾️Focus Room

  • パネル    :スチール ※裏面石膏ボード貼付
  • ガラスパネル :t8強化ガラス
  • ガラス扉   :t12強化ガラス
  • 蝶番     :ガラス用自由蝶番
  • 取っ手    :アルミ鋳物
  • 床      :t20パーチクルボード、表面タイルカーペット張
  • 内壁表面・内部:布、ウレタンフォーム

Focus Roomは、業務スペースや会議室の設置のための間仕切りを実現できるブースです。複数人での利用を想定しつつ、ガラス張りで開放感を確保していることが強みと言えるでしょう。狭さを感じさせない間仕切りに最適です。

Focus Roomの詳細はこちら

 

◾️シンプルブース

  • パネル素材     :フェルト+MDF、パーチクルボード
  • フレーム・連結ポール:アルミ押出材
  • 表面材       :フェルト(吸音効果あり)
  • フェルトカラー   :ダークグレー(DG)

シンプルブースはセミオープンな間仕切り家具です。個人用の集中スペースを連結することで、オフィス内にブースエリアを簡単に作ることができます。設置が簡単なため、自由なレイアウトで間仕切りをおこなえるでしょう。

表面材にはフェルトが採用されているため、個人ワークに集中するためには十分な吸音効果も期待できます。背中がオープンとなっているため、仕事中の声かけを妨げることもありません。

シンプルブースの詳細はこちら

 

◾️TELECUBE by IRISCHITOSE

  • 天板  :メラミン化粧板(KM307)
  • 標準設備:天井照明、天板、天板上スイッチ付コンセント、換気ファン
  • 種類  :1人用(オートヒンジタイプ)
         2人用(コンシールドタイプ)
         4人用(コンシールドタイプ)

TELECUBE by IRISCHITOSEは、フルクローズ型の個室ブースです。1人用から4人用までバリエーションが存在し、オフィス内に集中ブースやWebミーティングスペース、小さい会議室を設けたい場合に役立ちます。

フルクローズ型は四方が覆われますが、TELECUBE by IRISCHITOSEは換気ファンが設置されているため常に新鮮な空気を吸って過ごすことが可能です。遮音性も高く、照明も完備されているため快適な業務空間を実現できるでしょう。

TELECUBEの詳細はこちら

まとめ:自社に最適な間仕切りをおこないオフィス環境を改善しよう

オフィスレイアウトにおいては、自社のニーズに合った間仕切りをおこなうことが重要です。何のために間仕切りをおこなうのか、どのような間仕切りなら従業員が働きやすいかを意識しながら、造作壁やパーテーション、個室ブースなどの導入を検討しましょう。

また、間仕切りにおいては事務所衛生基準規則や消防法の遵守も重要です。正しいオフィスレイアウトによって、従業員の働きやすさと安全を守りましょう。不安があれば、専門業者の知識を借りて間仕切りすることも有効です。

アイリスチトセでは、オフィスに関する総合的なサポートを提供しております。オフィスの間仕切りなどでお悩みがありましたら、ぜひアイリスチトセへご相談くださいませ。

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