Web会議用のブースは必要?選び方やおすすめ商品を紹介
ブース
Web会議の機会が増えたことにより、さまざまな課題が浮き彫りになってきています。特に、周囲の雑音や背景への映り込みが気になり集中しにくいという点に課題を感じるビジネスパーソンは多いようです。
Web会議に集中できる環境を作るため、オフィス内にWeb会議用のブースを設置する企業も増えています。専用ブースは周囲の視線や音を遮断できるため会議に集中しやすく、防音性能の高さから情報漏洩のリスクを下げる効果もあります。
そこでこの記事ではオフィスにおけるWeb会議用ブースの必要性や設置するメリット、選び方などを解説します。後半では環境改善に成功した企業事例も併せて紹介するので、自社でWeb会議の環境を整備する際に役立ててください。
目次
Web会議における専用ブースの必要性
周囲の視線や雑音が気になりやすい環境はWeb会議に適しているとは言えません。会議に集中できないだけでなく、関係者以外に話を聞かれる恐れがあることから情報セキュリティの観点でも問題です。
近年テレワークやリモートワークといった新しい働き方の普及が進み、社内外の会議や商談などをオンラインでおこなう機会も増えました。Web会議は新たなツールとして定着しつつありますが、それに対しオフィスが最適化されているとは限りません。
従来のオフィスでは音漏れや映り込みが気になるなど、不都合も出てきているようです。課題解決のため、企業にはWeb会議に集中できる環境整備が求められています。
Web会議の専用ブースは課題解決手段の一つとして多くの企業で導入されています。専用ブースは快適にWeb環境ができるよう整備されているため、周囲の音や背景の映り込みを気にする必要はありません。またWeb会議だけに留まらず、ソロワークに集中したい場合にも利用可能です。
集中ブース設置に関する詳細はこちらの記事でも解説しています。
専用ブースを設置するメリット
Web会議には音漏れや映り込みのほか、情報漏洩リスクなどセキュリティ面での課題もあります。Web会議が増えたことで出てきた課題は、専用ブースの設置で解決できる可能性があります。ここからは専用ブースの設置が課題解決の手段となり得る理由を解説します。
◾️周囲の視線や音を遮断できる
オフィス内に専用ブースを設置すれば周囲の環境を遮断できるため、Web会議に適した空間を生み出せます。従来のオフィス環境では、周囲の視線や音が気になってWeb会議に集中できない課題が出てきました。
専用ブースにはさまざまなタイプが展開されており、遮音性や吸音性に優れているものも多いです。専用ブースを利用すると、オフィス内で働く社員が多いときでも周囲を気にせずWeb会議に集中できるようになります。
◾️情報漏洩を防止できる
専用ブースは周囲の環境を遮断できるため、重要な情報の外部漏れを防ぐ効果が期待できます。
Web会議では個人情報や機密情報を取り扱うこともあるため、情報漏洩を防ぐための対策が必要です。特にフリーアドレス制ではオフィス全体がオープン空間なので、プライバシーが守られにくい環境です。オープンな空間でWeb会議すると、来社した取引先の担当者に文書を見られる、あるいは会話内容を聞かれるリスクもあります。
専用ブースを設置すれば重要な情報を守れるため、情報漏洩対策につながります。
◾️個人ワークに集中できる
専用ブースは、社員が作業効率を上げたいときに利用すると効果的です。同じ場所で長時間作業を続けていると集中力が低下し、作業効率が下がることがあります。作業効率を上げるためには、環境を変えてメリハリをつけることも大切です。
専用ブースは壁の一部または全部にパーテーションが設けられており、周囲の視線や音を遮断できます。オフィス内に静かで集中できる環境があれば、個人の作業効率が上がる可能性があるため、専用ブースを効果的に活用してみましょう。
Web会議用ブースの設置方法と選び方
専用ブースにはさまざまな種類があります。自社に適した専用ブースは目的や人数、求める機能性などによって異なります。また、商品によって設置方法も異なるため、オフィススペースに設置できるかも併せて確認しましょう。
ここからは、専用ブースの設置方法と選び方を解説します。
◾️1.専用ブースの種類
専用ブースは、大きくわけるとクローズド型・セミクローズ型・オープン型の3種類があります。
種類 | 特徴 | 遮音性・吸音性 | 適した用途 |
クローズド型 |
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高い |
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セミクローズ型 |
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やや高い |
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オープン型 |
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低い |
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クローズド型は周囲の視線や音を完全に遮断できるため、機密性の高いWeb会議や重要な商談をおこなう際に適しています。予算が十分に確保できない場合は、セミクローズ型やオープン型を選ぶと低コストで導入できます。
どれも基本的に工事不要で導入できますが、消防署への届け出や設備の設置が必要な種類もあるため、事前に確認が必要です。なお、専用ブースに関する法律の注意点については、「専用ブースを設置する際の注意点」で詳しく解説します。
◾️2.目的と人数
専用ブースは、1人用のほかに複数人で利用できるものもあります。ニーズとミスマッチなものを設置しても利用されない可能性もあるため、目的や人数に合わせたものを選ぶことが大切です。
現在販売されている専用ブースは、1人用・2人用・4人用が多いです。たとえば、利用目的が1人でのWeb会議や個人ワークの場合は1人用、1on1ミーティングや個人面談の場合は2人用が適しています。サイズは、想定される利用人数が多いほど大きくなります。
4人用なら複数人での打ち合わせやプレゼンテーションなど、幅広いシーンでの利用も期待できるでしょう。利用目的がWeb会議だけだとは限らないため、自社でどのような目的で利用するかを整理し、人数も考慮して選びましょう。
◾️3.遮音性と防音効果
専用ブースを選ぶ際には、遮音性と防音効果を確認するようにしましょう。遮音性や防音効果は、基本的に密閉されているほど高くなります。クローズド型はすべての面が囲まれているため、セミクローズ型やオープン型より更に高い遮音性や防音効果が期待できます。
また、遮音性や防音効果は、パネルに使用されている素材でも異なります。たとえば、Web会議で周囲の視線や音を完全に遮断したい場合は、遮音性や防音性に優れたパネルが使用されているものを選びましょう。
実際にどの程度の遮音性と防音効果があるかは、実物で試してみるのも手段の一つです。メーカーによっては導入前に一定期間トライアルできるケースもあるため検討してみてください。
Web会議ブースを設置する際の注意点
オフィス内に専用ブースを導入しても、設置場所を誤ると上手く活用できない可能性もあります。また、種類によっては法律に準じた設置が求められるため、事前確認が必要です。ここからは専用ブースを設置する際の注意点を解説するので、ぜひ参考にしてください。
◾️人の出入りが少ない場所に設置する
専用ブースを設置する際には人の出入りが少ない場所を選びましょう。ブース内は周囲の視線や音を遮断できますが、人の気配を感じると集中力が途切れてしまう可能性があります。
また、出入口付近に設置すると、人の往来を妨げてしまう原因にもなりかねません。設置に適した場所は、オフィスの出入口から遠い壁側などです。設置場所に配慮すると、Web会議や個人ワークにより集中しやすい環境を整備できます。
◾️消防法を確認する
設置する種類によっては、消防署への届け出や設備の設置が必要です。「居室」と見なされる専用ブースには、スプリンクラーや自動火災報知の消防設置が義務づけられているためです。
消防法では、クローズド型は「居室」に分類されます。ただし、可動式の場合、次の条件を満たせば消防設備の設置が免除されます。
- 床面積が3平方メートル以下であること
- 天井と壁の素材に不燃材料が使用されていること
- ブース内で発生した火災を外部から目視で確認できること
- ブース内に設置された設備で火災が消火できること
- 住宅用下方放出型自動消火装置はパッケージ型自動消火設備Ⅱ型に準じた点検が定期的に実施され適切に維持管理されていること
- ブース内の音圧が65デシベル以上となることが確認できること
社員の安全を守る重要な規定です。必ず設置前に確認しておくようにしましょう。
◾️利用ルールを決める
専用ブースは社員同士でシェアするスペースであるとともに、業務に集中するためのスペースでもあります。目的通りに活用してもらうためには事前にルールを決めておくと効果的です。たとえば、1回当たりの利用時間に制限がない場合、特定の社員が長時間利用し続けることも想定されます。専用ブース設置後のトラブルを避けるためにも規定を設けておくと良いでしょう。
ルール策定で定めておきたいポイントは次のとおりです。
- 予約方法
- 1回当たりの利用時間
- 飲食の可否
- 私語禁止・通話可能ブースを設ける など
ブース前にルールを一覧にして掲示しておくという方法もあります。
Web会議ブースに使えるおすすめオフィス家具3選
◾️【クローズド型】TELECUBE AIR by IRISCHITOSE
TELECUBE AIR by IRISCHITOSEは遮音性の高いクローズド型なので、Web会議や集中したいときの個人ワークに最適です。両サイドにフロント照明が設置されているため、Web会議の際に相手に対して明るい表情を映し出せます。
自動消火装置が設置されているため、消防法による消防設備設置義務の免除が適用されます。
タイプ |
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サイズ(W×D×H) |
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仕様 | 天板:メラミン化粧版 |
標準設備 |
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◾️【セミクローズ型】Focus booth series
Focus booth seriesは、壁の3面が囲まれたセミクローズ型の専用ブースです。視界を程よく遮断しつつ周囲の気配も感じとれるため、オープンなスペースの中でも一時的にWeb会議や個人ワークに集中できます。
天井や壁の一部がオープンになったものなど、6種類のタイプが展開されています。テレフォンブース(オープン)は電話ボックスのような仕様になっており、スタンディングワークも可能です。
タイプ |
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サイズ(W×D×H) | 1388×1488×1360mm |
仕様 |
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◾️【セミオープン型】シンプルブース
シンプルブースは、壁の3面と1面の一部が囲まれたセミオープン型の専用ブースです。パネルには吸音効果のある素材が使用されているため、セミオープン型でありながら音漏れ防止が期待できます。
複数を連結できる仕様なので、組み合わせ次第でオフィス内の一角に専用ブース空間を作れます。
タイプ |
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サイズ(W×D×H) |
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仕様 |
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Web会議の環境改善に成功した企業事例
最後に、Web会議の増加による課題を改善できた企業の成功事例をご紹介します。
◾️合同会社DMM.com
合同会社DMM.comは「領域とわず、何でもやる」をコンセプトに、規模の大小やジャンルに関係なく、幅広い事業を展開している企業です。テレワークの普及で出社率が2割程度になったことから六本木本社のフロアの縮小を検討、2022年に大規模なレイアウト変更を行いました。
フロアを縮小すると全体の座席数が減り、座っている人と人のスペースが十分に取れなくなることから、オンライン会議でのコミュニケーションストレスの増加が懸念されました。そこでストレスを改善するために、「テレキューブ by アイリスチトセ」を大量導入するまでに至りました。
合同会社DMM.com のオフィス改装プロジェクトに関する事例はこちらの記事でも解説しています。
◾️ハドラスホールディングス株式会社
ハドラスホールディングス株式会社は、常識を塗り替えながら新しい付加価値を提供し続けるナノテクノロジー研究開発ベンチャー企業です。Web会議が増える中で、社内コミュニケーション不足の課題に直面しました。
オフィス移転をきっかけに社員が働く環境を整備したいとの思いから、フリーアドレスの導入に踏み切りました。オフィスの一角にはフルクローズ型の専用ブースを設置したため、必要なときにいつでもWeb会議ができます。特に会議室のデザインや設計にはこだわり、会議がしやすい環境を実現させました。
ハドラスホールディングス株式会社のオフィス移転プロジェクトに関する事例はこちらの記事でも解説しています。
◾️アイリスオーヤマ東京R&Dセンター
アイリスオーヤマ東京R&Dセンターでは、Web会議やWebミーティングが定着したものの、音漏れや背景の映り込みに課題を抱えていました。既存の会議室はWeb商談で埋まっているケースが多く、慢性的な会議室不足に陥っていました。
さらにWeb会議に適したスペースも不足していたため、テレキューブ by アイリスチトセを導入しました。専用ブースの設置により解題は改善に向かい、より快適なWeb会議環境を実現しています。
まとめ:専用ブースを効果的に取り入れてWeb会議の環境を改善させよう
オープンスペースでWeb会議をおこなうと、周囲の視線や音が気になって集中できないことや、映り込みによる予期せぬ情報漏洩なども懸念されます。専用ブースは防音や遮音に優れているため、Web会議にともなう課題が解決できるかもしれません。
専用ブースには複数種類があり、目的や人数に応じて適したものが異なります。導入後に失敗しないためにも、社員にアンケートを実施してみましょう。またブース設置にあわせて利用ルールを策定し周知徹底することで、社員全員が活用しやすい環境にできます。
専用ブースを設置によりWeb会議の快適性を高め、より働きやすい環境を実現しませんか。