【PDF付き】オフィス移転で活用したいチェックリスト|必要な手続きを徹底解説
オフィス移転
オフィスの移転はやるべきことが多く、期日までに完了できるか不安を抱えている方もいるでしょう。オフィス移転をミスなくスムーズにおこなうためには、チェックリストを用いた準備が必要です。
しかし、何の知識もないままゼロからチェックリストを作成するのは至難の技です。そこで、本記事ではオフィス移転を検討している企業の担当者向けに、オフィス移転で役立つチェックリストについて詳しく解説します。
また本記事内で紹介するチェックリストは、PDFとしてダウンロードできます。ぜひ自社のオフィス移転にお役立てください。
※ダウンロードする方法は記事の最後に紹介しています
目次
オフィス移転の流れ
オフィス移転の具体的な流れは、次のとおりです。
- 計画の立案
- 移転先の選定
- 現オフィスの解約
- 新オフィスのレイアウト決定
- 業者の手配
- 引越し
- 原状回復の工事
- 移転の届出
上記の流れに沿って、オフィス移転の手順を見ていきましょう。
オフィスの移転先を選定するまでのチェックリスト
ここでは、オフィスの移転先を選定するまでの流れをご紹介します。移転先を選定するまでにすべきことのチェックリストは次の通りです。
- オフィス移転の目的やゴールを確認
- 新しいオフィスのコンセプトを決める
- オフィス移転の計画を立てる
- オフィスの移転先を選定する
- 費用の把握
現在のオフィスから移転を検討するには、それ相応の理由があるはずです。どういった目的でオフィス移転を実施するのか、移転すれば現在のオフィスが抱える問題は解決するのかといった、目的とゴールを明確に決めるようにします。規模の大きなオフィス移転の場合、総務を中心に関係部署から数名ずつ担当者を選出してオフィス移転のプロジェクトを組むと、意見交換がスムーズです。
次に、目的とゴールが達成できるオフィスコンセプトを考えていきます。コンセプトが決まれば、立地・広さ・賃料・設備などの移転先の条件を策定し、移転日程の計画を具体的に落とし込んでいきましょう。
合わせて、全体の費用が予算内に収まるかどうかも検討します。もし予算をオーバーする場合、条件の中で優先させるところと妥協できるところを確認します。家具や備品を旧オフィスから移動させる、もしくはリサイクル業者に買い取ってもらうといった、コストをおさえる工夫も求められるでしょう。
オフィス移転の8~7カ月前までにやることのチェックリスト
オフィス移転は時間と手間がかかる大きなプロジェクトです。賃貸オフィスであれば、解約の6カ月前にオーナーへの通達が必要となる物件が多いことから、少なくともその1~2カ月前には準備しておくようにします。オフィスの規模にもよりますが、遅くとも移転日の8カ月くらい前には準備をスタートしておくようにしましょう。
この時期に準備すべき内容について、詳しく説明します。
■1.移転の目的・方針の設定
まずは、オフィス移転の目的やゴールを確認しましょう。オフィス移転の目的が曖昧だと、移転先や内装工事などの方針が決められず一定の時間を要してしまいます。
目的が定まらない場合は、現状のオフィスの課題が何かを抽出するようにしましょう。たとえば、交通の便が悪いならば「アクセスの良い立地に移転すること」が目的となります。また、社内のコミュニケーション不足を改善したいのであれば「社員同士の接点が増え、エンゲージメントも向上するようなオフィスデザインにすること」が目的となるでしょう。
もしオフィス移転の目的やゴールが確認できたら、社員に共有しましょう。「アクセスが良くなる」といった移転後のメリットが伝われば、社員の協力を得やすく作業が円滑に進みやすくなります。
次に、移転先となるオフィスのコンセプトを決めましょう。当初洗い出した現オフィスの課題点を改善できるようなコンセプトを決めるのがポイントです。
コンセプトを決めるプロセスにおいては、一人の担当者の独断とならないように、複数の部署からチームを編成し、それぞれが話し合って決めるのをおすすめします。一人でコンセプトを決めると、会社全体のメリットとズレが生じてしまう恐れがあるからです。
具体例としては、「生産性を向上させる」「社員のモチベーションを高める」「自社のブランディングを確立する」などが挙げられます。自社にとって最適なコンセプトを見つけましょう。
■2.現オフィスの解約について確認
賃貸契約書から、敷金・保証金などの扱いや原状回復工事の範囲などをチェックします。確認を怠るとトラブルに発展する恐れがあるため、注意してください。また、定期借家契約で途中解約をする場合は、事前にオーナーから合意をもらう必要があります。
解約予告日は原則変更できないため、無理のないスケジュールで退去準備を進められるよう、社内で話し合ったうえで慎重に決めましょう。
■3.移転スケジュールの策定
オフィスの移転には、長期にわたる準備期間が必要です。移転後の稼働日を決め、そこから逆算してスケジュールを策定するようにします。大まかなスケジュールの例を次に挙げますので、参考にしてください。
- 6カ月前まで
移転の目的・方針決定、解約についての確認、移転先の決定、業者の選定、予算の確定 など
- 4カ月前まで
オフィスレイアウト・内装の検討、オフィス家具・OA機器・インフラの手配、各業者との打ち合わせ・費用の確認 など
- 2カ月前
取引先への通知準備、住所変更の手配、移転準備、施主検査、社内告知 など
- 移転直前
搬出する荷物の確認、移転の立ち会い など
- 移転後
関係省庁や各種機関への変更届提出、原状回復工事の確認 など
すべてが予定どおり進むとは限らないため、余裕をもったスケジューリングが必要です。
■4.移転先の物件探し
移転の目的やコンセプトをもとに、移転先の物件を探します。
オフィス物件選びには、次に挙げるとおりさまざまな条件があります。「自社の求める目的やコンセプトが実現できるかどうか」「従業員の利便性はどうか」「予算内に収まるかどうか」などを総合的に考えて、物件を選ぶようにしましょう。候補物件の目星がついたら必ず現地まで出向き、物件や周辺の状況を細かく確認するのが大切です。
【オフィス物件選びで重視される条件例】
- 賃料・共益費・保証金など
- 面積
- 立地条件・周辺環境
- ビルのグレード・階数・占有部分の方角や位置
- 専有部分・共用部分の設備
- 契約条件
- フロアの使用可能時間
- 駐車場の有無 など
なお、いくら条件がよくても移転時期に合わない物件だと、あきらめなければならない可能性もあります。実際に稼働するには、内装やインフラなどの工事が必要となるため、工事日程を踏まえたタイミングで契約できる物件を探しましょう。
■5.業者の選定
オフィス移転サービスの利用を検討しているものの、どの業者に依頼をすべきかわからず困っている方もいるでしょう。業者によってサービスの質や対応力が異なるため、慎重に選ぶ必要があります。
具体的には、次の選定基準にしたがって業者を選ぶと良いでしょう。
- オフィス移転の実績
- サポートの範囲
- アフターフォローの充実
- 価格
- 口コミ・評判
価格をおさえようとするあまり、サポートやアフターフォローが充実していない業者を選ぶと、思いどおりにオフィス移転を進められない恐れがあります。反対に、サービスを重視しすぎて予算オーバーするのも危険です。バランスを見て業者を選びましょう。
また、業者のリサーチをする際にはインターネットを使うのも有効ですが、オフィス移転の経験がある知人や取引先に直接評判を聞くのもおすすめです。リアルな声を聞くことで、信憑性の高い情報を得られるでしょう。
オフィス移転の6~3カ月前までにやることのチェックリスト
移転の6カ月前には、新しいオフィスのレイアウトや内装を具体的に決めていきます。この時期には退去日が決まっていると思われますので、早めに決めておかないと最悪の場合引越し先が完成していない状況にもなりかねません。
具体的にどのように進めていけば良いか、詳しく説明します。
■1.レイアウトの検討
この時期は、いよいよ移転先のオフィスレイアウトを考えます。まずは、各部署に必要なスペースを洗い出し、ゾーニング計画を立てましょう。ゾーニング計画とは、オフィススペースを大まかに間取りしていく作業のことです。
各部署のスペース以外にも、エントランス・会議室・応接間・休憩室などの配置を考える必要があります。社員だけが利用するスペース、社員と来客者が利用するスペースに分けてゾーニング計画を立てるのがポイントです。
大まかなレイアウトを決めたら、専門業者のアドバイスをもらいましょう。さまざまなオフィス移転に携わってきた専門業者に任せれば、目的やコンセプトに沿ったレイアウトをスムーズに組みやすくなります。
■2.内装の検討
レイアウトと合わせて、オフィスの内装も検討します。
オフィスの内装は、企業のブランディングと機能性の両軸から考えるのがポイントです。デザイン性を重視するあまり使いにくいものとなると、生産性の低下が懸念されます。また、機能性重視でデザイン性がないオフィスでは、従業員のモチベーションに影響を与えかねません。
オフィスのコンセプトに合わせてコーポレートカラーを取り入れるといった、ブランディングの要素も含めて考えると良いでしょう。ただし、内装にこだわりすぎるとその分費用がかかりますので、予算内で収められるように計画します。
■3.オフィス家具やインフラの手配
オフィスの移転日に合わせて、オフィス家具やOA機器の発注、インフラの手配などをします。ちなみにOA機器とは、コピー機やパソコンなどのオフィスを自動化するのに必要な機器のことです。
オフィス家具は、すべてを新しくする必要はありません。移転後も使い続けるものと、移転を機に買い替えるものを選別しておきましょう。オフィス家具を選別する際には、コンセプトに沿って判断していくのがおすすめです。
OA機器はリースやレンタルをする会社がほとんどでしょう。リース会社に依頼をする際は納品の前にリース審査に通らなければなりません。
■4.各業者との契約・打ち合わせ
移転にかかわる業者を最終的に決め、契約と打ち合わせを進めます。
それぞれの業者を選ぶ際は、できれば相見積もりを取って費用の比較をしましょう。相見積もりを取ることでおおよその相場がわかります。費用があまりにも安い業者では、サービスや保証が十分ではないかもしれません。金額の高低だけではなく、サービスの内容やこれまでの実績も合わせて比較するといった、総合的な判断が求められます。
契約時には、作業範囲や工程についても綿密にチェックするようにします。お互いの認識に違いがあると、トラブルに発展する可能性も否めません。「スケジュールどおりに作業が進まない」「作業に漏れや抜けがあるが責任の所在がわからない」といったことがないよう、十分に注意して打ち合わせしておきましょう。
オフィス移転の2~1カ月前までにやることのチェックリスト
いよいよ、実際に移転する日程に近づいてきました。この時期には、オフィス移転に伴う事務的な作業も進めるようにします。
それぞれについて、詳しく説明します。
■1.取引先への挨拶の準備
オフィスの移転時は、取引先に移転する旨を送付するようにします。
送付の方法は、取引先企業には手紙やはがき、担当者へはメールを利用することが多く見られます。それぞれの送り先に合わせた挨拶状を準備するようにしましょう。また、各部署でリストを共有して作成すると、送り先の重複を防げます。
記載内容の項目例については、次のとおりです。
- 挨拶文
- 移転先の情報(住所・電話・ファックスなど)
- 稼働開始日と休業期間
作成時には最寄り駅からの地図や、駐車場の有無なども記載しておくと親切です。通常業務でのメールにも、移転の1カ月前くらいから署名欄に移転する旨を記載しておくのも良い方法です。
なお、移転の挨拶についての記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
オフィス移転のお知らせ例文を紹介|記載内容や送付までの手順を一挙解説
■2.書類・備品などの住所変更
住所が記載されている書類や備品があれば、移転後すぐに使用できるように、新しい住所が印刷されたものを準備しておきます。作成に時間がかかるもののあるため、早めに手配するのが大切です。
一例として、次の書類や備品が当てはまります。
- 社判
- 契約書・請求書・見積書
- 名刺
- 社員証
- 伝票
- 封筒 など
企業のホームページやSNSなどがある場合は、合わせて変更する準備をしておきましょう。
■3.社内周知・移転準備
社外だけでなく、社内向けにオフィス移転の詳細をマニュアルにまとめ、周知したうえで引越しをおこないましょう。どれだけ社外への連絡を徹底していても、社内連絡が不十分だと混乱や不満を招いてしまいます。
マニュアル作成時には、引越しまでのスケジュールや役割分担表、移転物品・残留物品・廃棄物リストなどを記載しましょう。役割分担表では、業者に依頼することと社員がおこなう業務を明確にする必要があります。「聞いていない」といった不満が生じないよう、具体的にわかりやすくまとめてください。
また、引越し当日は事前に決めた役割分担に応じて作業し、積み残しや搬入ミスがないようチェックしましょう。社員一人ひとりに協力してもらうためにも、引越しの目的やメリットをあらかじめ共有しておくことが大切です。
■4. 施主検査
施主検査とは、依頼した建設工事の仕上がりを施主が確認する作業のことです。依頼した図面どおりに工事がおこなわれているか、入念にチェックしてください。また、運搬時に家具やOA機器が破損している恐れもあるため、設置された家具やOA機器に不具合がないかも確認しましょう。
建物の耐震性や耐久性に問題があるのを見過ごしてオフィス移転をしてしまうと、後になってから大きな損害を被るリスクがあります。指摘した不具合を治してもらうためにも、施主検査は引き渡し2週間前までには終わらせるのが理想的です。
また、施主検査時には不動産会社か施工会社の担当者に立ち会ってもらい、不具合に関する指摘を正確に伝えるようにしましょう。
オフィス移転1カ月前〜当日にやることのチェックリスト
オフィス移転が終了しても、しなければならないことは残っています。ここでは、移転日当日以降に対応が必要なものについて説明します。
■1.移転当日の作業確認・立ち合い
移転日当日は、新旧オフィスそれぞれに立ち合いするようにします。
立ち合いせずに業者へすべて任せきりとした場合、破損や紛失があった場合に責任の所在がわからなくなる可能性も考えられます。搬出時と搬入時には必ず立ち合いして、次の内容を確認しておくとトラブルを最低限におさえられるでしょう。
搬出時のチェック項目
- 積み残しがないかチェックする
- 移動するオフィス機器の傷やへこみなどの写真を撮っておく
- 破損の可能性があるものは養生されているか見ておく など
搬入時のチェック項目
- 搬出されたものがすべて届いているか確認する
- 傷やへこみがあれば写真と照合する
- 破損や汚損がないかチェックする など
■2.原状回復工事の完了・引き渡し
オフィス移転が完了したら、元オフィスで原状回復工事を開始します。原状回復工事とは、オフィスを借りる前の状態に戻す工事のことです。原状回復工事にかかる費用は、原則すべて借主が負担します。
具体的には、家具・備品・パーテーションなどを撤去する、オフィスの床や壁に施した加工を元に戻す、床や壁の汚れをクリーニングするといった作業が発生します。また、看板やカーペットを取り付けている場合も撤去が必要です。原状回復すべき項目は契約内容によるため、トラブルにならないよう確認しておきましょう。
移転が完了したら原状回復工事を開始し、予告した解約日前に完了させましょう。指定したとおりに原状回復されているかしっかりと確認したうえで、引き渡しをおこなってください。
■3.口座・クレジットカード情報の変更
法人で契約している銀行口座やクレジットカードなどがあれば、カード情報は忘れずに変更しておきましょう。会社で管理しているもの以外に、従業員個人で管理しているものがあれば、すべてリストアップしてまとめて変更するようにします。
カード情報の変更方法は、銀行やカード会社によって異なります。事前に問い合わせて変更方法を確認しておき、転居後すぐに対応できるように準備しておきましょう。
銀行やクレジットカード以外にも、書籍やオフィス用品など定期的に購読・購買しているものがあれば、合わせて変更しておきます。
■4.各機関への届け出
引越し前には、契約中のライフラインや消防署や郵便局への届け出が必要です。手続きの種類とタイミングは、次の一覧表をご覧ください。
手続きの種類 | 手続きのタイミング |
契約中のライフライン
(電気・ガス・水道・インターネット・電話回線) |
移転が決まり次第 なるべく早めが望ましい |
消防署への届出(防火対象物使用開始届出書・防火対象物工事等計画届出書) | ・防火対象物使用開始届出書は使用開始の7日前まで ・防火対象物工事等計画届出書は着手する日の7日前まで |
郵便局への届出(住所変更・転送届) | 住所変更・転送を開始したい日程まで |
直前になって慌てることのないよう、早いうちから必要な手続きとタイミングを把握しておきましょう。
オフィス移転の際に必要な行政手続き
引越し前だけでなく、引越し後にも提出すべき届出があります。具体的には、次の表のとおりです。
手続きの種類 | 手続きのタイミング |
税務署への届出
(法人税の取り扱いに関係する異動届出書) |
移転後1カ月以内 |
警察署への届出
(自動車保管場所証明申請書・安全運転管理者変更届※ナンバープレートの変更が必要な場合のみ) |
できるだけ早く |
年金事務所への届出
(適用事業所所在地・名称変更届) |
移転後5日以内 |
労働基準監督署やハローワークへの届出
(労働保険名称・所在地変更届・雇用保険事業主事業所各種変更届) |
移転後10日以内 |
法務局への届出
(本店・支店移転登記申請書) |
本店の場合は移転後2週間以内
支店の場合は3週間以内 |
利用している口座やクレジットカード
(登録内容変更※住所変更や電話番号の変更など) |
できるだけ早く |
提出し忘れることのないよう、事前に手続きのタイミングを理解しておきましょう。
オフィス移転を成功させるポイント
オフィス移転を成功させるためには、押さえるべきポイントがあります。オフィス移転を成功させるポイントを詳しく説明するため、参考にしてください。
■余裕をもって解約予告をする
オフィスを解約したい場合、建物のオーナーにあらかじめ解約予告をする必要があります。一般的には、解約する日の半年前までに解約予告が必要なケースが多いですが、契約によって異なるため確認しましょう。
民法540条2項にもとづき、一度解約予告をするとあとから撤回できません。万が一解約予告日までに移転の用意が間に合わなくても、退去を求められます。準備が間に合わず困ることのないよう、余裕のあるスケジュールでオフィス移転を進めましょう。
なお、解約予告が必要な理由はオーナーの収入維持のためです。解約予告があれば、予告日までに次の入居者を募集でき、オーナーの収入が途絶えずに済みます。
■使用頻度の低いものから引越し準備をする
引越しの準備を早めに進める必要があるとはいえ、当然通常の業務も並行してこなさなければいけません。そのため、使用頻度が低いものから荷造りをするのが効率的です。使用頻度が低いものであれば、パッキングしても業務に支障を来しにくいでしょう。
日頃から業務で使用する最低限のものだけ、引越し日の直前に荷造りします。当日に荷造りする量が多いと時間がかかり引越しが遅れる可能性があるためです。
また、移転後すぐに使用したいものはひとまとめにしておくと便利です。通常業務と移転準備のバランスや、移転後のことも考えて荷造りをしましょう。
■オフィス移転向けの補助金・優遇措置を活用
オフィス移転をする際、補助金や優遇措置を受けられることがあります。具体的な制度の概要や補助金・優遇措置は次のとおりです。
制度 | 概要 | 補助金・優遇措置 |
ものづくり補助金 | 中小企業庁と独立行政法人中小企業基盤整備機構によって制度化された補助金。生産性向上のために設備投資支援を受けられる。 | <補助上限額>
一般型:1,000万円 グローバル展開型:3,000万円 <補助率> 1/2~2/3 |
地方拠点強化税制 | 本社機能の一部または全部を東京23区から地方に移転する場合・地方で拡充する場合・東京23区以外から地方に移転する場合に、税制の優遇措置を受けられる。債務保証制度や融資制度などもある。 | <移転事業型>
オフィス減税:建物などの取得価額に対して、特別償却25%又は税額控除7% 雇用促進税制:地方拠点で本社機能に従事する雇用者の増加数一人当たり最大90万円の税額控除 <拡充型事業> オフィス減税:建物などの取得価額に対して、特別償却15%又は税額控除4% 雇用促進税制:地方拠点で本社機能に従事する雇用者の増加数一人当たり最大30万円の税額控除 |
移転先の地域によっては税制などの優遇措置を受けられないこともあるため、事前に必ず確認しましょう。
オフィス移転向けの補助金に関する詳細はこちらの記事でも解説しています。
オフィス移転のミスをなくす「オフィス移転サービス」
オフィス移転のミスをなくすためには、オフィス移転サービスを利用するのがおすすめです。ここでは、オフィス移転サービスのメリットや選定基準などをご紹介します。
■オフィス移転サービスを利用するメリット
通常業務が忙しいなか、半年もの時間をかけて自力でオフィス移転の準備を進めるのはとても難しいことです。場合によっては、通常業務に支障を来すかもしれません。
その点、オフィス移転サービスを使って専門業者に依頼すれば、オフィス移転計画を立てる時間や作業コストを削減できます。移転方針の設定・不用品の廃棄処分・移転先のレイアウト作成などを代行してもらえるうえに、その都度必要な説明を受けられて安心です。
オフィス移転サービスを使うと費用がかかるものの、社員が本来注力すべき業務に時間を割けるため、企業の成長や売り上げの向上につながるでしょう。信頼できる業者を探して依頼をすれば、手間をおさえて満足度の高いオフィス移転を実現できます。
■オフィス移転サービスの選定基準
オフィス移転サービスの利用を検討しているものの、どの業者に依頼をすべきかわからず困っている方もいるでしょう。業者によってサービスの質や対応力が異なるため、慎重に選ぶ必要があります。
具体的には、次の選定基準にしたがって業者を選ぶと良いでしょう。
- オフィス移転の実績
- サポートの範囲
- アフターフォローの充実
- 価格
- 口コミ・評判
価格をおさえようとするあまり、サポートやアフターフォローが充実していない業者を選ぶと、思いどおりにオフィス移転を進められない恐れがあります。反対に、サービスを重視しすぎて予算オーバーするのも危険です。バランスを見て業者を選びましょう。
また、業者のリサーチをする際にはインターネットを使うのも有効ですが、オフィス移転の経験がある知人や取引先に直接評判を聞くのもおすすめです。リアルな声を聞くことで、信憑性の高い情報を得られるでしょう。
まとめ:オフィス移転のチェックリストを活用してスムーズに作業を進めよう
オフィス移転は工数が多く管理が大変なため、効率的に進めるためにはチェックリストを用意することが重要です。本記事で紹介したチェックリストは次のリンクからダウンロードできるので、ぜひご活用ください。
チェックリストを活用するほかにも、オフィス移転準備に間に合うようにゆとりを持って解約予告をすることや、オフィス移転をする企業向けの補助金や優遇措置を活用することも、オフィス移転を成功させるために大切です。
オフィス移転を成功させられれば、生産性の向上や社員のモチベーションアップ、企業ブランディングの確立といった成果を得られます。ぜひ、本記事で紹介した内容を参考に、「移転して良かった」と思えるオフィス移転を実現してください。