社内図書館は企業に必要?メリットや成功のポイントを解説

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社内図書館は企業に必要?メリットや成功のポイントを解説

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社内図書館とは

社内図書館とは、社内に設置された従業員向けのライブラリースペースのことで、従業員が自由に利用できます。

設置形態は企業によってさまざまで、オフィス内に独立したライブラリースペースを設置する企業もあれば、オフィスカフェや執務室、休憩室などの空きスペースの一角に本棚やテーブルを配置している企業もあり、オフィス内に十分なスペースを確保できない場合でも、社内図書館を設置することが可能です。

一般的な図書館と同様に、スペース内で本or書籍や資料を読めるほか、貸出にも対応しているケースがほとんどです。蔵書or書籍のラインナップは企業によって異なり、専門書や自己啓発本、資格本、社内報など多岐にわたります。

従業員のリフレッシュ目的だけでなく、知見を広げる一助となることも期待できるため、近年多くの企業から注目を集めている施策です。

社内図書館を設置している企業のねらい

近年、社内図書館は多くの企業から注目を集めています。その背景には、働き方改革にともなう福利厚生の見直しや従業員のスキルアップなど、さまざまな要素が関係しています。

 

■業務能力の向上

企業が社内図書館を設置することで、従業員のスキルアップが期待できます。

昨今、業界の専門書や課題解決のノウハウ・ドゥハウが書かれた本が数多く出版されています。業務に関わる本or書籍を読むことで知識を深めることができ、従業員の業務遂行能力の向上に役立ちます。社内図書館の利用を通じて得た知識が社内に共有されれば、チーム力や生産性の向上も期待できるでしょう。

また、従業員のなかには自身のスキルアップや昇進のために、資格取得を目指している人もいるかもしれません。社内図書館に資格本を置けば、従業員は資格取得に必要な知識を身につけられるため、キャリアアップのサポートにもつながります。

 

■従業員の視野の拡大

社内図書館を設置する企業には、従業員の視野を拡大するねらいもあります。

幅広い分野の書籍を有する社内図書館では、普段自分からは手に取らないような本と出会える可能性があるため、新しい知識や分野に触れられる機会が増えます。偶然手にした本がきっかけとなり、新たなアイデアが創出されることもあるでしょう。アイデアが商品やサービスに反映され、企業の利益につながることも期待できます。

また、社内図書館は従業員なら誰でも利用できるため、普段の業務では関わりが少ない従業員との出会いの場にもなります。偶発的な人との出会いから生まれるコミュニケーションが従業員の刺激となり、多角的な視点を養うことができるでしょう。

 

■社内資料の保管スペースとしての活用

社内図書館は市販の書籍だけでなく、社内資料の保管スペースとしても活用可能です。オフィススペースには限りがあるため、社内資料の保管場所の確保に悩んでいる企業も少なくありません。社内図書館のスペースをうまく活用すれば、保管場所の問題が片付くほか、従業員の目にも留まりやすくなります。

これまでに作成された企画書や報告書などの資料が、従業員の業務に役立つこともあるでしょう。

社内図書館を導入する4つのメリット

企業が社内図書館を設置するメリットは、福利厚生を充実させることで、満足度の向上につながるだけではありません。従業員が社内図書館を利用することで、生産性の向上やリフレッシュ効果など、さまざまなメリットが期待できます。

 

■知識の共有による生産性の向上

業界の情報誌を取り扱うことで最新の情報を仕入れられ、従業員の自己研鑽にもつながるでしょう。

また、社内図書館の利用を通じて得た情報は、オフィス内で働く従業員同士で共有しやすいため、よりスムーズに業務を進行できます。従業員が本から得た情報を部署やチーム内で共有することで、従業員の知識の底上げにもつながるでしょう。

部下は上司やチームリーダーが読んだ本を知ることで、参考にするべき本を選別しやすくなります。業務に関する知識が社内全体に広がれば、従業員の仕事への意欲が高まり、生産性の向上が期待できます。

 

■コミュニケーションの活性化

厚生労働省の「令和元年版労働経済の分析」によると、働きやすさの向上には「職場の人間関係やコミュニケーションの円滑化」が重要と考える労働者の割合が最も多いことがわかっています。

※出典元:厚生労働省「令和元年版労働経済の分析」

従業員同士のコミュニケーションを活性化させるために、社内にマグネットスペースやオフィスカフェを設置する企業も増えていますが、社内図書館もコミュニケーションを活性化させる手段として有効です。

例えば同じ本を読んだことがきっかけとなり、新たな横のつながりが生まれる可能性もあります。社内図書館に上司や役員が推奨する本を設置すると、縦のつながりも生まれやすくなるでしょう。

 

■リフレッシュ効果

従業員は、社内図書館を休憩室として利用することも可能です。長時間仕事に取り組んでいると、集中力が途切れることもあります。集中力が低下したまま業務を続けても、高い生産性は期待できないでしょう。

社内図書館は気軽に一息つける場所になるため、従業員は仕事から一時的に離れてリフレッシュできます。課題解決のノウハウ・ドゥハウが書かれた本に触れることで、仕事に対する悩みが解消され、モチベーション向上にも寄与するかもしれません。

従業員のリフレッシュ効果を高めるためには、執務室と異なる雰囲気のデザインにすることがポイントです。社内図書館の一角に仕事ができる場所を設置すれば、業務内容や気分に応じて働く場所を変えられるため、集中力のアップが期待できます。

 

■出社の動機付け

2020年頃からは新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、人との接触を避けるために、テレワークを導入する企業が急増しました。

しかし、テレワークの普及によって出社率が下がった結果、コミュニケーション不足や業務の進捗状況を把握しづらいといった課題が浮き彫りになりました。これらの課題を解消するためには、従業員が出社したくなるオフィスづくりを進め、対面コミュニケーションを活発にすることが必要です。

 

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社内図書館を導入する3ステップ

自社で社内図書館を設置する際には、コンセプトの決定、運用ルールの策定、設置場所の決定の手順で進めていきます。

 

■ステップ1.社内図書館のコンセプト決める

蔵書のラインナップは目指す方向性によって変動するため、社内図書館を設置する際には目的を決めることが重要です。例えば、従業員の知識を高めたい、社内コミュニケーションを活性化させたいなど、自社の課題を解消できる具体的な目的を決めると良いでしょう。

同時に、社内図書館のデザインも検討する必要があります。自社のコンセプトに沿ったデザインを取り入れると、従業員に企業理念が伝わりやすくなるため、エンゲージメントを高める効果が見込めます。

また、社内図書館にリフレッシュ効果を期待する場合は、執務室と異なる雰囲気のデザインに仕上げましょう。社内図書館と執務室を異なる雰囲気にすることで、従業員は気分転換しやすくなります。

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■ステップ2.運用ルールの策定

企業が社内図書館を運用するにあたって、具体的なルールの策定も必要です。ルールが曖昧な場合、貸し出された本が返却されない、館内の飲食によって本が汚れるなどのトラブルが発生する可能性があります。

一般的な図書館と同様に、一度に借りられる冊数の上限や期間など、利用に関するルールを策定しましょう。本にバーコードラベルをつけると、誰がいつどの本を借りたかを管理できます。

また、社内図書館を円滑に運用するためには、専任の担当者の配置も検討しましょう。担当者を配置する際には、図書館業務に精通した図書館司書を新たに採用する方法やアウトソーシングを利用する方法もあります。

 

■ステップ3.設置場所の決定と蔵書の配置

社内図書館のコンセプトと運用ルールを策定した後は、設置場所を決定しましょう。設置ポイントは、人が集まりやすい場所を選ぶことです。人通りが少ない場所に設置すると、思うような利用が見込めない可能性があります。

執務室から近い場所に設置すれば気軽に立ち寄りやすいため、利用率の向上が期待できます。従業員がより利用しやすいよう、食堂やリフレッシュスペースに併設するのも手段の一つです。

また、既存スペースの隙間にライブラリスペースを設置する場合は、書架やラックなどの家具も活用しましょう。書架の上にスタンドを設置し、おすすめの本や新たに入荷した本をわかりやすく並べる方法もあります。

社内図書館の運用を成功させるポイント

企業が社内図書館を設置しても、必ず成功するとは限りません。社内図書館の運用を成功させるためには、従業員が利用したくなる工夫が必要です。

 

■「読んでもらえる本」を置く

社内図書館の設置効果を高めるためには、蔵書選びが重要なポイントになります。一部の部署や経営層だけで蔵書を決めると、従業員のニーズに対応できず、利用率が下がる可能性があるため、「読んでもらえる本」を置くようにしましょう。

従業員のニーズを把握するためには、興味がある本に関するアンケートをとる方法もあります。社内図書館には従業員から要望があった本のほか、業務に役立つ本も置くと、利用率の向上につながります。

従業員のリフレッシュ効果を期待し、娯楽小説やマンガを置くのも良いでしょう。専門的な内容の本の他にも、マンガでわかりやすく書かれた本を選ぶと、活字に慣れていない従業員も読みやすくなります。

 

■電子書籍も活用する

社内図書館では紙媒体の本だけでなく、電子書籍の活用も検討してみましょう。近年はタブレットで利用できる法人向けの電子書籍サービスが登場しています。料金は運営会社などによって異なりますが、同量の書籍を購入するよりも安価です。

企業によってはオフィス内のスペースに余裕がなく、社内図書館に十分なスペースを確保できないこともあります。電子書籍サービスならタブレットの置き場を確保すれば良いため、実際の書籍を陳列するよりもスペースは少なくてすみます。

 

■定期的に手を入れる

本を保管する棚やラックは、定期的に整理するよう心がけましょう。各従業員が丁寧に本を扱っていても、本棚は乱れがちです。一般的な図書館でも、開館前には次のような本棚の整理がおこなわれています。

  • 倒れている本を起こす
  • 奥に入り込んでいる本を手前に揃える
  • 本を見やすいように整理する など

本棚を整理する際に並び替えや蔵書の入れ替えをすると、新鮮味が出るため、社内図書館の利用促進にもつながるでしょう。また、本は高温多湿に弱いため、社内図書館の環境によってはカビが発生する可能性があります。紙媒体の本にカビが発生しないよう、館内の掃除や換気も必要です。

社内図書館の資料を業務に使用する場合は注意

社内図書館にある書籍や資料を業務に活用する場合、使い方に注意が必要です。書籍等を業務での使用を目的にコピーまたは引用する場合は、著作権を侵害する可能性があるためです。

引用する際は次のようなルールがあります。

  • 業務で引用する必要性があること
  • 引用部分とそれ以外の部分が明確に区別されていること
  • 本文が「主」で引用部分が「従」であること
  • 引用部分を改変しないこと
  • 出典元を明示すること

社内のコンプライアンス意識を高めるためにも、社内図書館を設置する際には従業員に引用ルールを周知徹底するようにしましょう。

まとめ:社内図書館を設置する際には効率良く活用する工夫が必要

このように、従業員の業務能力の向上や視野の拡大などを目的に、社内図書館を設置する企業が増えています。業界や業務に関する本を入れれば、自己研磨に励む従業員が増える可能性もあります。

社内図書館の効果を高めるためには、設置場所や蔵書のラインナップなどの工夫も必要です。リフレッシュや交流の場としても利用されるようになれば、生産性の向上やコミュニケーションの活性化も期待できます。

また、社内図書館をより多くの従業員に利用してもらうためには、デザイン性を高めることも大切です。社内図書館のデザインに悩む場合は、オフィスデザインの専門家に相談することも検討してみましょう。

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