【オフィス向け】パーテーションの種類と特徴、設置するメリットを徹底解説

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【オフィス向け】パーテーションの種類と特徴、設置するメリットを徹底解説

オフィス内を複数のスペースに分ける際には、パーテーションで間仕切りするのも選択肢のつです。スペースをパーテーションで区切る方法には、さまざまなメリットがあります。

本記事では、パーテーションの高さ別・素材別の種類や特徴、設置するメリットを解説します。

後半では活用事例も紹介するので、パーテーションの設置を検討している企業担当者の方はぜひ最後までお読みください。

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オフィスにパーテーションを設置するメリット

オフィス空間を区切ることで周囲の視線を遮断できる、セキュリティを確保できるなどのメリットがあります。また、防音効果も期待できるため、来客時や秘匿性の高いミーティングをするときも安心です。メリットを詳しく解説します。

 

■周囲の視線を遮断できる

周囲の視線を遮断するためには、パーテーションの設置が効果的です。

オープンなワークスペースでは、人の視線にさらされるため、個人ワークに集中できない従業員がいるかもしれません。特に対向式は、正面や隣の席からの視線が気になりやすいレイアウトです。また、入口近くや通路に面した席は人の出入りが多く、落ち着いて仕事ができない可能性もあります。

ワークスペースを囲ってパーテーションを設置すると、周囲から見えにくくなるため、集中できる環境を作れます。

 

■防音効果を期待できる

秘匿性の高いミーティングをする場合、オープンスペースでは周囲に会話が聞こえてしまう恐れがあります。しかし、防音性の高い素材を使用したパーテーションを設置すれば音漏れを心配せず、安心してミーティングや商談に臨むことが可能です。

パーテーションを使って個室スペースを作ると、Web会議や個人ワークに集中しやすい環境を整備できます。

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■セキュリティを確保できる

パーテーションには目隠しの役割もあります。

秘匿性の高い業務をおこなうワークスペースにパーテーションを設置すると、個人情報や顧客情報の漏洩リスクを軽減できるでしょう。またエントランスとワークスペースの距離が近い配置の場合、パーテーションを設置することで来客の立ち入りを制限できます。

さらにパーテーションの上部と天井に隙間がないものと暗証番号や指紋認証などのセキュリティ錠を組み合わせると、権限を持った担当者だけが入退室できる区画を作ることが可能です。

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■感染症対策ができる

パーテーションの設置は、新型コロナウイルスやインフルエンザなどの飛沫感染対策として有効です。これらの感染症は、ウイルスを含んだくしゃみや咳などの飛沫を吸い込むことによって感染するといわれています。

正面や隣の席との間にパーテーションを設置すると、従業員同士空間で隔てることができるため、飛沫を防げます。

オフィスにパーテーションを設置する際の注意点

パーテーションを設置すると周囲の視線を遮断できるため、個人ワークに集中しやすい環境を作れるといったメリットがあります。しかし、パーテーションによって死角ができることで、誰がどのような業務をおこなっているのかを把握しにくくなるデメリットもあります。

従業員の業務状況を把握するためには、パーテーションやデスクの配置に工夫が必要です。たとえば壁面にデスクを配置し、正面と隣の席との間にパーテーションを設置すると、背後から業務状況が把握しやすくなります。

また、パーテーションを設置することで閉塞的な環境が生まれると、チーム内での孤立や不安感につながる可能性があります。従業員の孤立や不安感を生まないためには、業務内容やワークスタイルに応じて、適正な大きさと種類のパーテーションを選定することが重要です。

【高さ別】パーテーションの種類と特徴

パーテーションの高さによっては消防設備を設置する必要があります。事前に把握しておくようにしましょう。

 

■ローパーテーション

設置方法
  • 置き型が一般的
  • 折りたたみ式
  • マグネット式
特徴
  • 天井まで届かない高さ
  • 1,200ミリメートル~1,800ミリメートル程度の高さ
  • 一枚型やL字型などのさまざまなタイプがある
消防法 特記事項なし

ローパーテーションは、天井まで届かない高さのパーテーションです。高さは1,200ミリメートル前後、1,600ミリメートル前後、1,800ミリメートル前後の3種類があります。1,200ミリメートルは座位の状態で目線が隠れる程度、1,600ミリは立位の状態で見え隠れする程度、1,800ミリメートルは立位の状態で顔が隠れる程度です。

一枚型やL字型、屏風型などのさまざまなタイプがあり、用途に応じて使い分けられます。設置方法は基本的に置き型で、折りたたみ式やマグネットで連結できる簡易的なものもあります。

 

■ハイパーテーション

設置方法 専門業者による施工が必要
特徴
  • 天井まで届く高さ
  • 全面密閉と欄間の2種類がある
消防法 全面密閉タイプは消防設備の設置が必要

ハイパーテーションは、天井まで届く高さのパーテーションです。「欄間オープン」と「欄間クローズ」の2種類があります。欄間オープンは天井付近が開いたタイプ、欄間クローズは天井まで壁に覆われたタイプです。

欄間クローズは遮音性と機密性が高いため、ミーティングスペースや役員室などに設置される傾向にあります。ただし、スペースを完全に覆うため、消防設備の設置が必要です。また、ほかのスペースと空調を共有できないため、空調の設置を検討しなければなりません。

しかしパーテーションは欄間の有無に関わらず、工事の際に消防設備の指導が入るケースがあります。事前にビル管理者に設置ルールを確認しておくようにしましょう。

 

■デスクトップパーテーション

設置方法 デスクやカウンターに取り付け
特徴
  • デスクやカウンターの上に置いて使用するタイプ
  • 正面に設置することでお互いの視線を遮断できる
消防法 特記事項なし

デスクトップパーテーションは、デスクやカウンターの上に置いて使用するパーテーションで、卓上パーテーションと呼ばれることもあります。デスクに置くだけのタイプなので、すぐに取り付け可能です。

デスクトップパーテーションには、収納に便利な折りたたみタイプもあります。デスクが向かい合わせの場合でも、パーテーションを設置することでお互いの視線を遮断できます。

【素材別】パーテーションの種類と特徴

パーテーションの素材にはおもにスチール・アルミ・ガラスが使用されており、それぞれ設置方法や特徴が異なります。また、表面素材にはファブリック張り・メラミン張り・フェルトボードが使用されています。

パーテーションの素材 特徴
スチール製
  • 2枚の石膏ボードをスチールの骨組みで挟んだ構造
  • 遮音性・不燃性・耐火性に優れている
  • 工事費用が高額になりやすい
アルミ製
  • 蜂の巣造のコア材をアルミの骨組みで支える構造
  • 軽量で安価
  • 遮音性や断熱性はほとんど期待できない
ガラス製
  • ガラスパネルを全面に使用した構造
  • 開放感ある
  • おしゃれな空間を演出できる
  • 工事費用が高額になりやすい
ファブリック張り
  • 表面にファブリック素材を使用したもの
  • カラーやデザインのバリエーションが豊富
  • 汚れや日焼けで変色する可能性がある
メラミン
  • 傷や汚れがつきにくい
  • 薄くて丈夫
  • 本物に比べて質感が劣る
フェルトボード
  • 軽量で扱いやすい
  • 吸音性に優れている
  • 設置しやすい

 

■スチール製

スチール製のパーテーションは、2枚の石膏ボードをスチールの骨組みで挟んだ構造です。石膏ボードが内蔵されているため、遮音性と不燃性に優れています。柱がボードで覆われているので繋ぎ目が目立たず、すっきりとした見た目になります。

また、スチール自体が耐火性に優れているため、防火基準が厳しい建物でも設置できる傾向にあります。その一方で重量が重く、運搬や設置が難しいため、工事費用が高額になりやすい側面があります。

 

■アルミ製

アルミ製のパーテーションは、蜂の巣造のコア材をアルミの骨組みで支える構造です。スチール製に比べると、軽量で安価です。工事期間が比較的短いため、スムーズに設置できます。

その一方で、遮音性や断熱性はほとんど期待できません。パネル間のアルミフレームがむき出しになるため、デザイン性に劣る側面があります。デザイン性を重視するなら、パネルのデザインや素材にこだわると良いでしょう。

 

■ガラス製

ガラス製のパーテーションは、ガラスパネルを全面に使用した構造です。パネルがガラスなので設置しても開放感を損なわず、おしゃれなオフィスを演出できます。パーテーションの一部だけを、ガラスパネルにすることも可能です。

また、半透明やつや消し、カラー入りなどのバリエーションが豊富です。ミーティングスペースにはすりガラス、リフレッシュスペースにはカラーガラスのように、目的に合わせてパネルを選べます。

その一方でガラス製のパーテーションは1枚ごとの受注生産になるため、工事費が高額になりやすい側面があります。

 

■ファブリック張り

ファブリック張りのパーテーションは、表面にファブリック素材を使用したものです。

ファブリック素材はカラーやデザインのバリエーションが豊富なので、用途やオフィス空間の雰囲気に合わせて選ぶことが可能です。その一方で時間が経つと、汚れや日焼けで変色する可能性があります。

 

■メラミン

表面にメラミン素材を使用したパーテーションは、傷や汚れがつきにくいだけでなく、薄くて丈夫なので長持ちしやすい点が特徴です。身近なところでは、洗面カウンターやキッチンの天板などにも使用されています。デザインのバリエーションが豊富な一方で、本物に比べて質感は劣ります。

 

■フェルトボード

フェルトボードは軽量で扱いやすく、吸音性にも優れています。身近なところでは、自宅の防音対策としてフェルトボードが使用されるケースもあります。取り付けや取り外しが容易で、汚れた部分だけを取り替えることも可能です。

【オフィススペース別】おすすめのパーテーション

適したパーテーションは、用途やオフィス空間の雰囲気などによって異なります。ここからはオフィススペース別のおすすめパーテーションを紹介するので、ぜひ参考にしてください。

 

■ワークスペースにはローパーテーション

従業員が個人ワークに集中できる環境を作るなら、高さ1,200ミリメートル前後のローパーテーションがおすすめです。ローパーテーションの高さはおもに1,200ミリメートル前後、1,600ミリメートル前後、1,800ミリメートル前後の3種類があります。

1,200ミリメートルは座位の状態で目線が隠れる高さなので、個人ワークに集中しやすい環境を作ることが可能です。立位の状態だとデスクの様子が見える高さなので、死角にならず、上司が部下の業務状況を把握しやすくなります。

 

■ミーティングスペースにはハイパーテーション

秘匿性の高い会話が飛び交うミーティングスペースには、遮音性に優れたハイパーテーションが適しています。ハイパーテーションの中でもスチール製のものは遮音性に優れているため、音漏れを防ぐことが可能です。

ハイパーテーションによる圧迫感が気になる場合は、上面に半透明のパーテーションを使用して開放感を得る方法もあります。暗証番号や指紋認証などのセキュリティ錠を組み合わせれば、より高いセキュリティを確保できます。

 

■来客スペースには視線を遮断できる高さのハイパーテーション

オフィス内に来客スペースを作る場合は、ハイパーテーションがおすすめです。来客のプライバシーを守るためには、周囲からの視線を遮断する必要があります。しかし、高さが低いパーテーションでは、身長が高い人から内部が見えるかもしれません。

1,800ミリメートル~2,000ミリメートル程度の高さがあれば、身長が高い人の視線も遮断できます。遮音性に優れている素材のパーテーションを設置すると、音漏れの心配も解消されるでしょう。

集中ブースでスペースを間仕切りする方法もある

ワークスペースの一角にWeb会議や個人ワークに集中できる環境を作りたい場合は、集中ブースを設置するのも手段の一つです。集中ブースには半個室タイプや天井が開いたタイプなど、さまざまなタイプがあります。

一人用や複数人用もあるため、利用人数や用途に応じて使い分けられます。集中ブースは設置するだけなので、専門業者による施工が不要です。ただし、天井を塞ぐタイプは消防法に抵触するため、申請や消防設備の設置が必要です。

 

■【セミオープンタイプ】シンプルブース

シンプルブースは、天井と壁面の一部が開いたセミオープンタイプの集中ブースです。ボリュームのあるパネルとフェルト素材を使用しているため、高い吸音効果を期待できます。複数を組み合わせれば、集中ブースエリアを作ることが可能です。

シンプルブース

 

■【セミクローズタイプ】Focus booth series

Focus booth seriesは、天井や壁面の一部が開いたセミクローズタイプの集中ブースです。デスクと一体型になったタイプやソファと一体型になったタイプなど、さまざまなタイプが展開されています。

テレフォンブースタイプは立位の状態で作業ができるため、スタンディングワークにおすすめです。

Focus booth series

 

Focus booth7

Focus booth7は、天井の一部以外がパネルで覆われたタイプの集中ブースです。出入り口にはスライド式の扉があり、外部からの視線や雑音を遮断できるため、より集中しやすい環境を作れます。

Focus booth7

 

オフィスに集中ブースを設置するメリットは、こちらの記事で詳しく紹介しています。
オフィスに「集中ブース」を設置するメリットとは?設置方法やおすすめブースもご紹介

こちらの記事ではオフィスを個室化する方法やおすすめのオフィス家具も紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
オフィスを個室化する方法とは?メリットやおすすめのオフィス家具を紹介

スタンディングワークの導入と効果

オフィスでのパーテーション活用事例

最後に、オフィスをパーテーションで間仕切りした企業の事例をご紹介します。

 

■株式会社穴吹ハウジングサービス あなぶきPMアカデミーTOKYO

株式会社穴吹ハウジングサービスのあなぶきPMアカデミーTOKYOでは、デスクサイドにフェルトパーテーションを設置しました。デスクが壁面に配置されているため、両サイドにパーテーションを設置するだけで、背後以外の視界を遮断できます。

 

■セキュリティスタッフ株式会社

セキュリティスタッフ株式会社ではローパーテーションを組み合わせ、簡易的なミーティングや来客対応に利用できるフリースペースを設置しました。高さのあるパーテーションを使用することで、スペースの近くを通る人からの視線も遮断できます。

 

■株式会社大和電業社

株式会社大和電業社では、フリーアドレスのデスクの間にデスクトップパーテーションを取り付けています。オープンなワークスペースでありながら、適度にプライバシーを守り、かつ集中できる環境となっています。

まとめ:用途に合わせてパーテーションを使い分けよう

パーテーションには、高さや素材によってさまざまな種類があり、適したものは用途によって異なります。たとえば秘匿性の高い会話が飛び交うミーティングスペースには、遮音性に優れた素材を使用したハイパーテーション、周囲の視線をほどよく遮断したい場合はデスクトップパーテーションがおすすめです。

パーテーションを使用して自社に適したオフィス空間を作りたいなら、オフィスデザインの専門業者に相談するのも手段の一つです。アイリスチトセは豊富な実績で培ったノウハウをもとに、自社に適したプランを提案させていただきます。集中ブースやオフィス家具も多数取り扱っておりますので、ぜひご相談ください。

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