オフィスの動線計画でおさえておきたいポイント|企業の成功事例も紹介

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オフィスの動線計画でおさえておきたいポイント|企業の成功事例も紹介

オフィスの移転や改装を検討する際は、オフィスの動線計画が重要なポイントとなります。

本記事では、オフィスの動線計画の概要や計画のポイント、快適性を高めるデスク周りの寸法などを詳しく解説しています。

実際に動線計画に取り組んだ企業の事例もご紹介しますので、オフィスのレイアウト設計や動線計画を任されているご担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

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オフィスの動線・動線計画とは

「動線」とは、人が動く経路を意味します。オフィスレイアウトを設計する上ではよく用いられる言葉であり、オフィス内の動線が明確になるように配慮した計画を「動線計画」といいます。

 

■【動線】目的地までの経路

動線は、目的地までの移動経路を線にして表したものです。オフィスにおいては、エントランスから執務スペースへのアクセス経路、フロア内でロッカーやコピー機などの設備へアクセスする経路が動線に当たります。

オフィスの動線を設計する際は、従業員の使いやすい形にするのが大切です。動線が複雑になると「コミュニケーションが取りにくい」「無駄な動きが増える」など、業務効率にも影響しかねません。

オフィスの設計には、実際の動線を考慮した計画が求められるでしょう。

 

■【動線計画】適した動線を計画すること

目的地までの動線が最適になるように配慮して設計するのが、動線計画です。オフィスを設計する上で重要な要素のうちの一つであり、明確な意図を持った計画が必要です。

オフィスにおける動線計画は、次に挙げる例のとおり、業務をする上で不自由とならない工夫が求められます。

  • 出入口からワークスペースまでスムーズに移動できるか
  • コピー機やロッカーはオフィスの動線上にあるか
  • 人が不自由なく通る広さを確保できているか など

動線計画には、動線を図面化した平面図を作成し、従業員の動きがどのようになるか分析して検討する方法が多くとられます。

オフィスに適した動線とは

オフィスに適した動線計画を立てるには、とくに次の点に留意するようにします。

  • ストレスなく移動できる
  • オフィス内の各設備へアクセスしやすい

それぞれについて、詳しく説明します。

 

■ストレスなく移動できる

オフィスに適した動線を計画する際には、従業員がストレスなく移動できるか考えることが重要です。

たとえば、出入口から自分のワークスペースが見えていても、迂回する動線だけしかなければ日々の業務においてストレスが溜ります。また、狭い場所にデスクが設置されていると、周囲とのコミュニケーションも取りにくく、業務効率も悪くなるでしょう。

シンプルな経路で目的地までスムーズにたどり着け、ストレスなく移動できるように考慮するのが動線計画では必要となります。

 

■オフィス内の各設備へアクセスしやすい

オフィス設備へのアクセスのしやすさも、動線計画でおさえておくポイントです。

オフィスには、コピー機・ロッカー・本棚・シュレッダーなどといった設備やオフィス家具が設置されています。これらの設備が動線から外れた場所にあると、利用時に無駄な移動が発生して作業効率が低下します。また、スペースに余裕のない場所に設置されていても同様です。

比較的頻繁に使うものは、メインの動線上に設置するとスムーズな利用が可能です。使用頻度の低いものであっても、通り抜け可能なサブの動線に設置すると不便さを感じずに利用できます。

動線を計画する際におさえておきたいポイント

実際に動線計画を立てる場合、具体的に次のポイントを押さえるようにしましょう。

  • メインとサブの動線を作る
  • 行き止まりや袋小路を作らない
  • 設備の配置を想定しておく
  • 法律に則った通路幅を確保する
  • 避難経路を確保しておく
  • 余分な動線がないかチェックする

ただし、スペースの都合上でどうしても配置の難しい部分が出てくるかも知れません。その場合は、自社のオフィスでどの部分を優先すればよいか検討して取り組むようにします。

それぞれの内容について、詳しく説明します。

 

■メインとサブの動線を作る

動線を設計する際は、メインとサブの動線を作るようにします。

メイン動線は、出入口から執務スペースまで直線となるように作ります。人通りが多くなるため、人がすれ違っても接触しない程度の幅を持たせるようにしましょう。

オフィスの広さと従業員の人数によっては、メイン動線を広く取っても渋滞するかもしれません。そのような場合に別ルートとして使えるサブ動線があると、一時的にそちらを利用することで渋滞の回避が可能です。

メインとサブの動線を作る際は、シンプルさに重点を置き、それぞれを明確に区別して重ならないように設置するのが大切です。

 

■行き止まりや袋小路を作らない

行き止まりや袋小路がないようにするのも、動線計画では重視されます。

動線に行き止まりや袋小路があると、戻るには来た道を引き返すしか方法がありません。その際に別の従業員がこちらに向かってくると、通路幅が狭い場合はすれ違えずに立ち往生となる可能性があります。緊急時においても、行き止まりがあると安全な移動が妨げられるでしょう。

行き止まりや袋小路はスムーズな移動の妨げとなるため、従業員のストレスにもつながります。回遊性を意識して、どの動線からでも通り抜けのできる動線計画が必要です。

 

■設備の配置を想定しておく

オフィスの動線を計画する際は、オフィス設備の配置も想定するようにしましょう。

頻繁に利用するオフィス設備が座席から場所に設置されていると、移動距離が長くなります。行き止まりや袋小路に設置されている場合も、わざわざそこへ行くためだけに移動しなければならず、作業効率の低下は否めません。

頻繁に使用する設備は、できるだけメイン動線の近くに設置すると移動がスムーズになり、作業の効率化が図れます。

 

■法律に則った通路幅を確保する

オフィス内の通路では、条件によって通路幅が法律で定められているケースがあるので注意が必要です。

廊下の幅は「建築基準法」により、次の広さを確保するように定められています。

  • 両側に居室がある廊下:1.6メートル以上
  • その他の廊下:1.2メートル以上

なお、この法律は建築物の廊下に関するものであるため、フロア内の通路は基本的に該当しません。しかし、従業員が往来する通路には変わりませんので、余裕を持った幅で設計するようにしましょう。

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■避難経路を確保しておく

避難経路の確保も、動線計画では重要な要素です。

企業には従業員の安全を守る義務があるため、万が一に備えて避難経路を確保しておく必要があります。非常時には、人は通常では想像できない動きをするものです。安全面を疎かにすると、事故やトラブルが発生する原因になりかねません。

消防法において、避難経路の確保が求められています。避難経路を確保する際は「各自のデスクからの経路や動線は確保できているか」「従業員全員が避難できる十分な広さはあるか」「通路上に窓や棚など危険なものはないか」といったことに留意しましょう。

 

■余分な動線がないかチェックする

全体の動線計画ができた段階で、余分な動線はないかあらためて確認します。

計画時には便利さを考慮したつもりでも、実際に運用するとほとんど人通りのない動線が出てくる可能性は、ゼロではないでしょう。また、気づかないうちに行き止まりになっている動線や、避難時に危険を伴う動線を作っているかも知れません。

動線計画を立てた段階で、従業員や来客の視点に立ってあらためて見直すのがポイントです。「自分の足で移動してみる」「第三者の意見を取り入れてみる」など、無駄な動線や空間ができていないか、何度もチェックを重ねておきましょう。

快適性を高めるデスク周りの寸法

デスク周りの動線に余裕を持たせると、働く上での快適さにつながるものです。また、デスクの配置方法で必要な通路の寸法が異なります。ここでは、実際のオフィスで目安となる寸法をパターン別に紹介します。

 

■デスクを横並びに配置する場合

デスクを横並びで配置して背中側が壁になっている場合、後ろが動線になっているかどうかで必要な幅の目安が変わります。

着席時に必要となる標準的な座席の寸法は、デスクから40センチ程度です。そこに、人が横向きに通れる最低限の幅45センチをプラスして、壁とデスクの幅は85センチ程度を確保するようにしましょう。90センチ以上あると、ゆとりをもった寸法となります。

座席の後ろが動線となっている場合、人が普通に歩ける幅80センチをプラスして120センチ以上確保するようにします。頻繁に人通りのある動線であれば、160センチ以上とすれば人のすれ違いも可能です。

 

■デスクを背中合わせに配置する場合

後ろが壁ではなく、背中合わせに机がレイアウトされている場合、背中合わせの2人が同時に立ち上がっても余裕のある寸法が求められます。

着席時には机から40センチ程度が必要であり、立ちあがるにはプラス20センチほどあれば問題ありません。念のため、人の歩ける幅80センチを考慮して160センチ程度の幅を持たせておくとよいでしょう。

なお、180センチ以上の幅を確保できれば、ゆとりのあるレイアウトとなります。

 

■デスクの周囲に家具を配置する場合

座席の周囲に棚や収納庫のある場合、物の出し入れや扉の開閉が必要となるため、それを考慮した寸法が必要です。

座席の後ろに棚や収納庫を配置する場合、着席時に必要な幅40センチと人の通れる幅60センチ、棚や収納庫を利用するのに必要な幅45センチをプラスした、145センチが必要最低限の寸法となります。170センチ以上あれば、かなり余裕を持って作業スペースが取れるでしょう。

デスクの側面が棚に面している場合は、座席分を考慮しなくてもよいため、105センチが必要最低限の寸法ということです。

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オフィスにおける適切な通路幅とは?関連法規や通路幅を確保するポイントを解説

オフィスの動線計画の参考におすすめの事例

ここで、オフィス動線を考慮したレイアウトを取り入れている事例を3件紹介します。

 

■株式会社ドーワテクノス

株式会社ドーワテクノスでは、メインの動線に他の床材と違うものを取り入れ、ビジュアルでわかりやすい工夫がなされています。メイン動線のサイドに対向式レイアウトでデスクを配置し、十分な作業スペースが確保されているのも大きな特徴です。

 

■アイリスグループ淀屋橋オフィス

アイリスグループ淀屋橋オフィスの事例です。グリッド(格子)のように規則的にデスクを配置することで、どこからでもアクセスのしやすいデスクレイアウトとなっています。

 

■株式会社穴吹ハウジングサービス博多支店

株式会社穴吹ハウジングサービス博多支店では、メイン・サブ動線をゆったりと取ったレイアウトになっています。周囲とのコミュニケーションの取りやすさと無駄のないデスク配置が特徴的です。

まとめ:オフィスの動線計画で従業員の働きやすさを向上させよう

オフィスの動線計画は、従業員の立場となって考えるとうまく構築できます。オフィスに適した動線とすることで、従業員のストレス軽減と作業効率アップにつながるでしょう。

動線をうまく構築するには、さまざまなポイントを押さえた計画が必要です。また、デスク周りの寸法も快適性に直結するため、ゆとりを持った配置を心掛けましょう。

動線の計画が自社だけでは難しい場合、オフィス移転の専門業者に依頼するのも選択肢の一つです。アイリスチトセでは、動線計画だけではなく物件探しや内装・家具のご提案まで、トータルでサポートするサービスを提供しています。

また、これまでに手がけた移転や改装の事例を無料配布しています。オフィスの動線計画のご担当者様は、ぜひお気軽にご相談ください。

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