スマートオフィスが注目されている理由|企業が導入するメリットや成功事例を紹介
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「ヒト、モノ、カネ」の三大経営資源の一つである、モノ。業務に使用されるさまざまなモノは、現代社会の技術の高まりの影響下でIoT(Internet of Things=インターネットのモノ)化されています。
IoTデバイスを積極的に導入したオフィスをスマートオフィスと言います。通信とコンピュータによってオフィスを改善できるとされていますが、具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
スマートオフィスのメリットや、実現方法のポイントをご紹介します。導入方法もあわせて解説していくため、スマートオフィスについて知りたい方はご覧ください。
目次
スマートオフィスとは
IoTやAIを導入したオフィスのことです。高速ネットワークを活用して快適な働き方を推進し、生産性アップを期待できる施策として注目されています。
たとえば、オフィス内に人感センサーを導入することでオフィス内の温度や湿度、照明の明るさなどを自動調節したり、テレワークやフリーアドレスといったデジタルワークプレイスの推進で場所を選ばずに働くことができたりします。
注目されている背景には、新型コロナウイルス感染症拡大の影響があります。テレワークを代表に注目されはじめたオフィスの施策ではありますが、働き方の多様化と効率化のメリットは非常に大きいと言えます。
スマートオフィスはコロナ禍における苦肉の策に留まらず、今後の企業の成長や働き方改革につながる施策であると言えるでしょう。
スマートオフィスが注目されている背景
近年、多くの企業がスマートオフィスに注目しています。スマートオフィスが注目される背景には、新型コロナウイルス感染症の拡大のほか、次のような要因が深く関係しています。
- 働き方に対するニーズが多様化しているため
- 限られた人材を有効活用するため
- 従業員の労働環境を改善するため
それでは、各要因を詳しく見ていきましょう。
■働き方に対するニーズが多様化しているため
働き方に対する価値観は、時代の流れとともに変化しています。従来は、仕事に重きを置くのが一般的でした。しかし、近年は働き方に対する価値観が多様化しており、ワーク・ライフ・バランスを重視する人も増えています。
働き方に対するニーズが多様化している中、企業にはオフィス出社以外の働き方の提供が求められています。たとえばテレワークやワーケーション、フレックスタイム制、時短勤務制などです。
しかし、企業が多様な働き方に対応するためには、環境整備が必要です。そこで注目されたのがスマートオフィスです。企業がスマートオフィスを実現すると、働く時間や場所の自由度が高まり、多様な働き方に対応できます。
■限られた人材を有効活用するため
近年は少子高齢化による労働人口の減少により、新たな人材の獲得が難しくなってきています。終身雇用制度が崩壊しつつある中、一つの企業に固執するといった考え方が薄れ、転職も珍しくなくなってきています。
今の職場に不満がある従業員は、より良い労働環境を求めて転職する可能性もあるのが現状です。採用難や転職のしやすさなどの影響を受け、人手不足を課題に抱える企業も少なくありません。
このような状況下で企業が生き残っていくためには、限られた人材を有効活用する必要があります。スマートオフィスを導入し、業務を効率化することで、従業員一人当たりの業務負担が減り、別の業務に集中できる環境を構築できます。
■従業員の労働環境を改善するため
スマートオフィスが注目されるようになったきっかけの一つは、2020年からはじまった新型コロナウイルス感染症の拡大です。感染症対策の一環として、人との距離を保つために、テレワークが推進されました。
これまでテレワークを実施した経験がない企業でも、感染症対策のために急遽導入したケースも少なくありませんでした。その後、2023年5月には、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行されています。
アフターコロナへの転換にともない、オフィス回帰の動きも出てきました。しかし、従業員からはテレワークの継続を希望する声も寄せられています。現在は従業員のニーズに対応し、労働環境を改善するための手段としてスマートオフィスが注目されています。
スマートオフィス化の5つのメリット
オフィスのスマート化で得られるメリットのうち、代表的なものは次の5つです。
- 生産性の向上
- 業務効率の改善
- 多様な働き方に対応可能
- 長期的なコスト削減
- 優秀な人材確保
それぞれの詳細を順番に見ていきましょう。
■生産性の向上
オフィスに存在する一人ひとりの働きやすさが改善されることで、生産性の向上を見込むことができます。
スマートオフィス化によってエアコンや照明などにIoTデバイスやセンサー類が導入されれば、室内環境のオフィスの温度や明度が自動的に調整されるようになるため、より働きやすい環境を作ることができます。
■業務効率の改善
スマートオフィスではアナログな業務プロセスを自動化し、工数を減らすことができます。
たとえば、紙の伝票のデジタル化や管理にITツールを導入するペーパーレス化です。
従来、在庫管理では人が逐次的に在庫を管理し、不足分を発注するプロセスを踏んでいました。しかしITツールを導入すると、各システムがネットワークに接続され、コンピュータが在庫の不足を確認し、自動的に発注されるようになります。他にも、メールの自動仕訳など自動化できる作業は多くあります。
また、自動化にともなって業務プロセスそのものを見直すことにもなるため、慣例的におこなっていた意味の薄い業務を見直し、無駄のカットにもつながるでしょう。
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■多様な働き方に対応可能
不用意な感染リスクの増大をおさえる、育児や介護をしなければならない従業員が働けるようにするためにもスマートオフィスは有効です。
スマートオフィス化によって働く時間や場所の自由度が高くなり、多様な働き方に対応できるようになります。ネットワーク環境が整っていればテレワークへの移行も容易になるだけでなく、出張先でもオフィスと同様の作業が可能になるなど働き方の選択肢が広がります。
また、オフィス内での働き方も多様化できます。ネットワークに接続されたデバイスがあればどこでも仕事ができる、という状態にしておくことで、自分のデスクに縛られず働くことができます。
スマートオフィス化にあわせてオフィスをフリーアドレス化すれば、それぞれの従業員が集中しやすい環境を提供できます。
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■長期的なコスト削減
スマートオフィスの導入にはもちろん初期費用がかかりますが、オフィスの効率化によって光熱費や賃料の節約につなげることができます。
たとえば空調や照明のコントロールがIoTで最適化されると、従業員の働きやすさにつながるだけでなく、省エネ効果も高くなります。無駄な冷暖房や人のいないスペースのライトアップなどを省くことができれば、自然と光熱費も下がります。
また、在宅勤務やテレワークの推進でオフィスに存在する従業員の数を減らせば、オフィスの縮小も可能です。より小さく、賃料の低い建物に移転する、オフィスの数そのものを減らすことで賃料を大きく節約できます。
■優秀な人材の確保
スマートオフィス化によって働きやすい環境を整えておくことは、求人募集においても他社との差別化につながるでしょう。
少子高齢化などに関連して、日本の労働人口は減少傾向にあります。企業間での採用競争も激化し、採用状況は売り手市場に傾いています。労働者の側はなるべく良い環境で働きたいと思っているため、優秀な人材を自社で採用するためにスマートオフィスによる生産性の高さをアピールポイントにしましょう。
また、テレワークに対応可能なオフィスであれば、オフィスの所在地より遠方に住んでいる人材を確保する選択肢も増えます。居住地に条件をつけずに人材を募集できれば、人材不足の状況下でも採用候補者の絶対数を増やすことが可能です。
スマートオフィス化は優秀な人材に対するアピールと採用地域の拡大にもつながるため、将来の企業の成長にも重要な役割を果たすことも期待できるでしょう。
企業がスマートオフィスを導入する際の課題と解決策
スマートオフィスを導入すると、生産性の向上や業務効率の改善などのさまざまな効果が期待できます。一方でスマートオフィスの導入にはいくつか課題もあるため、解決策を把握しておく必要があります。
■【課題】導入コストが高額になりやすい
企業がスマートオフィスを導入する際の課題の一つは、導入コストが高額になりやすいことです。スマートオフィスが社内で浸透し、定着すれば、紙の印刷代や電気代などの固定費の削減が見込めます。
しかし、スマートオフィスの環境を整備する際には、ICT機器の購入やシステムの構築などに費用がかかります。インターネットに接続する機会が増えれば、セキュリティ対策を強化するための費用も必要です。
また、従業員にスマートオフィスの実現に向けた研修を実施する場合、教育コストが発生します。必要な機器やサービスをすべて揃えると、導入コストが高額になりやすい側面があります。
【解決策】助成金や補助金を活用する
スマートオフィスを導入する際には、高額な導入コストがかかる可能性があります。必要な機器やサービスが多いほど、導入コストが高額になりがちです。企業によっては、スマートオフィスに関する予算が十分に用意できないこともあります。
予算に不安がある場合は、助成金や補助金を活用するのも一つの手です。国や自治体では、企業がデジタル環境を構築する際にかかる費用を助成・補助する制度を設けています。
代表的な補助金は、中小企業庁が実施する「IT導入補助金2024」です。IT導入補助金2024は、中小企業や小規模事業者がITツールを導入する場合の費用の一部の補助を受けられます。リースに対応しているものも多いため、イニシャルコストを減らす方法としてリースを組むと言う選択肢も検討できるでしょう。
■【課題】セキュリティリスクが高まる
スマートオフィスは、IoTやAIを導入したオフィスです。従来よりもインターネットを使用する機会が増えるため、これまで以上にセキュリティ対策の強化が必要です。十分なセキュリティ対策を実施している場合でも、万全かを今一度確認するようにしましょう。
セキュリティリスクが高まるのは、社内だけではありません。スマートオフィスの導入後、社外で働く従業員が出てくるでしょう。従業員がデバイスを持ち出し、社外のインターネットに接続することで、情報漏洩のリスクが高まります。
近年は、さまざまなインターネット回線が登場しています。しかし、すべてのインターネット回線のセキュリティ対策が万全だとは限りません。脆弱性がある場合、不正アクセスやウイルス感染などのサイバーリスクも高まります。
【解決策】セキュリティ対策を強化する
企業がスマートオフィスを導入すると、セキュリティリスクが高まるため、セキュリティ対策の強化が必要です。情報漏洩は、従業員のITリテラシーが低いことが原因で起きることもあります。
たとえば、社外に持ち出したデバイスの紛失や脆弱性のあるインターネットへの接続などです。ヒューマンエラーによるセキュリティリスクを低減するためには、従業員に研修を実施し、ITリテラシーを高める必要もあります。
従業員が社外で働く場合は、デバイスの持ち出しやインターネットへのアクセスなどに関するルールを策定しましょう。業務で使用するデバイスは、ファームウェアやソフトウェアを最新の状態にしておくと、セキュリティが向上します。
■【課題】社内で浸透するまでに時間がかかりやすい
スマートオフィスを導入しても、社内にすぐに浸透するとは限りません。従業員の中には、従来の方法のほうがスムーズに業務を進められると感じる人もいる可能性があるためです。
新たな方法に不満を持つ従業員が多いと、スマートオフィスが定着するまでに時間がかかるでしょう。また、デジタル機器に慣れていない従業員は、まず操作方法を覚える必要があります。
デジタル機器を使いこなせるようになるまでに時間がかかれば、日々の業務が滞るおそれもあります。特に一度にすべてをスマートオフィス化する場合、現場が混乱しやすい傾向にあるので注意が必要です。
【解決策】段階的に導入する
社内でスマートオフィスを浸透させやすくするためには、小規模でスタートすることがポイントです。スマートオフィスを一気に導入すると、現場で混乱が起きやすく、対応しきれなくなる可能性もあります。
まずは一部の部署やチームなどに限定し、徐々に拡大していくようにしましょう。スモールスタートで始め、様子を見ながら段階的に進めていくと、現場で混乱が起きにくくなります。
また、スマートオフィス化は従業員のためでもあります。スマートオフィスの導入を決めたら、従業員に目的やメリットを説明し、理解を得ることも大切です。本格的な導入に入る前に、従業員の不安を払拭するようにしましょう。
スマートオフィスのため導入するツールの選び方
単にスマートオフィス化といっても、IoTデバイスや業務効率化ツールなどのコンピュータソフトウェアにはさまざまな種類が存在します。それぞれ得意分野や性質も異なっているため、最適なものを選ぶことが大切です。
次の3ポイントを意識して、スマートオフィスのために導入するツールを選びましょう。
- 社内システムと連携可能か
- 従業員が使いこなせるか
- サポートは充実しているか
それぞれのポイントを順番に解説します。
■社内システムと連携可能か
新しいツールを導入する際には、既存の社内システムと連携可能かどうかを確認してから導入するようにしましょう。
スマートオフィス化のために必要なシステムをゼロから開発すると多大なコストがかかるため、現在使っているものに対応が可能ならば導入コストを削減できます。
また、現在自社でつかっているデバイス(パソコンやスマートフォン、タブレット)で対応可能なツールかどうかも調べておきましょう。
既存のシステムやデバイスと連携が可能であれば、スマートオフィスの導入コストは大きく削減できるため、導入前の確認を欠かさないようにしましょう。
■従業員が使いこなせるか
ITツールは便利なものですが、いかに便利であっても使用者が使いこなせなければ意味がありません。そのため、従業員が使いこなせるツールを選ぶことが大切です。
たとえば、ソフトウェア開発会社などのIT企業の従業員がプログラミングの知識を活かして利用するようなツールは、専門知識がないと使いこなせません。
従業員に専門的なIT知識を必要としない企業では、誰でも使いこなせる簡単なツール・デバイスを選ぶようにしましょう。
スマートオフィス用のツールには、体験版などで購入前に操作性を確認できるものもあります。無料体験で各種ツールの操作性などを比較し、自社に相応しいものを選定しましょう。
■サポートは充実しているか
ツールの導入にあたっては、サポート体制が充実しているかどうかも基準に加えましょう。スマートオフィスを導入しても、運用方法がわからないと恩恵を受けることができません。
ツールやデバイスの使用方法への疑問から業務が止まってしまえば、メーカーのサポートが必要になることもあります。
たとえばサポートがメールのみであればやり取りに時間がかかり、業務が滞ってしまいます。しかし24時間365日対応の電話サポートなどがあれば、あまり時間をかけずに疑問を解消し、業務を再開できるでしょう。
【Q&A】スマートオフィスの疑問
スマートオフィスの実施を検討するにあたっては、疑問点が生じることもあります。費用や効果に関する疑問はもちろん、最適なスマートオフィス化の方法も会社ごとに異なるため、悩みは尽きません。
そうしたスマートオフィス化に関する疑問を、Q&A方式でご紹介します。頻出する疑問を答えとともに把握し、落ち着いてスマートオフィス化を進めていくための知識を身につけましょう。
■スマートオフィス化で使える補助金はあるのか
中小企業や小規模事業者は、IT導入補助金を利用できます。IT導入補助金は経済産業省の外局である中小企業庁が実施する補助金制度です。
補助金額や適用条件などは次のとおりです。
補助金額 | 30万~450万円以下 |
補助率 | 全体費用の1/2以内 |
適用条件 | 類型ごとのプロセス要件を満たすものであり、労働生産性の向上に資するITツールであること。 |
補助対象 | ソフトウェア費、クラウド利用料(1年分)、導入関連費 |
※参考:IT導入補助金
また、高額な購入費・開発費、補助金を前提とした導入の他に、SaaSの利用も選択肢に入ります。SaaSとはSoftware as a Serviceの略称で、ベンダーが提供するクラウドサーバー上からソフトウェアを利用できるサービスです。
SaaSはインターネット環境があればどこからでもアクセスでき、複数人で同一ファイルを編集できます。加えて、ユーザー側での開発やシステム管理を必要としないため導入コストをおさえられるメリットがあります。
一方でソフトウェアの自由度は自社向けに開発されたシステムの方が高いため、複雑な業務システムに対応させたい場合には補助金を利用してスマートオフィス用のシステムを開発・購入することになります。
自社の業務内容に合わせ、補助金を利用した開発・購入と、SaaSのどちらかを選択しましょう。
■業務の効率が落ちる可能性はあるのか
現状にあわない仕組みを導入しようとした場合、業務の効率が落ちる可能性があることは否めません。慣れたツールを手放したくない、ITツールを使いこなせない場合にはモチベーションの低下につながります。
こうしたモチベーションの低下は、従業員へのサポートで緩和できます。ツールを使いやすくする周辺機器の導入や購入補助、勉強会の実施や社内サポート体制の強化をおこないましょう。
■スマートオフィス化の相談はどこ?
自治体によってはスマートオフィスを検討する事業者向けに相談支援をおこなっていることがあります。最寄りの役所が対応しているかどうかを調べましょう。
また、ツールの導入などに関してはDX(デジタルトランスフォーメーション、企業のIT化)を取り扱うコンサルティング会社に相談し、プロセスを進めていく選択肢もあります。
スマートオフィス化に伴ってオフィスの移転をおこないたい場合には移転の専門業者に相談し、フリーアドレス化などを踏まえたレイアウトなども検討しましょう。
アイリスチトセでは、クライアントのニーズや実運用時を踏まえたオフィスデザインをご提案いたします。オフィス移転やコンセプトの導入の検討の際には、ぜひお気軽にご相談ください。
スマートオフィスの導入に成功した企業の事例
スマートオフィスの形は、企業によってさまざまです。自社での導入を検討していても、その進め方や効果をイメージしづらいこともあるかもしれません。他社の成功事例を参考にすると、スマートオフィスの進め方や効果をイメージしやすくなります。
■株式会社Helpfeel
株式会社Helpfeelは、クラウド上でソフトウェアやアプリケーションなどを提供するサービスを手掛けている企業です。同社では、フルリモート・フルフレックス制度を採用しています。
しかし、従業員はさまざまな場所で働くため、物理的な距離や時差があり、不便を感じることもありました。そこで同社では、離れた場所でも従業員同士がスムーズに業務を進められるよう、リアルタイムで情報共有できるツールを自社で開発しました。
リモートワークはコミュニケーションがよく取れる一方で、チームビルディングが難しい側面もあります。そこで同社は3カ月に1回のペースで対面でのオフ会を開催し、チームビルディングをおこなった後、リモートワークに戻るといった工夫もしています。
【インタビュー】株式会社Helpfeel「フルリモート・フルフレックス:働き方の実態とその魅力」
■東海大学
東海大学は関東を中心に、全国のキャンパスに多くの学部や学科を擁する総合大学です。東海大学では、2022年4月に「日本まるごと学び改革実行プロジェクト」と題した全学的な改組改編を実施しました。
全学的な改組改編を機に、働き方改革の一環として事務組織も大きく変えています。大学事務では珍しく、フリーアドレス制を導入しました。フリーアドレス化を想定し、数年前には従業員のパソコンをノートパソコンに移行させています。
大学事務の場合、職務上、書類が必要な業務も少なくありません。しかし、改装を機に書棚の数を制限し、紙媒体の書類はパソコンとiPadに集約しました。ペーパーレス化によってコピー機の数も制限し、スペースを効率的に活用できています。
【インタビュー】東海大学「全学的な改組改編により始まった、東海大学の働き方改革」
■セキュリティスタッフ株式会社
セキュリティスタッフ株式会社は、愛知県名古屋市にある警備会社です。同社は、2021年10月にオフィスを移転しました。オフィス移転を機に、業界では珍しく、すべての従業員にデュアルモニターを導入しました。
デュアルモニターとは、モニターを複数同時に利用できるパソコンです。モニターが増えることで、複数の作業を同時に進められるため、業務効率化につながります。また、同社では、警備業に関する管理システムを自社で開発しています。
警備会社の中には、カーボン紙の複写型の伝票を使用しているところも少なくありません。同社では紙の伝票を廃止し、脱ハンコ、電子契約を取り入れるなど、デジタル化を推進しています。
まとめ:適切なツールを導入したスマートオフィスで生産性を向上させよう
IoT技術の発展によって実現可能となったスマートオフィスは、テレワークやフリーアドレスなどの多様な働き方を可能にしました。業務の自動化や効率化による工数やコストの削減も期待でき、より働きやすく生産性の高いオフィスを実現するためのカギとなります。
スマートオフィスのメリットを最大化するためには、オフィスや事業の性質に合ったツールを計画的に導入することが大切です。優先順位やセキュリティ上の注意点、扱いやすさやサポート体制を意識し、ヒトとモノの両方をスマートオフィスに適応させていきましょう。
アイリスチトセでは、オフィスの変更や移転の相談を承っています。スマートオフィス化によるレイアウトの変更やフリーアドレス化など、オフィスに関する疑問や気になる点があれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。