ハイブリッドワークとは?導入するメリットや課題に対する解決策を徹底解説

働き方

Home コラム 働き方 ハイブリッドワークとは?導入するメリットや課題に対する解決策を徹底解説
ハイブリッドワークとは?導入するメリットや課題に対する解決策を徹底解説

企業の働き方改革の推進により、新しいワークスタイル「ハイブリッドワーク」に注目が集まっています。2020年にはハイブリッドワークライフ協会が設立されており、それぞれの生活様式に合わせて柔軟に働けるワークスタイルが社会全体で推進されています。

しかし耳慣れない働き方なので、「ハイブリッドワークとは何か」「どのようなメリットがあるのか」など気になる方も少なくないのではないでしょうか。

この記事ではハイブリッドワークの定義をはじめ、導入するメリット、効果を最大化させるための方法などを詳しく解説します。ハイブリットワークの課題に対する解決策も併せて解説するので、ハイブリッドワークの導入を検討している企業の担当者はぜひ参考にしてください。

ハイブリッドワークに関する詳細はこちらの記事でも解説しています。

オフィス移転を検討中の企業様へ
オフィス移転に必要なチェックリストを配布中

アイリスチトセでは、年間1000件以上にも及ぶオフィス移転・改修をサポートしています。移転先の選定から移転完了までに必要なことをまとめたチェックリストを無料でダウンロードしていただけます。

ハイブリッドワークとは

ハイブリッドワーク_001

ハイブリッドワークとは、従来の「オフィスワーク」と、会社から離れた場所で働く「テレワーク」を組み合わせた働き方のことです。最近では働き方改革の一環として、多くの企業が取り入れています。

オフィスでの業務とオフィス以外での業務を自由に組み合わせられるのが特徴で、ほかの従業員との共同作業が必要な時はオフィス、事務作業はテレワークなど、業務内容に合わせた働き方を柔軟に選択できるようになります。

オフィスだけで業務する従来のノーマルな働き方に対し、ハイブリッドワークは複数の働き方ができるという点で「ニューノーマルな働き方」と言われています。

ハイブリッドワークが注目されている背景

コロナ禍における外出自粛要請に伴い、テレワークを導入する企業が増加しました。

テレワークは感染症対策に有効なだけでなく、通勤ストレスの軽減など、従業員にとってメリットの大きな働き方として普及した背景があります。

しかし同僚や上司、取引先などとの意思疎通が難しかったり、報連相やレスポンスが遅れたりするなど、コミュニケーション面の課題が浮上するようになりました。従業員の働くモチベーションにも影響が生じ始めたことから、新型コロナウィルス感染症が5類に移行したタイミングで、従来のオフィスワークへ回帰する動きが見られています。

一方で、テレワークの継続を希望する従業員も一定数いることから、多様な働き方を実現できるよう、テレワークとオフィスワークそれぞれの良さを活かし、課題を補い合えるハイブリッドワークが注目されるようになりました。

ハイブリッドワークの効果とメリット

ハイブリッドワーク_002

ハイブリッドワークを導入は、企業や従業員にさまざまなメリットをもたらします。

ここからは、ハイブリッドワークの効果とメリットを解説します。

 

◾️コミュニケーションの活性化

ハイブリッドワークは業務内容に合わせて働く場所を選べるため、必要に応じて対面のコミュニケーションも取れます。また、オフィスで従業員同士が顔を合わせられれば、自然なコミュニケーションも生まれやすくなるでしょう。

オフィス内にマグネットスペースや気軽に会議できるスペースを設置すれば、さらにコミュニケーションが促進されます。

オフィスコミュニケーションの活性化について、詳細はこちらの記事でも解説しています。

 

◾️従業員の満足度向上と離職率低下

ハイブリッドワークを導入すると、従業員の満足度向上と離職率低下が期待できます。従業員のニーズに合わせて多様な働き方を実現することで、従業員の満足度が向上しやすくなるでしょう。

さまざまなライフステージに直面した従業員が、自身の事情に合わせながら柔軟に働き続けられるような環境が作れれば、離職率を下げられる可能性も高まります。

 

◾️モチベーション向上による業務効率化と企業の業績アップ

ハイブリッドワークを導入すると、従業員自身が主体的に集中できる環境を選べるようになるため、モチベーションや業務効率のアップ、ひいては生産性の向上にもつながります。

オフィスと違う環境での業務はリフレッシュにもなり、アイデアが浮かびやすくなる効果も期待できます。対面でのコミュニケーションが必要となる業務の際は、オフィスに集まることでチームとしての一体感も高まるでしょう。

従業員が働く場所を柔軟に選択し、必要に応じてコミュニケーションを取り合いながら業務の生産性を高めることができれば、企業の業績も向上していくでしょう

 

◾️コスト削減につながる

ハイブリッドワークを導入すると、次のコストについて削減が期待できます。

  • 不動産コスト
  • 交通費
  • 光熱費 など

企業のランニングコストで多くの割合を占めるのは、オフィスの家賃などをはじめとした不動産コストです。ハイブリッドワークを導入すると出社する従業員が減るため、既存の規模のオフィススペースが不要になる場合があります。

このタイミングでオフィス縮小を検討できると、不動産コストの削減につながります。また、従業員に支給する交通費やオフィスの光熱費なども、出社する人数が減ることで削減されるコストとしてあげられます。

削減できたコストは、セキュリティ対策の強化に活用するのも手段の一つです。人材流出を防ぐためにも、福利厚生の充実や人事評価の見直しにコストを有効活用するのも良いでしょう。

コスト削減に関する詳細はこちらの記事でも解説しています

 

◾️ワーク・ライフ・バランスの実現

従業員には育児や介護、家族の転勤など、さまざまなライフステージの変化が訪れます。オフィスワークに限られていると、場合によっては離職を余儀なくされるケースも少なくありません。

しかし、ハイブリッドワークを導入している職場なら働く場所を選べるため、勤務を継続しやすくなります。このように、ハイブリッドワークの導入によってワーク・ライフ・バランスを実現しやすくなるため、従業員のウェルビーイングの向上も期待できます。

ウェルビーイングとは心身の健康と社会的な健康を意味し、持続的な幸福状態を指す言葉です。つまり、ハイブリッドワークの導入は、従業員の幸福度や充実度を高めることにもつながると言えます。

ワーク・ライフ・バランスに関する詳細は、こちらの記事でも解説しています。

 

◾️採用において応募者の増加が期待できる

ハイブリッドワークは、従業員の個別の事情に対応できる柔軟な働き方です。

導入することで、毎日出社することが困難な人に対しても働ける環境を提供することができ、結果として採用力の向上につながります。

ワーク・ライフ・バランスへの関心が高まるなか、ハイブリッドワークを提供する企業は、魅力的な職場環境を提示できます。これにより、採用市場での競争力が増し、人材募集時に応募者の増加も期待できるでしょう。

ハイブリッドワークの課題とデメリット

ハイブリッドワーク_003

生産性の向上やコスト削減が期待できるハイブリッドワークですが、いくつかデメリットもあります。
ここからはハイブリッドワークの課題とデメリット、解決策をあわせて解説します。

 

◾️1.ワークスタイルの二極化

ハイブリッドワークの環境下では、ワークスタイルが二極化するリスクがあります。
従業員によって働きやすい環境が異なり、オフィスワークとテレワークのどちらか一方に偏る傾向があるためです。

双方に負担や不利益が生じる可能性があるため、導入前に二極化への対策が必要です。

 

【対策】出社比率を決める

ワークスタイルの二極化を防ぐために、事前に出社比率を決めておくと効果的です。例えば「勤務日数のうち○日は出社して業務をおこなう」「定期的に従業員全員が参加するWeb会議を開催する」などです。

従業員が出社比率に沿った働き方を選ぶことで、対面でコミュニケーションを取りたい相手がいつもテレワークをしている等の問題もなくすことができるでしょう。

 

◾️2.社内外で伝達される情報に格差が生じる

ハイブリッドワークでは、オフィスで働く従業員とテレワークの従業員の間で情報格差が生じる可能性があります。特にチームで進めるプロジェクトの場合、この情報の偏りがチームワークに悪影響を及ぼす懸念があります。

例えばオフィスでの対面コミュニケーションで共有された内容が、テレワーク中の従業員に適切に伝わらないことがあります。この情報の不均衡は、業務上のミスやトラブルにつながる可能性があり、プロジェクトの進行や成果に支障をきたす恐れがあります。

 

【対策】情報共有の方法を決める

ハイブリッドワークによる情報格差を防ぐためには、事前に情報共有の方法を決めておくと良いでしょう。例えば、報連相や情報共有の仕組みのシステム化です。

出社の有無に関わらず、チームメンバー全員で等しく情報をキャッチできるよう、情報共有の方法やタイミングを社内で明確化しておきましょう。

 

◾️3.既存の評価制度では適切な評価ができない

オフィスワークを前提として作られた人事評価では、適切に従業員を評価できない可能性があるため、ハイブリッドワークを導入する際には、評価制度の見直しも必要です。

特にテレワーク環境下では上司が勤務態度を直接観察しにくいので、マネジメントの質の低下が懸念されます。正当に評価されないとモチベーションの低下につながるリスクもあるため、新しい評価制度を導入しましょう。

 

【対策】適切な勤怠管理システム・人事評価プロセスを導入する

人事評価を見直す際には、適切な勤怠管理システムや人事評価プロセスを導入する方法があります。テレワーク環境下では、上司から直接見えない部分の評価をどのようにおこなうかがポイントです。

さまざまな働き方に対応できる評価方法の一つとして、360度評価があります。360度評価は同僚や上司などの立場が異なる関係者が評価をおこなうため、どのような働き方でも多角的に評価できます。

また、オフィス以外の場所では勤怠管理が難しいので、ツールやグループウェアを導入して正確な勤務状況を把握できる環境を整えましょう。

 

◾️4.情報漏洩の懸念

従業員が働く場所が柔軟になると、同時に情報漏洩に対する懸念も生じます。セキュリティ面のリスクは、端末の紛失や盗難、盗聴、覗き見など多岐にわたります。

ハイブリッドワークに限らず、オフィス以外での働き方を提供する際には、セキュリティ対策が必要になります。

従来のセキュリティ対策では防ぎきれないリスクもあるため、既存の対策の見直しや新たな対策が求められます。

 

【対策】セキュリティ対策を強化する

ハイブリッドワークによる情報漏洩を防ぐためには、セキュリティ対策の強化が有効な手段です。例えば公衆Wi-Fiは利用しない、ルーターは暗号化設定してから利用するなど、業務で利用するインターネット回線を指定し、自社でルール化しましょう。

またセキュリティに関する社内研修を実施し、周知徹底を図ることも大切です。なお、有効なセキュリティ対策は、総務省が提供しているテレワークセキュリティガイドラインが参考になります。

セキュリティ対策に関する詳細はこちらの記事でも解説しています。

ハイブリッドワークの効果を最大化させるポイント

ハイブリッドワーク_004

ハイブリッドワークは、導入しただけで効果が得られるとは限りません。ここからは効果を最大化させるポイントを解説するので、自社で導入する際の参考にしてください。

 

◾️オフィスレイアウトの最適化

ハイブリッドワークを導入する際は、既存のオフィスのままではなく、ハイブリッドワークの効果を最大化できるレイアウトに変更しましょう。働きやすさや生産性のさらなる向上が期待できます。

レイアウトを最適化するには、まずテレワークとオフィスワークそれぞれに向いている業務内容を整理しましょう。次に、「オフィスでおこなう業務の生産性が高まるか」「成果が上がるか」という観点からレイアウトを考えます。

例えば、フリーアドレス制を導入する際は、余ったスペースにマグネットスペースや集中ブースを設置するのも良いでしょう。従業員が集まりやすい共有スペースを設けることでコミュニケーション機会を創出し、一方でソロワークやWeb会議など、静かな環境での業務をおこなうこともできるオフィスにできます。

また、ハイブリッドワークの導入を機にオフィスの縮小化を図ることもできます。家賃や光熱費などのコスト削減につながるため、出社率によっては検討してみると良いでしょう。

オフィスのレイアウトに迷った場合はオフィスづくりの専門家に相談するのも手です。アイリスチトセでは、数々の企業において快適な環境づくりを行ってきたノウハウをもとに、ハイブリッドワークの効果を最大化するオフィス環境をご提案いたします。企業ごとの課題を踏まえて最適なオフィスづくりをサポートさせていただきますので、ぜひ弊社にご相談ください。

アイリスチトセのオフィスサービスはこちら

マグネットスペースを導入したオフィスレイアウトの最適化については、以下の記事でも詳しく解説しています。

マグネットスペースを導入してオフィス作り!設置するメリットから方法まで

 

◾️コミュニケーション環境の整備

オフィス以外の場所で働く従業員が増えると、コミュニケーション不足が懸念されます。課題を解決するためには、コミュニケーションが活性化しやすい環境作りが大切です。

ハイブリッドワーク導入後は、定期的に従業員同士が顔を合わせてやり取りできる機会を提供してみましょう。コミュニケーションを活性化するおもな対策は、次のとおりです。

  • Web会議
  • チームミーティング
  • 1on1 など

オフィスワーク以外の従業員は、上司や同僚と気軽にやり取りできずに孤立を招くリスクもあります。そのため、フォーマルコミュニケーションだけでなく、インフォーマルコミュニケーションにも着目して環境整備をおこないましょう。

インフォーマルコミュニケーションとは従業員同士でおこなう雑談や日常的な会話のこと。インフォーマルコミュニケーションを生み出す環境整備は、こちらの記事で詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてください。

インフォーマルコミュニケーションを社内に生みだそう!必要性から活用事例まで

ハイブリッドワークに関するよくある質問

最後に、ハイブリッドワークに関するよくある質問をご紹介します。

 

◾️ハイブリッドワークの導入状況は?

2023年の内閣府調査によると、全国でテレワークの割合は24.8%です。その中で58.1%の人は週に1度以上出社しているため、ハイブリッドワークはコロナ禍以前と比べると、珍しくない働き方になっています。

直近一年間のうちにテレワークを実施した雇用型テレワーカーでは、週1~4日テレワークを実施する割合が増加しており、コロナ禍を経て直近はハイブリッドワークが拡大傾向にあると言えます。

 

◾️ハイブリッドワークに向かない職種はあるか?

物理的な作業が必要となる製造業や小売業、介護・医療関連の職種では、ハイブリッドワークは向いていません。公務員や接客業もテレワークが難しい職種として挙げられます。

製造業や小売業、介護・医療関連の職種において働き方改革をする場合は、ハイブリッドワーク以外の方法として、長時間労働の是正や賃金引き上げなどを検討するのが良いでしょう。

 

◾️ハイブリッドワークの導入時に見直すべき社内ルールはある?

ハイブリッドワークの導入後は、社内で混乱が生じる可能性があります。混乱を避けるためにも、次のようなルールを事前に策定しておいた方が良いでしょう。

  • 端末の管理
  • 緊急時の対応
  • 交通費
  • 勤務場所や時間 など

ハイブリッドワークを導入すると、従業員に支給する交通費が曖昧になりやすいです。勤務場所や時間を正確に把握できるシステムを導入し、きちんと管理できるように環境整備しましょう。

ただし、ルールを細かくし過ぎると従業員の負担になるケースもあります。そのため、部署やプロジェクト単位で柔軟に検討するようにしましょう。

まとめ:導入前にルール化や社員研修を実施しよう

ハイブリッドワーク_007

ハイブリッドワークには、セキュリティ対策やコミュニケーション不足など、さまざまな課題もあるのが現状です。影響を最小限におさえるためには、事前の対策やルール化が大切です。

そうすることで導入後の混乱を避け、スムーズに業務がおこなえる流れを作れます。
しかし、従業員がルールを遵守しなければ効果も期待できないため、社内報や研修などで周知徹底するようにしましょう。

ハイブリッドワークライフ協会では、導入事例や有効な活用方法などのセミナーが定期的に開催されています。導入時の参考にもなるため、気になる方はぜひ参加してみてください。

オフィス移転・内装にお悩みなら…
まずは、お気軽にお問い合わせください。

年間1000件以上にも及ぶオフィス移転・改修実績があるアイリスチトセでは、レイアウトのプランニングから引っ越しまでをトータルでサポートいたします。企業ごとに抱える悩みに寄り添い、グループの総合力で課題を解決いたします。オフィス移転、レイアウトの際はお気軽にご相談ください。

Related