マグネットスペースを導入してオフィス作り!設置するメリットから方法まで
オフィスレイアウト・デザイン・設計
社内コミュニケーションの中心の場所とされるマグネットスペースは、働きやすいオフィス環境を作る上で重要視されており、導入する企業が増加しています。その一方で、具体的な導入方法や設置するメリットがいまいち理解できず、導入に踏み切れない企業も少なくないようです。
そこで本記事では、マグネットスペースに関して知っておきたいメリット・デメリット、設置するときのポイントや具体的な導入方法まで詳しく解説します。ぜひ最後までお読みください。
マグネットスペースとは
昨今、注目を集めているマグネットスペースとは一体何を意味するのでしょうか。その定義と企業における利用シーンをいくつかご紹介します。
■人が集まるスペースのこと
まるで磁石に吸い寄せられるかのように「人が自然と集まりやすいスペース」という意味合いから、マグネットスペースと呼ばれています。社員同士が気軽にコミュニケーションを取れる場所として、社内の良好な人間関係を構築する目的で多くの企業が導入しています。
社内のコミュニケーションを促進させたい企業にとっては、特に欠かせないオフィス環境の一つと言えるでしょう。
社内コミュニケーションの活性化に関する詳細はこちらの記事でも解説しています。
■多目的に利用できる
マグネットスペースには、幅広い使用用途があります。自動販売機やコーヒーサーバーなどを設置して、社員の憩いの場となるカフェスペースやリフレッシュスペースとして活用できます。仕事場だと雑談に抵抗がある社員でも、気軽に話しかけやすくなり会話も盛り上がるでしょう。
ほかには、会議室として活用するケースもあります。通常の会議室とは違い、予約いらずで気軽に打ち合わせできるのは嬉しい点です。
マグネットスペースは企業の業種によっても利用シーンは異なるため、まさに多目的に利用できると言えます。次の章では、マグネットスペースを設置するメリットについて解説しています。さらに詳しく見ていきましょう。
マグネットスペースを設置するメリット
マグネットスペースを設置することで、次のような4つのメリットがあります。一つずつ詳しくご紹介します。
・社内のコミュニケーション・報連相が活発になる
・社員のストレス軽減・モチベーションアップ
・企業のブランドイメージ向上
・オフィス内のデッドスペースを有効活用できる
■社内のコミュニケーション・報連相が活発になる
マグネットスペースがあれば、オフィス内にいる社員と気軽に会話がしやすくなるため、自然と社員同士の交流が活発になります。雑談だけではなく、プロジェクトに関する報告や相談も、上司と部下の間で自然と取りやすくなるでしょう。
また、マグネットスペースで行われる打ち合わせであれば、会議室と比べてオープンな雰囲気があるので、自分の意見を発言しやすくなるというメリットもあります。他部署やチームと接する機会が増えることで、部署間のコミュニケーションレスが改善され、思いがけない営業先の紹介やコラボレーション企画が動き出すケースも少なくありません。
■社員のストレス軽減・モチベーションアップ
社員のストレスを軽減するために、オフィス環境を整えることは重要です。長時間黙々と仕事をしている中で、ちょっとした息抜きができるリラックススペースがあるだけで、仕事のパフォーマンスが高まります。雑談もしやすくなるので、社員の不満もたまりにくくなるでしょう。
また良好な人間関係も構築されるので、ストレスが軽減されるだけでなく、仕事に対するモチベーションアップにもつながります。
■企業のブランドイメージ向上
企業のブランディング活動の一環として、マグネットスペースを導入するケースは少なくありません。一定の企業のブランドイメージアップを期待できるため、求人応募者数の増加につながります。
たとえば、おしゃれなカフェスペースがある社内のオフィス環境を企業のホームページに掲載すれば、より魅力的な印象を与えられ、採用活動において他社よりも有利に立ちやすくなります。
昨今では、働きやすいオフィス環境を重視している求職者が増えているため、マグネットスペース導入によるブランドイメージ刷新は非常に大きな効果を発揮することでしょう。
■オフィス内のデッドスペースを有効活用できる
デッドスペースとは、オフィス内にある機能していない無駄なスペースのことを指します。長い間使われていないデスクや棚、コピー機周辺の空間など、動線から排除された誰も利用しない場所がデッドスペースとなります。
デッドスペースが1畳程度の狭い場所でも、不要な物を片付けて、人が集まりやすいスタンディングテーブルや椅子を用意すれば、ちょっとしたマグネットスペースになります。
オフィス内に無駄となっているデッドスペースがある場合は、ぜひマグネットスペースの設置を検討しましょう。
・オフィス改装時はマグネットスペース設置のチャンス
オフィス改装をする際は、マグネットスペースの設置を検討する絶好の機会です。なぜなら、オフィス改装にかかる費用を抑えられる可能性があるからです。
前述した通り、マグネットスペースは「カフェスペース」「リフレッシュスペース」「打ち合わせの場所」など多目的に利用できます。そのため、会議室をはじめ利用用途が限られやすい設備投資費を計画的に削減できます。
オフィス改装でコスト削減を優先する際は、社員が自由に席を選べるフリーアドレスオフィスにして、多目的に利用できるマグネットスペースを設置するのがおすすめです。省スペースなオフィス環境に整えられるので、月々の固定費を抑えられるでしょう。
フリーアドレスオフィスについては次の記事で詳しくご紹介しています。ぜひ参考にしてください。
マグネットスペースを設置するデメリット
マグネットスペースの設置にはメリットだけではなく、次のようなデメリットもあります。
・機密情報が漏れる可能性がある
・カフェスペースを併設している場合は管理に手間がかかる
マグネットスペースを導入する際の参考にしてください。
■機密情報が漏れる可能性がある
オープンスペースとなっているマグネットスペースは、社員同士のコミュニケーションが活発になりやすい一方で、近くの会話が聞き取れてしまい機密情報が漏れてしまうというケースもあり得ます。
特に、マグネットスペースの設置場所によっては、他部署との会話や来客があった際など、情報保護の観点から会話の内容には十分配慮しておく必要があるでしょう。
そのため、機密情報を含む会話はマグネットスペース内では禁止するといったルールづくりを社内に事前周知しておくのは非常に重要だと言えます。しっかり準備しておきましょう。
■カフェスペースを併設している場合は管理に手間がかかる
カフェスペースを併設している場合、コーヒーサーバーの豆をストックしたり定期的にメンテナンスする手間が必要になるため管理に手間がかかります。もし管理を怠ると、カフェスペースが不衛生な状態となり、やがてオフィス内に異臭が充満してしまうこともあります。
そこでカフェスペースを上手に運用するためには、適切な管理方法とルールを事前に決めておくと良いでしょう。
社員が管理する手間を少しでも省きたい場合は、外部の専門業者を利用するのも一つの手です。詳しくは、次の章の「専門業者のサービスを活用する」で後述しています。
マグネットスペースを設置するときのポイント
マグネットスペースを設置する際は、次の4つの点に注意します。
・デスクから少し離れたところに設置する
・オフィス内の集まりやすい場所に設置する
・目的に合わせた家具や設備を準備する
・専門業者のサービスを活用する
企業がマグネットスペースの導入を成功させるためのポイントとなるので、しっかり確認しておきましょう。
■デスクから少し離れたところに設置する
マグネットスペースは、社員同士のコミュニケーション活性化を目的としている一方で、ちょっとした雑談が盛り上がりやすくなるため、社員の個人デスクから近すぎる場所の設置は控えた方が良いでしょう。
気兼ねなく会話ができる動線は確保しつつも、各人の仕事に集中しやすくなるように、デスクから少し離れたところに設置するのがポイントです。
また前述した通り、情報セキュリティ確保も視野に入れて、玄関口や来客室から離れている場所に設置するのも重要です。
■オフィス内の集まりやすい場所に設置する
冒頭でも触れた通り、マグネットスペースは「人が自然と集まりやすい場所」ですが、その定義を実現するには、オフィス内における設置場所が鍵を握ります。オフィス内で集まりやすい場所がどこかしっかり確認しましょう。
たとえばコピー機やプリンターがあるスペースはマグネットスペースの候補場所として挙げられます。もしコピー機やプリンターがオフィス内の各所にある場合は、1箇所に集めるだけでもマグネットスペースとして早変わりします。
■目的に合わせた家具を準備する
マグネットスペースの利用目的に合わせた家具を準備することも重要です。
社員のクリエイティブ性を向上させたいのであれば、おしゃれで遊び心ある家具を準備しましょう。打ち合わせスペースとして利用する場合は、木目調を基調とした落ち着きのあるデザインが施された家具があると良いでしょう。
このようにマグネットスペースを設置する前に、利用目的を明確にすることで必要な家具も決まるので、計画的に準備しておくのをおすすめします。
■専門業者のサービスを活用する
カフェスペースを併設する上で、専門業者のサービスを活用するのも一つの方法です。
好きな飲み物をいつでも購入できる「自動販売機」、スナック菓子やお惣菜など手軽に購入できる「オフィスコンビニ」、朝食販売から夜のケータリングまで提供可能な「企業内カフェラウンジ」などサービス形態はさまざまです。
基本的に自社でコーヒーマシンといった大きな設備を購入する必要がなく、管理する手間も省けるため、社内の運用コストを抑えられます。
専門業者によっては、企業の利用目的に合わせて最適なサービスを提案してくれるので、気になる方はインターネットで詳細をチェックしてみてください。
マグネットスペースを活用して快適なオフィス環境を整えよう
今回は、社内のコミュニケーション活性化に欠かせないマグネットスペースについて、設置するメリットと具体的な導入方法についてご紹介しました。
マグネットスペースを設置することで、社員のモチベーションアップや企業のブランドイメージ向上につながり、採用活動にも大きく貢献します。
もし社内で必要性があれば、マグネットスペースの導入を前向きに検討してみるのはいかがでしょうか。今のオフィス環境が快適になり、社員同士のコミュニケーションの機会をより多く生み出すことができるでしょう。