従業員エンゲージメントが高い企業の特徴とは?向上施策や測定方法を紹介

働き方

Home コラム 働き方 従業員エンゲージメントが高い企業の特徴とは?向上施策や測定方法を紹介
従業員エンゲージメントが高い企業の特徴とは?向上施策や測定方法を紹介

近年は少子化による労働人口の減少により、多くの企業が人手不足を課題に抱えています。新たな人材の採用が難しい中、企業は限られた人材を効率的に活用することが必要です。

加えて、従業員はより良い労働環境を求める傾向にあり、企業に不満を持つと離職者が出て、定着率の低下が懸念されます。離職者を減らすためには、従業員のエンゲージメントを高めることも重要です。

そこでこの記事では、従業員エンゲージメントの概要や高めるメリットなどを解説します。従業員エンゲージメントを高めるための施策や従業員エンゲージメントが高い企業の特徴も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

オフィス移転を検討中の企業様へ
オフィス移転に必要なチェックリストを配布中

アイリスチトセでは、年間1000件以上にも及ぶオフィス移転・改修をサポートしています。移転先の選定から移転完了までに必要なことをまとめたチェックリストを無料でダウンロードしていただけます。

従業員エンゲージメントとは

まずは、従業員エンゲージメントとは何かについて理解を深めておきましょう。従業員エンゲージメントとは、従業員が企業理念に共感し、業績を向上させるために貢献したいと思う意欲のことです。

エンゲージメントの高さは、従業員の企業に対する信頼度や企業とのつながりの強さと比例します。そのため、企業への信頼度が高く、企業とのつながりをより強く感じているほど、エンゲージメントが高い状態といえます。

従業員エンゲージメントには、明確な定義があるわけではありません。企業の中には、従業員のモチベーションや帰属意識をエンゲージメントの指標とするところもあります。自社で働く従業員のエンゲージメントを高めるためには、企業が独自で定義を設ける必要があります。

 

◾️従業員エンゲージメントと従業員満足度の違い

従業員のエンゲージメントと類似した用語に、従業員満足度があります。従業員満足度は、従業員が仕事内容や労働環境、人間関係などにどのくらい満足しているかを測る指標です。

従業員エンゲージメントと従業員満足度は似ているようで異なります。今の労働環境に満足していても、モチベーションが低く、自発的に貢献したいとまでは思わない従業員がいる可能性もあるためです。

従業員満足度が高ければ、エンゲージメントも高まる傾向にあります。そのため、従業員エンゲージメントを高める施策を講じる際には、給与や待遇、福利厚生などを見直し、満足度を高める工夫も必要です。

従業員エンゲージメントを構成する4つの要素

従業員エンゲージメントを構成する要素は主に次の4つあります。

  • 理解度
  • 共感度
  • 帰属意識
  • 行動意欲

それでは、各要素を詳しく見ていきましょう。

 

◾️理解度

理解度とは、従業員が企業のビジョンをどのくらい理解し、どのくらい支持しているかを指します。従業員の企業に対する理解度は、従業員エンゲージメントの高さに大きく影響する要素の一つです。

従業員の理解度が低い場合、企業との方向性にブレが生じ、業績向上につながりにくい側面があります。一方で従業員の理解度が高い場合、企業と方向性が一致し、業績向上が期待できます。

従業員エンゲージメントを高めるためには、従業員の企業に対する理解度を深めることも大切です。企業理念や経営方針を明確にした上で、従業員の目に留まりやすい場所にボードを掲示し、理解度を深める方法もあります。

 

◾️共感度

共感度とは、従業員が組織の一員であることを誇りにもち、企業に対してどのくらい愛着を感じているかを指します。従業員エンゲージメントを高めるためには、企業理念や経営方針などへの共感を得ることも大切です。

共感度が低い場合、組織やともに働く仲間に対する関心が低く、企業に愛着を持つことは難しいのが現状です。一方で共感度が高い場合、企業への貢献意欲も高まり、仲間と協力して目的を達成しようとする傾向にあります。

共感度を高めるためには、従業員同士のコミュニケーションを促進する方法があります。コミュニケーションが活性化することで、相談や助け合いがしやすい状況をつくれるため、仲間意識を高められるでしょう。

 

◾️帰属意識

帰属意識とは、単に組織に属しているだけでなく、自分がその一員であると意識することです。帰属意識の高さは、従業員がどれだけ組織に所属し続けたいかを測る指標になるため、定着率に大きな影響を与える要素の一つです。

帰属意識が高い従業員は、その企業で働くことを誇りに感じており、企業理念やビジョンにも強く共感している状態といえます。一方で帰属意識が低い従業員は、企業に魅力を感じておらず、仕事に対するモチベーションの維持が難しくなります。

帰属意識の低下とともにモチベーションが下がれば、より良い環境を求めて転職する従業員が出てくるかもしれません。離職率を低減し、定着率を高めるためには、従業員の帰属意識を高める工夫も必要です。

 

◾️行動意欲

行動意欲とは、従業員が組織の目標達成に向けて自主的に行動することを指します。行動意欲が高い従業員は、自己成長や問題解決にも積極的に取り組むため、生産性の向上が期待できます。

一方で行動意欲が低い従業員は、モチベーションも低く、仕事に対して受け身になりがちです。企業活動を安定的に継続させていくためには、一人でも多くの従業員が自主的に行動し、成果につなげることが大切です。

従業員の行動意欲を高めるためには、ABWと呼ばれる働き方を導入する方法があります。ABWは仕事内容や気分に応じて働く場所を選べるため、従業員の自主性を育て、行動意欲の高まりにつながります。

従業員エンゲージメントを高めるメリット

近年、従業員エンゲージメントを高める取り組みを進める企業が増えています。その背景には、顧客満足度の向上や職場環境の改善、離職率の低減などのさまざまな効果が期待できることが関係しています。

 

◾️顧客満足度の向上につながる

企業が利益を拡大し、成長し続けるためには、顧客満足度を高めることが大切です。顧客満足度は、自社製品やサービスが好意的に受け入れられているかを測る指標になるためです。従業員エンゲージメントを高める取り組みは、顧客満足度の向上に寄与します。

従業員エンゲージメントが高い従業員は、自社商品やサービス、企業のビジョンなどへの共感があり、「自分ごと」として捉えてくれる傾向にあります。そのため、例えば顧客対応のスピードが速くなったり、丁寧な接客を心がけたり、クレームに対しても真摯に受け止めるなど、質の高い顧客対応が期待できるでしょう。企業に貢献したいという意欲がモチベーションの高さにつながり、結果的に顧客満足度の向上にも寄与することが期待できます。

従業員エンゲージメントが高い従業員が一人でも増えれば、組織全体の生産性向上にもつながるでしょう。

 

◾️職場環境が改善する

従業員が快適に働くためには、職場環境の改善も必要です。従業員エンゲージメントを高めることは、職場環境の改善にもつながります。従業員エンゲージメントが低い従業員が多ければ、行動意欲が低下し、仕事が受け身になりがちです。

企業に貢献したいと考える従業員が少なければ、組織全体の生産性の低下を招く可能性もあるでしょう。組織全体の生産性を上げ、企業活動を活性化させるためには、従業員エンゲージメントを高めることが必要です。

従業員エンゲージメントが高まるると、企業に貢献したいと考える従業員が増えます。企業の目標達成に向けて積極的に業務に取り組む従業員が増えるため、職場の活性化が期待できます。

 

◾️離職率の低減が期待できる

企業が従業員エンゲージメントを高めると、離職率の低減が期待できます。少子化によって労働人口が減少する中、企業には限りある人材を効率的に活用することが求められています。

近年は働き方に対する価値観が多様化し、転職が珍しくなくなってきているのが現状です。従業員エンゲージメントが低いと、より良い職場環境を求めて離職する従業員が増える可能性があります。

新たな人材の採用は容易ではないため、企業は従業員の離職を防ぎ、定着率を高めることが重要です。従業員エンゲージメントを高めると、企業に貢献したいという意識が高まるため、人材の流出を防ぎ、定着率の向上につながります。

従業員エンゲージメントを高めるための施策

企業が従業員エンゲージメントを高めるためには、いくつかの方法があります。従業員エンゲージメントを高めるための代表的な施策は、次のとおりです。

  • 企業理念やビジョンを浸透させる
  • 人事制度を見直す
  • 職場環境を整備する
  • 福利厚生を充実させる
  • ピアボーナス制度を導入する
  • キャリアアップ・スキルアップをサポートする

それでは、各施策を詳しく見ていきましょう。

 

◾️企業理念やビジョンを浸透させる

従業員エンゲージメントを高めるためには、企業理念やビジョンを社内に浸透させることが重要です。企業理念やビジョンは、企業の存在性やこれから目指す方向性を示すものです。

企業の存在性や方向性が曖昧だと、従業員は何を考えてどのように行動すべきかわかりません。企業が業績を向上させるためには、従業員が企業の方向性を正しく理解し、それに向けて行動する必要があります。

企業理念やビジョンが社内全体に浸透すれば、目標達成のために何ができるか考え、行動に移す従業員が増えます。企業理念やビジョンが明確に示されるほど、従業員は自発的に業務に取り組めるようになるでしょう。

 

◾️人事制度を見直す

人事制度は、従業員エンゲージメントを左右する要素の一つです。自分が企業から正しく評価されていないと感じた従業員は、より高く評価してくれる職場を求め、離職を選択する可能性があります。

また、人事制度の内容は企業ごとに異なります。人事制度の仕組みが曖昧な場合、従業員は企業に対して不信感を抱きやすくなるでしょう。従業員からの信頼度を高め、離職を防ぐためにも、公平かつ明確な人事制度をつくることが重要です。

人事制度を見直すことで、評価に対する納得度が高まり、従業員はより良い評価を得るために意欲を持って業務に取り組めるようになります。人事制度を見直す際には、多角的な視点で評価できる360度評価を導入する方法もあります。

 

◾️職場環境を整備する

従業員エンゲージメントを高めるためには、良好な職場環境を構築することも重要です。働きづらい職場環境ではモチベーションが下がり、離職を選択する従業員が出てくるかもしれません。

近年は、ワーク・ライフ・バランスを重視する人が増えています。ワーク・ライフ・バランスとは、自分の希望に近い形で仕事とプライベートのバランスがとれた状態のことです。

従業員がワーク・ライフ・バランスを実現するためには、労働時間や休暇制度、福利厚生の見直しも必要です。テレワークや時短勤務などを導入し、多様な働き方に対応する方法もあります。

 

◾️福利厚生を充実させる

福利厚生の内容は、資格取得のサポートやレジャー施設の割引、ランチ代の補助など、企業によってさまざまです。従業員エンゲージメントの高さは、福利厚生がどのような内容かも影響します。

従業員エンゲージメントを高めるためには、福利厚生の内容を充実させることも重要です。近年は健康経営が注目されており、従業員の健康維持を福利厚生でサポートする企業が増えています。

たとえば、健康診断の費用の補助やスポーツジムの割引、健康相談の実施などです。健康経営に取り組んでいる企業の中には、自社の社員食堂で健康バランスに配慮したメニューを提供しているところもあります。

 

◾️ピアボーナス制度を導入する

従業員エンゲージメントを高めるためには、ピアボーナス制度を導入する方法もあります。ピアボーナスとは、「Peer(同僚、仲間)」と「Bonus(ボーナス)」を組み合わせた造語です。

日本語に訳すと従業員同士で称賛し合う、インセンティブを送り合うといった意味があります。ピアボーナス制度を導入すると、自分の貢献が称賛という形で認められるため、エンゲージメントの向上につながります。

称賛の文化が醸成され、従業員の満足度が高まれば、離職率の低下も期待できるでしょう。ピアボーナス制度は、多くの企業が導入しています。チームごとでポイントを競う環境をつくり、チームビルディングを強化した企業もあります。

 

◾️キャリアアップ・スキルアップをサポートする

企業が従業員のキャリアアップやスキルアップをサポートすると、従業員エンゲージメントが高まる可能性があります。従業員は仕事を通じて自分の成長を感じられれば、より企業に貢献したいと考えるようになり、意欲が高まります。

キャリアアップをサポートする方法の具体例は、キャリアデザイン研修や教育訓練休暇の付与、社内公募制度などです。キャリアアップのサポートを充実させれば、企業が自分のことを大事にしてくれていると感じやすくなり、帰属意識の向上も期待できます。

スキルアップをサポートする方法の具体例は、語学学習サポートやスキルアップ奨励金、ジョブローテーションなどです。ジョブローテーションによって複数の職種や部署での仕事を経験すれば、将来ゼネラリストとして活躍できる人材を育成できます。

従業員エンゲージメントが高い企業の特徴

従業員エンゲージメントの高さは、企業によって異なります。従業員エンゲージメントが高い企業には、いくつかの共通点があります。ここからは、従業員エンゲージメントが高い企業の特徴を紹介するので、自社で取り組む際にお役立てください。

 

◾️企業のビジョンが明確に提示されている

企業は自社のビジョンを明確にし、従業員に提示することが重要です。従業員エンゲージメントが高い企業の特徴の一つは、企業のビジョンが従業員に明確に提示されていることです。

従業員エンゲージメントは、より多くの従業員が企業のビジョンを理解し、浸透しているほど高くなります。そのため、企業のビジョンは一部の従業員ではなく、より多くの従業員に浸透させる必要があります。

自社のビジョンが社内に十分に浸透すれば、経営陣をはじめとするすべての従業員が同じ方向を向き、社内に一体感を生み出すでしょう。組織が一丸となって企業活動に専念することで、企業の目標を達成しやすくなります。

 

◾️コミュニケーションが活性化している

従業員エンゲージメントを高めるためには、コミュニケーションの活性化も重要です。従業員エンゲージメントが高い企業では、社内コミュニケーションを活性化するための工夫をしているケースが多い傾向にあります。

たとえば、離れた従業員同士がスムーズにコミュニケーションを取れるようにチャットツールを導入する、ワークスペースをコミュニケーションが取りやすいレイアウトに変更するなどです。

レイアウトを変更する場合、フリーアドレス制を導入し、コミュニケーションを促す方法もあります。フリーアドレス制は従業員の席が固定されていないため、部署を超えたコミュニケーションの促進に役立ちます。

 

◾️適正な人事評価を実施している

企業が独自で設ける人事制度は、従業員エンゲージメントの高さに影響を及ぼします。従業員エンゲージメントが高い企業は、人事制度がきちんと整備されているケースがほとんどです。

自分が正しく評価されていないと感じる従業員が増えると、企業に対して不満を持ち、離職してしまう可能性があります。人事制度が整備されていれば、従業員を公平かつ適正に評価できるため、納得度が高まります。

人事制度を見直す際には評価基準を明確にし、従業員に共有することも重要です。評価に対する不満が減ると、モチベーションを高く維持できるため、生産性の向上にもつながるでしょう。

従業員エンゲージメントの測定方法

従業員エンゲージメントを高める施策を講じる前に、まずは現状を把握することも重要です。従業員エンゲージメントは、センサスサーベイまたはパルスサーベイと呼ばれる方法で測定します。

 

◾️センサスサーベイ

センサスサーベイは、1年に1回程度のペースで実施する調査のことです。質問項目は、50~150個程度です。パルスサーベイに比べて質問項目が多いため、多角的な調査を実施できます。質問項目の例は、次のとおりです。

  • 自社で働くことに誇りを持っているか
  • 企業理念やビジョンを正しく理解しているか
  • 企業の目標を達成するために積極的に貢献したいか など

実施頻度が少ないため、従業員の負担は少ないでしょう。その一方で質問項目が多いことから、アンケートを収集する担当者の負担が大きい側面もあります。

 

◾️パルスサーベイ

パルスサーベイは、1週間に1回や1カ月に1回などの短いスパンで実施する調査のことです。質問項目は、5~15個程度です。センサスサーベイに比べて質問項目が少ないため、高い回答率が期待できます。質問項目の例は、次のとおりです。

  • 上司はあなたの話を聞いてくれるか
  • 今の職場に満足しているか
  • 上司はあなたの仕事をサポートしてくれたか など

パルスサーベイの実施頻度はセンサスサーベイよりも多いものの、質問項目が少ないため、アンケートを集計する担当者の負担は少ない傾向にあります。その一方で質問項目に限りがあるため、多角的に評価しづらい側面もあります。

まとめ:適切な施策を講じて従業員エンゲージメントを高めよう

従業員エンゲージメントは、従業員がどれだけ企業理念に共感し、どれだけ貢献したいと考えているかを示す指標の一つです。従業員エンゲージメントが高いほど、企業への信頼度が高く、企業とのつながりが強いといえます。

エンゲージメントが低い場合、離職者が増え、定着率が低下する可能性があります。企業が限られた人材を効率的に活用するためには、従業員エンゲージメントを高め、離職を防ぐ工夫が必要です。

従業員エンゲージメントを高めるには、福利厚生の充実や職場環境の改善などさまざまな施策があります。レイアウトの変更や新たな働き方の導入など、職場環境を改善する際には、アイリスチトセにご相談ください。

アイリスチトセでは豊富な実績をもとに、自社に適したプランを提案させていただきます。従業員が働きやすい環境を実現し、従業員エンゲージメントを高めましょう。

アイリスチトセへのご相談はこちら

オフィス移転・内装にお悩みなら…
まずは、お気軽にお問い合わせください。

年間1000件以上にも及ぶオフィス移転・改修実績があるアイリスチトセでは、レイアウトのプランニングから引っ越しまでをトータルでサポートいたします。企業ごとに抱える悩みに寄り添い、グループの総合力で課題を解決いたします。オフィス移転、レイアウトの際はお気軽にご相談ください。

Related