オフィス内装工事の種類・費用相場・流れ|おしゃれなデザイン事例も紹介
オフィスレイアウト・デザイン・設計
オフィスの内装工事をスムーズに進めるためには、工事の種類や費用相場、基本的な流れなどをおさえておくことが重要です。また、デザインやレイアウトを工夫することで、生産性や従業員満足度、企業イメージの向上といったメリットが得られるため、デザインと機能性を意識した内装に刷新する企業が増えています。オフィスの内装工事の種類や流れ、内装工事を成功させるポイント、内装デザイン事例などを紹介します。
目次
オフィス内装工事の種類
オフィス内装工事の種類には、おもに次のようなものがあります。
建築工事 | 仮設・軽鉄・塗装など内装全般の工事 |
電気工事 | 照明やコンセントなどを設置する工事 |
空調設備工事 | 室内の温度・湿度などを整える設備の工事 |
消防設備工事 | 火災報知器・誘導灯などの消防設備を設置する工事 |
賃貸オフィスは、入退去時に内装工事や現状回復工事が必要です。工事はA工事・B工事・C工事の3種類に区分されます。
A工事 | B工事 | C工事 | |
対象工事 | 共有部分で建物の体躯がメイン | テナント内の専有部分で建物全体に影響を及ぼすもの | 専有部分のうち建物に影響を及ぼさないもの |
工事業者の指定 | オーナー | オーナー | テナント |
工事業者への発注 | オーナー | テナント | テナント |
費用負担 | オーナー | テナント | テナント |
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オフィス内装工事の費用相場
オフィスの内装工事費用は、坪単価を基準に計算するのが一般的。オフィスの移転をともなう場合の費用は、1坪当たり10万円から40万円が相場です。ただし、工事費用は工事内容や使用する素材などによって変動します。
デザイン性を重視すると工事内容によっては高額になりやすいため、十分な資金計画を立てておく必要があります。オフィスの移転をともなう場合は、居抜き物件を選ぶと費用をおさえられます。しかし、前テナントのイメージが残りやすく、内装やレイアウトの融通が利きにくい場合もあるので注意しましょう。
さらに、オフィスの内装工事で発生する費用は工事費だけではありません。たとえば、工事が完了するまで仮オフィスが必要ならその賃料も費用に含まれます。その他、引越し費用、不用品の廃棄費用、オフィスデザインをデザイン事務所に任せる場合の費用などもかかります。
オフィス内装工事の基本的な流れ
オフィス内装工事の基本的な流れを確認しておきましょう。各ステップでどのような作業が実施されるか理解しておくと、全体像を把握しやすくなります。
STEP1:目的とコンセプトを決める
目的を明確化しておくと、どの場所をどのように変更すればよいかが見えやすくなるでしょう。社内で目的がきちんと共有されていれば、組織全体が同じ方向に向かい、作業も進めやすくなります。
内装を変更する際には、コンセプトを決めておくと、業者に依頼するときにもスムーズです。
STEP2:業者を選定する
業者を選定する際には、得意分野が基準の一つになります。オフィスの内装工事を依頼する場合、オフィスの内装工事が得意な業者を選びましょう。
工事費用は、業者ごとに異なります。複数社に見積りを依頼し、対応している工事範囲や料金などを比較し、自社の条件・予算に合う業者を選ぶ必要があります。あわせて、アフターフォローの体制も確認しておきましょう。
STEP3:内装デザインとレイアウトを決める
業者とオフィスの内装デザインやレイアウトなどの打ち合わせをおこないます。打ち合わせの内容は仕上がりに大きく影響するため、コンセプトや条件などを詳細に伝えることが重要となります。
担当者にコンセプトをうまく伝える方法として有効なのは、画像やイラストです。自社のイメージに近い画像や写真を用意しておくと、担当者に細かいニュアンスを伝えやすくなるでしょう。
STEP4:着工
オフィスデザインとレイアウトが決まり、業者と正式な契約を締結したら、スケジュールに沿って内装工事が実施されます。工事の進み具合は自社でも定期的に確認しましょう。
STEP5:什器と荷物の搬入・引渡し
オフィスの内装工事が完了し、物件が引き渡される段階です。工事完了後は、発注どおりに仕上がっているかを必ず確認しましょう。問題が発覚した場合は、すぐに業者に伝える必要があります。
業者立ち会いのもと問題がなければ、一時的に別の場所に保管していた什器や荷物を搬入し、一連の作業が完了になります。
オフィスの内装を変更するメリット
オフィスの内装変更がもたらす3つのメリットを紹介します。
生産性や従業員満足度が向上する
従業員がストレスなく仕事ができる効率的なオフィス内装に変更することで、生産性のアップにつながります。
また、快適性に優れたデザインのリフレッシュスペースやカフェを併設するなど、従業員が働きやすい環境を整えることで、満足度向上にもつながります。従業員のモチベーションアップ、離職率の低下などの効果も期待できるでしょう。
コミュニケーションの活性化につながる
内装の工夫により、コミュニケーションが発生しやすいオフィス環境を構築できます。部署間の間仕切りをできる限り減らし、オープン空間に近いスペースをつくることで、部署を超えたコミュニケーションが発生しやすくなるでしょう。
コミュニケーションが活性化することで、業務の連携がスムーズになる、新たなアイディアが創出されるなどの効果を得られます。また、決められた席を設けず、従業員が空いた席を自由に選んで業務をおこなうフリーアドレス制の導入、リフレッシュスペースやカフェの設置もコミュニケーションの活性化につながります。
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企業イメージの向上につながる
オフィスの内装は、企業イメージを左右する要素の一つです。
おしゃれで魅力的な内装に仕上げれば、社内外にインパクトを与えるため、企業のアピールポイントになります。求職者に内装が魅力的に映れば、応募者が増え、優秀な人材の獲得につながるかもしれません。
オフィス内装工事を成功させるポイント
オフィスの内装工事を成功させるためには、いくつかのポイントをおさえておく必要があります。
コンセプトを明確化する
内装工事を成功させるためには、コンセプトを明確にしておくことが重要です。コンセプトが曖昧な場合、途中でブレが生じ、イメージとは遠い仕上がりになる可能性があります。コンセプトは、ステークホルダーに与えたいイメージや自社の課題を解決できる内容にすることがポイントです。たとえば企業の認知度が低い場合は、独自性の高いデザインに仕上げることで、ステークホルダーに自社を強く印象づけられるでしょう。
デザインにコーポレートカラーを取り入れるのも有効です。2〜3色のベースカラーを決め、コーポレートカラーをアクセントに使用すると、統一感のあるデザインに仕上がります。
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従業員の意見を反映する
オフィスの内装を変更する際には、従業員の意見を聞くことも大切です。従業員の意見を無視すると、せっかくオフィスの内装を変更しても、満足度が低下する可能性があります。従業員のニーズが反映されたオフィスに仕上がれば、満足度だけではなく、帰属意識の向上も期待できます。
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オフィスレイアウトを工夫する
オフィスレイアウトには基本とされる6つのパターンがあります。具体的には次のとおりです。
対向型レイアウト | グループごとにデスクを向かい合わせ島をつくる |
背面型レイアウト | 従業員同士が背中合わせになるようにデスクを配置する |
同向型レイアウト | デスクを同じ方向に向け入りする |
左右対向型レイアウト | 両隣のデスクをクロスさせるように配置する |
卍型レイアウト | デスクを「卍」のように組み合わせて配置する |
フリーアドレス型レイアウト | 従業員ごとにデスクを固定せず自由に場所を選べるようなブースをつくる |
デザイン性だけではなく、導線や機能性を考慮することも重要です。連携の多い部署は近くに配置する、デスクの配置が従業員の動きを妨げないように配置するなど、実際の業務をイメージしながら効率的に働けるレイアウトを考えましょう。
業務上で起こり得るリスクを考えながら、セキュリティや安全面に配慮した内装デザインにすることも大切です。たとえば、重要な情報を扱う部署は、人の出入りが多い出入り口から離すなどの配慮が必要になります。
さらに、もしもの災害が起こったときの避難経路を意識したレイアウトにすることで、安全性の高いオフィスを実現できます。
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オフィス内装工事の業者選びのポイント
オフィスの内装工事は、その分野が得意な業者の中から選ぶのがポイントです。オフィス内装の施工実績が豊富な業者なら、ノウハウを活かし最適な内装工事プランを提案してくれます。
また、オフィス移転にともなう引越しやオフィス家具選び、不用品廃棄など、さまざまな工程をワンストップで依頼できる業者がよいでしょう。オフィス内装工事にかかる作業をすべて一本化できれば効率的です。
ワンストップでオフィス内装工事と付随する工程を依頼できる業者を検討しているのであれば、ぜひアイリスチトセにご相談を。物件探しやプランニングなど、オフィス移転をトータルでサポートします。仕上がりをイメージしたい場合、アイリスグループのショールームも見学可能です。
オフィス内装工事に関するQ&A
オフィスの内装工事に関するよくある質問を解説します。疑問がある場合は事前に解消しておきましょう。
工事期間はどのくらいかかるか
プランニングからオフィスの内装工事までにかかる期間は、2ヵ月から4ヵ月程度が目安です。工事期間の内訳は次のとおりです。
- プランニング:1ヵ月から2ヵ月程度
- 内装工事:1ヵ月から2ヵ月程度
プランニングと内装工事には、それぞれ1ヵ月から2ヵ月程度かかります。ただし、上記の期間は既存のオフィスで内装工事を変更する場合の目安です。
また、既存のオフィスを退去する6ヵ月前には管理会社への解約予告の通知が必要なケースが多いので、忘れないようにしましょう。
こちらの記事では、オフィスを移転する際に活用できるチェックリストを紹介しています。移転をともなう内装工事を検討している企業の担当者は、ぜひ参考にしてください。
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事前に確認すべき法規制はあるか
オフィスの内装工事には、次のような法律が関係します。
- 建築基準法
- 消防法
- 労働安全衛生法 など
建築基準法では、通路幅や耐震性などの最低基準を満たす必要があります。消防法で定められている避難経路を十分に確保できない場合は、希望するデザインやレイアウトを実現できない可能性もあります。
オフィスの内装工事にはさまざまな法律が影響するため、関係する法律に詳しい業者を選ぶようにしましょう。
原状回復は必要か
移転先によっては、退去時を想定した内装工事にしたほうがよいケースもあります。テナントのなかには、退去時に原状回復を求められることがあるためです。それに対し、居抜き物件の場合は原状回復が不要です。
原状回復が求められる物件は退去時に工事が必要になるため、事前に移転先物件の条件を確認しておきましょう。原状回復工事にどのくらいの費用がかかるかを見積もっておくと、退去時に備えられるので安心です。
コンセプトをうまく反映したオフィス内装のデザイン事例
最後に、コンセプトをうまく反映したオフィス内装のデザイン事例を紹介します。
■全日本空輸株式会社
全日本空輸株式会社の新築研修センターの食堂は、一つの空間をタイプごとに分割し、それぞれに明確なコンセプトを与えています。ユーティリティスペースとしての機能が求められていたため、食堂以外の利用も想定されています。食堂全体を「一冊の短編小説」に見立ててデザインされており、タイプが異なるスペースが複数存在しても統一感あるデザインに仕上がりました。
■株式会社TBSスパークル
株式会社TBSスパークルは、グループ会社の統合をきっかけに本社を移転しました。オフィス内にはテーブル席やソファ席など、さまざまなタイプのスペースが散りばめられています。
「グループ会社全社の一体感が生まれるオフィス」をコンセプトにデザインされており、業務内容に応じて従業員が働く場所を選べるよう工夫されています。
■野村不動産株式会社
野村不動産株式会社では、時間貸しのサテライト型シェアオフィスを運営しています。近年ビジネスシーンでも注目されているウェルビーイングの概念を取り入れ、「心と体が健康になるような空間」をコンセプトにデザインされました。
随所には、木材の質感とグリーンを味わえるアイテムが取り込まれており、バイオフィリアなデザインに仕上がりました。また、利用者の健康面に配慮し、サイクリングチェアも導入されています。
■コーナン商事株式会社
コーナン商事株式会社では人材確保や商談機会の増加を目的に、本部の移転にともなってオフィスデザインを刷新しました。デザインのコンセプトは、ホームセンターらしさが味わえる「クラフト感」です。
天井には、素材感がそのまま楽しめるスケルトン天井を採用しました。スペースの間仕切りには、建物の支柱と手作り感あふれる木材が使用されています。
■フジテック株式会社
フジテック株式会社はオフィスが手狭になったのをきっかけに、好条件の立地に移転しました。高層階で見晴らしの良い環境だったことから、エントランスから続くメイン動線を大桟橋に見立ててデザインされています。
また、ワンフロアに全部署が入るため、部署間を超えたコミュニケーションが発生しやすいレイアウトにしました。
■アスクル株式会社
アスクル株式会社は、2020年6月に「ミライベースプロジェクト」を立ち上げ、2021年5月に本社オフィスをリニューアルしました。コンセプトは、「ASKUL CROSSING」です。これには、「会社とのつながり」「仲間とのつながり」「アプリとのつながり」といった3つの視点から再構築を図ろうという想いが込められています。
オフィスでは、さまざまな場所にコンセプトが取り入れられています。たとえばエントランスはアースリングジャンクションといった形で設置し、アスクルのパーパス&バリューズを表現するためにエントランスをジャングル化させました。
エントランスには、音楽も効果的に使用されています。「地球の明日の365曲」という音楽を流し、視覚でも聴覚でも五感で地球の明日を感じられる空間に仕上がっています。エントランスは社内でも人気の場所となり、写真を撮影する人もいるようです。
■福島コンピューターシステム株式会社
福島コンピューターシステム株式会社は、2022年12月~2023年6月にかけて本社の3フロアを改装しました。改装に至ったきっかけは、2020年初頭からはじまった新型コロナウイルス感染症の拡大です。
これを機に、同社では多様な働き方を導入しました。その結果、働き方に合わせたオフィス環境の必要性が出てきました。オフィスの出社率が減ったため、スペースを有効活用するために、一つのフロアにはリラクゼーションエリアを開設しています。
ワークスペースには、従業員が自由に席を選べるフリーアドレス制を導入しています。これにより、従来は席が離れていた従業員やフロアが異なる部署、異なるプロジェクトメンバーとのコミュニケーションが活性化しました。
■第一カッター興業株式会社
第一カッター興業株式会社は、2022年12月に本社オフィスを改装しました。オフィスを改装するにあたって、同社では従業員にヒアリングを実施しています。ヒアリングの結果、さまざまな課題が浮き彫りになりました。
たとえば役員室に入りづらい、閉ざされた会議室や応接室で誰が何をしているのかわからないなどです。これらの意見を反映するために、新オフィスでは役員室の前に会議室を設置しました。
部屋の間仕切りには一般的な壁ではなく、ガラスパーテーションが使用されています。ガラスパーテーションを間仕切りに使用することで、部屋の中の様子が見えるため、透明性を確保できました。
内装工事の基本をおさえ、おしゃれで機能的なオフィスに
オフィス内装工事を検討するのであれば、工事の種類や費用相場、流れなどをおさえておきましょう。オフィスデザイン・レイアウトを考える際は、デザイン性と機能性の両立も意識をします。また、社内外に何を伝えたいかを明確にすることも大切。
理想的なオフィスデザインを実現できるよう、デザインと工事の両方をワンストップで依頼できる業者を選ぶのも方法の一つです。
オフィスの内装にお悩みなら、年間1,000件以上の実績があるアイリスチトセにご相談ください。社内のコミュニケーション不足や働き方改革など、オフィスが抱える課題を解決するために全力でサポートさせていただきます。
また、アイリスグループの東京アンテナオフィスは、2022年9月にWELL認証の最高ランクであるプラチナを取得しました。WELL認証とは、スペースの効果的な使い方や生産性を向上させる仕組みなどを評価する制度です。
こちらの記事ではWELL認証の取得に至ったきっかけや従業員に与える影響などについて、アイリスチトセ株式会社代表取締役社長のインタビューを掲載しています。ぜひあわせてご覧ください。