オフィスの内装工事の種類と費用相場とは?おしゃれな内装デザインの事例もご紹介

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オフィスの内装工事の種類と費用相場とは?おしゃれな内装デザインの事例もご紹介

オフィスを移転する際には、内装のデザインにこだわると企業イメージ向上や従業員のモチベーションアップなどのメリットを得られます。そのため、デザイン性の高い内装に刷新する企業も増えています。

そこでこの記事では、オフィスの内装工事の種類や具体的な進め方、理想的なオフィスのコンセプトの決め方などを詳しく解説します。後半では企業の導入事例も併せて掲載しているので、おしゃれな内装デザインのオフィスを実現するための参考にしてください。

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オフィスの内装工事の種類

賃貸オフィスは、入退去時に内装工事や原状回復工事が必要です。

工事はA工事・B工事・C工事の3種類に区分され、それぞれ対象工事が異なるほか、工事業者を指定したり、費用を負担する側が異なります

A工事 B工事 C工事
対象工事 共有部分で建物の躯体がメイン テナント内の専有部分で建物全体に影響を及ぼすもの 専有部分のうち建物全体に影響を及ぼさないもの
工事業者の指定 オーナー オーナー テナント
工事業者への発注 オーナー テナント テナント
費用負担 オーナー テナント テナント

上記の通り、建物の内装に関係するのは、B工事とC工事です。

基本的な内装工事の種類は、次の表に示しているとおりです。

種類 工事内容 工事場所
仮設工事 安全に工事を進め、建物を保護するために、養生や足場を設置する 建物全体
軽鉄工事 軽鉄骨で天井や壁の骨組みを設置する
  • 天井
ボード工事 石膏ボードで天井や壁を作る
  • 天井
塗装工事 建物の下地素材を塗装する 必要な場所
表装工事(天井工事) ボードの取り付けや塗装で内装を仕上げる 天井
表装工事(クロス工事) 壁紙を張って内装を仕上げる
表装工事(床工事) 壁材を張って内装を仕上げる
パーティション工事 アルミやスチールなどで間仕切りを設置する
左官工事 天井や壁に壁材を塗布する
  • 天井
建具工事 ドアや障子などの建具を取り付ける 壁の開口部
サイン工事 看板を設置する
  • エントランス
  • ドア など
電気工事 照明やコンセントなどを設置する 必要な場所
通信回線工事 通信回線の移設や増設 必要な場所
消防設備工事 火災報知機や誘導灯などの消防設備を設置する 必要な場所
セキュリティ工事 セキュリティシステムを設置する 必要な場所
原状回復工事 退去時に設備や什器を撤去し、元の状態に戻す 空間全体
給排水設備工事 水を供給する給水設備と、汚水を取る排水設備を設置する 建物全体
空調設備工事 室内の温度や湿度などを整える 必要な場所

なお内装工事の前後には、消防署に防火対象物工事計画届と防火対象物使用開始届の提出が必要です。

防火対象物工事計画届は工事開始の7日前まで、防火対象物使用開始届は使用開始の7日前までが期限のため、余裕を持って提出の準備をしておきましょう。

オフィスの内装工事の費用相場

オフィスの内装工事費用は、坪単価を基準に計算するのが一般的です。オフィスの移転をともなう場合の費用は、1坪当たり10万円から40万円が相場です。ただし、工事費用は工事内容や使用する素材などによって変動します。

デザイン性を重視すると工事内容によっては高額になりやすいため、十分な資金計画を立てておく必要があります。オフィスの移転をともなう場合は、居抜き物件を選ぶと費用をおさえられます。しかし、前テナントのイメージが残りやすく、内装やレイアウトの融通が利きにくい場合もあるので注意しましょう。

オフィスをおしゃれな内装にデザインするメリット

近年はオフィスの内装にこだわり、社内外から注目を集める企業が増えています。おしゃれなオフィスにすると企業や従業員にさまざまな影響を与えます。どのようなメリットがあるかを事前に確認しておきましょう。

 

■企業イメージの向上

オフィスをおしゃれな内装にするとステークホルダーに良いイメージを与えられるため、企業イメージの向上につながります。自社のコンセプトに沿ったデザインを心がけると、社内外にブランドイメージをわかりやすくアピールできるためです。

エントランスや受付、応接室などは自社に訪れる人の目に触れやすく、より効果的にアピールできるでしょう。また、オフィスの内装がステークホルダーにインパクトを与えられると、メディアやSNSなどを通じて広がっていき、ブランド戦略の一環にもなります。

社外でオフィスの内装が話題になることで、従業員もその企業で働いていることに誇りを持てるようになるでしょう。

 

■従業員のモチベーションアップ

従業員の働きやすさを重視してデザインすると、オフィスが居心地の良い空間となり、モチベーションアップにつながります。最新設備や機能性の高いオフィス家具を併せて導入することで、より作業効率の向上が期待できるでしょう。

モチベーションがアップすれば作業効率も高まり、企業の業績に良い影響を与えます。従業員のモチベーションは業績に直結するため、企業には従業員のニーズを満たすオフィスデザインが求められています。

 

■優秀な人材確保への寄与

求職者のなかにはおしゃれなオフィスで働くことを希望している人もいるため、人材市場で有利に働く可能性があります。

採用活動でおしゃれなオフィスをアピールできれば、より多くの求職者に興味を持ってもらうことができ、優秀な人材の確保につながるでしょう。

また、おしゃれなオフィスは、優秀な従業員の流出を防ぐ効果も期待できます。オフィスデザインを通じて企業理念が伝われば、従業員の帰属意識が高まり、離職率の低下につながるためです。

オフィスの内装デザインはコンセプトが重要

オフィスのコンセプトは空間のデザインだけに限らず、従業員の働き方にも大きく影響します。しかし、おしゃれなオフィスを漠然とイメージするだけでは、具体化できずに思うような効果を得られない可能性もあるでしょう。

オフィスの内装デザインを成功させるためには、企業の理念や経営方針、事業内容などを盛り込んだコンセプトを反映させることが重要です。

内装の変更はプロジェクト規模が大きく、簡単に変更し直すことができません。そのため、内装デザインを検討する際にはまずコンセプトを決めましょう。

コンセプトに沿ったオフィスに刷新できれば、インナーブランディングとアウターブランディングの両方に働きかけることが可能です。企業理念や経営方針などが従業員に浸透すれば、帰属意識の向上につながります。

さらにはステークホルダーに企業理念をアピールでき、企業イメージの向上も期待できるというわけです。

 

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おしゃれなオフィスを実現するコンセプトの決め方

コンセプトを上手く設定できない場合は、おしゃれなオフィスによる効果を期待できないため、一つ一つ手順を踏んで決める必要があります。ここからは、おしゃれなオフィスを実現するコンセプトの決め方を解説します。

 

■1.オフィスの課題を洗い出す

まずは、現在オフィスが抱えている課題を洗い出す作業から始めましょう。オフィスに対する不満やそもそも移転を検討したきっかけなどを掘り下げれば、現在抱えている課題を整理できます。

さらに課題をどうすれば解決できるのか、内装を変更するだけで解決できるのかを検討し、具体的なコンセプトをイメージすることが大切です。

 

■2.オフィスを通して伝えたいことを決める

オフィスデザインにはメッセージ性を持たせられるため、オフィスを通して社内外に何を伝えたいかを決めましょう。社内外に向けて、企業理念や事業内容などがわかりやすく伝わるようにすることがポイントです。

たとえば事業内容が環境に関わりの深い企業の場合、「自然を感じられるオフィス」をコンセプトにするのも良いでしょう。

また、オフィスデザインでは、基調となるカラーが企業イメージに大きく影響を与えます。たとえばピンクは優しさや柔らかさ、イエローは活動的や知的といった印象を与えられるカラーです。

企業を象徴するコーポレートカラーを設定していない場合は、企業理念や事業内容に適したカラーを決めましょう。

 

3.具体的な内装の方向性を決める

コンセプトを設定する最後の工程では、内装の方向性を具体化しましょう。おしゃれなオフィスにするためには、トレンドを意識することも大切です。

近年は新型コロナウイルス感染症の影響を受け、ソーシャルディスタンスが保てるレイアウトを取り入れる企業も多いようです。また、多様な働き方や組織変動にも柔軟に対応できるユニバーサルレイアウトにも注目が集まっています。

そのため、誰もが利用しやすいユニバーサルデザインを基調にする、従業員がくつろげるカフェのようなオフィスなど、トレンドに合わせた方向性をイメージしてみましょう。

 

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オフィスの内装工事の進め方

理想的なオフィスデザインをスムーズに実現させるためにも、内装工事の進め方を確認しておきましょう。

内装の刷新は規模が大きいプロジェクトになるため、漠然と取り組むと進行が行きづまる可能性もあります。

工事は社内外にも影響するため、実際にオフィスの内装を変更する際にどのような影響がでるのか、どのように進めると無駄がないのかを把握しておきましょう。

 

■1.業者を選定する

まずは、オフィスの内装を依頼する業者を選びましょう。業者には、デザインまたは工事のどちらかのみを手がける業者と両方を手がける業者が存在します。デザインと工事を別業者に依頼する場合はそれぞれとやり取りが必要になることに加え、完成イメージ像の共有が難しい面があります。

一方で両方を手がける業者に依頼する場合は、窓口を一本化できるので手間がかかりません。デザインから施工までの工程をまとめて依頼できるため、別々に依頼するよりも費用がおさえられます。

オフィスの内装工事をスムーズかつ理想的なデザインに仕上げるためには、デザインと工事をまとめて依頼できる業者を選んだほうが良いでしょう。

アイリスチトセではプランニングから内装工事、什器や家具の発注、引越しまでをトータルでサポートさせていただきます。オフィスが抱える課題の解決に向けてオフィスの刷新をお考えの担当者様は、ぜひアイリスチトセにご相談ください。

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2.業者との打ち合わせ・見積り依頼

オフィスデザインと内装工事を依頼する業者を決めたあとは、デザインの打ち合わせを重ね、レイアウトや設計図を完成させましょう。具体化したイメージや写真があると、業者とデザインを共有しやすくなります。

レイアウトや設計図が完成したら見積りを依頼し、費用や工期などを最終調整します。内装工事では電気設備や通信設備などの付随工事もともなうため、工事内容に問題がないかもチェックしておきましょう。

 

3.工事開始・引き渡し

内装工事の開始日は業者と打ち合わせて決定します。予期せぬトラブルで工期が遅れる可能性もあるため、スケジュールには余裕を持たせておきましょう。

内装工事の完了後に、竣工検査がおこなわれます。竣工検査とは、工事内容がレイアウトや設計図通りになっているのかを確認する作業です。工事内容に問題がなければ、物件が引き渡されます。オフィス家具や備品を別途用意する場合は、引き渡し時期に合わせて揃えておくと移転後の業務開始がスムーズにおこなえます。

オフィスの内装工事に関するQ&A

ここからはオフィスの内装工事に関するよくある質問を解説します。疑問がある場合は事前に解消しておきましょう。

 

内装工事の業者を選ぶポイントが知りたい

内装工事を扱う業者の種類は多く、得意とする分野も異なります。自社の望むオフィスを実現するには、まず前提としてオフィスの内装に特化した業者を選ぶことが大切です。そのうえで次のような点もポイントとなってきます。

  • オフィス内装の施工実績が豊富
  • ワンストップで依頼できる

施工実績が豊富な業者は専門的な知識や技術を持ち合わせているため、自社に最適なプランの提案を受けられるでしょう。

また、オフィスの移転では内装工事だけでなく、引越しやオフィス家具選び、不用品の廃棄なども必要です。各作業を別の業者に依頼すると、複数の業者とのやりとりが必要になり手間もコストもかかります。費用や従業員の負担を減らすには、すべての各工程をワンストップで依頼できる業者を検討すると良いでしょう。

移転に関する作業を1社にまとめて依頼できれば、窓口を一本化することが可能です。

ワンストップで依頼できる業者をお探しなら、ぜひアイリスチトセにご相談ください。移転の検討段階から相談いただければ、物件探しやプランニングなどをトータルでサポートさせていただきます。

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工事期間はどのくらいかかるか

プランニングからオフィスの内装工事までにかかる期間は、2ヵ月から4ヵ月程度が目安です。工事期間の内訳は次のとおりです。

  • プランニング:1ヵ月から2ヵ月程度
  • 内装工事:1ヵ月から2ヵ月程度

プランニングと内装工事には、それぞれ1ヵ月から2ヵ月程度かかります。ただし、上記の期間は既存のオフィスで内装工事を変更する場合の目安です。

また、既存のオフィスを退去する6ヵ月前には管理会社への解約予告の通知が必要なケースが多いので、忘れないようにしましょう。

 

こちらの記事では、オフィスを移転する際に活用できるチェックリストを紹介しています。移転をともなう内装工事を検討している企業の担当者は、ぜひ参考にしてください。

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事前に確認すべき法規制はあるか

オフィスの内装工事には、次のような法律が関係します。

  • 建築基準法
  • 消防法
  • 労働安全衛生法 など

建築基準法では、通路幅や耐震性などの最低基準を満たす必要があります。消防法で定められている避難経路を十分に確保できない場合は、希望するデザインやレイアウトを実現できない可能性もあります。

オフィスの内装工事にはさまざまな法律が影響するため、関係する法律に詳しい業者を選ぶようにしましょう。

 

原状回復は必要か

移転先によっては、退去時を想定した内装工事にしたほうが良いケースもあります。テナントのなかには、退去時に原状回復を求められることがあるためです。それに対し、居抜き物件の場合は原状回復が不要です。

原状回復が求められる物件は退去時に工事が必要になるため、事前に移転先物件の条件を確認しておくようにしましょう。原状回復工事にどのくらいの費用がかかるかを見積もっておくと、退去時に備えられるので安心です。

コンセプトをうまく反映したオフィスの内装デザイン事例

最後に、コンセプトをうまく反映したオフィスの内装デザイン事例をご紹介します。

全日本空輸株式会社

最初に紹介するのは、全日本空輸株式会社の新築研修センターの食堂です。一つの空間をタイプごとに分割し、それぞれに明確なコンセプトを与えています。ユーティリティスペースとしての機能が求められていたため、食堂以外の利用も想定されています。

食堂全体を「一冊の短編小説」に見立ててデザインされており、タイプが異なるスペースが複数存在しても統一感あるデザインに仕上がりました。

株式会社TBSスパークル

株式会社TBSスパークルは、グループ会社の統合をきっかけに本社を移転しました。オフィス内にはテーブル席やソファ席など、さまざまなタイプのスペースが散りばめられています。

「グループ会社全社の一体感が生まれるオフィス」をコンセプトにデザインされており、業務内容に応じて従業員が働く場所を選べるよう工夫されています。

野村不動産株式会社

野村不動産株式会社では、時間貸しのサテライト型シェアオフィスを運営しています。近年ビジネスシーンでも注目されているウェルビーイングの概念を取り入れ、「心と体が健康になるような空間」をコンセプトにデザインされました。

随所には、木材の質感とグリーンを味わえるアイテムが取り込まれており、バイオフィリアなデザインに仕上がりました。また、利用者の健康面に配慮し、サイクリングチェアも導入されています。

コーナン商事株式会社

コーナン商事株式会社では人材確保や商談機会の増加を目的に、本部の移転にともなってオフィスデザインを刷新しました。デザインのコンセプトは、ホームセンターらしさが味わえる「クラフト感」です。

天井には、素材感がそのまま楽しめるスケルトン天井を採用しました。スペースの間仕切りには、建物の支柱と手作り感あふれる木材が使用されています。

フジテック株式会社

フジテック株式会社はオフィスが手狭になったのをきっかけに、好条件の立地に移転しました。高層階で見晴らしの良い環境だったことから、エントランスから続くメイン動線を大桟橋に見立ててデザインされています。

また、ワンフロアに全部署が入るため、部署間を超えたコミュニケーションが発生しやすいレイアウトにしました。

まとめ:おしゃれなオフィスに刷新して社内外にアピールしよう

オフィスデザインにはメッセージを持たせることができるため、社内外に何を伝えたいかを明確にすることが大切です。期待する効果を十分に発揮するためには、自社のコンセプトを取り入れることが大切です。

コンセプトを決める際には自社の課題を洗い出し、解決に導けるような内容を検討しましょう。また、理想的なオフィスデザインを実現するためには、デザインと工事の両方をワンストップで依頼できる業者を選ぶと安心です。

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こちらの記事ではWELL認証の取得に至ったきっかけや従業員に与える影響などについて、アイリスチトセ株式会社代表取締役社長のインタビューを掲載しています。ぜひあわせてご覧ください。

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