おしゃれで機能的なオフィスレイアウトとは?基本ポイント解説と事例紹介

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おしゃれで機能的なオフィスレイアウトとは?基本ポイント解説と事例紹介

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目次

【おしゃれなオフィス】代表的なレイアウト

オフィスのレイアウトを考える際には、どのようなレイアウトがあるかを把握しておくことも大切です。従業員の働きやすさは、オフィスのレイアウトが影響することもあるためです。

レイアウトによっては従業員同士がコミュニケーションを取りづらく、部署やチームでの連携が難しくなることがあります。従業員同士の視線が交わりやすいレイアウトの場合、個人ワークに集中できないこともあるでしょう。

レイアウトを変更する際には種類や特徴に理解を深め、自社に適したレイアウトを選ぶ必要があります。代表的なオフィスレイアウトの種類は、次のとおりです。

  • 対向型
  • 背面型
  • 同向型
  • 左右対向型
  • 卍型
  • フリーアドレス型
  • ブース型 など

本記事では、各レイアウトの特徴やメリット・デメリットを詳しく解説します。デメリットが大きい場合、レイアウトを変更する効果が薄れる可能性もあります。レイアウトを変更する効果を高めるためには、デメリットも把握し、対策を検討しておくことも必要です。

【対向型】特徴とメリット・デメリット

ここからは、対向型の特徴とメリット・デメリットを解説します。対向型は、現在日本のオフィスで多く採用されているレイアウトの一つです。対向型の歴史は古く、アメリカの技師が20世紀初頭に提唱した「科学的管理法」が始まりといわれています。

当時は、ピラミッド型の組織形態を投影したレイアウトでした。上司から部下に情報を効率的に伝達するために、役職順にデスクを並べていました。日本では、経営にスピード感が求められる時代になった頃、ピラミッド型からフラット型へと進化しています。

 

◾️特徴

対向型は、部署やチームなどのグループごとにデスクを向かい合わせに配置し、一つの島を作るレイアウトです。グループごとに島を作るため、「島型レイアウト」と呼ばれることもあります。

日本では対向型がスタンダードなレイアウトで、多くのオフィスで採用されています。島の端には全体を見渡せるエンドデスクを設置し、上長席とするのが一般的です。一般事務をはじめ、多様な職種に適しています。

 

◾️メリット・デメリット

オフィスで対向型レイアウトを採用するメリットの一つは、従業員同士がスムーズにコミュニケーションを取れることです。部署ごとにデスクをまとめられるため、必要なタイミングでコミュニケーションを取ることが可能です。

デスクをグループごとに配置することから、スペース効率が良く、狭いワークスペースのオフィスでも採用しやすいでしょう。一方で従業員が対面で業務をするタイプなので、上司や同僚の視線が気になり、業務に集中できない人が出てくる可能性もあります。

オフィスではスタンダードなタイプだからこそ、新鮮味も感じにくいでしょう。島のメンバーとは気軽に話しやすいものの、他部署とはコミュニケーションが取りづらい側面もあります。

 

◾️事例:株式会社ガスパル

株式会社ガスパルは、経済産業大臣認定の高度保安システム認定を受けた新しいタイプのガス・エネルギー会社です。同社は、2019年11月に東京都品川区のオフィスをリニューアルしました。

改装したおもな場所は、エントランス・ワークスペース・フリースペース・ミーティングルームです。ワークスペースには、対向型レイアウトを採用しました。デスクはチームや部署単位でまとまりがあるものの、オープンスペースなので全体を良く見渡せます。

ワークスペースの一角には、観葉植物を囲むように配置されたテーブル席も設置されています。テーブル席では、他部署や他チームのメンバーとの簡易ミーティングにも使用することが可能です。

【背面型】特徴とメリット・デメリット

ここからは、背面型の特徴とメリット・デメリットを解説します。背面型は、パソコンが登場した頃から存在したレイアウトだといわれています。当時のパソコンは、キーボードやマウスなどの接続ポートが背面パネルに配置されていました。

デスクを背面型にレイアウトすることにより、利便性や接続性が向上したとされています。背面型は対向型と同様に、現在でも多くのオフィスで採用されているレイアウトの一つです。

 

◾️特徴

背面型は、従業員同士が背中合わせになるようにデスクを配置するレイアウトです。従業員が対面で着席する対向型とは、逆のタイプといえます。デスクワークでは、パソコンを使用するのが一般的です。

スペースに余裕があるオフィスの場合、グループごとにパーテーションで間仕切りし、機密性を確保することも可能です。背面型は一定のプライバシーを確保できるため、個人ワークに集中できる環境を構築したい場合に適しています。

 

◾️メリット・デメリット

オフィスで背面型のレイアウトを採用するメリットの一つは、従業員が業務に集中しやすい環境をつくれることです。従業員同士が背中合わせになるため、周囲の視線が気になりにくく、業務に集中できます。

背面型は、対向型のようにグループごとに席をまとめることも可能です。着席時は背中合わせでも、振り返ればほかの従業員ともコミュニケーションが取れるため、部署やチームでの作業にもほとんど支障がありません。

その一方で、他部署とのコミュニケーションが取りづらい側面もあります。また、従業員同士が背中合わせになっているため、デスクとデスクの間に十分なスペースを確保しなければ、動線が悪くなる可能性もあります。

 

◾️事例:株式会社アトリウム(セゾンリアルティ)

株式会社アトリウム(セゾンリアルティ)は、東京都品川区にある居住用物件をメインに扱う不動産会社です。同社は、都内に内装が完成した状態でレンタルできるセットアップオフィスを開設しました。

セットアップオフィスのワークスペースは、背面型のレイアウトを採用しました。働く人がプライバシーを確保し、業務に集中できるよう、一部のデスクの正面にはソファ席の背もたれがパーテーションとして使用されています。

業務内容や気分に応じて働く場所を変えたいときには、窓側のソファ席を選ぶことも可能です。壁側の席は作業スペースを広く確保しているため、資料を広げる作業にも適しています。

【同向型】特徴とメリット・デメリット

ここからは、同向型の特徴とメリット・デメリットを解説します。同向型は、日本でも古くから特定の業種のオフィスで採用されてきたレイアウトの一つです。従業員が同じ方向を向いて仕事をする同向型は、対面による接触を避けられるため、感染症対策にも役立ちます。

 

◾️特徴

同向型は、学校や塾のようにデスクを同じ方向に並べて配置するレイアウトです。別名として、スクール式や並列型と呼ばれることもあります。同向型は対向型や背面型に比べ、一般的なオフィスで採用されるケースはほとんどありません。

しかし、特定の業種のオフィスでは、同向型が今でも多く見受けられます。たとえばコールセンターや金融機関、役所などです。また、大規模な会議室や研修室でも、同向型が採用されることもあります。

同向型は、特定の方向に向いて仕事をするため、従業員同士の視線が重なりにくい傾向にあります。そのため、個人ワークに集中したい環境をつくりたいオフィスには、同向型のレイアウトが適しているといえるでしょう。

 

◾️メリット・デメリット

オフィスで同向型のレイアウトを採用するメリットの一つは、従業員の管理がしやすいことです。部署やチーム単位で席を配置し、上司が前面や背面に回れば、部下が仕事をしている様子を伺うことが可能です。

また、従業員は仕事をしながらも前方に注意を払いやすく、来客があった場合に迅速に対応できます。金融機関や役所などの来客対応が必要なオフィスでは、同向型のレイアウトを採用すると良いでしょう。

その一方で、従業員は同じ方向を向いて仕事をするため、コミュニケーションが取りづらく、部署やチームごとでの作業がしづらい側面があります。上司の目が届きやすい分、従業員は監視されているような気分になる可能性もあります。

 

◾️事例:アイリスオーヤマ株式会社(北目ビル)

アイリスオーヤマ株式会社の北目ビルは、宮城県仙台市にあるオフィスです。当オフィスのワークスペースの一部には、同向型のレイアウトを採用しました。ワークスペースはフリーアドレス制で、従業員は自由に席を選ぶことが可能です。

別フロアのワークスペースには、対向式や集中ブース席などの複数のエリアを設置しました。同向式のデスク周辺には収納棚やパーテーションを設置し、従業員のプライバシーを確保しています。

また、当オフィスはショールームも兼ね備えており、ご希望の場合はいつでもご見学いただけます。ショールーム見学をご希望の場合は、ぜひアイリスチトセにお問い合わせください。

【左右対向型】特徴とメリット・デメリット

ここからは、左右対向型の特徴とメリット・デメリットを解説します。左右対向型は、デスク一つひとつ独立性が高く、一定のプライバシーを確保できるため、個人で集中して進める業務が多い職種やクリエイティブな職種に適しています。

 

◾️特徴

左右対向型は、両隣のデスクを左右に逆行するような形で配置するレイアウトです。左右対向型は、ブドウの房を意味するクラスター型や重ね合わせるを意味するスタッグ型と呼ばれることもあります。

左右対向型の場合、デスクとデスクの間には、パーテーションやキャビネットを設置するのが一般的です。デスクとデスクの間を仕切れば、従業員同士の接触を避けられるため、感染症対策にも役立ちます。

 

◾️メリット・デメリット

オフィスで左右対向型のレイアウトを採用するメリットの一つは、従業員のプライバシーに配慮できることです。デスクとデスクの間にパーテーションを設置すれば、横の従業員の視線が入らないため、業務に集中しやすい環境をつくれます。

デスクとデスクの間には、サイドテーブルやキャビネットを設置する方法もあります。サイドテーブルを設置すれば、広い作業スペースを確保できるでしょう。キャビネットを設置すれば、個人の収納場所を確保できます。

その一方でデスクとデスクの間が仕切られていると、従業員同士がコミュニケーションを取りづらくなります。スペース効率が悪いため、十分なスペースが必要です。デスクが独立しているため、配線の難易度も高まります。

【卍型】特徴とメリット・デメリット

ここからは、卍型の特徴とメリット・デメリットを解説します。卍型は、一般的なオフィスではあまり採用されないレイアウトです。しかし、横を向けばすぐにコミュニケーションが取れるため、少人数の部署やチーム、コールセンターで採用されることもあります。

 

◾️特徴

卍型は、デスク4つの角を合わせて卍の形に配置するレイアウトです。対向型の場合、まとまったデスクの従業員同士と視線が合いやすい側面があります。一方の卍型は、4つのデスクがまとまっているにも関わらず、視線が合いにくいことが特徴です。

部署やチームに属していても、すべてが連携した作業とは限らず、個人ワークに集中したいこともあります。卍型は従業員同士の視線が合いにくいため、個人ワークに適しています。

 

◾️メリット・デメリット

オフィスで卍型のレイアウトを採用するメリットの一つは、従業員のプライバシーを確保できることです。前の席の従業員と視線が合いやすいレイアウトの場合、業務に集中できない人が出てくる可能性もあります。

卍型は4つのデスクを少しずらして配置するため、部署やチームごとにまとまっていても視線が合いにくく、従業員は業務に集中しやすくなります。また、まとまった席の従業員同士とは、すぐにコミュニケーションを取ることが可能です。

その一方で卍型は、同じように複数のデスクをまとめる対向型に比べ、広いスペースが必要です。ワークスペースが狭い場合、卍型のレイアウトを採用できない可能性もあります。スペース効率が悪いため、レイアウトの自由度も低いでしょう。

【フリーアドレス型】特徴とメリット・デメリット

ここからは、フリーアドレス型の特徴とメリット・デメリットを解説します。フリーアドレス型は、近年特に注目度が高いレイアウトの一つです。その背景には、働き方に対する価値観の変化や働き方改革などが関係しています。

 

◾️特徴

フリーアドレス型は、多様な働き方に対応するための柔軟なレイアウトです。従来は、従業員が固定席を持つのが一般的でした。時代の流れとともに多様な働き方が登場し、企業はオフィスを見直す必要性が出てきました。

そこで注目されたのがフリーアドレス型です。フリーアドレス型は、従業員が固定席を持たず、業務内容や気分に応じて働く場所を選べるレイアウトです。フリーアドレス型は、テレワークやハイブリッドワークなど、多様な働き方を導入しているオフィスに適しています。

 

◾️メリット・デメリット

オフィスでフリーアドレス型のレイアウトを採用するメリットの一つは、コミュニケーションの活性化につながることです。従業員が固定席を持たないようになれば、毎日席が変わるため、部署を超えたコミュニケーションが発生しやすくなります。

また、固定席の場合、組織構成や働き方の変更があったときに、対応しきれない可能性があります。フリーアドレス型は環境に変化があっても柔軟に対応できるため、自由度が高いレイアウトだといえるでしょう。

その一方で、フリーアドレス型は部署やチームのメンバーがさまざまな席で仕事をすることから、上司が部下の管理をしづらい側面もあります。従業員は仕事道具や私物を管理する負担が増えるため、ペーパーレス化やロッカーの設置などの工夫も必要です。

 

◾️事例:アイリスオーヤマ株式会社(アイリスグループ東京アンテナオフィス)

アイリスオーヤマ株式会社(アイリスグループ東京アンテナオフィス)は、東京都港区にあるアイリスグループのアンテナ拠点です。当オフィスは、2018年11月にアイリスグループの商材で構成された情報発信拠点として開設しました。

ワークスペースには、フリーアドレス型のレイアウトを採用しています。一つのオープンスペースの中に、一般的なデスク席のほか、ソファ席や集中席などの複数のワークエリアを設けています。

ソファ席の近くにはモニターを設置しており、簡易的なミーティングに対応することも可能です。従業員は業務内容や気分に応じて働く場所を選べるため、働き方改革につながりました。

【ブース型】特徴とメリット・デメリット

ここからは、ブース型の特徴とメリット・デメリットを解説します。ブース型はフリーアドレス型と同様に、近年注目を集めているレイアウトの一つです。その背景には、働き方の変化が関係しています。

 

◾️特徴

ブース型は、デスクをパーテーションやパネルで間仕切りし、個別空間をつくるレイアウトです。近年はデジタル技術の発展により、離れた場所でもミーティングや打ち合わせができるようになりました。

しかし、オープンスペースでは周囲の雑音が入るため、Web会議の環境としては不十分です。そこで注目されたのがブース型のレイアウトです。ブース型は個人ワークに集中したいときのほか、クリエイティブ職をはじめとする機密性の高い業務をする職種に適しています。

 

◾️メリット・デメリット

オフィスでブース型のレイアウトを採用するメリットの一つは、従業員が業務に集中しやすい環境をつくれることです。デスクとデスクの間をパーテーションやパネルで仕切れば、周囲の視線が気にならず、業務に集中しやすくなります。

また、ワークスペースの一角にフルクローズタイプのブース席を設置すると、周囲の視線と雑音が遮断され、Web会議がしやすい環境をつくることが可能です。その一方で、ブース型のレイアウトにはコミュニケーションが取りづらい側面があります。

パーテーションやパネルで従業員の顔が隠れるため、上司が部下の管理をしづらくなります。また、パーテーションやパネルを新たに設置する場合は、購入費用が必要です。

 

◾️事例:アイリスオーヤマ株式会社 アイリス心斎橋ビル

アイリス心斎橋ビルは、大阪府大阪市にあるアイリスオーヤマ株式会社のオフィスです。当オフィスは、2019年にリニューアルしました。ワークスペースは、フリーアドレス制を採用しており、従業員は自由に席を選べます。

スペースの一角には、従業員が個人ワークに集中しやすいよう、ブース型のレイアウトを採用しました。窓側に向かって設置しているため、昼間は自然光を上手く取り入れられています。

デスクとデスクの間には、パーテーションを設置し、プライバシーを確保しています。パーテーションの高さはそれほど高くないため、少し顔を上げればほかの従業員の様子が見え、コミュニケーションを取ることが可能です。

小規模オフィスには対向型がおすすめ

適したレイアウトは、オフィスの規模によって異なります。希望するレイアウトがあっても、オフィススペースの関係で実現できない可能性もあるためです。たとえば左右対向型や卍型は、デスクの位置をずらして配置するため、オフィススペースが狭い場合は不向きです。

小規模なオフィスには、対向型のレイアウトがおすすめです。対向型は、部署やチームなどのグループごとにデスクをまとめて配置できます。スペース効率が高く、十分なスペースを確保できないオフィスでも実現できるでしょう。

狭いスペースのオフィスでは、対向型でも圧迫感を感じるかもしれません。このようなときには、パネルやパーテーションなどの間仕切りを最小限におさえることで、圧迫感を軽減できます。

オフィスレイアウト決めに必要な3つの計画

オフィスレイアウトを考える際に必要な3つの計画があります。
それは、「ゾーニング計画」と「動線計画」と「基準寸法計画」です。

 

■ゾーニング計画

ゾーニング計画とはオフィスに必要な機能をどのように配置するか、大まかに位置取りをする作業です。例えば、ワークスペース・応接室・会議室・役員室・ミーティングスペース・収納スペースなど、一口にオフィスといっても様々な役割と機能を持ったスペースが必要です。

業態、業種によっては上記以外にも様々な機能スペースが必要になる場合があるため、業務内容の特性などを考慮した上で行うことが重要です。

また、ゾーニング計画を立てる際には「セキュリティレベルの設定」は必須です。
オフィスセキュリティといえば、外部に対する防犯対策がイメージされますが、不正持ち出しや情報漏洩といった内部に対する対策も必要です。

こうした点も踏まえて下記のようにオフィス内のエリアごとに機能や用途を考慮し、重要度に応じてセキュリティレベルを設定しましょう。

セキュリティレベル

 

レベル エリア 特徴
レベル1 共用部・エントランス 来客に対応するエリア
レベル2 執務室 社員や関係者のみ(社員同伴等)が入手できるエリア
レベル3 サーバー室・重要書類保管室 許可制で限られた社員が「必要時」のみ出入り可能なエリア

セキュリティレベルの高い場所は、エントランスや共用部など人の行き来が多い場所から離すなど、業務効率を意識しつつ境界を明確にし、セキュリティを維持する動線確保などを考慮してゾーニングしていく事が重要です。

 

そうしたゾーニングによって、入室制御や入室記録管理などのセキュリティにかかるコスト削減にもつながります。

 

■動線計画

動線計画とは、建物の中を人が自然に移動する経路を設計することです。
動線計画をおざなりにしてしまうと、いざ移転してみるとよく人が通る通路が狭かったり、大きく迂回する必要があったりと従業員のストレスになるだけでなく効率も悪くなってしまいます。


近年は日本の課題である座位時間の長さを考慮してオフィス内を歩くように動線計画を設計するケースもあります。


その為、会社としてどういった要素を重視するかを明確にして計画することが重要です。

動線計画

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■基準寸法計画

基準寸法計画とは、デスク間や人がすれ違うための通路幅を一定の基準に沿って、動線や空間のもたらす心理的な影響を考慮した上で計画することです。

標準的な寸法としては下記の通りです。

・ひとりのスペース          60cm〜
・人が通行するスペース        80cm〜
・人がすれ違うスペース        120cm〜
・人が横向きになった時のスペース   45cm〜
・着座時のスペース          40cm〜
・デスク間のスペース         160cm〜
・車いすが通過しやすい        90cm~
・通行人と車いすがすれ違う、または車いすが回転できる 150cm〜

・メイン通路幅  160cm~

通路幅は、日常的な人の通行を妨げないようにすることが大切です。人が通行する場所では、1人あたり60cm以上の通行幅が必要です。人がすれ違う場所では、120cm以上の通行幅を確保しましょう。

メイン通路は多くの人の通行が想定されるため、120cmの通行幅では狭い可能性があります。160cm以上の通路幅を確保すれば、従業員がスムーズに行き来できるようになります。

また、建築基準法施行令第119条では、通路の両側に部屋がある場合の通路幅を160cm以上にすることが義務づけられています。

※出典元:e-GOV法令検索「建築基準法施行令」

部屋の扉を開いた場合、十分な通路幅を確保できないためです。メイン通路の通路幅は、法令に違反しないかも確認しておくようにしましょう。

オフィスレイアウトを考える上でのポイント

レイアウトは、オフィスの印象を左右する重要な要素の一つになります。オフィスレイアウトを考える際には、デスク配置や各種計画だけでなく、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。

 

解決したい課題を明確にする

まずはオフィスの現状を把握し、課題を洗い出しましょう。課題の例には、社内コミュニケーションが不足している、生産性が低下しているなどがあげられます。レイアウト次第では、オフィスが抱える課題を解決できる可能性があります。

たとえば対向型レイアウトにすると、従業員同士が対面で着席できるため、コミュニケーションが取りやすくなるでしょう。ブーメラン式レイアウトなら、個人の業務とコミュニケーションを両立できます。

また、複数の課題を解決するために、2種類以上のレイアウトを組み合わせるのも手段の一つです。オフィスの課題を解決することは、従業員の働きやすい環境作りにも役立ちます。レイアウトを考える際には課題を明確にし、解決につなげられるデスクの配置やレイアウトの大枠を決めるようにしましょう。

 

ワークスペース

オフィスレイアウトを考える際には、ワークスペースにも着目しましょう。ワークスペースとは、従業員1人あたりの作業スペースのことです。適切なワークスペースは、職種や業務内容によって異なります。

職種や業務内容に応じたワークスペースの目安は、次のとおりです。

職種・業務内容 奥行き
内勤・事務職 1200~1400ミリ 600~700ミリ
営業職 1000ミリ 600~700ミリ
技術職・専門職 1600ミリ 700~700ミリ

パソコン作業がメインの場合は、標準的なワークスペースでも十分かもしれません。しかし、複数のモニターを使う場合や資料を広げる作業がある場合は、ワークスペースが狭いと作業しにくいでしょう。

職種や業務内容に応じたデスクを準備しなければ、業務効率の低下につながるおそれがあります。特に技術職や専門職はパソコンだけでなく、多くの書類も取り扱うため、作業性を向上させるために十分なワークスペースの確保が必要です。

 

デスクの選び方

オフィスでは、デスクやチェアなどのさまざまなオフィス家具が配置されます。その中でも、数多く配置されるオフィス家具がデスクです。オフィス家具メーカーからは、さまざまなデザインやカラーのデスクが販売されています。

おしゃれなオフィス空間を作るために、デザイン性の高いデスクを選ぶのも手段の一つです。デスクを選ぶ際にはデザイン性だけでなく、スペースや業務の効率性も重視しましょう。

デスクには、単体デスク・ロングデスク・キャスター付きデスク・電動昇降デスクの4種類があります。ロングデスクは座席数を調整できるため、人員増減に対応しやすいことがメリットです。

キャスター付きデスクは移動しやすいため、レイアウトの変更にも容易に対応できます。近年、特に注目を集めているのが電動昇降デスクです。電動昇降デスクは、従業員の体格や業務内容に応じて天板の高さを調整できるタイプです。

正しい姿勢を維持することで従業員の身体の負担を軽減できるため、電動昇降デスクを導入する企業が増えています。

オフィスレイアウトをおしゃれにするためのポイント

近年は、おしゃれなオフィスのレイアウトにする企業が増えています。その背景には、従業員のモチベーションを向上させたい、ブランドイメージを強化したいといった企業の狙いが深く関係しています。おしゃれなオフィスを実現するためには、いくつかのポイントを意識してレイアウトを考えることが大切です。

 

トレンドを考慮する

ファッションや音楽と同様に、オフィスデザインにもトレンドがあります。オフィスをデザインする際には、トレンドを意識することが大切です。トレンドを反映したオフィスは話題を集めやすくなるため、企業のブランドイメージの向上が期待できます。

近年は、柔軟なワークエリアやテクノロジーを取り入れたデザインが人気の傾向があります。たとえば、一つのワークスペースにフリーアドレスや集中ブース、ファミレス席などの異なるレイアウトのエリアを配置するのも手段の一つです。

適切な労働環境は、業務内容や気分によって異なります。ワークスペースに柔軟性を持たせることで、従業員は業務内容や気分に合わせて仕事をすることが可能です。また、従業員の気分転換やストレス軽減を目的に、オフィス内にリフレッシュスペースを設置する企業も増えています。従業員が働きやすい環境を実現すれば、業務効率の向上が期待できます。

 

企業のコンセプトを反映させる

オフィスのデザインには、企業のコンセプトを取り入れることも大切です。デザインに企業のコンセプトが反映されれば、ブランディングとデザインの統一性を両立させることが可能です。

たとえば、オフィスの内装や家具に企業のコーポレートカラーを取り入れる方法があります。コーポレートカラーは、企業を象徴するシンボルカラーです。多くの企業は、看板や自社製品のパッケージなどにコーポレートカラーを取り入れています。

コーポレートカラーが取り入れられたオフィスにすることで、ステークホルダーに企業のイメージを強く印象づけられます。デスクやチェアなどのオフィス家具にもコーポレートカラーを取り入れれば、空間全体を一貫性のあるデザインで表現できるでしょう。

 

エントランスのデザインを重視する

エントランスは、従業員や社外の人がオフィスを訪れたときに最初に目にする場所です。エントランスの印象が良いと、企業イメージの向上が期待できます。一方でエントランスの印象が悪いとイメージが低下し、営業成績に悪影響を及ぼす可能性もあります。

第一印象は人の記憶に残りやすく、インパクトを与えやすいため、オフィスのレイアウトを考える際にはエントランスのデザインも重視することも大切です。エントランスは、企業理念や自社製品のイメージに合致したデザインにしましょう。

エントランスの一角に自社製品のサンプルを展示したり、事業内容を説明する映像を流したりすることで、オフィスを訪れた人に効果的にアピールできます。高級感や特別感を演出するために、アロマやフレグランスを使う企業もあります。

 

グリーンを効果的に活用する

オフィスをオシャレなレイアウトに仕上げるためには、グリーンを活用するのも手段の一つです。近年は、オフィス緑化が注目されています。オフィス緑化とは、社内のオフィス環境に観葉植物を取り入れることです。

オフィスにグリーンを取り入れると、ストレスや目の疲労の軽減が期待できます。グリーンを活用しておしゃれなオフィスを実現する際には、棚やデスクに置く、天井から吊るすなどの方法があります。

オフィススペースに限りがある場合は、天井から吊るす方法がおすすめです。天井から吊るせば、動線の妨げにもなりません。また、グリーンは、パーテーションや家具の代用にもなります。パーテーションの代わりに鉢植えのグリーンを使用すれば、圧迫感を与えることなく視界を程よく遮ることが可能です。

 

デザイン性の高い家具を配置する

おしゃれなオフィス空間を作るためには、壁や床などの内装にこだわることも重要なポイントになります。しかし、内装にこだわっても、家具が配置されることで空間全体の印象が変わることもあります。

そのため、おしゃれなオフィスを実現するためには、家具のデザイン性も重視するようにしましょう。また、賃貸オフィスの場合は、内装自体に大きな手を加えることが難しいケースもあります.

このようなケースでは、デザイン性の高い家具を配置することで、空間全体をおしゃれに見せることが可能です。オフィスデザインと同様に家具にもトレンドがあるため、時が過ぎればデザインも古くなります。旬なオフィス空間を維持したい場合は購入ではなく、リースを選択することも検討しましょう。

 

照明にこだわる

オフィスのレイアウトを考える際には、照明のデザインも意識しましょう。剥き出しの間接照明の場合、オフィス家具と同様にそれ自体のデザインも空間全体の印象を左右する重要な要素になります。

また、オフィス空間の印象は、照明の調色や調光によっても変動します。たとえば電球色の照明はオレンジ系の暖色なので、リラックスした雰囲気を演出できるでしょう。青っぽい白色の昼光色は、集中しやすい作業環境を作ることが可能です。

調色や調光機能がある照明を設置すれば、時間帯や季節に応じた空間を演出できます。アイリスオーヤマのLiCONEXは、時間帯や空間の用途、状況に応じて照明環境を整えられる無線制御システムです。

快適さを損なうことなく大幅な省エネを実現できるため、コストの削減が期待できます。無線方式なので、設置後のレイアウトの変更にも柔軟に対応できます。詳しくは、こちらのページからお問い合わせください。

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デスク配置がおしゃれなオフィスレイアウト事例

どのようなデスク配置が、おしゃれと感じるかは人それぞれです。具体的なイメージがないと、業者へオフィスレイアウトづくりを依頼しても、話はまとまりにくくなるだけです。

そこで、オフィスレイアウトの事例を5つ紹介します。自社に最適な形を検討する際の参考にしてみてください。

 

■株式会社フォアキャスト・コミュニケーションズ

フリーアドレスのレイアウトを採用、私物や書類を管理しやすくするため、フロアの一角にはパーソナルロッカーも設置しています。ワークスペースのデスクは高さの違うものを組み合わせ、他の列で仕事をする人と視線が合わないようにする工夫もされています。

リフレッシュルームは、1人からでも利用しやすいよう複数パターンの席が用意され、気軽に気持ちの切り替えが可能です。

 

■株式会社セブン-イレブン・ジャパン

株式会社セブン-イレブン・ジャパンは、ワークスペースにオープンタイプのミーティングスペースをレイアウト。オープンタイプで利用状況を把握しやすく、小人数でもミーティングを始めやすい工夫がされています。

また、カフェのようなオフィス家具を採用し、リラックスして業務に取り組めます。仕事に集中できるよう個人用のワークスペースも確保され、フルクローズ型のブースでWeb会議にも配慮されています。

 

■株式会社日テレITプロデュース様

日テレITプロデュースでは対向型を基本に、窓際はパーテーションで区切った集中ブースをレイアウトしています。4人掛けや6人掛けの自由に使えるスペースも確保され、ミーティングやフリーアドレス向けに活用可能です。

フロアの窓に近いところには背の高いオフィス家具はなく、ブラインドを開けるとワークスペースに広く日の光を取り込めるようになっています。また連結や独立利用ができるデスクを導入し、将来のレイアウト変更の自重度も高いです。

 

■株式会社TBSスパークル 

株式会社TBSスパークルのオフィスは、TBS系列11社を統合して生まれた会社のため、従業員の一体感が生まれるように意識してレイアウトされています。メインのワークスペースはフリーアドレスで、随所にミーティング向けのデスクがあります。

会社として部署を超えたつながりでの働きを求めており、それを実現するためにこのレイアウトになりました。壁面以外の書類棚は背の低いものが多く採用され、オフィス全体は開放的です。

 

■株式会社あなぶきハウジングサービス

株式会社あなぶきハウジングサービスは、リフレッシュスペースに和のテイストを取り入れたオフィスデザインになっています。可動式のデスクのおかげで、集まる人数に合わせてレイアウトを変更可能です。

また、デスクの配置だけでなくフロアマットの配色でも境界を分かりやすくし、使用する際の意識を視覚的にも切り替えられます。

オフィスレイアウトづくりを依頼する場合の業者を選ぶ3つのポイント

オフィスレイアウトづくりを依頼できる業者を選ぶ際は、おもに次の3点を比較してみましょう。

  • 実績が豊富か
  • 得意としているデザインは何か
  • ワンストップで依頼ができるか

なぜこの比較ポイントとなるのか、詳しく解説していきます。

 

■実績が豊富か

多くの事例を手掛けることによって蓄積された経験やノウハウを持っているため、提案に幅があります。実績が豊富であるということは、提案力、技術力が高いともいえるため「どのようなオフィスにしたいのか」をもとに提案し、使う人の目線に立って使いやすいオフィスを一緒に考えてくれるでしょう。

 

■得意としているデザインは何か

基本的にあらゆるパターンに対応できますが、それぞれ得意としているデザインを持つ場合もあります。自分たちがオフィス移転や改修によって実現したい目的と業者の得意なデザインが合致しているかを確認すると良いでしょう。

その為にもまず、オフィス移転や改修などで「何を実現したいのか」をしっかりと棚卸する必要があります。どうすればいいのかわからない…という場合は他の2項目を満たしていればその旨を相談してみましょう。

 

■ワンストップで依頼ができるか

オフィスの移転や改修は、社内の意見集約や申請だけでなく、業者との打ち合わせなどありとあらゆる業務が発生します。そんな時に「電気工事はこの会社」「床工事はこの会社」など、いくつもの業者に依頼をしていると手間がかかってしまいます。そして必然的に関わる人数も増えるため、管理が行き届かないなど思わぬトラブルになる可能もあります。そのため、できるだけワンストップで依頼できる業者に依頼することをおすすめします。

まとめ:オフィスレイアウトを変更しておしゃれで機能的にしよう

今回は、オフィスレイアウトを中心に、おしゃれで機能的なオフィスをつくるポイントなどをご紹介しました。

オフィス移転やリニューアルを検討されている方の中には、「せっかくならおしゃれで機能的なオフィスにしたい」「でもどうすればいいのかわからない…」と思われている方も多いと思います。

アイリスチトセでは、年間1000件以上にも及ぶ移転・改修実績と、アイリスグループの総合力でプランニングから内装工事・引越しまでトータルでサポートします。ぜひ、ご相談ください。

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おしゃれで機能的なオフィスレイアウトに関する詳細はこちらの記事でも解説しています。

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