フリーアドレスが失敗する原因とは?対策して廃止を回避しよう

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フリーアドレスが失敗する原因とは?対策して廃止を回避しよう

フリーアドレスは近年注目されているオフィススタイルであり、多様な働き方を実現するために自社オフィスに導入する企業も増えています。しかし、必ずしも成功事例ばかりではありません。

本記事では、フリーアドレスの導入が失敗してしまう原因と、失敗を防ぐ対策について解説しています。

フリーアドレスの導入を検討されている企業担当者の方や、フリーアドレスを導入したけれどうまく機能せず悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

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フリーアドレスのオフィスとは

フリーアドレスとは、オフィス内に自分の固定席を持たず、自分の好きな席で業務をおこなうスタイルです。従来のように従業員個人に専用席を設けるのではなく、共有で使えるワークスペースを設置するデザインとなります。

オフィスのデジタル化や働き方の多様化によって、フリーアドレスの導入を進める企業は増えています。また、コロナ禍によってテレワーク・リモートワークが普及し、「出社しない働き方」が普及しました。出社率の低下に伴い、オフィススペースの有効活用化などが模索され、その中でフリーアドレスが進んだという面も見られます。

フリーアドレスの導入によって、「社内コミュニケーションの促進」「業務の効率化」「スペースの有効活用」など、さまざまなメリットが享受できます。

フリーアドレスの失敗例

多くの企業で導入されているフリーアドレスですが、必ずしも運用に成功している企業ばかりではありません。たとえば、フリーアドレスを導入した企業では次のような点が課題としてあげられています。

  • いつも同じ席で仕事をするため、フリーアドレスにする意味がない
  • 従業員の居場所が把握しにくく、取り次ぎに時間を要するようになった
  • 上司・部下の座席が物理的に離れ、指導や育成がしにくくなる
  • 固定席がないことで、セキュリティや書類管理に問題が生じた
  • 雑談により生産性が低下してしまった など

メリットとして考えていたコミュニケーションの活性化や業務の効率化が図れず、むしろ生産性が低下してしまう状況になると、フリーアドレスの導入は失敗と考えられるでしょう。

フリーアドレスが失敗する5つの原因

フリーアドレスが失敗する原因として、次の5点が原因として考えられます。

  • 導入目的が曖昧
  • 運用ルールが決められていない
  • 従業員への周知・理解が不十分
  • 業務環境が整っていない
  • 職種や部門に関係なくフリーアドレスを導入している

それぞれについて、詳しく説明します。

 

■導入目的が曖昧

フリーアドレスを導入する際は、その目的を明確にしておく必要があります。目的が曖昧なまま導入すると従業員に意図が伝わらず、思うような効果を得られない可能性があるためです。

また、目的が曖昧なままフリーアドレスを導入すると、どこにどのようなスペースを配置するか決められず、働きやすさの感じられないレイアウトとなるケースも考えられるでしょう。

フリーアドレスを導入する際は、まず目的と解決したい課題を明確にし、それを踏まえた上でレイアウトなどを決めることが大切です。

 

■運用ルールが決められていない

フリーアドレスを導入しても、ルールがはっきりしていないと運用はうまくできません。

たとえば席移動のルールがなく従業員に任せた場合、移動が面倒になり毎回同じ席を選んでしまうケースや、周囲の雰囲気によって自由に席を移動しにくいケースが考えられます。自由に席を移動しないのであれば、新たなコミュニケーションも生まれず、フリーアドレスを導入する意味がありません。

席の固定化に関しては「一定時間を過ぎると必ず席を移動する」「前日と同じ席は使わない」「くじ引きを導入する」など、経営陣側から移動を促すようなルール作りが求められるでしょう。

 

■従業員への周知・理解が不十分

目的を明確にして導入しても、従業員への周知・理解が不十分だと運用に支障がでます。

フリーアドレスの導入目的を経営陣から共有されていないと、従業員もどのように活用すれば良いかわからないまま進めることとなってしまいます。

経営側は、運用を任せる担当者へ定期的なフォローを入れ、従業員全体に運用目的が浸透するまで細やかなサポートをしていく必要があるでしょう。

 

■業務環境が整っていない

業務環境の不備も、フリーアドレスの定着には大きな問題点です。

たとえば、書類やデータがペーパーレス化されていなければ、必要な書類をすべて持ち歩かなければなりません。また、モバイル端末の接続環境や必要な電源がすべての席で確保されていないと、席の移動が困難となります。

書類を毎回持ち運ばなければならなくなると、置き忘れや紛失の危険性があります。モバイル環境でのデータ管理も、セキュリティが整っていないと情報漏えいの可能性も否めません。

フリーアドレスを効果的に運用するためには、フリーアドレスに適したオフィス環境を整えておかなければ、かえって働きにくくなるケースが考えられます。

 

■職種や部門に関係なくフリーアドレスを導入している

フリーアドレスは全ての部署や職種に向いているわけではありません。固定席のほうが向いている職種や部門では、フリーアドレスの導入でむしろ生産性が低下する恐れがあります。

経理や総務など、社外的な書類の取り扱いや外部からの問い合わせのある部署は、固定席の方が業務効率はよくなります。また、エンジニアや開発部門など社外秘の情報やデータを取り扱う部署では、フリーアドレスで情報漏えいのリスクが高まるでしょう。

大企業では、部署が違うと顔や名前を知らないケースもよくあります。社外の人物が紛れ込んでいる可能性もゼロではないため、機密性の高いデータや情報を取り扱う部署は、フリーアドレスから外す方が良い場合もあります。

フリーアドレスの失敗を防ぐ10の対策

せっかくフリーアドレスを導入しても、うまく運用できなければかかったコストが無駄になります。失敗を防ぐため、次に挙げる10の対策を検討しましょう。

■1.フリーアドレスの導入目的を明確にする

フリーアドレスの導入時は、まず目的を明確にして導入後の運用方法を検討しましょう。

フリーアドレスは、おもに次の目的で導入されます。

  • コミュニケーションの活性化
  • スペースの有効利用
  • 業務の効率化 など

重点的に取り組む目的を決め、それに合わせた環境や制度を整えるようにすると導入時の失敗は防止できます。

【フリーアドレス導入の具体例】

  • コミュニケーション活性化を図るため、部署を限定せずにフロア全体をフリーアドレス化する
  • スペースの有効活用として日々の出社人数を割り出し、必要な席数のみ準備する
  • 業務効率化のため、リラックススペースや集中ブースを合わせて設置する など

 

■2.従業員に現状の問題点をヒアリングする

フリーアドレスの導入前に、従業員に現状の問題点を聞いておきます。

経営陣がトップダウンで目的や方針を決めても、現場の抱える問題点が解決できなければ運用はうまくいきません。実際にオフィスを使う従業員にヒアリングして、現状の問題点がフリーアドレス導入で解決するのか検討しましょう。

もし、現状の問題点がフリーアドレスで解消できない場合は、フリーアドレスにこだわらず他の方法を検討するといった、柔軟な考え方が求められます。

 

■3.社内ネットワークを整備する

フリーアドレスでは、社内のどの席でも同じように業務できることが求められます。そのため、社内のネットワーク環境を整えておきましょう。

有線LANによって接続の安定性が求められる場合は、OAフロアを導入する方法も一つです。有線LANとWi-Fi機器をうまく活用し、フロア全体どこで作業するにもネットワークが使えるようにすると効率的です。

また、モバイル環境でデータを使用する際、セキュリティ面が課題となります。アンチウイルスソフトやファイアウォールなどを導入し、データはクラウドストレージを活用してクラウド上で管理するといったセキュリティ対策が必要です。

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OAフロアでスマートなオフィス!種類別の特徴や選び方を紹介

 

■4.ITソフト・ツールで座席を管理する

フリーアドレスは、どの席でも同じように仕事できるのが大きなメリットです。しかし、誰がどこにいるかを把握するのが難しい一面もあります。そういった問題を解決するため、座席を管理するソフトやツールを導入するのも一つの方法です。

座席を管理できるソフトでは、従業員がどこにいるか確認できます。また、空席状況も可視化できるうえ席の予約もできるため、空席を見つけられないといった問題も回避可能です。

座席管理システムを導入すれば従業員の居場所が把握でき、取り次ぎ時間の短縮や座席の効率的な利用が期待できるでしょう。

 

■5.集中ブースやソロワークスペースを設置する

フリーアドレスはコミュニケーションが取りやすい反面、集中が必要な作業の場合に集中しにくいデメリットが考えられます。その問題を解決するため、集中して業務したい従業員のために集中ブースやソロワークスペースもあわせて導入すると良いでしょう。

集中ブースとは、業務に集中して取り組むためのパーソナルスペースです。パーテーションで仕切るタイプやボックス型のタイプなどがあり、外部と切り離されているため生産性の向上や情報漏えいの防止の効果があります。

フリーアドレスを採用する際は、空きスペースに集中ブースを導入して多様な働き方に対応できるようにしましょう。

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■6.ペーパーレス化を促進する

フリーアドレスでは自分の席がないため、席を移動する際にはすべての荷物を持ち歩く必要があります。書類に関しても同様で、移動する際にすべての書類を持ち運ばなければなりません。

書類をペーパーレス化してクラウド上で管理すれば、席の移動でも面倒な書類の持ち運びが発生せず、個人的な荷物が削減でき業務効率もアップします。

どうしても紙で管理しなければならないものについては、保管場所や運用方法を決めて周知し、持ち運ぶ手間を最低限とする運用が求められます。

 

■7.グループアドレスを併用する

フリーアドレスでは自由に席移動ができる反面、上司部下やチーム内での連携やコミュニケ-ションの取りにくいケースがあります。そのデメリットを解消するには、グループアドレスの併用が効果的です。

グループアドレスとは、部署やチームごとにまとまったスペース内で移動する手法です。部署・チーム単位でオフィス内を移動するタイプと、部署・チームで決められたエリア内を自由に移動するタイプがあります。

グループアドレスでは部署・チームでまとまっているため、部署・チーム内でのコミュニケーションは円滑に取れます。また、席の移動もある程度許されているため、マンネリ化を防ぐ効果も期待できるでしょう。

 

■8.オフィス家具を刷新する

フリーアドレス導入に伴い、オフィス家具もフリーアドレスに対応したものに刷新するのも良い方法です。

従来の席固定式オフィスで使用している家具をそのまま流用すると、使いにくさを感じる場面がどうしても発生します。デスクは仕切りのない大きなもの、チェアは不特定多数の人が使いやすいもの、収納はデスク袖のワゴンを廃止してパーソナルロッカーを導入するなど、フリーアドレスで使いやすいものに置き換えると良いでしょう。

また、キャスター付きのデスクや連結できるデスクなどを導入するとレイアウトの変更が容易となり、より使いやすいオフィスにアップデートしやすくなります。

 

■9.最適への模索・改善を繰り返す

フリーアドレスを導入したらそれで終わりではなく、定期的に見直して改善するようにします。

実際にフリーアドレスを開始しても、当初の目的通りに運用されているとは限りません。従業員が使いにくさを感じている、課題が改善されていないといった問題点が見つかれば、どこに原因があるか特定して修正する必要があります。

オフィスレイアウトやルールの見直しなど、改善を繰り返してより良い運用としていくことが、フリーアドレス導入の成功へとつながるでしょう。

 

■10.オフィスづくりの専門業者を活用する

フリーアドレスの導入や運用に関して、オフィスの専門業者へ相談してみるのも一つの方法です。オフィスづくりのプロの視点を通して、自社の運用に適したオフィスを提案してもらえます。

アイリスチトセでは、内装のデザイン・工事、オフィス家具の選定、必要に応じて物件紹介から引越しまで、オフィスレイアウトの変更がワンストップで解決します。

また、アイリスグループの総合力を生かし、オフィスデザインプランニングやオフィス家具の提案など、さまざまな形でのサポートが可能です。

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フリーアドレス向けおすすめオフィス家具3選

フリーアドレスを成功させるには、オフィスの環境整備が大切です。環境が整っていないと、仕事の効率がかえって下がってしまうことも考えられます。

ここでは、フリーアドレスに適したオフィス家具を3点ご紹介します。フリーアドレス導入時にあわせてオフィス家具を刷新することで、働きやすさの向上が期待できるでしょう。

 

■FOCUS BOOTH Series

フリーアドレスはオープンなオフィス環境となるため、集中したい作業をするには不向きです。そういった際に集中できるブースを置くことで、個人作業の効率化を図れます。

セミクローズ型のパーソナルスペースであれば、気密性が高すぎずハラスメントの問題が生じにくい、フルクローズ型のブースよりレイアウトがたやすいなどのメリットがあります。

FOCUS BOOTH Seriesの詳細はこちら

 

【共通仕様】

天板 メラミン化粧板
木口 ABS、樹脂テープ
脚フレーム スチール 合成樹脂焼付塗装
脚端 プラスチックアジャスター
張地 ファブリック、グローブ、キルト、フェルト、ダイノックシート

 

■MOVE UP

フリーアドレスで使用するデスクは、移動しやすいタイプがおすすめです。可動タイプのデスクであれば業務に合わせて移動でき、レイアウトの変更がたやすくなります。

また、独立・連結が可能なタイプであれば、個人の業務にも会議にもレイアウト対応が可能です。

MOVE UPの詳細はこちら

 

【共通仕様】

木口 樹脂エッジ
脚部 アルミ 合成樹脂焼付塗装
フレーム/配線受け スチール 合成樹脂焼付塗装
配線ユニットカバー プラスチック成形品
キャスター リフトロックキャスター

    

■顔認証パーソナルロッカー

フリーアドレスでは個人の席がないため、書類や文具など置いておくスペースを確保する必要があります。パーソナルロッカーを導入しても、リモートワーク中心の企業では全員が出社するわけではないため、全員分のロッカーを確保するとスペースの無駄が生じる可能性も否めません。

そういった場合、フリープランのロッカーを導入すればスペースや経費の削減が図れます。顔認証がついているタイプであれば鍵を所有する必要はなく、セキュリティ面も効果が期待できるでしょう。

顔認証パーソナルロッカー の詳細はこちら

 

【共通仕様】

本体 スチール
スチール
ベース スチール
塗装 合成樹脂焼付塗装
グロメット 樹脂成形品

 

まとめ:フリーアドレスの導入目的を明確にして失敗しない運用を心がけよう

フリーアドレスを導入しても運用がうまくいかず、失敗してしまうケースはあります。失敗には必ず原因がありますので、その内容を知っておき事前に防止することが成功の秘訣です。

フリーアドレスの失敗を防ぐには、さまざまな対策が必要です。オフィス環境をフリーアドレス向けに置き換えるだけでも、成功へと近づけられます。自社だけでは解決が難しい場合は、オフィスの専門業者へ相談してみると良いでしょう。

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