オフィスにリフレッシュルームを設置する際のポイントとは|成功事例も紹介
オフィスレイアウト・デザイン・設計
近年、オフィスにリフレッシュルームを設置する企業が増えています。リフレッシュルームを設置すると、従業員の気分転換や休息の場になるだけでなく、ステークホルダーの印象をアップできるなどのメリットをもたらします。
この記事ではリフレッシュルームとは何か、設置すると企業や従業員にどのようなメリットをもたらすかなどを解説します。設置する際のポイントや導入事例も併せて解説するので、自社で導入する際に役立ててください。
目次
リフレッシュルームとは
リフレッシュルームとは、おもに従業員が休憩するために使用するスペースのことです。リフレッシュルームの目的は従業員の心身をリフレッシュさせることなので、リフレッシュスペースと呼ばれることもあります。
単なる休憩スペースでも、おしゃれなデザインの導入やグリーンの設置などで、よりリラックスできる空間を作り上げることが可能です。一つの空間でも、レイアウトの工夫次第では、多目的な機能を持たせることもできます。企業によっては休憩スペース以外に、コミュニケーションスペースやミーティングスペースとして使用しているケースもあります。
リフレッシュルームが注目されている背景
近年、リフレッシュルームが注目されている背景には、「クリエイティブオフィス」と呼ばれる考え方が関係しています。クリエイティブオフィスとは、従業員の知識創造行動を促すさまざまな仕掛けを戦略的に取り入れたオフィスのことです。
目的としてあげられるのは、オフィスの仕掛けが従業員の創造性に働きかけることによる生産性や満足度の向上です。クリエイティブオフィスを導入するには、レイアウトやオフィス家具を工夫するという方法もあります。
リフレッシュルームは、従業員がリフレッシュすることで知識創造行動を促すことが期待できます。そのため、クリエイティブオフィスの一環として、自社にリフレッシュルームを設置するのも選択肢の一つです。
クリエイティブオフィスは、2007年に経済産業省が「クリエイティブ・オフィス推進運動実行員会」を設置したことで広まりました。オフィスの価値やニーズが多様化する中で、改めてクリエイティブオフィスに注目が集まったことで、リフレッシュルームの設置を検討する企業が増えています。
オフィスにリフレッシュルームを設置するメリット
企業のなかには社内コミュニケーションが活性化しない、従業員満足度が向上しないなどの課題を抱えているところも少なくありません。オフィスにリフレッシュルームを設置すると、企業が抱えている課題の解決につながる可能性があります。
■従業員がリフレッシュできる
リフレッシュルームの目的は、従業員のリフレッシュです。オフィスにリフレッシュルームがあるといつでも立ち寄れるため、業務中に集中力が途切れたときの気分転換の場として利用できます。
仕事に対して精力的に取り組んでいると、集中力が途切れることもあるでしょう。集中力を取り戻すには適度に休憩を挟み、心身をリフレッシュさせることも大切です。リフレッシュルームで気分転換できれば心身の疲れが癒され、集中力の回復が期待できます。
■従業員満足度が向上する
居心地の良い空間として利用頻度が増えれば、労働環境の改善につながり、従業員満足度の向上が期待できます。従業員の満足度を向上するには、リフレッシュルームの設置が効果的です。従業員のなかには労働環境に不満を感じている人もいるかもしれません。
労働環境の良し悪しは、従業員の満足度に影響をおよぼします。気軽に気分転換できる場所があれば、オンとオフを切り替えやすくなるでしょう。リフレッシュルームの設置によって労働環境が改善されれば、働き方改革の一環にもなります。従業員満足度が向上すれば定着率が高まり、離職率の低減にも寄与するはずです。
■社内コミュニケーションが活性化する
リフレッシュルームでは普段の業務では関わりが少ない部署の従業員同士が顔を合わせられるため、社内コミュニケーションの活性化が期待できます。レイアウトによってはワークスペースが部署ごとにわかれており、他部署との交流が少ないケースも珍しくありません。
従業員同士のコミュニケーション不足を課題に抱えている企業は、リフレッシュルームを設置することで解決につながる可能性があります。また、リフレッシュルームは、仕事以外の会話も可能です。さまざまな話題がきっかけとなってコミュニケーションが生まれ、良好な人間関係の構築も期待できます。
■新たなアイデアが生まれる可能性がある
リフレッシュルームは、ワークスペースとは異なる雰囲気で設置されるのが一般的です。気軽に環境が変わる場所があれば従業員の創造性を刺激し、新たなアイデアを生み出すきっかけになる可能性があります。パソコンが使用できる環境が整備されていれば、アイデアが浮かんだタイミングですぐに作業に取りかかることも可能でしょう。
特にクリエイティブな職種が多い企業は、リフレッシュルームの設置を積極的に検討しましょう。クリエイティブな職種は、常に新たなアイデアが求められます。アイデアを生み出すために、ときには環境を変えることも必要です。
■企業のアピールポイントになる
リフレッシュルームを設置すると、求職者に労働環境が整備されている企業だと印象づけられます。近年は、労働環境を重視して企業選びをする求職者が増えています。応募者を集めるには、魅力的な労働環境をアピールするのも重要です。
リフレッシュルームが設置されていれば、企業説明会をはじめとする採用活動で企業のアピールポイントとして伝えられます。求職者に魅力的な労働環境であることが伝われば、自社への応募者が増え、新たな人材の獲得につながるでしょう。
■企業ブランディングの向上が期待できる
ステークホルダーがリフレッシュルームに対して好印象を持てば、企業ブランディングの向上が期待できます。オフィスのデザインや環境は、ステークホルダーの印象を左右します。リフレッシュルームの設置は取引先や顧客に対しても、従業員を大切にしている企業だという印象を与える材料の一つになります。
企業ブランディングは採用市場だけでなく、効率的に利益を生むために必要な戦略です。リフレッシュルームは企業の魅力の一つになるため、ステークホルダーに対するアピール材料になります。
オフィスにリフレッシュルームを設置する際のポイント
リフレッシュルームを設置しても多くの従業員に利用されなければ、狙った効果は期待できません。設置する際には単にスペースを提供するのではなく、目的を明確にし、利用してもらいやすい場所を選ぶことが大切です。
■用途を明確にする
リフレッシュルームは、用途によってデザインやレイアウトなどが変動します。そのため、まずは休憩室としての役割を重視するのか、コミュニケーションの場として活用するのかなど、どのような用途で設置するのかを明確にするようにしましょう。
アンケートを実施して従業員の意見を集めると、ニーズを把握しやすくなり、満足度の高いリフレッシュルームを作ることが可能です。デザインやレイアウトは、明確化した用途をもとに決めていくのがポイントです。
■人通りの多い場所に設置する
リフレッシュルームの設置による効果を発揮するには、従業員に頻繁に利用してもらうことが重要です。そのため、リフレッシュルームは、従業員が利用しやすい場所を選んで設置するようにしましょう。
ワークスペースからリフレッシュルームまでの距離が遠い場合、設置してもほとんど利用されない可能性があります。人通りの多い場所としては、オフィスのエントランス付近や中央部分などがあげられます。
企業ブランディングの向上を狙うなら、取引先や顧客の目に触れやすいエントランス付近がおすすめです。ワークスペースから近い場所に設置すると仕事中でも気軽に利用できるため、利用頻度の向上が期待できます。
■ワークスペースとは異なる雰囲気を意識する
リフレッシュルームの目的は、従業員のリフレッシュです。そのため、リフレッシュルームを設置する際には、ほかのスペースとは異なる雰囲気を意識することが重要です。リフレッシュルームならではのデザインに仕上げることで、よりリフレッシュ効果を高められます。
特に、ワークスペースとはデザインが似通らないように注意しましょう。リフレッシュルームとワークスペースの雰囲気が同じだと、従業員が移動してきても仕事の延長のように感じ、十分にリフレッシュできない可能性があります。たとえばカフェスペースを設置する、リラックス効果が期待できる暖色系の照明やオフィス家具を設置するなどの方法もあります。
リフレッシュルームを設置した企業の成功事例
自社のリフレッシュルームを具体的にイメージするには、他社の成功事例を参考にするのも手段の一つです。ここからは、リフレッシュルームの設置に成功した企業の事例をご紹介します。
■リストデベロップメント株式会社(菱秀神楽坂ビル)
リストデベロップメント株式会社は、ワークスペースの入口付近にリフレッシュルームを設置しました。
スペースには、ソファ席とテーブル席といった異なるタイプを設置しています。テーブル席は複数人が着席できるため、簡易的なミーティングスペースとしても利用可能です。テーブルには配線孔が設置されているため、パソコンでミーティング内容を記録する際にも役立ちます。
■株式会社大和電業社
株式会社大和電業社は、おしゃれなデザインのリフレッシュルームを設置しました。ワークスペースはホワイトを基調とした空間に、ブラックがメインのオフィス家具を配置したシンプルな雰囲気です。
それに対しリフレッシュルームは、カラフルなカラーの家具とデザイン性の高い電飾を使用するなど、まるでカフェのような雰囲気に仕上がっています。スペースにはソファ席とテーブル席のほかに、カウンター席も設置されています。
■株式会社TBSスパークル
株式会社TBSスパークルはグループ会社の統合を機に、オフィスを全面改装しています。オフィスの一角には、「GREEN BASE」と呼ばれるカフェを併設したリフレッシュルームを設置しました。「GREEN BASE」はSDGsの活動発信地点であり、従業員が学びを実践できる場としても利用されています。
このほかには、「LOUNGE 18」と名付けられたリフレッシュルームも設置しました。「LOUNGE 18」では、コミュニケーションを活性化させるフリースペースとして活用されています。
オフィスデザインの専門業者への依頼も検討する
リフレッシュルームを設置する場合、プランニングや工事の発注などをすべて自社でおこなうことも可能です。しかし、自社に適したリフレッシュルームがイメージできない、どのようなオフィス家具がマッチするかわからないなどの不安がある場合は、オフィスデザインの専門業者に依頼するのも選択肢の一つです。
■自社に適したプランを提案してもらえる
自社に適したリフレッシュルームを目指す場合、オフィスデザインの専門業者に相談してみましょう。実績とノウハウを持ち合わせている専門業者なら、自社に適したプランを提案してもらえます。
オフィスに適したリフレッシュルームは、企業ごとに異なります。自社で計画を進めても、イメージしたとおりに仕上がるとは限りません。イメージに近い状態に仕上がっても、思うように利用されない可能性もあります。
アイリスチトセでは企業ごとの「働く」を理解したうえでプランニングし、自社に適したプランをご提案させていただきます。リフレッシュルームの設置に関して、ご希望や課題などがございましたら、ぜひご相談ください。
また、アイリスチトセの東京・大阪・仙台のオフィスでは、従業員が実際に働いている様子をご見学いただけます。アイリスチトセへのご相談やオフィスの見学は、こちらからお問い合わせください。
■リフレッシュルームに適したオフィス家具も相談できる
従業員がリフレッシュルームで十分に気分転換するには、ワークスペースと異なる雰囲気にすることも重要です。そのため、リフレッシュルームに設置するオフィス家具は、ワークスペースと変える必要があります。
たとえばワークスペースのオフィス家具がシンプルな場合、リフレッシュルームにはデザイン性が高くカラフルなオフィス家具を取り入れると、雰囲気を大きく変えることが可能です。
アイリスチトセでは、さまざまなタイプのオフィス家具をご用意しています。同じタイプでもカラーバリエーションが豊富なものもあるため、ワークスペースとリフレッシュルームの雰囲気を変える際に役立ちます。
まとめ:設置する際には従業員のニーズを反映させよう
リフレッシュルームの目的は、従業員の気分転換を促すことです。設置を担当するチームだけで計画を進めても、思うように従業員に利用してもらえない可能性があります。利用頻度を増やし、リフレッシュルームの効果を高めるには、従業員のニーズを反映させることが重要です。
そのため、設置する際にはすべての従業員にアンケート調査を実施し、どのようなスペースが求められているかを把握するようにしましょう。従業員のニーズを反映させるとリフレッシュルームの効果が得られるだけでなく、満足度の向上につながるかもしれません。