デスクと椅子の高さの話

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デスクと椅子の高さの話

日本人の着座時間の長さについては度々話題になりますが、皆さんが普段オフィスで座っているデスクと椅子の高さが自身の身体に合っているかどうか、作業をする上で最適なのか気になったことはありませんか?

今回の記事ではデスクと椅子の高さがもたらす身体への影響と、適切な高さを求める方法についてご紹介いたします。

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デスクと椅子の高さの重要性

適切な高さについてご紹介する前に、そもそもなぜ適切な高さに調整する必要があるのか、
デスクと椅子の高さがあっていないことで起きる身体への影響についてお話したいと思います。

肩が凝った男性

■起こり得る身体への影響
肩こり・腰痛
デスクワークの特徴として長時間同じ姿勢でいることにより首、肩、腰へ負担がかかってしまいます。
その様な状況の中で、デスクと椅子の高さがあっていないと前傾姿勢になりがちです。
その結果、ただでさて負担がかかっているところに更に血流が悪化し、より負担がかかってしまうために肩こりや腰痛が発生してしまいます。

ストレートネック
首の骨は本来真っ直ぐではなく緩やかなカーブを描いているのですが、このカーブがまっすぐになってしまう人が近年増えています。
特に高さが合わず、パソコン画面を見下ろすような姿勢が長時間続いてしまうことが原因とされています。
本来はカーブしていることにより、頭を支えるようになっていますが、ストレートネックになると頭の重さを支えるため無意識のうちに筋肉を使うようになってしまうのです。

手首・腕の疲れや腱鞘炎
デスクと椅子の高さがあっておらず、手首を腕の支えにして机にのせてしまっていると手首や腕に負担がかかります。
掌のあたりには手根管と呼ばれる、神経と筋肉と血管の通り道があるため手首を腕の支えにしてしまうことによって圧迫され、手の筋肉や神経に負担がかかるのです。

こういった症状が一度出てしまうとなかなか改善されないパターンが多くみられるとことから、健康管理の観点からもできるだけ予防することが大切です。
また、上記のような症状が慢性的に現れることによって、集中力が低下し労働生産性が下がることが懸念されます。
これらのことから働き方という観点からもデスクと椅子の高さについて、自身の身体に合わせることが重要だと言えます。

身体にあう高さの調べ方

ここからは身体とデスクと椅子の高さを知るために、何をすべきかご紹介していきたいと思います。
デスクと椅子の高さについてお話するにあたって、外せないポイントは「差尺(さじゃく)」です。

「差尺」とは、椅子の座面からデスクの天板までの高さの差を指します。

理想的な高さの計算方法

「一般社団法人日本オフィス家具協会(JOIFA)」によって差尺とデスクと椅子の適切な高さを求める計算式が公開されています。
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■座面の高さの目安は身長×1/4(0.25)
■デスク高さの目安は=座面高+差尺
■差尺=身長×1/6(0.17)

日本人の平均身長をもとに算出すると下記の通りです。
※ここで記載している平均身長については、スポーツ庁が公開している【令和2年 体力・運動能力調査 2.年齢別体格測定】の統計数値表をもとに20~64歳(成年)までの平均身長を算出したものです。

■女性 約158cm
A座面の高さ目安:158(身長)×0.25=39.5
B差尺:158(身長)×0.17=26.86
Cデスクの高さ目安:=39.5(座面高)+26.86(差尺)
⇒ 座面高:約40cm デスク高:約66cm

■男性 約171cm
A座面の高さ目安:171(身長)×0.25=42.75
B差尺:171(身長)×0.17=29.07
Cデスクの高さ目安:=42.75(座面高)+29.07(差尺)
⇒ 座面高:約43cm デスク高:約72cm

ぜひ、この計算式にご自身の身長を当てはめてみてください。

正しい姿勢チェックリスト

先ほど差尺についてご説明しましたが同じ身長であっても人によって座高や脚の長さが異なるため、椅子に座った時に下記の項目もクリアできているかぜひチェックしてみてください。

デスクワークする男性

■座面の奥まで深く腰掛ける
■骨盤上部をしっかり背もたれにつける
■足裏全体が床についている
■かかとに膝から先の体重が乗っている
■座面に比べて、膝先が平行あるいはわずかに高い状態

また、新型コロナウィルスの流行に伴いテレワークが普及したことによりノートパソコンで業務をされる企業が今まで以上に増えたのではないでしょうか。

ノートパソコンは、ディスプレイとキーボードが一体化していることから持ち運びには便利ですが、位置調整の自由度があまり高くありません。
その為、無意識のうちに背中が丸まってしまったり、画面に顔を近づけすぎてしまったりすることがよくあると思います。
デスクと椅子の高さを調整した後で、パソコンを使用時に下記の項目がクリアできているかも併せてチェックしてみてください。

■ディスプレイと目の距離が40cm以上離れている
■腕の角度が90度になるっている
■腕の支えがデスクの天板もしくは椅子のひじ掛けになっている
■ディスプレイ位置が目線より少し下になっている

デスクトップパソコンは、ディスプレイとキーボードが独立しているので置く位置や角度の自由度が高く、調整はしやすいですが、ノートパソコンを使用するときと同じようにぜひ上記項目を意識してみてください。
またできるだけ、長時間同じ姿勢になることを避けるためにディスプレイの角度については、1日のうちに何度か調整するといいでしょう。

デスクワークの姿勢に関する詳細はこちらの記事でも解説しています。

これからできる改善方法

ここまでで、身体にマッチしたデスクと椅子の高さで正しい姿勢でデスクワークを行うことの重要性についてご理解いただけたかと思います。最後にちょっとした予防方法や改善方法をご紹介いたします。

ストレッチをする
オフィスでできる座ったままのストレッチをご紹介します。
無意識のうちに前傾姿勢になっていることにより凝り固まった筋肉をほぐしましょう。

ストレッチ方法

フットレストを使用する
椅子に座った際には、足の裏が床につくことが理想の姿勢です。
高さ調整ができる場合は、足の裏が床につくまで調整頂ければ問題ありませんが、高さ調整ができない場合や、調整可能範囲の問題でできない場合は足元にフットレストを置いて足が付くようにしましょう。

昇降機能のある椅子やデスクを導入する

昇降デスクとオフィスチェア

画像左:電動昇降デスク DSDシリーズ      画像右:回転イスVIGOR Series

フットレストのお話でも触れましたが、着座時は足の裏が床につくことが理想の姿勢です。
昇降機能がない椅子しかない場合は、高さの調節ができる椅子を導入することをおススメします。

また、正しい差尺を取るという意味でも、近年普及してきた昇降機能のあるデスクがとても有効です。昇降機能のある椅子で正しい座面高に調整し、その上でデスクの高さを調整して自身に合う差尺にすることで、より身体に負担の少ない環境でデスクワークが可能となります。

また、本記事ではデスクと椅子の高さについてご紹介してきましたが、日本人の着座時間の長さは世界的に見ても長い傾向にあります。
そのため、昇降機能のあるデスクで個人の身体にあった差尺に調整できるという利点についてはもちろんですが、長時間同じ姿勢にならないように、スタンディングワークへも移行できるため昇降機能のあるデスクの導入はおススメです。

関連記事:スタンディングワークの導入と効果

まとめ

さて、いかがでしたか?
皆さん自身のデスクや椅子の高さについて考えるきっかけになったのではないでしょうか?
私自身もこの記事を書きながら、デスクと椅子の高さもさることながらパソコンに向かっているときの姿勢について、これまで以上に意識するようになりました。

個人として身体の不調を感じていた方や、会社として新たなオフィス家具導入を検討されている方のどちらの方にも、ぜひ参考にしていただければ幸いです。

オフィスデスクの選び方に関する詳細はこちらの記事でも解説しています。

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