チームビルディングとは?目的や期待できる効果、具体例などを解説

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チームビルディングとは?目的や期待できる効果、具体例などを解説

企業やチームの在り方が年々変化を遂げているなかで、人材育成の手法として「チームビルディング」が注目を集めています。チームビルディングは、組織の成果を最大化して業績を伸ばし続けるために、企業にとって必要な取り組みのつです。

そこで本記事では、チームビルディングの意味や目的、期待できる効果を詳しく解説します。

チームビルディングに取り組む際の具体的な方法や事例も紹介するので、これから人材育成に力を入れて取り組みたい企業や担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

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チームビルディングとは

チームビルディングとは、従業員一人ひとりのスキルや経験、能力、パフォーマンスを最大限に発揮させて、目標を達成できるチームを作り上げるための取り組みです。

企業が人材を育成する際に用いられる手法の一つで、経営陣や新人を含めたすべての従業員を対象に、ミーティングや研修、ゲームなどを通じてチーム内のコミュニケーションを活性化させます。

また、チームメンバー全員が同じ目標を共有するとともに、一人ひとりのスキルや経験、能力も明確にしてチーム全体で共有します。これは具体的な役割分担によって、より効率的に課題を解決するためです。

チームビルディングの目的

チームビルディングの目的は大きく分けて次の4つです。

  • チームメンバーの関係強化
  • チームシナジーによる成果の向上
  • マインドセットの形成
  • 適切な人員配置

それぞれ詳しく解説します。

 

■チームメンバーの関係強化

チームビルディングでは、コミュニケーションの活性化によってメンバー同士の関係強化と相互理解を目指します。効果的なコミュニケーションが取れれば、一人ひとりが自由かつ正確に自分の考えを表現し、伝え合うことができるようになります。

チームメンバー同士が気軽に自分の考えを表現できる環境だと、新しいアイディアが生まれやすくなったり、困っているメンバーの手助けをしたりとチームワークを発揮します。また、お互いの役割や能力、得意分野が明確化し、業務効率も上がるでしょう。

また、テレワークを実施している企業ではお互いが顔を合わせてコミュ二ケーションを取る機会が減ったため、チームで協働する意識や貢献意欲が希薄になりがちです。お互いの様子がわかりづらいテレワークだからこそ、チームビルディングが必要なケースもあります。

 

■チームシナジーによる成果の向上

チームシナジーとは、チームの相乗効果のことです。それぞれのメンバーが持つ得意なスキルや能力、経験、アイディアなどを活かして協働することで優れた結果を生み出し、チームや企業の業績向上を目指します。

チームワークを発揮してメンバー同士の結束力が高まると、それぞれの仕事に対するノウハウや情報が共有されやすくなり、チーム全体の問題解決力が高まります。問題解決力が高まり、目標の達成確率が上がることで、より大きな成果や業績向上につながっていくでしょう。

 

■マインドセットの形成

マインドセットとは、人間が無意識におこなっている習慣化した思考や感情のパターンのことです。マインドセットは「固定マインドセット」と「成長マインドセット」の2種類に分けられます。

固定マインドセットは、「自分の能力は成長せず固定されたものである」という考え方やものの見方を指し、成長マインドセットは「自分の能力は開発すれば高まっていく」と信じられる心の状態を指す言葉です。固定マインドセットと成長マインドセットを持つ人が一つのチーム内に混在していれば、同じ目標達成を目指して進みにくくなります。

チームでの業務をスムーズに進めるためには、メンバー同士が同じ目標を持って努力する姿勢が大切です。そのため、チーム全員が目標達成のための成長マインドセットを持つこともチームビルディングの目的の一つです。

メンバー全員が同じ目標に向かってモチベーションを高めることで、チームの目標達成率が向上します。

 

■適切な人員配置

チームビルディングを通じてメンバーの業務適性や志向性、得意分野などを把握できるため、リーダーはそれをもとに適切な人員配置ができるようになります。

適切な人員配置や役割分担ができると、メンバーはスキルや能力を発揮しやすくなります。自分のスキルや能力を活かして仕事ができれば、モチベーションアップや仕事への満足度にもつながり、一人ひとりの生産性も向上します。

生産性が向上するとチーム全体の業務効率が上がり、業績アップへとつなげていくことも可能です。

チームビルディングで期待できる効果

チームビルディングに取り組むと、企業にとってどのような効果を期待できるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

 

■社内コミュニケーションの活性化

チームビルディングを通じてチームに一体感が生まれると、自然と会話が増えてコミュニケーションが活性化します。

コミュニケーションが活性化すれば、仕事上のノウハウの共有やメンバー間の報告・連絡・相談がしやすい雰囲気作りが可能です。

助け合いや不測の事態の防止、悩みや課題を共有できるようにもなり、問題解決のために協力し合える環境作りが期待できます。

 

■従業員のモチベーションアップ

コミュニケーションの活性化や一体感が生まれると、チームに対する帰属意識や貢献意欲が高まります。

それぞれのメンバーが自分の能力を発揮して「よりチームへ貢献したい」と自主的に業務へ取り組むことで、モチベーションアップも期待できるでしょう。チーム内で自分の仕事が評価されることや、ほかのメンバーの仕事ぶりに刺激を受けることもやりがいにつながります。

個人が孤立した状態ではモチベーションを維持しにくいですが、チームとして協働し、チームへの帰属意識や貢献意欲がある状態になれば、モチベーションが高まります。

メンバー一人ひとりのモチベーションが高まれば、チーム全体の生産性や品質の向上も見込めます。

 

■新たなアイデアの創出

一人ひとりに協働意識が生まれると、チームの課題を解決するために積極的に行動できるようになります。

意見交換や議論などコミュニケーションも活発になり、問題解決のための提案や新たなアイデア、イノベーションが創出されるでしょう。

チームへの貢献意欲や相乗効果が高まることによって、一人では考えつかないようなアイデアが生まれる可能性もあります。

チームビルディングに重要なこと

チームビルディングでは、メンバー全員が共通の目標をとらえていることが重要です。チームで大きな成果を生み出すためには、異なるスキルや能力をもったメンバー同士が同じ目標に向かって協働することが必要不可欠であるからです。

ここでは、チームビルディングで重要なことを詳しく解説します。

 

■目標と目的を明確にする

チームビルディングの十分な効果を得るためには、ただチームワークが良くなることを目指すのではなく、チームで「より大きな成果を上げられること」を目指す必要があります。

そのため、大前提としてメンバー全員が「同じ目標に向かって進んでいく」ことが重要です。異なるスキルや能力、経験や得意分野を持ったメンバーが、同じ目標を達成するために力を合わせることで、個人では実現できないような大きな成果へとつながります。

まずはチームとして「どのようなことを目的に、何を目指すのか」を明確にして、メンバー全員に共有し、理解してもらいましょう。目標や目的が曖昧なままや、メンバー間で異なる認識がある状態では、モチベーションが上がらず生産性向上も期待できません。

目標は明確化して共有するだけでなく、定期的に計画の振り返りや目標の再喚起をおこないましょう。常に共通の目標に向かい続けていく環境作りをすることも大切です。

 

■個々の役割を理解する

一人ひとりが同じ目的や目標を見定めた状態で、それぞれに課せられた役割を理解して行動することも大切です。自分だけが理解して行動するのではなく、誰がどの役割を担っているのかをチーム全体で理解している必要があります。

また、チームではリーダーシップがとれる人、気配りができる人、行動力や決断力がある人など、業務だけではない役割分担が自然にできることが望ましい状態です。

さまざまな個性を持つメンバーをまとめるリーダーは特に重要な役割ですが、リーダーだけに負担が偏らないようにサポートし合える役割分担も必要です。

 

■密にコミュニケーションをとる

メンバーそれぞれが密なコミュニケーションをとることで、一体感がより強固になり、結束力が強くなります。そのためチームビルディングにコミュニケーションの活性化は欠かせません。

会話や話し合いの頻度を増やしたり質を上げたりするためには、組織としてのコミュニケーションツールの見直しや、コミュニケーションを促進できる機会を用意するといった方法もあります。

たとえば、社内SNS機能やビジネスチャット機能のあるコミュニケーションツールの導入や、参加・体験型のワークショップ、懇親会やゲーム大会を開催するのも良いでしょう。

チームビルディングのプロセス

1965年、アメリカの心理学者ブルース・W・タックマンは、チームの状態を5段階に分け、段階ごとで必要な取り組みを示した「タックマンモデル」を次のように提唱しました。

  1. 形成期
  2. 混乱期
  3. 統一期
  4. 機能期
  5. 散会期

それぞれの段階を詳しく解説します。

 

■1.形成期

チームが形成されたばかりで、メンバー同士がお互いのことをよく知らない時期です。信頼関係も構築されておらず、チームの目標や方向性もはっきりと定まっていない状態であるため、すべてが手探りの初期段階とも言えます。

この時期は、リーダーがチーム形成の理由や目的、目標などを示して、メンバー全員の意識を同じ方向に導く必要があります。

 

■2.混乱期

メンバー同士がお互いのことを徐々にわかってきてはいるものの、意見や価値観の相違などで混乱が起きやすい時期です。

初期の形成期を経てチームの目標が定まり、チームでの業務に慣れてきた中で、ほかのメンバーの仕事ぶりや考え方、動向などが気になりやすい時期でもあります。

そのため、ほかのメンバーのやり方に対して不満が生まれたり意見が衝突したりする可能性もあります。

この時期は、メンバー同士の意見の対立や議論が起きることもマイナスではなく、相互理解を深めるための絶好の機会であるととらえましょう。トラブルを恐れず、さらに議論を進めてメンバー同士の理解を深めていく必要があります。

 

■3.統一期

意見の衝突や議論の混乱期を乗り越えてメンバー同士の相互理解が進むと、チームに一体感が生まれてきます。チームの目標やメンバーの役割がチーム内で共有され、チーム全体が安定してくる時期です。

それぞれの個性や能力を発揮できる適切な役割分担によって、メンバー一人ひとりが主体性を持って目標達成のために取り組める環境作りが重要です。

 

■4.機能期

メンバーそれぞれが目標を達成するために何をすべきか理解し、自分の役割を全うするために自発的に動く時期です。

機能期はチームが十分に機能している状態であり、お互いをサポートし合ったり、困っているメンバーをフォローしたりといったチームワークが発揮されます。

また、全員が同じ目標に向かって協働する体制が確立し、生産性や作業効率、モチベーションが向上します。そのため、チームとしての成果が現れる時期でもあり、機能期を長期的に保てば企業の業績アップにもつながるでしょう。

機能期を長期的に保つには、リーダーによるそれぞれのメンバーへのケアが必要です。効果的なコミュニケーションや、チームワークを高めるためのアクティビティやイベントなどをおこなうのもおすすめです。

 

■5.散会期

目標を達成し、チームとしての役割が終了する時期です。この散会期にメンバー同士で称賛し合う、解散を惜しむなどの状況が見られれば、チームビルディングが成功したと考えて良いでしょう。

それぞれのメンバーがチームでの成功体験を胸に刻み、次の仕事へ取り組んでいきます。

チームビルディングの手法と事例

チームビルディングの手法を事例とともにご紹介します。実際に取り組む際の参考にして下さい。

 

■ワークショップの実施

少人数や1チームのみを対象に、ワークショップ形式でチームビルディングを図る方法もあります。メンバーの自発的な行動や共同作業を通じて、一つの目標を達成することが目的です。

事例としては、自分の感情や気持ちを素直に伝えあう「チェックイン」や自分の得意・不得意なことを発表し合う「WIND&ANCHOR」などがあげられます。

■チーム単位でのワーケーションの実施

チームビルディングにワーケーションを利用する方法もあります。ワーケーションとは「ワーク」と「バケーション」を合わせた造語で、リゾート地やホテルなど、普段とは異なる環境でリモートワークを行うことです。ワーケーション自体は一人でもできるものですが、チーム単位でワーケーションを実施することで普段よりリラックスした環境で仕事の課題について話し合ったり、業務のあとにお互いの理解を深めるためのコミュニケーションを図ることができます。

リモートワークが盛んになった今ではワーケーションにも様々なスタイルがあります。ワーケーションの例は次のとおりです。

  • 各自治体が誘致しているワーケーションに参加する
  • キャンプ場を利用する
  • スパを利用する
  • 会社の保養所などを利用する など

ワーケーションについてはこちらの記事も参考にしてみてください。

ワーケーションのメリットとは?効果や導入時の課題と対策を解説

 

■コミュニケーションツールの活用

テレワークやハイブリッドワークが普及した今、オンラインでチームビルディングをする場合もあります。チャットツールやZoomなどのコミュニケーションツールをTPOに応じて使い分けましょう。

また、チームビルディングに効果的な機能が充実したコミュニケーションツールを活用する方法もあります。どのようなツールを導入するか選ぶ際のポイントは、情報共有のしやすさと従業員の使いやすさです。

ツールごとに特徴が異なるため、「情報を可視化して共有したい」「メンバー全員のタスク管理ができるツールや日報機能が欲しい」「従業員同士で感謝や賞賛を送り合う文化を醸成したい」など、目的にあわせて選びましょう。

コミュニケーションツールを効果的に活用できれば、チームビルディングを一層進めやすくなります。

 

■社内外でのイベントの開催

社内外でイベントを開催し、チームビルディングに取り組む方法があります。普段の業務から切り離した場面を利用して、リラックスした状態でのコミュニケーションの活性化を図るのも効果的です。

コミュニケーションが活性化することによって、メンバー同士の相互理解や関係性の強化が期待できるでしょう。事例は次のとおりです。

  • ボーリング大会
  • 創立記念パーティー
  • 運動会
  • 懇親会(飲み会・ランチ会)
  • BBQ大会
  • お花見 など

チームビルディングはオンラインでも可能

新型コロナウイルス感染症拡大やテレワークの普及によって、チームビルディングをオンラインでおこなう方法も注目を集めています。オンラインでのチームビルディングについて詳しく解説します。

 

■オンラインでチームビルディングをおこなうメリット

オンラインでチームビルディングをおこなうメリットには、コミュニケーションの活性化や、感染症対策によって中止になったイベントの代わりにできること、従業員の移動時間の短縮などがあげられます。

テレワークではメンバー同士のコミュニケーションが不足しがちで、相互理解や協力し合う体制作りが難しい環境です。イベントが中止になれば、メンバー同士が顔を合わせて話す機会も失われ、ますますチームの連帯感は感じにくくなってしまうでしょう。

しかし、チームで目標を達成するためにはメンバー同士のコミュニケーションや報告・連絡・相談がしやすい環境を作り、同じ目標に向かって全員が協働する体制が必要です。そのために、チームビルディングの取り組みが有効なのです。

 

■オンラインによるチームビルディングの施策例

オンラインでチームビルディングに取り組む具体的な施策をご紹介します。

バーチャルオフィスツールの利用

web上のバーチャルオフィスツールを活用することで、リモートワーク中でも視覚的に同一空間にいる状態を作ることができます。アバターを使用したり、バーチャルオフィス空間にも集中ブースやミーティングブースを設置したりという工夫によって、話しかけるタイミングがわかりやすいだけでなく、物理的な距離による孤独感の解消に繋がります。

バーチャルオフィスツールについてはこちらの記事で詳しく解説しています。ぜひあわせてご覧ください。

バーチャルオフィスツールとは?導入してリモートワークの課題を解決しよう

 

オンラインでのランチ会

定期的にオンラインでランチ会を開くのもコミュニケーションの活性化に繋がります。ラフな内容のミーティングであれば、ランチミーティングとして行うのもおすすめです。オンラインのフードデリバリーサービスを利用すれば、同一のメニューを各々の自宅に届けてもらうことができるため、会話のきっかけにもなり一体感を生み出すことも可能でしょう。

 

1on1ミーティング

チームでのランチ会以外にも、オンラインで1on1ミーティングを実施するというのも良い施策です。たとえば上長と部下が定期的に1on1ミーティングをすれば、個人が抱えている課題や悩みを把握でき、解決の糸口にすることができます。また、上長と部下という関係に限らず、チームメンバー同士で1on1ミーティングを実施すれば、自分以外の人の役割を深く理解できたり、他者の抱える課題に対して自分ができることを模索したりと、まさにチームで業務を進めていく環境を作り出すことができます。

まとめ:チームビルディングで目標に向かって協働するチームを作ろう

チームビルディングでは、コミュニケーションをとってチームワークを深めるだけでなく、メンバー全員が同じ目標を共有し、協働することが大切です。

そのためにはそれぞれのメンバーが自分の役割を理解し、自分のスキルや経験、得意分野を活かしてチームに貢献する意識が必要です。

貢献意識やチームへの愛着は、コミュニケーションを密に取りながらメンバー同士の相互理解を深めることで生まれるでしょう。

互いに助け合い、報告・連絡・相談がしやすい環境であれば従業員の満足度やモチベーションも高まり、生産性の向上も期待できます。

本記事で紹介した方法や施策をもとにチームビルディングに取り組み、目標に向かって協働するチームを作って、大きな成果を目指しましょう。

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