オフィス移転における総務タスクとは?移転前から移転後までのタスクを総まとめ

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オフィス移転における総務タスクとは?移転前から移転後までのタスクを総まとめ

オフィスを移転する際には、さまざまな部署がタスクを抱えます。中でも、社内外でやりとりをする総務部の役割は重要です。マルチタスクをこなす必要があります。

また、オフィス移転における総務タスクは、移転して終わりではありません。スムーズに事業を再開できるよう、移転後もさまざまなタスクが待ち構えています。

本記事では、オフィス移転における総務タスクやスムーズに進めるためのポイントなどを解説します。総務タスクは移転前と移転後にわけて解説するので、漏れがないように備えましょう。

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オフィス移転における総務タスクの重要性

オフィス移転の役割は、総務部が担当するケースがほとんどです。総務部の業務内容は多岐にわたりますが、近年はファシリティマネジメントへの関わりが注目されています。ファシリティマネジメントとは、経営的視点でオフィス環境を整備することです。

ファシリティは、企業が事業を運営していく上で必要な施設や付属財産を指します。たとえば土地や建物、構築物、設備などです。ファシリティを適切にマネジメントすることで、良好な状態を維持しながら事業を運営していくことを目指します。

オフィス移転ではプロジェクトの全体像を把握し、それぞれの工程を確実に進めなくてはなりません。プロジェクトを総合的に管理するといった意味でも、ファシリティマネジメントが重要になります。

【オフィス移転前】総務タスク一覧

オフィス移転前のおもな総務タスクは、次のとおりです。

  • 現オフィスの解約および原状回復の手配
  • 新オフィスの環境整備
  • 引越し業者の選定および手配
  • 社内マニュアルの作成
  • 各種手続き
  • 取引先への案内や各Webサイト・書類の変更準備

各タスクを詳しく解説します。

 

■現オフィスの解約および原状回復の手配

オフィスの移転が決まったら、まずは現オフィスの契約状況を確認しましょう。

 

管理会社への解約予告

移転時期が決まった段階で、現オフィスの解約予告と原状回復の手配をします。賃貸オフィスの場合、管理会社への解約予告の期限が定められており、おおよそ3~6ヶ月前に予告するのが一般的です。

ただし、解約予告のタイミングは契約内容によって異なるため、必ず賃貸契約書を確認しましょう。民法540条2項では意志表示の撤回ができないと定められているため、移転時期が確定する前に解約予告しないよう注意が必要です。

管理会社には解約を伝えるだけでなく、次の項目も併せて確認しておきましょう。

  • 敷金および保証金返還の有無
  • 返金のタイミング
  • 物件の引き渡し日
  • 解約後の支払い方法
  • 解約日までの内覧 など

管理会社によっては、解約予告専用の書類が準備されているケースもあります。解約予告が遅れると余分な賃料が発生するため、適切なタイミングで伝えましょう。

 

原状回復工事の手配

居抜き物件でない限りは、基本的に原状回復工事が必要です。工事を進めるにあたって、次の項目を確認しましょう。

  • 指定業者の有無
  • 自社で主導すべき工事範囲
  • 工事費用の見積もり額
  • 工期 など

工事は、物件の解約日までに完了しておかなければなりません。指定業者の有無は管理会社によって異なるため、事前に確認しておきましょう。指定業者がない場合は、自社で業者を選定します。

原状回復義務の範囲は、賃貸契約の内容によって異なります。想像以上に範囲が広い可能性もあるため、早めに業者に依頼して工事の対象範囲を把握しておきましょう。

 

■新オフィスの環境整備

移転前には、新オフィスの環境整備が必要です。環境整備が遅れるとスムーズに事業を再開できないため、移転先が決まった段階で取りかかりましょう。

 

レイアウト作成および内装工事の手配

新オフィスの総務タスクでは、まず内装デザインやレイアウトなどのオフィス設計をおこないます。オフィス設計で重要なのはゾーニングです。ゾーニングとは、目的に応じて空間を区分けすることを指します。

各部署にはどのくらいのスペースが必要かを確認し、適切な場所に配置しましょう。オフィス設計はすべて自社で手掛けることも可能ですが、専門業者に依頼すれば自社に適切なプランを提案してくれます。オフィス設計の内容が決定したら、工事の手配をします。

 

OA機器およびオフィス家具の選定・手配

移転後、事業を再開するにはOA機器やオフィス家具も必要です。現オフィスから流用できるものは事前に確認しておきましょう。新たに購入する場合は、購入またはリースのどちらにするか検討します。

社内で決定次第、業者に見積もりを依頼し、新オフィスの移転に間に合うように発注しましょう。オフィス家具を選定する際には、レイアウトプランに沿ったものを選ぶと空間全体に統一感を持たせることができます。

また、現オフィスのものを処分する場合は、不用品回収業者に見積もりを依頼し、手配しておきましょう。

 

通信・セキュリティ・電気工事

新オフィスの設備に合わせて、通信環境の構築や電気配線の工事も必要です。業者が指定されている可能性があるため、事前に管理会社に確認しておきましょう。工事は1日で済まない可能性もあるため、移転までに完了しておくように手配します。

また、今後業務の拡大やレイアウトの変更予定がある場合は、機器の増設を見据えた設計にしておくと、配線の対応が容易になります。移転前の配線工事では立ち会いが求められるため、担当者のスケジュールを確保しておきましょう。

 

■引越し業者の選定および手配

引越し業者の選定は、レイアウトやオフィス家具などが準備できたタイミングで始めましょう。複数社に見積もりを依頼し、費用面や作業内容などを踏まえて、信頼できる業者を選定します。

信頼できる業者選びのポイントは、「引越安心マーク」の有無です。引越安心マークは、公益財団法人全日本トラック協会が優良業者と認定した場合のみに付与されます。取得済み業者は、同協会の公式ホームページ「引越安全マーク事業者一覧」で確認できます。

プランニングから引越しまでをワンストップで依頼できる業者なら、引越し業者を選定する手間を省くことが可能です。また、大規模なオフィスの場合、移転時に不用品が大量に出る可能性もあるため、引越し業者が不用品回収に対応しているかも併せて確認しておきましょう。

 

■社内マニュアルの作成

移転はオフィスで働くすべての従業員に関係するため、社内用に移転マニュアルを作成しましょう。作成後は必要な準備をタスクどおり進められるよう、各部署に通達します。

マニュアルに記載すべきおもな内容は次のとおりです。

  • 移転目的
  • 新オフィスのデザインおよびレイアウト
  • 移転にともなう役割分担
  • 移転当日の社外への対応方法
  • 移転全般に関する問合せ先
  • 移転当日のスケジュール など

移転前後の通常業務に支障が出ないように、従業員を対象とした説明会も実施します。

 

■各種手続き

移転までにはさまざまな手続きが必要です。手続きが必要な内容と場所は次のとおりです。

手続き内容 手続き場所 手続き時期の目安
電気 契約中の電力会社 移転が決まり次第
ガス 契約中のガス会社 移転が決まり次第
水道 水道局 移転が決まり次第
インターネット回線 契約中の通信会社 移転が決まり次第
電話回線 契約中の電話会社 移転が決まり次第
住所変更および転送届 郵便局 移転日まで
防火対象物使用開始届出書および防火対象物等工事計画届出書 消防署
  • 防火対象物使用開始届出書:使用開始の7日前まで
  • 防火対象物等工事計画届出書:工事開始日の7日前まで

電気やガスなどのライフライン関係は、移転が決まり次第早めに手続きしましょう。郵便局には、住所変更と転送届を提出する必要があります。

消防署へは、防火対象物使用開始届出書と防火対象物等工事計画届出書を提出します。防火対象物使用開始届出書は使用開始の7日前まで、防火対象物工事等計画届出書は新オフィスの工事開始日の7日前までが期限です。

 

■取引先への案内や各Webサイト・書類の変更準備

社外の関係各所へは、移転の2〜3ヶ月前を目途にお知らせを送付できるよう準備します。お知らせに記載する項目や例文などは、こちらの記事で詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

オフィス移転のお知らせ例文を紹介|記載内容や送付までの手順を一挙解説

また、移転に合わせてWebサイトの情報も更新する必要があります。Webサイトのメンテナンスを外部に委託している場合は、どのタイミングでどのような内容に更新するかを伝えておきましょう。

【オフィス移転後】総務タスク一覧

オフィス移転における総務タスクは、移転までにすべて終わるわけではありません。移転後も、各種手続きや旧オフィスの引き渡しをする必要があります。

 

■各種手続き

移転後に手続きが必要な内容と場所は次のとおりです。

手続き内容 手続き場所 手続き時期の目安
法人税の取り扱いに関係する異動届出書 税務署 移転後1ヶ月以内
  • 自動車保管場所証明申請書
  • 安全運転管理者変更届
警察署 移転後速やかに
適用事業所所在地・名称変更届 年金事務所 移転後5日以内
  • 労働保険名称
  • 所在地変更届
  • 雇用保険事業主事業所各種変更届
労働基準監督署およびハローワーク 移転後10日以内
本店・支店移転登記申請書 法務局
  • 本店:移転後2週間以内
  • 支店:移転後3週間以内
銀行口座の登録内容変更手続き 金融機関 移転後速やかに
クレジットカードの登録内容変更手続き クレジットカード会社 移転後速やかに

移転後の各種手続きには期限があるものも多いため、忘れないように注意しましょう。

 

■移転前のオフィスの引き渡し

原状回復工事は、解約日までに完了しておく必要があります。解約日までに間に合わなかった場合、賃貸料や違約金が発生するリスクがあります。工事が完了したら管理会社に連絡し、旧オフィスを引き渡しましょう。

工事期間は、工事の範囲や使用する資材によって変動します。状況によっては、想定よりも工事期間が長引く可能性もあります。移転前後は移転先の作業や手続きに注力しがちになるため、原状回復工事のスケジュール管理を徹底しましょう。

オフィス移転における総務タスクの注意点

オフィス移転は、長ければ1年以上を要する大掛かりなプロジェクトです。一部の工程が滞ると全体のスケジュールが遅れる可能性もあるため、それぞれの工程を適切なタイミングで進めていくことが大切です。

 

■各業者は早めに選定する

オフィス移転にともない、選定が必要な業者が多いため、商談や相見積もりなどにかける期間は十分に確保しておきましょう。

移転のスケジュールは、計画どおりに進むとは限りません。さまざまな事情で工期が延びる可能性もあるため、業者の選定は早めに着手しておいたほうが安心です。移転で選定が必要となる業者は次のとおりです。

  • 新オフィスの内装工事をおこなう施工業者
  • 旧オフィスの原状回復工事をおこなう施工業者
  • OA機器やオフィス家具メーカー
  • 引越し業者
  • 不用品の回収業者 など

業者の見極めが不十分な場合、予算を大幅に超えてしまうこともあります。業者を選ぶ際には、自社が求める内容を予算内でおさえられるかどうかも重要です。

 

■事業開始までにインフラを整備する

スムーズに事業を再開するには、移転日までに社内インフラを整備する必要があります。電気やガスなどのライフライン関係は、まとめて手続きしておけば忘れずに済みます。

特に電話やインターネットなどの通信インフラは事業運営への影響が大きいため、正常に稼働できるよう、徹底した準備を心がけましょう。万が一のトラブルに備え、正常に稼働できるかを確認するまでの期間は、業者に立ち会いを依頼しておくと安心です。

オフィス移転にかかるタスクをスムーズに進めるコツ

オフィス移転は、総務部が主導となって進めていく必要があります。総務タスクをスムーズに進めるためにはいくつかのコツがあるため、事前に確認しておきましょう。

 

■オフィス移転プロジェクトチームを結成する

移転が決定したら、社内で移転プロジェクトを立ち上げましょう。

プロジェクトの結成時には、移転にともなって必要になる作業内容を確認します。チームメンバーはオフィスの規模や作業内容に応じて、役職者や各部署から選ぶのがおすすめです。

 

■チェックリストを作成しておく

総務タスクに漏れがあると、スケジュールに遅れが生じる可能性があります。そのため、担当者の間で進捗状況を共有することも大切です。チェックリストを活用して、各工程をスムーズに進めましょう。

チェックリストには各工程で必要なタスクを洗い出し、完了した時点でチェックを付けると、タスク漏れを避けられます。オフィス移転のチェックリストはこちらからダウンロードできるので、ぜひご活用ください。

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■オフィス移転専門業者を活用する

オフィス移転にともなう総務タスクは、多岐にわたります。外注業者が多いほど見積りや発注などのやり取りが増えるため、担当者への負担は増えるでしょう。しかし、オフィス移転のプランニングから引越しまでをワンストップで依頼できる専門業者に依頼すれば、窓口を一本化できるため、担当者の負担を軽減できます。

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まとめ:総務タスクを把握してオフィス移転をスムーズに進めよう

オフィス移転は長期間におよびます。そのため、プロジェクトを完遂するには綿密なスケジューリングをした上で、各工程を確実にこなしていかなければなりません。特に移転前の総務タスクは多いため、チェックリストを活用して漏れがないようにしましょう。

プロジェクトを進めていく上でトラブルが発生した場合は、担当者間で共有し、速やかに解決できるよう協議する必要があります。想定されるトラブルに対する解決策は事前に検討しておき、万が一に備えておくと安心です。

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