フリーアドレスはデメリットばかりで意味がない?課題への対処法や成功事例を紹介

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フリーアドレスはデメリットばかりで意味がない?課題への対処法や成功事例を紹介

フリーアドレスは、柔軟な働き方に対応できるうえ、限られたオフィススペースを有効活用できる点で注目されています。しかし、「働きにくい」「効率が下がる」といったデメリットが指摘されることも。導入前には、こうした課題への対策をしっかりと検討することが重要です。本記事では、フリーアドレスのおもなデメリットとその対処法をわかりやすく解説するとともに、実際にフリーアドレスを効果的に取り入れている企業の事例も紹介します。

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フリーアドレスのデメリット・課題

固定席を設けず、好きな席を選んで業務をおこなうフリーアドレスは、柔軟な働き方に対応できるワークスタイルとして注目され、導入を進める企業が増えています。しかし、導入への対策をしっかりとしておかないと「かえって非効率に感じる」「業務を進めにくい」などの声が上がり、従業員が「デメリットばかりで意味がない」と感じてしまうかもしれません 。まずは、フリーアドレスにどのようなデメリットや課題があるのかを押さえておきましょう。

 

1. 集中力・業務効率が低下しやすい

フリーアドレスでは、さまざまな部署や立場の従業員が業務スペースを共有するため、部署・立場を超えたコミュニケーションが生まれやすくなります。しかし、レイアウトによっては共有スペースでの会話や電話の声が気になって仕事に集中できなくなり、業務効率や生産性が低下することもあります。

 

2. 誰がどこの席で仕事をしているのかわかりにくい

従来の固定席であれば、誰がどこに座って仕事をしているのかがすぐにわかります。一方、フリーアドレスではその日ごとに自分の好きな席に座るため、一人ひとりの位置を把握しづらくなるでしょう。

電話をつなぎたいとき、来客があったとき、業務の関係で連絡をとりたいときなどに、当該の従業員がどこにいるのかを探す手間が発生すると、スムーズに業務を進めにくくなる可能性があります。

 

3. 帰属意識が低下し、離職率が上がりやすい

集団や組織に属している感覚である帰属意識は、同じ部署・チームのメンバーとコミュニケーションをとりながら業務を進め、「この部署の一員である」と実感することで育ちます。

しかし、部署・チームがかたまっていないフリーアドレスでは、従来の固定席に比べて部署・チーム内の自然なコミュニケーションが生まれにくいため、帰属意識も低下しやすくなります。

帰属意識が低下すると、企業への愛着心や仕事へのモチベーションも低下し、離職を選択する従業員も出てくるでしょう。

 

4. 書類・私物の管理が難しい

フリーアドレスでは、書類や個人の荷物の管理が負担になることがあります。固定席の場合、自分の席が決まっているので、書類や私物をデスクに置いておけますが、フリーアドレスの場合は、席を移動する度に書類や荷物の移動が必要です。紛失のリスクも高まりやすくなるでしょう。

 

フリーアドレスのデメリット・課題への対処法

フリーアドレス導入によって生じるデメリットや課題は、工夫次第で対処が可能です。社内にフリーアドレスが無理なく浸透するよう、オフィス環境を整えましょう。

 

1. フリーアドレス導入の目的を従業員に共有する

フリーアドレスを導入する際は、そもそも何のために導入するのか明確な目的を従業員に共有しましょう。従業員が目的を理解していないと、フリーアドレスが浸透しにくく、導入の効果も見込めません。

おもな目的として、スペースの有効活用、部署・チームを超えたコミュニケーションの活性化などが挙げられます。導入の目的が明確であれば、固定席を好む従業員からも協力を得やすいでしょう。

 

2. フリーアドレス導入の目的に合ったレイアウトを採用する

オフィスのレイアウトも、フリーアドレス導入の目的に合ったものを検討しましょう。従業員間のコミュニケーション活性化が目的であれば、オフィス内の回遊を促すレイアウトを採用する、従業員が集いやすいリラックススペースを設けるといった工夫が挙げられます。

ただし、回遊を促すレイアウトや人が集いやすいレイアウトのスペースのみだと、集中作業やWeb会議をしたい従業員がストレスを感じ、業務効率の低下につながる可能性があるため注意が必要です。フリーアドレスのスペースとは別に、作業に集中しやすい静かな環境のスペース、ソロワークやWeb会議に使用できるブースを用意するなど、対策を講じましょう。セキュリティ対策がなされた個室ブースであれば、情報漏洩のリスクも低減できます。

 

3. 座席管理システムを活用する

フリーアドレスにありがちな「誰がどこにいるのかわかりにくい」という問題は、座席管理システムの活用で解決できます。座席管理システムを活用すれば、誰がどこにいるかが可視化され、リアルタイムの状況を確認できます。コンタクトをとりたい従業員を探し回る手間が軽減されるでしょう。

 

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4. 部署内のコミュニケーション活性化を推進する

フリーアドレスでは、部署・チーム内でのコミュニケーションが希薄になりやすいため、定期的にミーティングを開催する、気軽にやり取りができるチャットツールを導入するなどの工夫が必要です。また、Web会議ツールを活用すれば、離れた場所でも顔を見ながらコミュニケーションを図れます。

部署・チーム内のコミュニケーション不足解消には、グループアドレスの導入も有効です。グループアドレスでは、部署・チームごとにエリアが決まっており、そのエリア内で座席を自由に選びます。部署・チームごとでかたまっているのでコミュニケーションがとりやすく、座席移動をするためマンネリも防げます。

 

5. 書類のペーパーレス化を進める

フリーアドレスでは、移動の度に書類を持ち歩く必要があり、大きな負担となります。また頻繁に書類を持ち歩くことにより、紛失のリスクも高まるでしょう。

書類をデータ化し、ペーパーレス化すれば、持ち運びの負担や書類紛失のリスクを軽減でき、書類の印刷や破棄にかかるコストも削減可能です。さらに、書類の保管場所も縮小できるため、スペースの有効活用につながります。

 

6. 事務用品を共用スペースで一括管理する

固定席の場合、ハサミやセロハンテープ、のりなどの事務用品を個人のデスクに置いておけますが、フリーアドレスでは自分専用のデスクがないため、私物を減らす必要があります。事務用品を共有スペースで一括管理すれば、個人で持ち歩く事務用品を減らせるでしょう。

また、事務用品や消耗品の管理担当者から見ても、一括管理は使用状況や在庫の把握がしやすく、オフィスの整理整頓につながります。

個人で使用する書類や仕事道具に関しては、一人に一台パーソナルロッカーを用意し、そこで管理するとよいでしょう。

 

7. フリーアドレス導入を専門業者に依頼する

フリーアドレスのデメリットに対処して導入の効果を出すには、レイアウトの検討、必要な備品・ツールの手配・導入など、専門的な知識と労力が必要になります。社内のみで導入を進めるのが難しいと感じる場合は、フリーアドレスに関するノウハウを持つ専門業者に相談してみるのも一つの方法です。導入から運用までサポートしてもらえるので、効果が出やすいでしょう。

オフィス移転にあわせてフリーアドレス導入を検討しているのであれば、アイリスチトセにご相談ください。オフィス移転トータルサービスを展開しているアイリスチトセが、物件紹介からオフィスデザイン、内装工事、家具の手配、引越しまでワンストップでサポートいたします。フリーアドレスに適したレイアウトの提案もおまかせください。

 

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フリーアドレス導入で得られる効果

フリーアドレスにはデメリットや課題がありますが、導入により大きな効果も得られます。おもな効果を紹介します。

 

1. 部署を超えたコミュニケーションが生まれる

フリーアドレス導入は、部署・チームを超えたより幅広いコミュニケーションの活性化につながります。座る席が固定されている場合、近くに座っている従業員同士は交流を深められますが、異なる部署・チームといった物理的に離れた席の従業員とは交流の機会が少なくなります。

一方、自由に座席を選べるフリーアドレスであれば、部署や立場が異なる従業員同士が近くの席に座る可能性があるため、偶発的なコミュニケーションが生まれやすいでしょう。部署や立場の垣根を超えた交流が増えることで、働きやすく、新たなアイデアが生まれやすい環境づくりにつながります。

 

2. スペースを有効活用でき、コスト削減につながる

フリーアドレス導入により、スペースを有効活用できます。たとえば、リモートワーク・テレワーク・出張などで出社が少ない従業員が多い場合、座席の総数を従業員と同数にする必要がないので、座席数を減らせます。空いたスペースは、コミュニケーションスペースやリラックススペースとして活用できるでしょう。

また座席数が減れば、デスクや椅子などのオフィス家具も減り、コスト削減につながります。さらに、2フロア→1フロアに変更するなどオフィスを縮小することで、賃貸料や電気代なども削減できます。

 

3. 生産性の向上が期待できる

フリーアドレスでは、従業員がその日の仕事内容や気分に合わせて好きな席を選べます。これにより、主体性の向上や自律的な働き方の促進が期待できるでしょう。

コミュニケーションをとりたいときはオープンスペース、集中して作業したいときはブース席など、従業員が業務内容に応じた席を選べる環境を用意しておけば、仕事への意欲が高まり、生産性の向上につながります。

 

フリーアドレス導入の成功事例

最後に、フリーアドレスのデメリットを克服し、導入に成功した企業の事例を紹介します。

 

空いたスペースをリラクゼーションエリアとして有効活用|福島コンピューターシステム株式会社

福島コンピューターシステム株式会社では、コロナ禍で出社率が低下したことをきっかけに、リモートワークや在宅勤務といったさまざまな働き方に柔軟に対応できるよう、改装とともに環境整備をおこないました。

本社オフィスでは、部門やチームを超えたコミュニケーションの活性化を目的に、フリーアドレスを導入。それに伴って座席数を減らし、空いたスペースにリラクゼーションエリアを開設して有効活用しました。

企業の価値観を従業員に共有することで働く意義を見出してほしい、エンゲージメントやモチベーションの向上につなげたいという思いから、リラクゼーションエリアの壁面には企業理念などのメッセージが書かれています。

 

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フリーアドレスで社内コミュニケーションが活性化|村田機械株式会社

村田機械株式会社では、オフィス改修に合わせてフリーアドレスを導入し、出張する従業員が多い現状に合わせて大幅な座席数の削減もおこないました。

初めはフリーアドレス導入に肯定的ではない従業員もいましたが、導入の目的や意図をしっかりと周知して運用をスタートしたことで、導入後のアンケートでは「毎回新鮮な気持ちでオフィスに出社できる」などのポジティブな意見が聞かれました。

また、フリーアドレス導入によってオフィスの中心にコミュニケーションスペースを設けたことで、従業員同士が声をかけやすい雰囲気になりました。集中して作業ができる個人ブース、チームでミーティングしやすいソファブースを用意するなど、業務内容に合わせて場所を選べる工夫も取り入れています。

 

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フリーアドレスで横のつながりを強化|東海大学

東海大学では、全学的な組織改編のタイミングで、横のつながりの強化を目的としてフリーアドレスを導入。事務職員の座席を減らし、共有スペースや打ち合わせスペースを多めに設けました。

それまでの組織体制は縦割りの傾向でしたが、導入後は横断的な業務をおこなうことが増え、コミュニケーションも促進されました。また、フリーアドレス導入に伴って書棚の数も制限され、結果的にペーパーレス化を進めるきっかけになりました。

 

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フリーアドレスのデメリットは解消できる!工夫しながら導入を

フリーアドレスにはデメリットや運用上の課題もありますが、導入の目的を明確にし、それに合った環境や設備を整えることで、快適で効率的な働き方を実現できます。導入にあたっては、レイアウトや座席の配置、コミュニケーションの促進方法などもあわせて工夫することが重要です。

フリーアドレス導入を含め、オフィス移転や改装をお考えの場合は、ぜひアイリスチトセにご相談ください。年間1,000件以上の移転・改装実績に基づき、働きやすいオフィスレイアウトの提案から引越しまで、すべてを一括でサポートいたします。

 

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