オフィスのリノベーションをしよう!期待できる効果や成功のポイント
オフィスレイアウト・デザイン・設計
オフィスのリノベーションは、生産性の向上やランニングコスト削減などにつながるため、さまざまな企業から注目されています。しかし、いざオフィスのリノベーションに取り掛かろうとすると、具体的な方法や費用相場に悩んでしまうことが多々あります。
そこでこの記事では、オフィスのリノベーションの効果や種類、費用、成功させるポイント、業者の選び方などをご紹介します。リノベーションによる働きやすい職場づくりを検討している経営者、企業担当者方のはぜひ参考にしてみてください。
目次
オフィスのリノベーションとは
オフィスのリノベーションとはオフィスの機能や価値を再生し、より働きやすい職場環境にすることです。リノベーションと似たような言葉に「リフォーム」がありますが、次のように意味が異なります。
- リノベーション:既存の建物を改修することで性能や価値を「高める」こと
- リフォーム:老朽化した建物を新築の状態に「戻す」こと
リノベーションは「修復・刷新」であり、リフォームは「回復」という意味です。原状回復が目的のリフォームと異なり、「よりデザイン性を高める」「ワークスタイルに合わせて内外装を変更する」などの手を加えることで、新たな機能や価値を付加するのがリノベーションです。
賃貸オフィスをリノベーションする場合、対応できる範囲や部分はオーナーの裁量で変わります。オーナーによっては、リノベーション自体を許可しない可能性もあります。賃貸オフィスをリノベーションするときは、事前にオーナーに確認を取りましょう。
オフィスリノベーションの成功事例に関する詳細はこちらの記事でも解説しています。
オフィスのリノベーションによる3つの効果
オフィスをリノベーションすることで、次のような効果を期待できます。
- 生産性の向上
- 企業のイメージアップ
- オフィスコストの削減
オフィスの機能や価値を再生することで得られるメリットは多々あります。ここでは、3つの効果についてご紹介します。
◾️1.生産性の向上
オフィスのリノベーションによって、生産性の向上が期待できます。社員同士がコミュニケーションを取りやすいようなレイアウトに変更することで、効率的に仕事を進められるようになる可能性があります。
また、リフレッシュスペースやフリーデスクなどを導入して快適なオフィス環境にすれば、社員の自社に対する愛着が深まり、仕事に対するモチベーションが上がる人が増えます。その結果、会社全体の成果を高められるでしょう。
生産性を向上できるオフィス環境に関する詳細はこちらの記事でも解説しています。
◾️2.企業のイメージアップ
企業のコンセプトに合わせたデザインにリノベーションすることで、企業のブランドや社風がより伝わりやすくなります。また統一感のあるオフィスデザインにすることで、社内外の人に対して好印象を与えることができます。
会社に対して良いイメージを持ってもらえれば、取引先と商談を進めやすくなるほか採用面などでもプラスとなるでしょう。
◾️3.オフィスコストの削減
オフィスのリノベーションではランニングコスト(維持費用)の削減が期待できます。工事などのイニシャルコスト(初期費用)はかかるものの、長期的に考えるとコストパフォーマンスが良くなるケースが見られます。
たとえば次のような施策は、ランニングコスト削減につながります。
施策 | 削減できるコスト |
寿命の長いLED照明にする | 電気代や照明を交換する費用 |
自動ドアや断熱性のある二重扉(窓)を採用し、断熱性・気密性を高めて空調を効きやすくする | 電気代 |
メンテナンスフリーの床材を取り入れる | 床のメンテナンス費用 |
たとえば床材の場合、ワックスがけの必要がないノンワックスや耐水性があるもの、傷や汚れに強い素材を検討してみましょう。手入れが簡単で耐久性が高いため将来のメンテナンス代を削減できます。
オフィスで節電する有効な方法に関する詳細はこちらの記事でも解説しています。
オフィスのリノベーションの種類
オフィスのリノベーションには、フルリノベーションとポイントリノベーションの2種類があります。それぞれの特徴は、次のとおりです。
リノベーションの種類 | 特徴 |
フルリノベーション |
|
ポイントリノベーション |
|
賃貸オフィスの場合、外観や共有スペース以外をリノベーションすることが一般的です。ただし、自社の判断だけでリノベーションすることはできず、オーナーの許可が必要になるため、必ず事前に確認を取りましょう。
オフィスのリノベーションにかかる費用
オフィスのリノベーションは、工事内容や規模、立地などによってかかる費用が異なります。場合によっては補助金や助成金を利用できることもあるため、うまく活用していきましょう。
◾️オフィスのリノベーション費用の相場
オフィスのフルリノベーションにかかる費用相場は、坪単価10〜30万円程度です。100坪のオフィスであれば、1,000万円〜3,000万円です。また、フルリノベーションの場合、次のような工事が費用に含まれています。
工事 | 工事内容 |
仮設工事 | 工事を準備する |
軽鉄工事 | 天井や壁の骨組みを作る |
内装工事 | 内装を仕上げる |
建具工事 | 窓やドアを壁に取り付ける |
パーテーション工事 | 間仕切りを設置する |
電気設備工事 | 電線やコンセントなどを設置する |
空調換気設備工事 | 空調を取り付ける |
消防設備工事 | 規定通りに消防設備を取り付ける |
サイン工事 | 看板を設置する |
内装をすべて変更するフルリノベーションの場合、内装工事にかかる費用がもっとも高くなります。
◾️リノベーションに活用できる補助金・助成金
オフィスのリノベーションでは次のような補助金・助成金を活用できる可能性があります。
- ものづくり補助金
- IT導入補助金
- 受動喫煙防止対策助成金
- 事業承継・引継ぎ補助金
- 小規模事業者持続化補助金
※これらの補助金・助成金は一例であり、地域などによって利用できるものが異なる可能性があります。また、募集条件や募集の有無が変更されることもあるため、適用させたい場合は、必ず最新情報を確認しましょう。
ものづくり補助金
ものづくり補助金は、新規事業のための設備投資で適用される補助金です。中小企業庁で公募しており、オフィスのリノベーションによって生産性や効率をどのように上げられるのか証明できれば、補助金を受け取れるチャンスがあります。
補助額の上限は従業員の人数で変わり、5人以下で750万円、21人以上で1,250万円です。
※出典元:ものづくり補助事業公式ホームページ
IT導入補助金
IT導入補助金は、仕事を効率化するためのITツール導入に対して補助金をもらえる制度です。ITツールは、各種管理システムやCAD、RPAだけではなく、Web会議システムなどの導入も対象となっています。
補助金は、通常枠の場合、ITツール費用の2分の1を負担してくれます。上限は最大450万円です。
※出典元:IT導入補助金
受動喫煙防止対策助成金
受動喫煙防止対策助成金は、オフィス内での禁煙・分煙のための費用に適用されます。要件に従い、喫煙所や分煙設備を設置することで助成金をもらえます。
受動喫煙防止対策助成金の上限は100万円で、助成率は飲食店が3分の2、それ以外が2分の1です。
※出典元:受動喫煙防止対策助成金
事業承継・引継ぎ補助金
事業承継・引継ぎ補助金は、事業承継を契機に新しい取り組みをおこなう中小企業などを支援する制度です。基本的には経営革新に対して補助金が適用されますが、生産性向上などの取り組みも要件に含まれています。
また補助金は、次のように2種類ある枠組みによって異なります。
- 経営革新:補助率2分の1、補助金額最大300万円
- 専門家活用:補助率2分の1、補助金額最大400万円
※出典元:事業承継・引継ぎ補助金
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、生産性向上を目的とした取り組みを支援する制度です。小規模な法人や個人事業主が対象になっており、オフィスの店舗改装なども補助金の対象になっています。
補助金は、通常枠の場合、補助率3分の2、上限額50万円です。その他の枠の場合は、最大で上限額200万円に設定されています。
※出典元:小規模事業者持続化補助金
オフィスのリノベーションを成功させるポイント
オフィスのリノベーションを進める際にはいくつかおさえておきたいポイントがあります。闇雲に進めてはリノベーションによる効果を十分に得られません。計画を進める際に確認すべき事項を解説します。
◾️リノベーションの目的を明確化
まずは、なぜリノベーションをおこなうのか、必要性や目的を明確にしましょう。企業コンセプトをよりアピールできるオフィスにしたいのか、ワークスタイル変革によるレイアウト変更をおこないたいのかなど、目的によりリノベーションの方向性は変わります。
具体的なプランを進める前に、自社が抱える課題を把握することが必要です。たとえば社員にアンケートをとってヒアリングするのも一つの手です。さまざまな意見や考えを可視化することで、リノベーションの目的を明確化していけるでしょう。
目的を軸にプランニングすることで、理想のオフィス作りにつながります。
◾️施工可能範囲を確認
特に賃貸オフィスの場合はリノベーションの範囲や退去時の原状回復について事前に確認することが重要です。物件によってはリノベーション自体を禁止しているケースや条件を設定しているケースがあります。
原状回復については、どこまで工事をおこなうべきかはオーナーの判断となります。コスト削減を目的にリノベーションをしても、退去時の費用が高額になってはその意味が薄れてしまいます。後々のトラブルを避けるためには、リノベーションの規模に関わらず施工可能範囲を確認しておいた方が良いでしょう。
◾️関連する法律の規定を確認
オフィスを作る際には遵守すべき法律がいくつかあります。
- 事務所衛生基準規則
- 建築基準法
- 消防法 など
社員の安全を守る重要な規定ですが、何が適用されるかはケースバイケースです。たとえばWeb会議用の個室ブースを設置した場合、そのブースの形態により消防法の適用有無が変わります。どのような法令が関わるのか、必ず事前に確認しておくようにしましょう。
自社だけでの判断が難しい場合は、法律の専門家やオフィスづくりの専門業者への相談も検討してみてください。オフィスリノベーションを請け負っている業者であれば、法律関係だけでなく、プランニングからトータルで依頼することも可能です。業者を活用するメリットや業者の選び方は後述します。
◾️工期に合わせ仮オフィスを用意
リノベーションの工事期間中はオフィスを利用できなくなる可能性があります。必要に応じて代替オフィスを準備しておきましょう。大幅なリノベーションの場合1ヶ月以上かかることもあるので、滞りなく業務をおこなうには事前の準備が大切です。
ビジネス関係の設備が整ったレンタルオフィスやシェアオフィスであれば、大きな混乱なく代替オフィスとして利用できるでしょう。短期間での利用も可能なためコスト面でも利点があります。
リノベーション業者を利用するメリットと選び方
前述したようにリノベーションの際には確認すべき法律がさまざまあります。また自社が抱える課題をより良い方向で解決するには、実績やノウハウが豊富な専門業者に依頼するのがおすすめです。プランニングから工事までトータルで請け負ってくれる業者を選べば社員の負担も減らせます。
依頼する業者を選ぶ際は次の3つのポイントを比較しましょう。
- 実績の多さとサービス内容
- 業者の口コミ・評判
- 見積もり
実績の多い業者はノウハウが蓄積され、各種法律にも詳しい傾向があります。希望に沿ったアドバイスがもらえるほか、アフターフォローに対応している業者もいます。自社が求めるサービスを提供してもらえるかを確認しましょう。
また、リノベーション業者の評価を確認することも重要です。業者のWebサイトのほか口コミサイトやSNSなどを参考にしましょう。
もちろん複数の業者で見積もりを取って比較できるとベターです。各業者から提示された価格を比較して適正価格かどうか見極めましょう。
まとめ:オフィスのリノベーションで快適な職場環境を作ろう
自社の抱える課題を解決する方法としてリノベーションという手段があります。リノベーションには綿密な計画立てや費用などさまざまな負担がかかりますが、メリットも多い施策です。たとえば、働きやすい快適な職場環境を整備することで、社員の満足度や業務効率の向上が期待できます。また、リノベーションの内容によってはオフィスコストの削減効果も見込めます。
オフィスリノベーションの際には、ぜひ専門業者への相談を検討してみてください。一口にリノベーションと言っても、管理会社への施工範囲の確認や法令の判定、工事の依頼など多くの手がかかりますが、業者に依頼すればすべてをフォローしてもらえます。
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