応接室のレイアウトで検討すべきポイント|おすすめの応接室セットも紹介
オフィスレイアウト・デザイン・設計
応接室はお客様をおもてなしする場所であり、企業の顔となる場所でもあります。そのため、応接室をつくる際は企業のコンセプトを表現したり、快適さを重視したりなど、おさえておきたいポイントがあります。マナーや快適性も重視したいところです。
本記事では、応接室のレイアウトを考える際に注意しておきたいポイントを詳しく解説しています。企業の事例も紹介していますので、レイアウトを検討する際は、ぜひ参考にしてください。
目次
オフィスにおける応接室の目的
オフィスに応接室を設置する目的として考えられるのは、次の2つです。
- 来客対応
- 会議室としての利用
それぞれについて、詳しく説明します。
■来客対応
応接室を設置するメインの目的としてあげられるのが、来客の対応です。
一般的には、応接室は顧客や取引先など、お客様をおもてなしするスペースになります。周囲の雑音や視線を遮断する形で、執務スペースとは区切られた出入口付近に作られるのが一般的です。
単に会談の場として使うだけではなく、商談や打ち合わせに使われるケースも多く、企業によっては採用面接の際に応接室を利用する場合もあります。
応接室には、お客様を迎える場所にふさわしい、上質で落ち着いた空間づくりが求められます。
■会議室としての活用
近年では、応接室と会議室を共用とする企業も増えてきました。
会議室と応接室は本来の用途が違うため、別々に設置するのが理想ではありますが、スペースが限られている場合に会議室と兼ねて設置するケースが多く見られます。
会議室と共用で設置する場合は、どちらの用途をメインで使用するかによって適切な内装やレイアウトが変わるため、具体的な利用シーンを想定して設計することが大切です。
応接室のレイアウトを考える際のポイント
応接室は、お客様に企業を印象づける、重要な役割を持つ場所となります。レイアウトを考える際には、次のポイントを意識するようにしましょう。
- 必要なスペースを確認する
- 企業のコンセプトを取り入れる
- 快適性を重視する
それぞれについて、詳しく説明します。
■必要なスペースを確認する
応接室を設置する際は、全体でどの程度のスペースが必要となるか確認するようにします。
いくら家具や調度品が豪華でも、圧迫感や狭さを感じる空間だとリラックスした会話はできません。レイアウトを検討する際は、一人当たりのスペースと適切な通路幅の確保を意識するようにします。
一般的な目安として、ソファーとセンターテーブルの間は40~50センチ程度必要です。一人当たりのスペースとしては、幅60センチ、奥行き45センチ程度は欲しいところです。また、椅子と壁が近過ぎると圧迫感があるので、10~20センチは空間を取るようにします。圧迫感を減らしたい場合は、それぞれ10センチほど広めに取ると、ゆとりを持った空間となるでしょう。
応接室のレイアウトを検討する際は、空間の広さを考慮して家具や調度品を詰め込みすぎないような配慮が求められます。
■企業のコンセプトを取り入れる
応接室には、企業の持つコンセプトやコーポレートカラーなどを取り入れると、お客様に企業を印付けられます。
例えば、コーポレートカラーを応接室の内装デザインに取り入れる、自社商品を陳列するといった方法があります。また、目指しているブランドイメージを踏まえた雰囲気を持ったデザインにするのも良いでしょう。応接室のレイアウトデザインで自社の雰囲気を知ってもらい、会話のきっかけとすると会談もうまく進められると考えられます。
応接室は、お客様をおもてなしする企業の顔とも言える場所です。お客様にどのような印象を与えたいか、全体のコンセプトを決めてからレイアウトを検討すると良いでしょう。
■快適性を重視する
応接室は来客の対応をする場所であるため、快適性を高めた空間にすることが大切です。
快適性を高めるには、余裕をもった空間づくりが求められます。ゆとりのあるスペースの確保に合わせて、観葉植物や照明を効果的に使うとリラックス効果が期待できます。さらに、長時間座っていても快適なソファーを導入するのも良いでしょう。
快適でリラックスした空間であると、緊張もほぐれて会談をスムーズに進めやすくなるものです。快適性は部屋全体のイメージにも左右されるため、慎重な設計が求められます。
応接室のレイアウトを考える際の注意点
応接室の設置場所や内装に関しては、具体的に次の点に注意して考えるようにしましょう。
- 応接室までの通路には余裕を持たせる
- エントランスから近い場所に設置する
- 席次マナーを考慮する
それぞれについて、詳しく説明します。
■応接室までの通路には余裕を持たせる
エントランスから応接室までの通路には、できるだけ余裕を持たせるようにしましょう。
お客様が来社した際、応接室までの通路に余裕がなく移動に支障のある状態だと、企業のイメージダウンにもつながります。また、万が一災害が起こった際、通路が狭いと適切な避難経路が確保できません。
応接室までの通路は、人がすれ違える120センチ以上とするようにします。スペースに余裕があれば観葉植物や絵画を飾るのも好印象につながります。ただし、消防法に触れないように、通路や消防隊進入口を家具や装飾品で塞がないレイアウトとなるよう注意しましょう。
■エントランスから近い場所に設置する
応接室は、なるべくエントランスに近い場所に設置するのがポイントです。
応接室が出入口から遠い場所にあると、お客様に移動の手間をかけてしまいます。また、執務スペースを通らなければならない場所に設置されていると社内機密を扱う場所を通ることになり、セキュリティのリスクも発生します。
お客様や従業員が安心できるよう、できるだけ出入口に近く、執務スペースと離れた場所に設置するようにしましょう。
■席次マナーを考慮する
応接室のレイアウトを検討する際は、席次マナーを意識するのも大切です。
応接室はお客様をおもてなしする場所であるため、ビジネス上の礼儀作法が重視されます。一般的には出入口から最も遠い席が上座とされますが、景色の良い席や調度品がよく見える席を上座とするケースもあります。応接室で最も気持ちよく過ごせる席を、上座に設定すると良いでしょう。
ソファーに関しては複数人で座れるソファーが良い席とされています。上座側に複数人の座れる大きなソファーを、出入口側に一人用のソファーを配置するようにしましょう。
応接室向け家具の選び方
応接室の家具として、ソファーとローテーブルのセットを配置するケースが多く見られます。家具を選ぶ際は、次の点に注意しておきましょう。
- 家具の大きさは応接室のスペースとのバランスを考える
- おもな用途を想定しておく
- 快適性を考慮する
それぞれについて、詳しく説明します。
■家具の大きさは応接室のスペースとのバランスを考える
家具の大きさは、部屋のスペースとバランスの取れたものを選ぶようにします。
スペースに対して家具が大きすぎる場合、重厚感がありすぎて圧迫感がでてしまい、移動にも支障が出るケースも考えられます。一方、スペースに対して小さすぎる家具では、がらんとして落ち着きのない印象を与えてしまうでしょう。
一般的なサイズの応接セットは、おおよそ2坪分(約6.6平方メートル)のスペースとなります。ゆとりを持った応接室にしたい場合、4坪程度(約13.2平方メートル)のスペースが必要です。また、スペース的に問題がなくても、搬入口が狭く搬入できないことも考えられます。スペースのバランスと合わせて、搬入できるサイズかどうか考慮して選ぶようにしましょう。
■おもな用途を想定しておく
応接室のおもな用途を想定し、設置する家具を選ぶようにします。
一般的に応接セットは、次の画像にある「2〜3人用ソファー×1・1人用ソファー×2・ローテーブル・サイドテーブル」の組み合わせが多いです。
このような家具を使用する場合、基本的にはローテーブルを挟んで1人用ソファーを2台配置します。複数人掛けの長椅子の方が1人掛けの椅子よりも良い席とされているため、2〜3人用ソファを上座の位置に設置します。お茶出し時にお盆を置くためのサイドテーブルも用意しておくと良いでしょう。
大人数の来客が想定される場合や会議室と併用する応接室では、次の画像にある天板の高い会議用のテーブルと、人数に合わせて増減できる会議用椅子の方が使いやすいケースも考えられます。
また、来客用のコート掛けやハンガーを設置するケースもあります。実際に使われる用途と部屋の広さに合わせて、応接室の家具を選ぶようにしましょう。
■快適性を考慮する
応接室に設置するソファーは、お客様が快適に過ごせるものを選ぶと良いでしょう。
ソファーの材質は、本革・合成皮革・ファブリック(布地)の3種類に大きく分けられます。本革素材は質感や座り心地がよく、高級感を演出できます。耐久性や防汚性もありますがほかの2種類と比較して高価であり、メンテナンスに手間がかかる点がデメリットです。合成皮革は本革に近い質感を持っておりメンテナンスも簡単ですが、耐久性では劣ります。ファブリックは汚れに弱く耐久性に難はありますが、カラーバリエーションが豊富で温かみのある印象を与えられます。
それぞれによって価格や特徴が異なるため、予算や用途に合わせて選ぶようにしましょう。
応接室のレイアウト事例3選
ここから、応接室のレイアウト事例として3社を紹介します。
■株式会社マツキヨココカラ&カンパニー
椅子にはヘッドレストまで付いたオフィスチェアでおもてなし。奥には来客用のコートハンガーを用意しています。
■DCMホールディングス株式会社
大人数を想定した応接室。
来客用コートハンガーの他に、手前にはお茶出しに便利なサイドテーブルを配置しています。
■株式会社二番工房
全体的にスタイリッシュに仕上げた応接室。意匠性の高いテーブル、チェア、コートハンガーの他、自社情報を見てもらえるよう、従業員が着座する側の壁面にモニターや掘り込み棚を配置しています。
まとめ:応接室のレイアウトは用途に合わせた設計にしよう
オフィスに応接室を設置するおもな目的としては、来客の対応です。最近ではスペースの問題から、会議室と兼用とする企業も増えています。
応接室のレイアウトはスペースの確保や快適性を考慮し、企業のコンセプトを盛り込むようにすると、お客様へのアピールとなります。自社のスペースとおもな用途を考え、どのような応接室にするか検討すると良いでしょう。
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