【種類別】オフィスコストの削減方法を解説|成功させるポイントから補助金制度まで

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【種類別】オフィスコストの削減方法を解説|成功させるポイントから補助金制度まで

企業の利益を上げるためには、売上だけでなくコスト削減を考える必要があります。不必要なコストを削減できれば、利益拡大につながるだけではなく生産性向上というメリットも期待できます。

しかし、実際にオフィスのコストを削減しようと思っても、具体的にどのようなことをすればよいのか良いかわからず悩む企業担当者の方も少なくないはずです。

そこで今回は、どのようにオフィスのコスト削減に取り組めば良いか、具体的な方法や成功させるためのポイントなどをご紹介します。

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オフィスで削減できるコストの種類

オフィスのコスト削減に取り組むにあたり、まずはどのようなコストにアプローチできるのかを知っておきましょう。

オフィスで削減できるコストは、おもに次の3つの種類です。

種類
家賃・オフィス用品コスト
  • 家賃
  • PC・OA機器の費用
  • 消耗品の購入費用
  • 印刷代
オペレーションコスト
  • 人件費
  • 物流費
  • 通信費
エネルギーコスト
  • 水道光熱費
  • 社用車のガソリン代

上記のように、オフィスコストは家賃や印刷代が例として挙げられ、おもに業務に当たって直接かかるコストのことを指します。オペレーションコストは人件費や物流費といった人材や商品などに関するもの、エネルギーコストはオフィスを使用する際や業務を遂行する際に付随して必要となるコストです。

コストの種類によって、削減への取り組みやすさは異なります。すぐに実践できる方法もあれば、企業全体として慎重に計画を立てて取り組む必要がある施策もあります。

 

オフィスコスト削減に関する詳細はこちらの記事でも解説しています。

すぐに検討したい削減可能なオフィスコスト

コスト削減にあたって、すぐに検討可能なコストはおもに次の4つです。

 

  • ランニングコスト
  • 消耗備品費
  • 出張費
  • 交通費

 

比較的取り組みやすく効果も感じられやすい施策なので、まずはこれらのコストに削減の余地があるかを考えましょう。一つずつ具体例をご紹介します。

 

1ランニングコスト

ランニングコストは水道代や家賃など、設備や建物を維持するために必要なコストを指します。

 

水道光熱費・通信費

電気・ガス・インターネット・社員に貸与する社用のスマホなどの契約内容や契約先の見直しは、コスト削減につながる可能性が高いです。見直す際は、複数のサービスを相見積もりで比較してみましょう。比較時は価格の安さだけでなく、機能面や使い勝手の良さも含めて総合的に判断することが大切です。

 

また、節電や節水など使い方の見直しもコスト削減につながります。次のポイントを取り入れてみましょう。

 

  • エアコンの過度な冷暖房を抑制する
  • オフィスの照明は人がいるエリアだけつける
  • 水道に節水コマをとりつける

 

よりコスト削減効果を高める方法として、オフィス照明を省エネタイプに変更する手もあります。照明に関しては次の記事で詳しく紹介しています。

これでオフィスの照明選びに迷わない!照明の種類・特徴から工事の流れまで解説

家賃

オフィスの家賃は交渉で安くなる可能性があります。たとえば駅から遠かったり築年数が古かったりなどあまり人気のない物件の場合は、交渉によって家賃を値下げしてもらえるかもしれません。

立地や入居状況、築年数を材料に管理会社に交渉を持ちかけてみましょう。

 

2.消耗備品費

消耗品や備品はまとめ買いすることで安く購入できることが多いです。オフィスでの使用状況や追加購入のタイミングを見て、都度まとめ買いができないか検討すると良いでしょう。

また、新品ではなく中古品を購入することもコスト削減につながりますが、備品の中でもIT機器を買う場合には不具合が出るケースがあるため注意が必要です。

備品は購入以外にレンタルする方法もあります。最近ではビジネス向けのサブスクリプションを展開しているサービスもあるため、費用や使い勝手などを検討したうえで取り入れやすい方法を選びましょう。

 

3.出張費

出張目的が打ち合わせや会議の場合、もしオンラインで代替できるのであれば、Web会議に切り替えることで出張費をゼロにできます。また、Web会議をおこなうことで、費用だけでなく出張の手配や移動費や時間も節約できます。

無料で利用できるオンライン会議ツールを使用すれば、会議開催のコストもかかりません。

 

4.交通費

社員の通勤定期は長期割引を活用すると費用をおさえられます。今まで1ヶ月ずつ購入していた場合は社内で変更の手続きが必要となりますが、削減効果の大きい施策です。

例として、1日の利用者数が最も多いとされる新宿駅から住みたい街ランキングで常に上位にランクインする横浜の通勤費を比較してみましょう。JRを利用した場合の定期代は次のとおりです。

期間 定期代(税込) ひと月あたりの金額(税込)
1ヶ月 16,800円
3ヶ月 47,870円 およそ15,957円
6ヶ月 80,620円 およそ13,457円

参考:ネットde定期(JR東日本旅客鉄道株式会社)

※2022年5月31日現在

 

このように6ヶ月定期だと、1月あたりおよそ3,343円も安くなることがわかります。社員の通勤定期の購入額は適時確認しておきましょう。

計画的に取り組みたい削減可能なオフィスコスト

オフィスの維持費や書類の印刷費用などのコスト削減は、事前に計画を立てよく検討したうえで取り組む必要があります。

ここからは、慎重に削減可能か検討すべきコストをご紹介します。

 

オフィスの維持費

毎月必ずかかる維持費を縮小できれば、オフィス全体として大きなコスト削減につながります。オフィスの維持費をおさえるには、テレワークやフリーアドレス制の導入が効果的です。

テレワークによりオフィスに出社する社員を減らせれば、その分交通費やオフィスにかかるエネルギーコストを削減できます。

フリーアドレス制とは社員がオフィス内で自由に席を選べるスタイルを指します。社員全員分の机や椅子を用意する必要がないため、座席を固定するスタイルと比べてオフィススペースを小さくできます。必要な家具やスペースを縮小することで維持費の削減につながります。

 

書類の印刷費用

カラー印刷は最低限にして、基本は白黒印刷をおこなうよう徹底することでコスト削減を図れます。1枚あたりのインクコストで比較すると、白黒印刷は1〜3円、カラー印刷は8〜12円と大きな差があります。印刷量が増えれば増えるほどコスト差も大きくなるため、支障がない場合は白黒印刷をするようにしましょう。

また、ペーパーレス化も検討したい施策の一つです。ペーパーレス化は印刷費用を削減するだけでなく、資料の保管スペースの縮小や業務効率化を通してさらなるコスト削減につなげられる可能性があります。ただし、電子化が認められていない書類や、紙ベースの方が作業効率の良い業務もあります。社内データの扱いについて現状を把握した上で進めることが大切です。

ペーパーレス化をサポートするツールはさまざまあるため、現場の社員が使いやすく自社に合ったものを選びましょう。

 

人件費・社会保険料

人事・採用・経理・秘書に関する業務は、定型化しやすい業務のため、アウトソーシングが比較的容易です。外部に委託することで社内の限りある人的リソースをより効果的に配分することができます。また社員数が少なくて済む分、社会保険料の負担も削減できます。

バックオフィスの業務を効率化できるツールもあるため、併用することで業務効率の向上も期待できます。

 

その他費用

そのほか削減を検討したいコストに、サブスクリプションサービスの利用が挙げられます。

最近は業務で活用するソフトウェアや複合機などBtoB関連のサブスクリプションも登場しています。ほかにレンタルサービスやリースサービスなどの選択肢もあるため、ランニングコストと同様にそれぞれ比較して見直すとコスト削減になるかもしれません。

オフィスのコスト削減を成功させるポイント

それでは、オフィスのコスト削減を成功させるためのポイントをご紹介します。

 

1.現状調査

まずすべきことは、今のオフィスの現状調査です。何にどれだけのコストがかかっているのか把握していなければ、どこから手を付ければ良いのか判断できません。部署やプロジェクトごとに、現在かかっているコストをリストアップしてもらい、今がどのような状況なのか把握しましょう。

また、社員にコスト削減できそうなことをヒアリングしてみるのも良いでしょう。ペーパーレス化の導入やワークスタイル変革への意見など、現場の声を聞くとより現状を把握できます。またアンケートの際に企業のコスト削減への考えを伝えることで、社員側の受け入れ態勢も整いやすくなります。

 

2.優先順位をつける

現状を元に、取り組みの優先順位をつけていきましょう。優先順位をつける際は実行のしやすさと効果の2つを考慮します。そのうえで手軽に実行できて削減幅が大きい施策から進めていくと良いでしょう。

社員一人ひとりができることは小さくても、全社で取り組めば大きな効果が期待できます。節電や節水など小さくともまずはすぐに実行できることから始め、その間に今後のコスト削減計画を立てると効率よく進められます。

 

3.リスクを把握する

コスト削減に取り組む際はリスクの把握も重要です。不正アクセスや情報漏洩などのトラブルに巻き込まれると、その対応に削減したコスト以上の費用がかかるかもしれません。

また、福利厚生のコスト削減にも注意が必要です。福利厚生のコストを減らしてしまうと、従業員のモチベーションが低下しやすくなり、生産性の低下や退職者の増加、求職者の減少といった悪影響を及ぼす恐れがあります。

オフィスのコストを削減する際には、費用だけでなく必要な機能やポイントを見極めた上で検討を進めることが大切です。

 

4.会社全体を巻き込む

一人ひとりができることには限界があるため、効率よくコスト削減をおこなうには会社全体で取り組む必要があります。

コスト削減を推進するチームや担当者を作ると具体的な話も進みやすくなります。特に大掛かりな施策の場合は、担当を決めて集中的に取り組んだ方が成功の可能性も高まります。

 

5.継続的に取り組む

コスト削減は継続的な取り組みが求められます。一時的な取り組みで終わってしまうと、思った以上の大きな効果は得られないでしょう。そのためにも、事前に削減施策の効果がわかる年間シミュレーションをしておくと良いでしょう。省エネタイプの照明に変更した場合や白黒印刷を主流にした場合の目安費用を算出し、具体的な数値で表すと達成率も確認しやすくなります。

また、定期的にきちんと取り組めているかチェックすることも大切です。数字だけでなく、関係者にヒアリングして現場目線からの定性情報を取り入れることで、より効果を見込める改善施策を導き出せるかもしれません。このように、継続的な効果検証が成功の鍵を握るのです。

コスト削減の取り組みで活用可能な補助金・助成金

オフィスのコスト削減をする際に活用できる補助金や助成金をご紹介します。なお、募集の有無や条件、時期は変わる可能性があります。申請する際は、必ず最新情報を確認してください。

 

中小機構のIT導入補助金

IT導入補助金は、働き方改革で生産性を向上するために活用できる補助金です。最大で450万円補助してもらえますが、A類型とB類型の2種類があります。

種類 A類型 B類型
補助額 30万~150万円未満 150万~450万円以下
補助率 2分の1以下
賃上げ目標 加点 必須
補助対象 ソフトウェア費・クラウド利用料(最大1年分補助)・導入関連費等

IT導入補助金の交付申請および事業実績報告に関しては、補助事業者とIT導入支援事業者が共同で実施します。ただし、最終的な申請はIT導入補助金の公式サイトでおこないます。

IT導入補助金の対象は、生産性の向上に役立つソフトウェアやクラウドサービスなど、ITツールの導入です。対象業種は幅広く、飲食系や宿泊系でも利用可能です。

 

日本商工会議所の小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、販路開拓や店舗の改装、ホームページの作成など業務の効率化のための設備投資で使える補助金です。募集時期は年度によってことなるため、小規模事業者持続化補助金の公式サイトを確認しましょう。

小規模事業者持続化補助金は業種によって従業員の数に規定が設けられています。規定された従業員以下の小さな事業者が対象になります。具体的には次のとおりです。

業種 常時使用する従業員の数
商業・サービス業(宿泊・娯楽業除く) 5人以下
サービス業内の宿泊業・娯楽業 20人以下
製造業その他

なお、医師や学校法人、社会福祉法人は対象外であり、営利法人や個人事業主などが利用できます。

導入する取り組みによって50〜100万円の補助が受け取れます。

 

厚生労働省の雇用調整助成金

雇用調整助成金は、新型コロナウイルスの影響に伴う特例として設けられました。具体的には、事業主が労働者に対して休業手当を支払う際、その一部を助成するというものです。

雇用調整助成金はすべての業種で利用可能ですが、利用するためには次のような条件が設けられています。

 

  • 新型コロナウイルスの影響で経営環境が悪化し、事業活動が縮小している
  • 最近1か月間の売上高もしくは生産量などが前年同月比と比べて5%以上減少している
  • 労使間の協定に基づいて休業といったことを実施し、休業手当を支払っている

オフィスはさまざまな箇所でコストを削減できる

オフィスのコスト削減はさまざまな箇所で可能です。節電や節水、通勤定期代の購入方法の変更など取り組みやすい施策もあれば、ワークスタイルの変革のように慎重な検討が必要な方法もあります。

闇雲に取り組むと、企業にとってマイナスの影響を及ぼす恐れがあります。現状を把握したうえで優先順位を定め、計画的に進めることが大切です。コスト削減を主導する担当者やチームを決めると、より具体的に進めやすくなります。

オフィスのコストを削減する上で役立つ補助金や助成金もあります。活用も視野に入れながら、オフィスコストの削減計画を立ててみましょう。

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