これで自宅をオフィス化できる!レイアウトのポイントから必要な家具までご紹介

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これで自宅をオフィス化できる!レイアウトのポイントから必要な家具までご紹介

近年、テレワークを導入する企業は増えつつあります。東京都が公表したテレワーク実施率調査結果によると、2022年2月のテレワークを実施している企業の割合は62.7%でした。このうち社員300人以上を抱える企業の結果は87.7%となっています(出典元:東京都「テレワーク実施率調査」)。

テレワークに注目が集まるなかで、自宅をオフィス化して仕事環境を整える方も増えています。自宅のオフィス化とは、リモートワークや副業・事業のために自宅内に整えたオフィススペース・環境のことを指します。

この記事では、自宅をオフィス化する際のレイアウトのポイントや具体的なアイテムなどを解説します。記事の後半では実践できる節約術も解説するので、ぜひ最後までお読みください。

自宅をオフィス化する際のポイント4つ

まず最初に、自宅をオフィス化する際におさえておきたい次の4つのポイントを解説します。

・オフィススペースは物理的に区分けする

・デスクや機器は動線を考慮して配置する

・デスクの背後は生活感をおさえる

・生活音が入り込まないように対策する

 

1.オフィススペースは物理的に区分けする

仕事とプライベートを切り替えやすくするために、生活スペースと仕事スペースを物理的に区分けすることが重要です。

自宅での仕事は通勤時間の短縮や育児と両立しやすいなどのメリットがある一方で、プライベートとの切り替えが難しい側面もあります。仕事と生活スペースが同じだと業務に集中できない、あるいは業務時間外でもリラックスできない可能性があるので注意が必要です。

そこで、家の間取りに余裕がある場合は、部屋の一室を丸ごとオフィススペースにすることを、余裕がない場合は、ワークデスクの横に十分な高さのあるパーテーションを設置することを検討しましょう。視界を遮ることで、仕事への集中力を高めることができます。

 

2.デスクや機器は動線を考慮して配置する

仕事をするときに使用するパソコンや机などの用品は、生活スペースと動線が重ならないように配置すると良いでしょう。生活スペースとオフィススペースの動線が重なると済ませていない家事が気になったり、移動の度に仕事と無関係のものが目についたりと、仕事に集中しにくくなる可能性があります。

動線を意識するだけでなく、よく使う物はデスク周りに配置したり、使用頻度が低い物は引き出しや本棚などに収めたりすることも大切です。収納スペースがあることで適切な動線を確保でき、より仕事しやすい環境を整えることができます。

 

3.デスクの背後は生活感をおさえる

リモートワークの場合、業務によってはオンライン会議が必要になるケースがあります。そのため、オンライン会議では自宅内の生活感がパソコンの画面に映り込まないよう工夫する必要があります。

生活感をおさえるためのポイントは次の3つです。

  • 背後が壁に来るようデスクを配置する
  • カーデンや布などを活用する

デスクは逆光で顔が暗く映らないように、窓がない壁側が背後に来るように配置しましょう。背後が壁なら家の様子が映り込む心配はありません。壁側の配置が難しい場合は、画面に映り込む背後のスペースに突っ張り棒やカーテンポールなどを設置して、カーテンや布を吊り下げると生活スペースの映り込みを防げます。

もし物理的な工夫が難しい場合は、バーチャル背景を活用する方法もあります。バーチャル背景とは、オンライン会議で映りこむ背景に任意の画像を設定しておける機能のことです。ビデオ通話ツールの機能によっては、画像だけではなく背景のぼかしやモザイクの設定ができるものもあるので、あらかじめ設定しておくようにしましょう。

 

4.生活音が入り込まないように対策する

リモートワークをする際、家族が自宅にいる環境で仕事をする人も中にはいるでしょう。その場合、生活音や雑音が発生してしまうケースは十分に考えられます。そのため、集中力の低下やオンライン会議の妨げになることを避けるためには、防音対策も必要です。

ここで活躍するのが、ノイズキャンセリング機能付きのイヤホンです。ノイズキャンセリングとは、生活音や騒音などあらゆる周りの音(ノイズ)をカットしてくれる機能のことです。このアイテムを使うことで、家の中でも集中してデスクワークに臨みやすくなるのでとても重宝するでしょう。

また、防音材の活用も効果的です。デスク周りを防音材で囲むと気になる音が遮断されるため、仕事に集中しやすくなります。防音材は、ホームセンターやオンラインショッピングサイトなどで購入可能です。

自宅のオフィス化に必要なアイテム

自宅のオフィス化は、家にある手持ちのデスクやチェアなどを使用しても問題はありません。しかし、テレワークに適した家具があれば、より快適な仕事環境を整えられます。ここでは、自宅のオフィス化に必要なアイテムを解説します。

 

作業に支障がでない広さのワークデスク

デスクは、作業のしにくさや作業効率の低下を防ぐために適した広さのものを選ぶようにしましょう。たとえば、仕事で使うパソコンのサイズを基準にするのも一つの手です。

使用するパソコン デスクサイズの目安
ノートパソコン
  • 幅60cm以上
  • 奥行40cm以上
デスクトップパソコン
  • 幅95cm以上
  • 奥行50cm以上
モニターを設置する場合
  • 幅120cm以上
  • 奥行70cm以上

ビジネスシーンで人気の高いノートパソコンのサイズは13.3インチが多く、A4用紙よりもやや大きめです。筆記用具や資料を使うことを想定すると、幅60cm以上、奥行40cm以上のデスクが適しています。

デスクトップパソコンは、本体とキーボードを置くスペースが必要です。奥行きも考慮すると、幅95cm以上、奥行50cm以上のデスクが適しています。

パソコンとモニターを設置するなら、資料を使うことを想定してより広いスペースの確保が必要になります。パソコンとモニターが1台ずつの場合、ノートパソコンやデスクトップパソコンよりも広めのサイズを選ぶと良いでしょう。

リモートワーク向けデスクの中には、アース付きコンセントや配線コードの収納を兼ね備えたものも数多く販売されています。パソコンに接続する機器の数に比例して配線も多くなるため、コードを収納できるデスクを選ぶとスッキリと使えます。引き出し付きのデスクなら、小物や書類の収納にも便利です。

また、広さだけでなく高さにもこだわりたいところです。体格や椅子に適した高さにすることで、より仕事の快適性が高まります。高さ調整ができるデスクもあるため、ぜひ検討してみてください。

 

高さ調節ができるワークチェア

リモートワークでは、長時間座った姿勢での仕事が想定されます。そのため、ワークチェアはデザイン性だけでなく、疲れにくさや機能性などを考慮して選ぶと良いでしょう。

リモートワーク向けチェアの中には、高さが調整できる昇降機能があるものも多いです。自分の体格に調整したチェアを使うと、正しい姿勢をキープしやすくなります。

デスクの高さとチェアの座面までの高さは、差尺と呼ばれています。身長や体格にもよりますが、理想的な差尺は27~30cm程度なので、デスクとチェアを調整してみてください。このほかには、次のような機能付きのチェアもあります。

機能 特徴 メリット
身体のカーブに合わせた背もたれ 首から肩、背中から腰にかけて2箇所のカーブにフィットする 直立時と同じ自然な姿勢をキープできる
ランバーサポート機能 背骨のS字カーブをサポートする機能 長時間のデスクワークでも正しい姿勢をキープしやすくなる
リクライニング機能 背もたれの角度を調整する機能 座り心地の良さを追求できる
アームの可動域が広い アームの位置を調整できる機能 作業姿勢の変化に柔軟に対応できる
ロッキング機能 動きや体重移動に合わせて身体を支える機能
  • 正しい姿勢をキープできる
  • 座り心地が良い
ラウンド機能 座面が360°回転する機能 起居がスムーズにおこなえる

デスクと椅子の高さについてはこちらの記事も参考にしてみてください。

デスクと椅子の高さの話

 

調節がしやすいデスクライト

オフィススペースを設置する場所や天候によっては、昼間でも十分な照度を確保できないことも想定されます。照度が不十分だと仕事に支障を来す可能性があるため、自宅をオフィス化する際にはデスクライトも必要です。

デスクライトは、照度の種類を調整しやすいものを選ぶようにしましょう。デスクワークに集中しやすい種類は、昼白色や昼光色です。一方でリラックスタイムに適した種類は、暖かみを帯びた電球色です。

調光機能付きでアームの可動域が広いライトであれば、シーンによって自由に切り替えられます。また、作業スペースを十分に確保したい場合は、クランプタイプのライトを選ぶと良いでしょう。

スタンドタイプは自由に移動できるため、ワークスペースを変える機会が多い場合に適しています。

自宅オフィスの作り方とレイアウトのコツ

オフィス化のためにデスクやチェアを揃えても、単に配置するだけでは快適な仕事環境を整えることはできません。自宅をオフィス化する際には、スペースを確保する場所に合わせたレイアウトのコツがあります。

 

ここでは、自宅オフィスの作り方とレイアウトのコツを解説します。

 

一室丸ごとを仕事部屋にする場合

間取りに余裕がある場合は、一室を丸ごとオフィス化するのも選択肢の一つです。個室なら生活スペースと完全に区分けでき、生活音や雑音が入りにくいメリットがあります。

 

生活動線と重ならないのでレイアウトの自由度は高まり、仕事に集中しやすい環境作りが期待できます。

レイアウトタイプ メリット デメリット
アイランドタイプ

(デスクを部屋の中心に配置する)

開放感があり作業しやすい 窓や出入り口を妨げる可能性がある
壁付けタイプ

(デスクの長辺を壁に付けて配置する)

正面が壁側になるので生活スペースの一角でも作れる オンライン会議の際には背面に生活スペースが映りこむ可能性がある
コーナータイプ(デスクの2辺を壁に付けて配置する) スクエア型やL型などのコーナータイプに適したデスクもある デスクの形状によってはレイアウトが難しいことがある

部屋の一部をワークスペースにする場合

ダイニングや寝室などの部屋の一部をオフィススペースにする場合は、パーテーションや家具を使うなど、より工夫が必要です。ワークスペースを作る部屋別におさえたいポイントをご紹介します。

リビング

リビングは人が出入りする頻度が多いため、入口付近にワークスペースを設置するのは避けた方が良いでしょう。

余計な物が視界に入ると集中力が遮られる可能性があるため、生活スペースとは一線を画す工夫が必要です。パーテーションやカーテン、家具の置き方を工夫してみましょう。

ダイニング

ダイニングはリビングと同様に生活感が溢れる場所なので、ワークスペースの設置に適しているわけではありません。ただし、ほかの場所にデスクを置くスペースが確保できない場合は、比較的広さのあるダイニングテーブルだと兼用しやすいでしょう。

パソコンや筆記用具などを置くと、ダイニングテーブルの表面にキズが付く可能性があるので、テーブルランナーを敷いて表面を保護するようにしてください。

また、ダイニングチェアとは別の椅子を用意すると、仕事のオンとオフを切り替えやすくなるのでおすすめです。

寝室

寝室へのオフィススペースの設置は、日中の気になる生活音や雑音が避けられる利点がある一方で、仕事中に家族の睡眠を妨げてしまう可能性があります。

ベッドのほうにライトが向かないような配置を心掛けましょう。また、デスクはベッドとは並列または直角に配置すると、オンライン会議で背景にベッドが映り込むことを防げます。スペース上の問題で配置が難しい場合は、オンライン会議のときにバーチャル背景を使うようにしましょう。

自宅のオフィス化で実践したい節約術

自宅をオフィス化する際には、業務にかかる用品の購入や電気代などコストがかかります。最後に自宅のオフィス化で実践したい節約術を解説するので、ぜひ試してみてください。

 

自動調節可能なエアコンを利用する

テレワークではパソコンに加えて、エアコンの電気代もかさみます。電気代を節約する方法として、自動運転機能付きエアコンの活用を検討しましょう。

エアコンの電力は、室内を設定温度になるまでに多く消費します。その一方、自動運転は室内が設定温度に達した後は微風に切り替えられるため、自分で温度設定するよりも電気代の節約につながります。

また、使い方にもポイントがあります。エアコンはオンとオフのときに電力を多く消費しやすいため、こまめにオンオフを繰り返すよりも稼働させたままのほうが電気代がおさえられます。短時間の外出であればつけっぱなしでも問題ありません。

 

補助金を活用する

国や自治体では、自宅のオフィス化で使える補助金制度を設けています。全国に対応したおもな補助金制度や条件などは、次のとおりです。

制度名 働き方改革推進支援助成金(テレワークコース) IT導入補助金
概要 リモートワークまたはサテライトオフィス勤務を導入するための費用を助成する制度 ITツールを導入する際に活用できる補助金制度
条件 中小企業事業主 資本金や従業員数の要件を満たした中小企業事業主
補助額 最大300万円 最大450万円

これらの制度の申請は企業がおこないます。その他、自治体によって個人事業主向けやテレワークの移住者向けに補助金制度を設けているところもあります。補助金制度の詳細は、自治体の公式ウェブサイトで確認できます。募集の時期や適用条件などは変更になる可能性があるため、事前に最新情報を確認しておきましょう。

 

インターネット回線の契約を見直す

リモートワークはオンラインで仕事をするケースが多いため、電気代だけでなく通信費も増える可能性が高いです。通信費は契約プランや契約会社の見直しにより安くできる場合があります。

料金は通信会社ごとに異なるため、複数社を比較して選ぶと良いでしょう。インターネットの通信速度は、モバイル回線よりも固定回線のほうが速く安定しているケースが多いです。ただし、モバイル回線から固定回線に切り替える場合は、新規工事が必要になることもあります。

集合住宅や賃貸住宅では、固定回線の新規工事が認められないケースもあります。事前に管理会社に確認しておくと良いでしょう。

 

費用の一部を経費扱いにする

企業の中には、リモートワークにかかる費用を一部負担してくれるところもあるため、会社側に確認してみてください。一方で個人事業主の場合、家賃や通信費などの一部を必要経費として計上できます。

経費として認められるおもな費用は、次のとおりです。

  • 家賃
  • 水道光熱費
  • 通信費
  • 業務上で必要な家具
  • 消耗品 など

家賃はすべての費用が経費になるわけではなく、オフィススペースが占める床面積の割合で決まります。ワンルームで床面積を明確に分けられないときは、仕事で使った時間で按分する方法もあります。

必要なアイテムを揃えて快適な仕事環境を整えよう

リモートワークはオフィスワークとは環境が異なり、手に届く場所に生活スペースがあります。オフィススペースを生活動線と重ねると、仕事に集中できなくなる可能性があります。

そのため、オフィススペースは生活スペースと物理的に区分けすることが大切です。仕事の集中力を高めるためには、リモートワーク向けデスクやチェアなど仕事専用の用品を導入すると効果的です。

自宅の間取りに適したオフィス化を図り、快適な仕事環境を整えましょう。

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