企業のBCP対策、どこまで進んでいますか?
働き方
そもそもBCP対策とは?
日本国内30歳以上約2,000人のビジネスパーソンを対象としたアンケート調査では、知っていると回答した人が約27%、聞いたことがある、または知らないと回答した人が約73%でした。
企業が災害などの緊急事態に遭遇した場合に、事業を継続するために災害時の対策や事業を継続するための方法を策定し、あらかじめまとめた計画のことを指します。
度重なる自然災害や地震、新型コロナウィルスの流行などもあり、これからはより加速的に日本での導入が進むことが想定されます。
BCPとBCMとの違い
BCMとは、「Business Continuity Management」の略称で、日本語訳では「事業継続マネジメント」といいます。BCPは「Plan(計画)」であり、BCMは「Management(マネジメント)」を指し、あらかじめ決めておいたBCPをしっかりと運用、活用する為にBCMがあります。
BCPがあってこそのBCMと考えていただくと区別がつきやすいかも知れません。
そういったことが起こらないようにBCP対策をした後はBCMを実施することが重要です。
わからないと答えた約45%の方の勤務先すべてがBCP対策を行っていないのかというと必ずしもそうとは言えません。わからないだけで、会社自体は対策をしているかも知れないのです。
これでは、せっかく策定したBCPが緊急時に上手く運用できないかもしれません。
BCP対策を行うメリット
では、何故必要なのか。
①緊急時の対応力が高まる
BCP対策を行う目的である緊急事態が発生しても事業を継続できる体制を作ることによって、早期復旧が見込めます。そして、早期復旧により事業の縮小や倒産などのリスクを軽減させることができます。
②企業価値を高める
BCP対策をしっかりと行うことによって、企業としての信頼度が高まります。
逆に、BCP対策をしっかりと行っていることによって企業としての信頼が得られ競争力が上がります。
その際に細かく分析するため、自社の根幹にある事業が何かを把握することができます。
BCPの策定に必要なポイント
BCP対策と言ってもまず何をすべきなのか、「実際に災害などの緊急事態に直面したときに期待した効果が得られるのだろうか…。」と不安になりますよね。
そこで、策定するための5つの手順をご紹介します。
順を追ってご説明いたします。
■事業を継続するために優先的に復旧する事業を決める
緊急事態が発生した際に、優先して復旧すべき重要事業を選定します。
更にこの優先する事業を選定後、継続に必要な人員数、設備、情報などを洗い出して把握する必要があります。
■ビジネスインパクト分析
災害やテロなどで業務やシステムなどが停止してしまった場合に、事業にどのような影響があるのかリスク分析(試算)を行います。
これらの分析をせずにBCPを策定してしまうと実用性や具体性に欠けてしまい、緊急時に期待した効果が得られない可能性があります。
■BCPの策定
①②の手順を終えた後にいよいよBCPの策定です。
BCPの発動基準を明確にしておくことによって、従業員が発動しているかどうかわからないという事態を防ぎます。
また、発動時の組織体制を決めておくことでどういったチームで動くのか、外部との連絡が付かない状況で誰が重要な判断を下すのかなどスムーズに動くことができるように準備しておく必要があります。
そして事業への影響を最小限にするために「従業員」という人的リソースはほぼ不可欠と言えます。
災害などの緊急事態では従業員が帰宅することが難しい場合も想定されます。その為、飲料水や食品、寝具などの災害備蓄は欠かさず用意し、従業員の安全を確保しましょう。
■訓練・教育の実施(BCM)
策定した計画をもとに定期的な訓練や研修を行います。
その為、繰り返し訓練を行うことによって緊急時に事に策定されたとおりに従業員が行動できるようにすることが大切です。
■点検・改善
そもそも策定した計画で期待した効果が得られるのか、また実際に訓練を行っていく中での気づきもあるでしょう。
また災害備蓄として食料品を備蓄する必要もあります。
そうすると必然的に消費期限管理が発生するため、訓練による改善とともに災害備蓄の点検も定期的に行うようにしましょう。
まとめ
BCP対策とは?というところからご説明させていただきました。突発的な自然災害はもちろんですが、サイバーテロや社員の不祥事なども事業を揺るがす緊急事態になりかねません。あらゆる事態に備えることでリスクを最小限するBCP対策は企業にとって重要と言えます。