【インタビュー】コーナン商事株式会社のオフィス移転プロジェクト

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コーナン商事 エントランス
所在地大阪府大阪市
クライアントコーナン商事株式会社
業種流通(卸・小売)
完成年月2020年6月

全国にホームセンターを展開するコーナン商事株式会社様が、2020年6月に創業以来本部を構えていた大阪府堺市のオフィスから、ホームセンターコーナン新大阪センイシティー店へ本部機能を移転したプロジェクトについて、総務部 総務グループ副部長の松野 将治様にお話を伺いました。

コーナン商事

※感染対策を行った上で取材を行っています。

次のステップに向けたオフィス移転

本社を移転することになったきっかけを教えていただけますか?
長期ビジョンとして「New Stage 2025」というものを掲げていまして、そのありたい姿である「日本を代表する住まいと暮らしの総合企業」実現のための次のステップとして、本社の移転を決意しました。

新大阪は新幹線や飛行機に乗るにも利便性がいいため「出ていきやすく来ていただきやすい」場所であると考えています。
現在は新型コロナウィルスの感染拡大によって国内外問わず移動は減少していますが、今後このパンデミックが落ち着いた際には世界中から人や情報が集積するビジネス拠点として発展することが期待されます。
そうした商いの玄関口として、さらなる発展を目指して移転しようということが始まりです。

社外だけでなく社内も含めて交流の拠点という位置づけでしょうか?
そうですね。旧社屋に対する愛着もありましたが、堺市ということで飛行機に乗るにも駅に行くにもかなり遠いところでしたので社内外問わず利便性は特にアップしたかと思います。

全国的にも売上が高い新大阪の店舗の一部をオフィスにするというのは、少し勿体ないと感じる部分もありましたが、クリエイティブなオープンイノベーションができるオフィスにするということが移転の大きな方針としてありました。

交流やコミュニケーション向上を意識したオフィスレイアウト

面談ブース コーナン商事

本移転は既存の立体駐車場をオフィスするということで、プロジェクトとしては難易度が高かったかと思うのですが、その中で円滑に進めるためにどういった取り組みをされたのでしょうか?
プロジェクトに関わる人数が多かったので定例会を行ってしっかりと情報共有することは徹底していました。
直接聞くことと間接的に聞くことはどうしてもニュアンスや中身が違ってしまいます。

関わる人数が多い分、そういった齟齬を生まないように、社内社外問わずできるだけ集まってしっかりと共有するという方針で取り組みました。

プロジェクトメンバーはどれぐらいの人数だったのでしょうか?
基本メンバーが7~8人で進めていましたが、内容によっては10人以上、多いときは20人以上が関わることもありました。
だからこそ、先ほどお話したように情報共有というのは徹底して意識していました。

今回の移転で大変だったことはありますか?
元々駐車場だったところをオフィスにしたということはもちろん大変だったのですが、オフィスのレイアウトに関するところですと、今回の移転で重きをおいていた「商談コーナー」については、打ち合わせで使いやすい空間にするにはどうすべきなのか?というところは難しいと感じましたね。

「商談コーナー」がこの本社において大事な部分という方針ではありましたが、オフィスを使う人の意見というのはやはり大事なので、従業員の意見をできる限り収集しました。
いい意見もたくさんあったのですが、すべてを実現することは難しいので当初の方向性に準ずるものだけを残して図面に落とし込んでいくという流れだったので、そこは少し大変でした。

そうして落とし込みを行ったことによって、結果的には使いやすいと言ってもらえるオフィスになったかなと思います。

コーナン商事2

※感染対策を行った上で取材を行っています。

移転の際に最も重要視されたポイントはありますか?
これはふたつあります。

まずひとつは部署間の交流を生み出すこと。
部署間の交流については、堺市の旧社屋には建物がふたつあったため、交流できる場所が限られていたことが課題としてありました。
その為、今回の移転ではできる限り見通しよく、部署間の仕切りをなくして交流しやすくすることを重要視しました。交流によって新たな何かが生まれることを期待しています。

もうひとつは綿密に打合せができる環境を整えること。
旧社屋では会議室や応接室などが全くなかったので「今日会議どこでする?」「どこで打ち合わせする?」なんていう話ばかりでした。
そうした背景もあり、周りを気にすることなくしっかりと打ち合わせができる環境を整えることによって、更なる発展をしていけるようにと考えています。

会議室 コーナン商事

移転後約1年半が経過しましたが、移転前の課題については改善されたのでしょうか?
そうですね。しっかりと打ち合わせができる環境を整えたことによって逆に会議が増えていつも会議室が埋まっているくらいです。
もちろん、商いの玄関口として利便性を高めたことによって来社いただくお客様が増えたということもあります。

社内のコミュニケーションについても会議という形でよくなったということでしょうか?
そうですね。商談コーナーや会議室を使っての会議もそうですが、デスク横にオープンにミーティングができるテーブルも新たに配置したのですが、そこを皆とても使っていますね。
正直なことを言うと最初は本当にそんなものいるのかな?と思っていたのですが、実際に使ってみるととても便利ですね。

それ以外にも、仕切りをなくして各部署の「見通しをよくする」というところにはこだわって作っていただいたので、効果が出てよかったと思うところですね。

働く中で出てきた効果と課題

食堂 コーナン商事

いつも会議室が埋まっているとのことですが、WEB商談の為に埋まっているのでしょうか?それとも対面での会議が増えたのでしょうか?
半々といったところですね。
これもある意味では今後の課題かなとは思っているのですが、WEB商談が増えたことによってひとりで広い会議室を使ったり、集まってモニターで映したりしていることも多いので会議で使用したいタイミングで空室がないこともあるような状況です。

声漏れが気になるから使っているということでしょうか?
そうですね。声漏れを気にして使っている人もいるのですが、内容によっては会議室とは別にある商談コーナーでも対応はできると思うので上手く住み分けて運用していきたいです。また、WEB商談の声漏れを気にしなくてもいいような環境を整えていきたいと思います。

移転したことで意識改革する為の環境を整えることができましたし、それによって意図した意識変化は出てきています。しかし実際にこの社屋で働いて1年半経った今、ハード面を整えるだけでなくソフト面の働き方も変えていく必要があるとも感じています。

話は変わりますが、会議室は予約システムなどで運用されているのでしょうか?
はい。予約システムを導入しているので各自のPCでもできますし、スマホでも部屋の前でも予約できるように連動しています。

稼働率についてちょうど先日統計を取りました。
応接室5部屋、会議室7部屋の合計12部屋あるのですが、平均稼働率が75%なので全体的な稼働率としては高いと考えています。

会議室は「応接室」と「会議室」で名前をわけていて、応接室は社内会議での使用禁止などのルールを設けています。
それぞれ応接室の平均稼働率74%、会議室の平均稼働率75%とほぼ差はありません。

社内会議での応接室使用禁止というルールを考えると、稼働率にほぼ差がないということは来客も増えつつ社内会議の場も増えたということで当初の目的であった「出ていきやすく来ていただきやすい」こと、「打ち合わせができる環境を整える」ことはクリアできたのかなと思います。

元々なかった食堂を今回の移転で会議室と兼用で作ったと思うのですが、社員のみなさんの反応はいかがですか?
みんな非常に喜んでくれましたね。それこそ、「こんな場所を作ってくれてありがとうー!」というような反応でした。いつも同じ席に座る人がいるぐらい人気ですね(笑)

大会議室としても食堂としても兼用できるようスペース効率を考えていただいたこともあって社内ミーティングでも使用しています。

移転したことによって生まれた想定外のメリットのようなものはあるのでしょうか?
食堂については、社内のミーティングとしても使用はしていますが、協力会社や出入りしている派遣社員の方が日中仕事をする場所として活用しています。
所謂コワーキングスペース、シェアオフィスのような使い方になっていますが、これは当初の想定にはありませんでした。今の状況に即した使い方が生まれたと感じています。

逆に移転後に出てきた新たな課題はありますか?
会議時間が長くなりがちなので、これからは会議の「質」を向上させることが課題かなと思っています。
稼働率の統計とともに、会議時間についても統計データがあるのですが、平均会議時間が107分とかなり長い状態です。

またオフィスや会議室だけでなくどこでも業務ができるよう、移転のタイミングで無線LANの導入やノートパソコンの導入を進めているので、Zoom、Teamsなどを活用して場所にこだわらない働き方をより普及させていきたいと思っています。

コロナに左右されないオフィス環境

フリーアドレス コーナン商事

新型コロナウィルスによる社会の変化は、オフィスでの働き方などに影響を及ぼしましたでしょうか。
新型コロナウィルスに関係なく、移転をきっかけに新たな交流を生むために無線LAN、ノートパソコンを導入する計画を立てていて、そのタイミングで新型コロナウィルスが流行したので、働き方がコロナによって変わったということは特になく、オフィス環境やここでの働き方が、コロナ禍でもうまくフィットしたといった感じです。
新型コロナウィルスの感染拡大をきっかけに働き方を変えようとしていたら、お金がもっとかかっていたかも知れないですし、もしかしたらあらゆることが実現していなかったかもしれないですね。

では、コロナ禍前後でオフィスの使い方や社員のニーズなどに変化はありましたか?
特に大きく変わったことがあるかといわれるとそうではないというのが正直なところです。

基本的にはソーシャルディスタンスで運用していたので、リモートワークはあまり取り入れていませんでした。
これだけ広いスペースがあるので、分散出勤というよりは商談コーナーなどを一時的にオフィスとして運用し、分散してソーシャルディスタンスを確保するようにしていました。これもまた移転したからこそ対応できた部分だと思います。

SDGsへの取り組み

※感染対策を行った上で取材を行っています。

最後に、総務部という立場で今後の取り組みなどをお聞きできればと思います。
総務部として、今後はSDGs(Sustainable Development Goals)についてしっかりと取り組んでいきたいと考えています。

もちろん現在もあらゆる取り組みはしていますが、17項目のどこかには何かしら該当するから「私たちはSDGsに取り組んでいます!」というのではなく、SDGsの本質的な目的である「誰一人取り残さない持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現」に向けて、企業として何ができるのか、そしてどのように取り組み、発信していくのかというところをしっかりと進めて行きたいと考えています。

現在はどういった取り組みをされているのでしょうか?
いくつかあるのですが、2016年4月より、和歌山県田辺市において森林保全活動を実施しています。
その活動区域を【コーナン DIYの森】と名付けて弊社の従業員と西牟婁森林組合の皆様で、植栽、下草刈り等に取り組んでいます。

その他にも環境への取り組みとして、一部の店舗や流通センターの屋上に太陽光発電設備を設置し、
地球温暖化の原因の一つとされるCO2の削減に貢献できるよう取り組んでいます。

また社会貢献活動の一環として子どもたちの教育、スポーツ、芸術活動等に役立てていただくために基金への寄付についても毎年行っています。

こうした取り組みを継続しつつも、新たに取り組むべきことがあるのかなどしっかりと情報収集をしながら考えていきたいと思います。

店舗として運営していたビルの駐車場をオフィスにするという大掛かりな移転改修についてコーナン商事株式会社様にお話を伺いました。近年は倉庫などをリノベーションしてオフィス化するという事例も増えており、トレンドを先駆けた取り組みとも言えるのではないでしょうか。移転してから約1年半という期間が経ったことにより、運用していく上で新たな課題も生まれているという同社。企業として次なるステップへ進むために、移転改修をゴールではなくスタートとして常に進化し続けるオフィス作りに尽力される松野様の総務部としての想いを感じるお話でした。

本日はありがとうございました!

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