オフィスの配線のすっきりアイデア集!業者に依頼して工事も検討
オフィスレイアウト・デザイン・設計
オフィス内では複数のPCや電話、その他電気機器が使用されるため、どうしても使用するケーブルは多くなってしまいます。
乱雑なオフィスの配線は景観の見栄えを悪化させるだけでなく、断線や火災発生の可能性を高めてしまいます。配線の問題を放っておくことによるリスクは決して軽視できないため、適切な対策をとることが必要です。
この記事では、オフィスの配線を見直す際に参考にできる具体的な改善アイデアをご紹介します。配線の乱雑化を解決し、安全かつ効率的なオフィス環境を実現するためのコツを把握しておきましょう。
目次
オフィスの配線改善が必要な2つの理由
オフィスの配線改善が欠かせない理由として、次の2ポイントを総務担当者および社内従業員に周知するようにしましょう。
- 断線や火災などの事故防止のため
- 景観改善のため
配線は電気や通信機器を使用する場所では必ず必要です。乱雑な配線の改善や、未然の防止には全社的な理解が欠かせません。2つの理由を中心に、改善の必要性を納得してもらえるようにしましょう。
◾️断線や火災などの事故防止のため
従業員の動線上に配線がある場合、足を引っかけて転倒するリスクを高めてしまいます。従業員が転んでケガをする可能性が高まるだけでなく、ケーブルを踏む、引っ張ってしまうことにより、断線や機器の損傷にもつながりかねません。
動線上だけでなく、デスクの周りの配線にも注意が必要です。椅子を引く、キャスター付きの椅子で座ったまま動く際などにケーブルを踏むことも、断線や機器の損傷リスクを高めます。
また、乱雑な配線はデスクの下やコンセント近くの壁際など掃除が行き届きにくい箇所の火災リスクを高めます。電源タップのたこ足配線や絡まったケーブルは発熱しやすく、万が一埃に引火すると大きな火災になってしまう恐れがあります。
未然に防止するためにも、配線の改善は欠かせない施策と言えます。
◾️景観改善のため
乱雑な配線はオフィスの景観を悪化させます。作業効率を悪化させたり、従業員のモチベーションを下げたりする可能性も否定できないでしょう。
また、景観が整然としていないオフィスは、取引先や来客に対するイメージダウンにつながりかねません。乱れたオフィスが取引や交渉に与える悪影響は決して軽視できないものです。
整理整頓されたオフィスは不要なリスクを回避し、職場の景観や従業員のモチベーションを良好に保つことにもつながります。ケーブル類はオフィス内でも特に散らかりやすい要素の一つであるため、景観のためにも配線の改善を試みることが大切です。
オフィスの配線整理アイデア
実際にオフィスの配線を改善する際に使えるアイデアを紹介します。手軽な手段から抜本的な改善まで幅広く把握し、自社で取り組めるものを検討してみましょう。
◾️ケーブルタイなどで複数の配線を束ねる
オフィスの配線整理には、ケーブルタイやスパイラルチューブなどのアイテムが役立ちます。工事も不要で複数のケーブルを簡単に束ねて整理できるため、すぐに取り組める簡単な手段です。
ケーブルタイにはさまざまな種類があります。長さを調節できるフリーカットタイプや、取り外しが簡単なマジックテープタイプのケーブルタイは、使用するケーブルの数や太さに応じて調整が可能です。
スパイラルチューブは配線を一本にまとめるための道具です。非粘着性のテープを複数のケーブルに巻きつけてまとめられます。粘着テープを使用しないため、ケーブルの増減がある際には一時的にほどいて巻きなおすことも可能です。
◾️電源タップで配線を集約する
複数のコンセントを挿せる電源タップを利用すれば、複数の機器や家具の配線を集約できます。デスク上にデスクトップパソコンやディスプレイなど複数のデバイスがある場合でも、電源タップがあれば電源に関する配線の流れを整理整頓できるでしょう。
電源タップは多くの口数を持つ製品を選ぶようにしましょう。可能な限りケーブルを一か所にまとめることで配線の乱雑化を防止しやすくなります。クランプで固定できるタイプの電源タップも、デスクの下や側面に取り付けられるため省スペース化に役立ちます。
また、コンセントごとにオンオフのスイッチがある電源タップは節電をおこないやすく、雷ガードがついているものは落雷時の故障リスクを低減できます。省エネや万が一のリスクも踏まえたうえで、電源タップを選びましょう。
ただし、電源タップでの配線集約をする際は、電気容量やたこ足配線に注意が必要です。安全性をしっかり考慮した上で正しく使用するようにしてください。
◾️ワイヤーネットやバケットで配線を整理する
ワイヤーネットやバケットを活用して、配線をデスクや床から浮かせることも有効です。壁やデスクの側面、裏面といった垂直の平面にケーブルを引っ掛け、配線が地面に接する面積を可能な限り減らせます。
ワイヤーネットは金網状の器具で、ケーブルを通す、ケーブルタイなどの結束バンドでケーブルや電源タップを縛りつける用途に向いています。バケットも金網状で隙間の多く空いたかごで、配線類をまとめて置いておくことができます。
ワイヤーネットやバケットをデスク側面などの垂直面に設置し、ケーブルをまとめておければ配線周りの床掃除が簡単になり、埃の堆積などを防止できるようになるでしょう。
◾️箱やカバーで配線を隠す
より簡易な整理手段として、箱やカバーで配線を隠す手法も有効です。乱雑になってしまった配線を箱の中に収納する、カバーで覆うことで見た目も整然とし、埃をガードできるため火災も防ぎやすくなります。
配線隠しに利用可能な箱の代表例はケーブルボックスです。電源タップやケーブルのタイでまとめた配線を箱の中にしまえば、すっきりとしたオフィスを実現できるでしょう。デザインも豊富なため、オフィスのインテリアと合わせて美観を整えることも可能です。
配線カバーは、壁面や床の隅に配線を通すための覆いです。ケーブルを部屋の外周部に回すことで動線へはみ出す部分を減らせます。レイアウト上どうしても動線と配線が被るエリアがあっても、十分な強度を持ったカバーならケーブルを防護できます。
◾️無線化で配線を減らす
インターネット通信に使用するLANケーブルが原因で配線が乱れている場合は、通信の無線化も検討してみましょう。無線LANのネットワークを構築してオフィス内インターネットをWi-Fi接続に切り替えれば、有線LANのケーブルを削減できます。
固定デスク以外でのインターネット利用が多い場合には、ケーブルをつなぐ手間の削減や業務のスムーズ化も期待できるでしょう。
また、Wi-Fi接続を利用することで、オフィスのレイアウトのフリーアドレス化をおこないやすくなります。フリーアドレスの基礎知識やメリットの詳細に関してはこちらの記事でより詳しく解説しています。興味のある方はぜひご覧ください。
フリーアドレスオフィスを導入する3つのメリットと失敗させないコツを徹底解説
◾️配線収納スペース付きのオフィス家具を使う
あらかじめ配線を収納するスペースがついたデスク・テーブル類を使用することもおすすめです。オフィス向けの家具のなかには、配線カバーや配線トレーが最初から設置されており、電源タップや各種ケーブル類を収納できるものもあります。
例えば、配線トレーつきのテーブルを会議室に設置すれば机の上で電源との接続が完結するため、パソコンやプロジェクターをスムーズに使用できるようになるでしょう。テーブルから伸びた配線も、配線ボックスやカバーを使用すれば綺麗にまとめられます。
◾️オフィスをOAフロアに変更する
オフィス内のコンセントの位置やレイアウトなどによって改善が難しい場合には、OAフロア化による抜本的な改善も検討してみましょう。OAフロアとは、配線を収納するための二重構造フロアで、既存の床の上にパネルを設置し、床とパネルの間に配線を収納します。
OAフロアでは配線をパネルの下に隠すため、配線を踏みつけたり躓いてしまうリスクを大きく軽減できます。見た目もスッキリするため、配線の乱雑化による悩みを根本から解消できるでしょう。
OAフロアに関しては次の記事で詳しく解説しています。OAフロアに関する知識を深め、自社にとって有効な選択肢であるかどうかを判断するために参考にしてみてください。
オフィスの配線改善をする際に気をつけること
配線を通じた電力供給は業務にとって欠かせないエネルギーですが、取り扱いを間違えるとリスクを招くため注意しましょう。
配線整理のアイデアを活用する前に、次のポイントに留意しておくことが大切です。
- 配線を集約する際は電気容量を計算しておく
- 配線自体が劣化していないか確認する
- 配線は8の字巻きでまとめる
- 配線改善の実作業は計画的におこなう
それぞれのポイントの詳細を解説します。
◾️配線を集約する際は電気容量を計算しておく
電源タップなどで配線を集約する際には、電気容量が許容範囲内かどうかを計算しておきましょう。電源タップはコンセントを挿せる場所を増やせますが、大本のコンセントで使用できる電気の量は決まっています。
電源タップにつなぐ機器の使用電力を計算し、同時使用しても問題なく稼働するかどうかを計算しましょう。日本の一般家庭での電気関係の目安は次のとおりです。
電流:アンペア(A) | 電圧:ボルト(V) | 電力:ワット(W) |
コンセント1箇所当たり15A | 家庭用電源で100V | 定格容量1500W |
たこ足配線が危険とされる理由は、これらの基準を超えがちであることにあります。機器がこれらの目安を超えないように機器をつなげれば、危険性は低減できます。
電源タップで対応可能な範囲を超えてコンセントが不足している場合は、オフィス内のコンセントそのものの増設が必要です。ただし、賃貸物件の場合は管理会社の許可が必要になる可能性があるため、増設する際は事前に確認するようにしましょう。
◾️配線自体が劣化していないか確認する
配線に使用しているケーブルの劣化度合いを確認しましょう。工夫を凝らして配線の整理をおこなっても、ケーブルそのものが劣化している場合は断線や発火の可能性が高いため注意が必要です。
LANケーブルが古くなっている場合にも注意が必要です。劣化による断線で通信ができなくなる恐れがあります。LANケーブルは種類や製造世代によって性能も異なるため、買い替える際は最新のものを選ぶと良いでしょう。
配線の劣化や性能不足によるトラブルを未然に防ぐためにも、配線をまとめる前にケーブルそのものの状態を確認し、必要であれば買い替えをおこなうことが大切です。
◾️配線は8の字巻きでまとめる
配線を整理する際にはケーブルを8の字巻きでまとめましょう。8の字巻きは、ケーブルに負荷がかかりにくいので断線予防になるほか、ねじれを打ち消しやすく、癖を残りにくくするために有効な手段です。
8の字巻きの手順は次のとおりです。
- 左手でケーブルの端を持つ
- 右手でケーブルのねじれを取りながら伸ばす
- 右手でケーブルを丸め、8の字の下段を作る
- 左手で8の字の下段をおさえつつ、右手で8の字の上段を作る
- ケーブルの余りが無くなるまで繰り返す
- 8の字の下段と上段を重ね円形にする
円形にまとめたケーブルをケーブルタイなどで止めるとより形が崩れにくく、まとめやすくなります。まとめを解いてケーブルを伸ばす際も歪みにくいため、ケーブル類をまとめる際には8の字巻きを意識しましょう。
◾️配線改善の実作業は計画的におこなう
オフィスの配線改善作業は、業務の邪魔にならないよう計画的におこないましょう。営業時間中にコンセントやLANケーブルを抜き差しする作業をおこなうと、パソコンやサーバー、電話などが一時的に使用できなくなり、業務に支障をきたす可能性があります。
配線の改善作業をおこなうさいには、スケジュールの事前周知をおこない、作業の受け入れ体制を整えてもらうようにしましょう。日中などの業務中に作業を挟みにくい場合には、利用者の少ない定時以降の時間帯などに作業をおこなうことも有効です。
オフィスの配線改善はどこに相談できる?
配線の改善が必要な範囲が広い、専門性が必要という場合では自社の人員だけでは対応が難しいこともあります。専門業者の力を借りて配線をおこなうことも検討してみましょう。
配線のみの改善を考える場合には、配線整理を専門とする専門業者の利用を検討してみましょう。配線全般や電源ケーブルやLANケーブルなどの個別対応をおこなっている業者も少なくないため、ピンポイントでの対応が可能です。
オフィス全体の配線を、レイアウトレベルから抜本的に改善したい場合はオフィスに関するトータルサポートを提供している業者の利用が有効です。単に配線を整理するだけでなく、レイアウト変更や家具の配置、工事の手配をまとめて対応してもらえます。
アイリスチトセでは、配線も含めオフィスに関するお悩み全般をサポートしております。配線の悩みを抜本的に改善したい場合は、ぜひアイリスチトセへご相談ください。
まとめ:オフィスの配線を見直して事故リスクや景観を改善しよう
配線の整理整頓は、オフィスの安全性や景観を良好に保つために欠かせない作業です。ケーブルが乱雑に床に散らばっている、容量を超えたたこ足配線となっている、ケーブルの劣化などが見られる場合は、配線を見直して問題発生を未然に防ぐことが大切です。
オフィスの配線改善のアイデアにはケーブルタイや電源タップなどの道具を活かした簡単なものから、デスクやオフィスレイアウトを変えるレベルの抜本的かつ大規模なものがあります。費用や業務への影響を踏まえて、自社にとって最適な選択肢を探しましょう。