オフィス休憩室のアイデア&事例を紹介!快適な休憩室づくりのポイントも
オフィスレイアウト・デザイン・設計

オフィスに居心地のよい休憩室を設けることで、従業員が気軽にリフレッシュでき、満足度の向上だけでなく、業務効率や生産性の改善にもつながります。近年では、カフェ風やイベント対応型など、多目的に活用できるデザイン・レイアウトの休憩室も増えています。本記事では、快適で働きやすい休憩室をつくるためのポイントやアイデアを詳しく解説するとともに、実際におしゃれで機能的な休憩室を実現した企業の事例も紹介します。
目次
オフィスにおける休憩室の重要性

オフィスにおける休憩室とは、従業員が昼休みや仕事の合間などの休憩時間に、心身をリフレッシュさせるための場所です。定期的にリフレッシュの時間をとることで、業務効率や生産性の向上につながります。
多くの企業が社内に休憩室を設けているのは、法律を遵守するためでもあります。労働基準法の第34条では働く上での休憩時間が定められており、従業員は勤務時間が6時間を超える場合は最低でも45分、8時間を超える場合は最低でも1時間の休憩をとらなければなりません。また、労働安全衛生規則第613条でも、休憩スペースの設置は企業の努力義務とされています。
休憩室と休養室の違い

「休憩室」がリフレッシュやリラックスのために利用されるのに対し、「休養室」は体調不良の対応や疲労回復などが利用目的です。そのため休養室にはベッドやソファなど、横になって休むための設備が必要になります。
労働安全衛生法に基づく事務所衛生基準規則では、常時50人以上、または常時女性30人以上の労働者を雇用する事業者は、横になることができる休養室もしくは休養所を、男性用と女性用に区別して設置することを義務付けています。
オフィスに休憩室を設置するメリット

休憩室の設置は、従業員と企業の双方にとってメリットがあります。おもなメリットを紹介します。
1. 集中力回復や生産性向上につながる
長時間集中力を持続することは難しく、心身が疲れたままで作業すると、効率が落ちるだけではなく思わぬミスや事故を引き起こすことがあります。
社内に居心地のよい空間があれば、従業員は気軽にリフレッシュでき、集中力の回復が見込めるでしょう。さらに、オンオフ切り替えてメリハリをつけることで、作業効率がアップし、生産性の向上も期待できます。
2. 従業員満足度が向上する
心身をリフレッシュできる休憩室を設けることで、従業員は仕事へのモチベーションを保ちやすくなります。おしゃれで充実した設備が整った休憩室であれば、企業への愛着が湧き、従業員満足度の向上が期待できるでしょう。
3. 社内コミュニケーションが活性化する
通常の業務だけでは、交流する範囲がおもに部署やチームのメンバー内に限られます。しかし、さまざまな部署・立場の従業員が利用しやすい休憩室を設置すれば、部署や立場を超えた交流が活性化します。
休憩室では情報交換や雑談がしやすいため、お互いへの理解も深まるでしょう。職場の雰囲気が明るくなり、社内の一体感も生まれます。
4. アイデアが創出されやすくなる
リラックスした状態のときに、新しいアイデアが浮かびやすいという人は多いもの。休憩室は、よいアイデアが浮かばないときにデスクから離れてリラックスできる場としても活用できます。休憩室で交わされた何気ない会話から、思いもよらないアイデアが生まれるかもしれません。
5. 企業ブランディング強化に寄与する
内装にこだわったおしゃれな休憩室が社外からも評価されると、企業ブランディングや採用強化につながります。また、企業イメージを体現した休憩室を来客との打ち合わせに活用すれば、企業メッセージを効果的に伝えられます。
オフィスの休憩室づくりのポイント

1. 執務室からの適切な距離感を検討する
休憩室と執務室の距離が近すぎると、仕事と休息を切り替えにくくなるため、配慮が必要です。たとえば、ランチタイムが交代制の場合、休憩室と執務室の距離が近いと、それぞれの声や音が届いてしまいまい、十分に休憩がとれない、業務に集中できないといった問題が発生する可能性があります。反対に、執務室から休憩室までの距離が遠すぎると、休憩室の利用頻度が下がってしまいます。
コミュニケーション活性化のために、あえて休憩室と執務室の距離を近づけるケースもあるので、休憩室の設置目的を踏まえ、執務室との距離感を検討しましょう。
2. 執務室とは異なる雰囲気にする
執務室とは異なる雰囲気にすることも、休憩室づくりにおけるポイントです。休憩室と執務室の雰囲気が似ていると、オンオフのメリハリがつかず、休憩室としての役割が十分に果たせない可能性があります。執務室とは違ったデザインの家具や壁紙を採用するなど、リラックスしやすい空間づくりを意識しましょう。
3. 人数に合わせた十分な広さを確保する
休憩室をリラックスしやすい居心地のよい空間にするためには、ある程度の広さが必要です。休憩室が狭いと、かえってストレスに感じてしまう可能性があります。休憩室を食事やミーティングにも使用できる多目的な場として活用するのであれば、より広いスペースを確保するのが理想です。
利用目的と人数に適した広さを検討する際は、従業員一人当たりの面積を参考にしてみるとよいでしょう。休息や食事など利用目的が限られている場合は、従業員一人当たり0.6坪のスペースがあれば十分といえます。一方、休憩室を多目的で使用したい場合は、0.7~0.8坪以上になるよう検討しましょう。
4. 従業員のニーズを反映する
快適な休憩室をつくるには、何よりも利用する従業員の意見が大切です。事前に社内アンケート調査を実施し、従業員のニーズを把握しておきましょう。
従業員の意見を無視するとニーズに合わない休憩室になり、積極的な利用が望めない可能性があります。要望を可能な限り反映すると従業員の利用頻度が増えるだけではなく、満足度の向上にもつながります。
5. 利用ルールを決めておく
休憩室は部署や立場を問わず、多くの従業員が出入りする場所です。誰もが気持ちよく利用できるよう、利用ルールを策定しましょう。
<利用ルールのおもな項目>
- 利用時間
- 設備の利用方法
- 飲食物の管理方法
- 話し声や音楽などの音量
- 清掃の仕方
ルールを守らない従業員が増えると、居心地の悪さから休憩室に立ち寄るのを避ける人も出てきます。入り口や壁など目に入るところにルールを掲示する、実状にあわせて定期的にルールを見直すといった工夫を取り入れてみましょう。
オフィスの休憩室にあると便利な設備

設備を充実させれば、休憩室を飲食の場やイベント・ミーティングの開催場所として活用できます。また、ゆったりとくつろげる設備を取り入れれば、よりリラックスしやすい空間になります。
飲食に関する設備
コーヒーメーカーや冷蔵庫など、飲食に関する設備があれば、ドリンクや軽食を楽しみながらリフレッシュできます。飲食ができると自然と人が集まり、コミュニケーションがさらに活性化するでしょう。ランチタイムやカフェ代わりの利用も見込めます。
<飲食に関する設備の例>
- ウォーターサーバー
- コーヒーメーカー
- 自動販売機
- 電子レンジ
- オーブントースター
- 冷蔵庫
くつろぎに関する設備
次のような設備があれば、休憩室がよりくつろげる空間になります。
<くつろぎに関する設備の例>
- ソファ・リクライニングチェア
- マッサージチェア
- 本棚
快適性はもちろんデザイン性にもこだわり、おしゃれで洗練された休憩室をつくり上げましょう。
イベント・ミーティングに関する設備
休憩室をイベントやセミナー、ミーティングなどの会場として活用する場合は、次のような設備があると便利です。
<イベント・ミーティングに関する設備>
- 大型モニター
- プロジェクター
- スピーカー
- ホワイトボード
さらに、キャスター付きの家具を配置すれば、内容や参加人数に合わせたレイアウト変更が容易になります。社内の休憩室なので気軽にイベントやミーティングを開催でき、参加もしやすいでしょう。
休憩室を快適な空間にするためのアイデア

休憩室は工夫次第で、より快適な空間にアップデートできます。休憩室を快適にするためのアイデアをみていきましょう。
開放感を演出する工夫を取り入れる
休憩室の開放感を演出するために、次のような工夫を検討してみましょう。
<開放感を演出する工夫>
- 照明を明るくする。
- 壁紙や床材は白やクリームなどの明るい色を選ぶ。
- 窓から自然光を取り入れる。
- 背が低い家具を選ぶ。
明るい空間は本来の面積以上にスペースを広く見せます。また自然光が取り入れられる窓があると、より開放的な空間に。カーテンやブラインドを設置しておけば、従業員が自由に明るさを調整できます。圧迫感を軽減するには、家具の高さを低くするのが効果的です。
インテリアにこだわる
休憩室に設置する椅子やテーブルなどのインテリアは、デザイン性にこだわるのがポイントです。加えて、座り心地や触り心地、使い勝手も重視することで、従業員のモチベーションや満足度の向上につながります。休憩スペースが狭く多数の家具を置けない場合は、コンパクトサイズの家具を活用しましょう。
アイリスチトセでは、コンパクトで機能性に優れたテーブルや、スタッキングが可能な椅子、スタイリッシュなデザインのミニテーブルなど、休憩室に適した家具を数多く揃えています。快適かつ利便性の高い家具をお求めの際は、ぜひご検討ください。
アイリスチトセのオフィス家具はこちら
一人になれるスペースを設ける
一人で集中したいときや仮眠したいときなどに、周りの目を気にせず利用できるスペースが休憩室にあると喜ばれます。複数人で利用できるスペース、一人で利用しやすいスペースなど、さまざまなニーズに合わせたスペースを設けることで、従業員が利用したくなる休憩室に近づきます。
カフェスペースを併設する
休憩室内にカフェスペースがあると、気軽に飲食ができて従業員がより快適に過ごせます。カフェのようなおしゃれな雰囲気であれば自然と人が集まりやすくなり、コミュニケーションが活発になるでしょう。
関連記事▼
オフィスカフェ設置で快適な職場に!メリットや活用方法、おしゃれな事例を紹介
グリーンを活用する
観葉植物をはじめとしたグリーンには、ストレスや疲労を軽減する効果があるとされています。空間に鉢植えが一つあるだけでも爽やかな印象になるため、休憩室には積極的にグリーンを取り入れてみましょう。
関連記事▼
オフィス緑化の効果やメリットとは?導入の手順やポイント、取り組み事例も紹介
オフィスの休憩室におすすめの家具4選
リラックスできる休憩室をつくり上げるには、家具選びも重要です。休憩室におすすめの家具を紹介します。
■イーザック-フラップテーブル

商品のテーマは「カフェのような空間創造」で、多機能な上に落ち着いた雰囲気を醸し出す木質感が溢れたテーブルです。
デザインはティア型・勾玉型・スクエア型の3種類を展開しており、利用目的に応じてフレキシブルに対応できる組み合わせタイプです。どれも曲線を強調した躍動感あるデザインなので、まるでカフェのような雰囲気を味わえます。
| 利用シーン |
|
| 組み合わせの可否 | 可 |
| 収納性 | 平行スタックが可能 |
| サイズ(W×D×H) |
|
| 天板 | メラミン化粧板 |
| 木口 | 樹脂巻き |
| 脚部 | スチールパイプメラミン焼付塗装 |
| キャスター | 75Φ大型キャスター |
詳細はこちら
■イーザック-十字脚テーブル

複数人での食事やミーティングなどの多目的で利用する場合は、EASAC(イーザック)の十字脚テーブルがおすすめです。目的や人数に応じて多彩な組み合わせが可能です。
天板は、暖かみのある木目調のデザインです。着座しやすい十字脚構造を採用しているため、立ち座りがスムーズにおこなえます。また、天板の裏側には荷物が掛けられるフックを標準装備しています。
荷物の置き場を確保する必要がなく、バッグから中身の出し入れする際もスムーズです。デザインはスクエア型・ラウンド型・カイト型の3種類を展開しており、サイズがそれぞれ異なります。
| 利用シーン |
|
| 組み合わせの可否 | 可 |
| 収納性 | – |
| サイズ(W×D×H) |
|
| 天板 | メラミン化粧板 |
| 木口 | 木目樹脂巻き |
| 脚部 | チールパイプメラミン焼付塗装 |
| キャスター | 75Φ大型キャスター(ダブルロック) |
詳細はこちら
■CLU-LU

休憩室の雰囲気に合わせて椅子を選ぶなら、カラーバリエーションが豊富な「CLU-LU」がおすすめ。背クッションと座クッションの素材は、ソファやベッドにも使用されているウレタンフォームです。通気性や柔軟性に優れているため、長時間の着座でも身体への負担を軽減できます。
背クッションと座クッションの素材は、ソファやベッドにも使用されているウレタンフォームです。通気性や柔軟性に優れているため、長時間の着座でも身体への負担を軽減できます。
デザインはループ脚・木製脚・キャスター脚・ハイカウンター脚の4種類を展開しており、サイズや収納性がそれぞれ異なります。
ループ脚タイプは6脚まで、キャスター脚タイプは5脚までスタッキングできるため、収納性が抜群です。デザインによって特徴が異なるため、自社の休憩スペースの利用に適したものを選びましょう。
たとえばハイカウンター脚タイプは脚が長めなので、ハイカウンターテーブルとの相性が抜群です。キャスター脚は移動させやすいため、利用目的や人数に応じてテーブルのレイアウトを変更する際に便利です。
| サイズ(W×D×H) |
|
| 収納性 |
|
| 素材 |
|
詳細はこちら
■フークチェア

休憩スペースの利用人数が多いことを想定している場合は、コンパクトなデザインのフークチェアがおすすめです。フークチェアはコンパクトなデザインなので、テーブルからの出入りがしやすいです。
そのため、社員の入れ替わりが激しいランチタイムでも、スムーズな出入りをサポートします。デザインは4本脚・ループ脚・カンチレバー脚・カウンターチェアの4種類を展開しており、脚タイプだけが異なります。
どのタイプも背の上部にバックをかけやすいデザインなので、大きな荷物がある際に便利です。
| サイズ(W×D×H) |
|
| 収納性 |
|
| 本体仕様 | メラミン化粧板 |
| 脚仕上げ | 塗装またはクロムメッキ |
詳細はこちら
快適な休憩室の企業事例
休憩室づくりの際、他社の事例を参考にすると多くのヒントを得られるでしょう。快適な休憩室の企業事例を紹介します。
【間仕切りの活用・グリーンの配置】アース環境サービス株式会社

アース環境サービス株式会社様では、間仕切りを活用してワークスペースの一角にフリースペースを設置しました。パーテーションだけではなく、ワークスペースとは異なる床の色も一種の間仕切りとして機能しています。
壁際には立体感のあるウォールグリーンを大胆にあしらい、グリーンの床材と組み合わせました。家具の高さをおさえることで、広々とした空間に仕上がっています。パラソルつきのテーブルセットも設置し、屋内でありながらまるで屋外のような開放感が出ているのが印象的です。実際に、観葉植物も多く取りいれており、従業員ができる雰囲気づくりに役立っています。
従業員がくつろげるよう、つり下げ式のハンギングチェアを置いているのもポイントです。リゾート気分でゆったりと揺られながら、読書や会話など休憩時間を思い思いに過ごすことができます。
◾️【自然光を活用】積水ハウス株式会社 郡山支店様

続いてご紹介するのは、積水ハウス株式会社 郡山支店様のラウンジです。壁の二面が窓になっており、うち一面からは自然光がふんだんに入るため、明るい空間に仕上がっています。窓際にカウンター席を設置することで、限られたスペースでもできるだけ多くの席を確保しました。日差しがまぶしければブラインドで調整できるようにしています。
また、濃いブラウンの床に対し、壁を白くしているため視線が下に行き、広々と感じられるのも特徴です。木目調のテーブルやチェアと観葉植物も相まって、カフェ風のおしゃれな空間になっています。一人で休憩するときはカウンター、打ち合わせのときはテーブル席、くつろぎたいならソファと、席の種類も豊富で、用途に合わせて選べます。
電子レンジやポットなど簡単な設備も揃っているので、ここで飲食をすることも可能です。
【ソファ席を採用したフリースペース】株式会社Seven Arcs

株式会社Seven Arcs様では、ワークスペースの一角に休憩室を兼ねたフリースペースを設置しました。ワークスペースとの区別として、フリースペースではソファ席を採用しています。ワークスペースからのアクセスを確保しつつも、ソファ席の背が間仕切りのようになり、独立したスペースとして機能しているのが特徴です。
また、大きなソファ席と広々としたテーブルを組み合わせているので、一人ゆったり座ることも、大人数で賑やかに楽しむこともできます。
照明はおもに白を使用し、テーブルやソファの木目部分、ファブリックも明るい色で統一しました。窓に頼らなくても全体的に明るく開放感を感じられる空間づくりがされており、従業員がリラックスできるよう工夫が凝らされています。
フリースペースなので、ランチや打ち合わせ、イベントなど幅広いシーンで利用可能です。
【多様な休憩スペースを設置】株式会社Speee

株式会社Speeeでは、オフィス内に図書館やバーカウンター付きのカフェ、仮眠室、マッサージルーム、トレーニングルームなどを設置しています。これにより、従業員それぞれが好きなことをして休憩時間を過ごせるようになりました。また、「出社したくなるオフィス」づくりや社内コミュニケーションの活性化にも寄与しています。
関連記事▼
【インタビュー】株式会社Speee「出社が基本という意思決定から考えたオフィス設計~ 個人や組織の成長をサポートするオフィスへ~」
快適な休憩室で従業員満足度と生産性の向上を目指そう

休憩室は、工夫やアイデア次第でおしゃれで快適な空間にできます。設備を充実させれば、カフェスペースやイベント・セミナー会場など、多目的に活用することも可能です。従業員のニーズに合った休憩室をつくることで、満足度や生産性の向上も期待できるため、ぜひ自社に合った空間づくりを検討してみてください。
休憩室のレイアウトや家具選びにお悩みであれば、アイリスチトセにご相談ください。従業員の働き方に合わせた空間設計で、最適なデザインをご提案いたします。
アイリスチトセへのご相談はこちら