会議室のレイアウト7種類｜人数別に適した広さ・レイアウトや事例を紹介

会議室を設置する際は、用途や想定される使用人数を踏まえ、最適なレイアウトを検討する必要があります。使いやすく快適な会議室を作りあげれば、参加者の満足度が高まり、会議の活性化につながるでしょう。本記事では、会議室のレイアウトの種類や人数に応じた適切な広さ、会議室におすすめのアイリスチトセのオフィス家具を紹介します。

会議室に適したレイアウトは、おもに7種類あります。それぞれの特徴を解説します。

1. 小規模会議や商談に適した「対面形式」

対面形式は、テーブルを挟んで参加者同士が向かい合って着席するよう椅子を配置したレイアウトです。10人未満の小規模な会議や取引先との商談などに適しています。

＜メリット＞

参加者同士が顔を合わせて意見交換しやすい。

チームの一体感が生まれやすく、立場や役職に関係なく対等な意識で発言しやすい。

＜デメリット＞

人数が多くなると、両端の参加者がディスカッションに参加しづらくなる。

2. プレゼンテーションや企画会議に適した「コの字形式」

コの字形式は、「コ」の字型にテーブルを配置し、外側に沿って椅子を並べた、会議室のベーシックなレイアウトです。テーブルを置かない部分を前方とし、そこにプロジェクタースクリーンやホワイトボードなどを設置するのが一般的です。プレゼンテーションや業務報告会、企画会議などに適しています。

＜メリット＞

参加者の顔が見えやすく、ほどよい距離感で向き合えるので、コミュニケーションやディスカッションが活発になる。

資料を共有しやすい。

＜デメリット＞

コの字の内側がデッドスペースとなるため、広めの会議室を用意する必要がある。

3. 中～大規模のフォーマルな会議に適した「ロの字形式」

口の字形式は、カタカナの「ロ」の字型にテーブルを配置し、外側に椅子を並べたレイアウト。「くちのじ形式」と呼ばれることもあります。重役会議や有識者会議といった、中〜大規模のフォーマルな会議などに適しています。

＜メリット＞

適度な距離感で意見交換しやすい。

参加者同士の視線を意識しやすく、ほどよい緊張感を保って議論できる。

＜デメリット＞

ロの字の内側がデッドスペースとなるため、広めの会議室を用意する必要がある。

4. セミナーや講演会に適した「スクール形式」

スクール形式は、学校の教室のようにテーブルや椅子を正面に向けて配置したレイアウトです。正面には、演台やプロジェクタースクリーン、ホワイトボードを設置します。セミナーや講演会、研修などに適しています。

＜メリット＞

正面に立つ話し手・講師に注目しやすい。

話し手・講師は、参加者の顔や反応を見ながら進行しやすい。

＜デメリット＞

参加者が同じ方向を向いているため、参加者同士でのディスカッションには不向き。

5. 多人数が参加する入社式や講習会に適した「シアター形式」

シアター形式は、スクール形式からテーブルが排除されたレイアウトで、椅子のみを正面に向けて配置します。多人数に対して、話し手が一方向の発表、報告をおこなう場面で用いられます。筆記を伴わない入社式、講習会、発表会などに適しています。

＜メリット＞

参加者が一方向に注目しやすい環境を作れる。

テーブルを置かないため省スペースで、多人数を収容できる。

＜デメリット＞

筆記が必要な場合は、バインダーを配布するなどの配慮が必要になる。

6. グループワークやブレインストーミングに適した「島型形式」

島型形式は、複数のテーブルと椅子を配置して「島」を作るレイアウトで、「アイランド形式」とも呼ばれます。一つのテーブルに、4〜8人程度が着席するスタイルが一般的です。大人数の組織において、まずは少人数で親睦や議論を深めたいときに採用されます。グループワークやグループディスカッション、ブレインストーミングなどに適しています。

＜メリット＞

少人数のグループに分けることで、参加者の発言の機会が増える。

＜デメリット＞

参加者全体でのディスカッションが難しい。

7. 会合や懇親会に適した「正餐（せいさん）形式」

正餐形式は、複数の円卓を配置し、その周りを取り囲むように椅子を並べたレイアウトです。一般的にパーティーや披露宴などで採用されているレイアウトで、ビジネスにおいては、懇親会や食事を伴う会合に適しています。

＜メリット＞

参加者が食事を楽しみながら交流を深められる。

＜デメリット＞

円卓を用意する必要がある。

交流する相手が限定されやすい。

利用人数によっても適したレイアウトは異なります。またレイアウトを考える際には、寸法の参考となる基準値を把握しておくことが重要です。

＜レイアウトプランニングの参考となる寸法の基準値＞

これらを踏まえ、利用人数別に会議室に適したレイアウトと寸法を紹介します。

4〜10人が利用する場合

4〜10人程度の小規模な会議室には、次のようなレイアウトが向きます。

• 対面形式
• コの字形式
• 島型形式

会議室の用途によって1人当たりに必要なスペースは異なりますが、小規模な会議であれば次のような広さが最低限の目安です。

【対面形式／4人会議で2対2で着席する場合】

最低限確保したい会議室の広さ：5.0㎡

※

幅：テーブルうしろのスペース800mm × 2 ＋ テーブル奥行900mm ＝ 2500mm

奥行：1人当たりのスペース600mm × 2 ＋ テーブルから壁面までの距離800mm = 2000mm

幅2500mm × 奥行2000mm = 5.0㎡

コンパクトなテーブルや椅子を選ぶと、圧迫感をおさえられます。また、会議中の移動が多いプレゼンテーションなどをおこなう場合は、十分な通路スペースを確保しましょう。

10〜30人が利用する場合

10人以上の中〜大規模な会議には、おもに次のようなレイアウトが向きます。

• 対面形式
• コの字形式
• ロの字形式
• スクール形式
• 島型形式

ディスカッションをおこなうならコの字形式や島型形式、研修で使用するならスクール形式といったように、会議室の目的に応じたレイアウトを採用しましょう。スクール形式を例にした寸法は、次のとおりです（会議室が手狭な場合を想定）。

【スクール形式／15人会議で2人掛テーブル・3人掛テーブルが3列並ぶ場合】

最低限確保したいスペース：18.81㎡

※

幅：1人当たりのスペース600mm× 5 ＋ 2人掛テーブルと3人掛テーブル間の距離800mm =3800mm

奥行：テーブルうしろのスペース800mm × 3 ＋ テーブル奥行450mm× 3 ＋  テーブルから壁面までの距離1200mm ＝ 4950mm

幅3800mm × 奥行4950mm = 18.81㎡

30人以上が利用する場合

30人以上の大人数となる場合、参加者全員でのディスカッションは不可能になるため、研修や勉強会向けのスクール形式や、グループ分けして議論し合える島型形式を採用することが一般的です。

デスクを設置しようとすればかなりのスペースが必要となるため、1人当たりに確保できるスペースがあまりない場合は、シアター形式を検討するのがよいでしょう。30人以上を収容できるシアター形式の会議室として、最低限確保しておきたい寸法目安は次のとおりです。

【シアター形式／8人並び席が5列で計40人収容する場合】

最低限確保したい広さ：約26㎡

※

幅：1人当たりのスペース600mm × 8 ＋ 椅子から壁面までの距離1200mm × 2 = 5040mm

奥行：座ったときのスペース400mm × 5  ＋ 椅子の前後距離400mm × 5  ＋ 壁面から1列目の席までの距離1200mm ＝ 5200mm

幅5040mm × 奥行5200mm= 約26㎡

会議室のレイアウトを上手にプランニングするために知っておきたいポイントを紹介します。

1. ゾーニングや動線を考慮する

オフィスにおけるゾーニングとは、役員室や執務室、受付などそれぞれ役割の異なるゾーンの特性や関連性を鑑みて、効率的で快適な間取りを検討することです。

会議室のレイアウトを考える際は、会議室の内装だけでなくオフィス全体の動線まで考慮したゾーニングが重要になります。

次のポイントに注目すると作業効率が向上し、従業員がストレスなく業務に取り組める環境を実現しやすいでしょう。

• 社員の作業動線が途切れる箇所はないか。
• 社員同士のコミュニケーションがとりやすいか。
• 関連性の強い部署が離れていないか。
• 機器配線が複雑になっていないか。

会議室を、利用頻度が高い部署の近くに配置するケースがよく見られます。しかし、落ち着いた空間や静かで集中しやすい環境を重視するなら、執務動線から少し外れた配置を検討してみましょう。

2. 防音対策を実施する

重要な会議がおこなわれる場合は、情報漏洩防止だけではなく、外部からの雑音を遮断するための防音対策を徹底しましょう。マグネットで取り付けられる防音フェルトボードなら、スチールパーテーションに貼るだけで簡単に防音効果を高められます。

また、会議室を1部屋確保できる場合は、壁や床にロックウールコンクリートやグラスウールといった吸音性の高い素材を使用すると効果的です。ただし賃貸オフィスだと、原状回復時に追加コストを請求されるケースがあるので、導入する際は注意が必要です。

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3. 使用目的に合った家具を選ぶ

自社における会議室の役割・用途に適したテーブルや椅子を選ぶことも重要です。たとえば商談や重役会議をおもな用途とする会議室では、木目や茶系の落ち着いた色合いで、フォーマルかつ重厚感のあるものが人気です。

一方、さまざまな用途で使用する場合は、多様なレイアウトに変更しやすいようコンパクトで移動性に優れた家具を導入するのがよいでしょう。会議テーブルや椅子には次のようなタイプがあります。社内のニーズに沿ってより最適なものを選定しましょう。

【会議テーブル】

• 据え置き（固定）：デザインや機能が幅広く、デスクを拡張できるタイプもある。
• 可動式：キャスター付きで移動しやすく、レイアウト変更が自在。

【会議椅子】

• スタッキング可：積み重ねができ、収納性に優れている。
• スタッキング不可：素材や機能性を重視したものが多く、疲労軽減も期待できる。

4. 専門業者への依頼を検討する

会議室のレイアウト変更は、家具の移動のみならず、モニターなどの配線関係や消防法の知識、地震災害に備えた家具の転倒防止対策などが必要になります。そのため、専門的なノウハウやデザイン力を持った業者へ依頼するのが賢明です。

業者に依頼すれば、レイアウトの作成から各種工事、家具の移動などの力仕事はもちろん、デザイン性といったクリエイティブな面まで任せられ、手間や負担を軽減できます。

実績豊富な業者であれば、今までのノウハウを生かし、より自社の雰囲気に適したレイアウトを提案してもらえるでしょう。レイアウト変更に関して少しでも不安がある場合は、業者委託も検討してみてください。

アイリスチトセでは、テーブルや椅子といったさまざまなオフィス家具を多数取り揃えています。その中から、会議室に適したオフィス家具を5つ紹介します。

ANTY（アンティ）

2人以上が同時に使用できるANTYの可動デスクです。一般的な横長可動デスクでは1人が揺らすと、その振動が同じデスクに座っている全員に影響を与えます。しかし、ANTYは優れた安定性を備えており、全員が個々の作業に集中しやすい点が魅力です。

さらに、低床設計により出入りがスムーズで、両側には荷物を掛けられるフックが装備されています。移動式キャスターとアジャスターが切り替え可能で、安定性と収納力を兼ね備えた万能タイプです。

フラップテーブルFT89

フラップテーブルFT89は、優れたスタック機能とアジャスター調整で、安定感と収納性があります。さらに、ワイドな幕板でより快適なミーティング環境を実現。

荷物掛け用のフックを装備している点まではANTYと同様ですが、スタッキングピッチが89ミリメートルと非常に収納効率が高いので、レイアウト変更が多いなどフレキシブルに使う会議室に向いています。

向かい合って着席するロの字、コの字型の会議にも活用しやすいでしょう。

Visto（ヴィスト）

Vistoはスタッキング可能な会議椅子です。スタッキングの際は床置き6脚、台車使用時20脚まで対応できます。

特殊樹脂を使用しているため伸縮性がよく、メッシュ構造のため通気性も抜群です。背座は樹脂加工で汚れにくく、メンテナンス性まで考慮した長く活用できる製品です。

Cryst（クリスト）

Crystは利便性とデザイン性を兼ね備えたスタンダードな会議椅子で、スタックも可能です。

利用者の体圧を分散するやわらかなダイメトロールシートの座面と、体を適度にホールドしてくれるスリッド形状の背面構造が特徴。長時間座っていても疲れにくいミーティング環境を可能にします。

移動が可能なキャスタータイプもあり、用途に合ったものを選べます。

クローズ型ブース

最近需要が増えているWeb会議に対応したクローズ型ブースで、1人・2人・4人用の製品を展開しています。

既存のオフィス空間にも工事不要で比較的安価に設置できる、小さなスペースでも導入できるといったメリットがあります。優れた遮音性・吸音性によりセキュリティ面にも配慮でき、静かで集中できる空間のため個人のワークスペースとしても活用できます。

また、LED照明により疲れにくい明るさを保ち、アイリスPCモニターを壁付けると、より作業効率をアップできるでしょう。さらに、換気ファンにより常に新鮮な空気を循環させられるため、2〜4人用のブースでも安全に利用できます。

その他、エアコンが付いており、床なしで出入りのしやすいクローズ型ブースも展開しています。エアコンは3段階調整可能なので、夏でも快適に過ごせます。

働き方の多様化に伴い、会議室に求められる機能やデザインといったニーズも変化しています。そのような中で注目を集めている、トレンドの会議室をみていきましょう。

対面とオンラインの両方に対応した会議室

テレワークの普及など働き方の多様化により、Web会議の機会が増え、対面とオンラインの両方に対応できる会議室の需要が高まっています。また、対面の参加者とオンラインの参加者が同じ会議に出席する「ハイブリッド会議」も増加しています。

このような状況では、オンライン参加者の声が聞こえやすいよう高品質のスピーカーやマイクを用意する、音声や映像が途切れないよう安定したインターネット環境を用意するなど、スムーズにコミュニケーションがとれる環境の整備が重要です。

デザインやインテリアを重視した会議室

ぬくもりを感じる自然素材や観葉植物を取り入れた、カジュアルな雰囲気の会議室もトレンドです。リラックスした雰囲気を作ることで、参加者の創造性やコミュニケーションの向上が期待できます。

レイアウト変更しやすいオープンな会議室

少人数でのちょっとしたミーティングや相談に向く、オープンな会議スペースの設置も増えています。個室ではないので気軽に使用でき、社内コミュニケーションの活性化につながります。

キャスター付きのテーブルや椅子で会議スペースを作れば、会議の参加人数に合わせて自由にレイアウト変更ができます。また省スペースでの設置が可能になるため、会議室不足の解消にも役立つでしょう。オープンスペースの導入メリットについては、次の記事で詳しく紹介しています。

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 オフィスにおけるオープンスペースとは？導入のメリットや成功させるためのポイント

最後に、おしゃれで機能的な会議室の事例を紹介します。自社の会議室レイアウトをプランニングする際にご参考ください。

アイリスグループ東京アンテナオフィス

ABWを導入し、フレキシブルな働き方やウェルビーイングを推進しているアイリスグループ。その一環として、小会議室、ミーティングルームの一つに「Well-Being」とネーミングした部屋があります。この部屋は、従業員や来社する方にウェルビーイングの考え方を知ってもらう、きっかけ作りの意図で設置しています。

アイリスグループ東京アンテナオフィスのインタビュー記事はこちら

【インタビュー】アイリスチトセ株式会社「WELL認証取得がもたらす社内への好影響とは」

コーナン商事株式会社

コーナン商事株式会社は、オフィス全体で交流やコミュニケーションを意識したレイアウトを採用しています。会議室においては、周りを気にせずにしっかりと打ち合わせができる環境を整えた結果、従業員の利用頻度が上がりました。

また、対面形式の小規模な会議室も複数設置しています。圧迫感が軽減するよう、完全な個室ではなくセミクローズドな空間を作りあげているのもポイントです。

コーナン商事株式会社のインタビュー記事はこちら

【インタビュー】コーナン商事株式会社のオフィス移転プロジェクト

村田機械株式会社

村田機械株式会社は、オフィス改修に伴いフリーアドレスを導入しました。島型形式やコの字形式の会議室に加え、オンラインミーティングやWeb会議に利用できる個人ブースやソファブースも設置し、従業員が利用しやすい環境を整えています。

村田機械株式会社のインタビュー記事はこちら

【インタビュー】村田機械株式会社「フリーアドレス導入で起きたコミュニケーションの変化」

会議室のレイアウトは、用途や利用人数に応じて検討することが大切です。また会議室のトレンドを取り入れることで、参加者の満足度向上につながります。会議やコミュニケーションの活性化を意識し、実りある会議がおこなえるレイアウトをプランニングしましょう。

アイリスチトセでは、オフィス移転・改修のトータルサービスを提供しています。年間1,000件以上の実績とアイリスグループの総合力を活かしサポートします。会議室のレイアウトにお困りの方もぜひ、お気軽にご相談ください。

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